お客さまの健康課題の解決と貢献をめざして。目的を見据えて基礎研究に取り組む
私は現在、乳酸菌研究所 栄養機能研究部 栄養機能グループに所属し、主に栄養素材に関する基礎研究と新たな商品開発に向けたデータ取得に携わっています。具体的には乳幼児用ミルクの研究を担当し、既存製品の改良や価値向上、健康課題の解決をめざした新製品の開発につなげています。
子育てにおいては、母乳で育てられないケースが一定数あるもの。そうした方々の不安を少しでも取り除くために、乳幼児用ミルクの研究では母乳で育つ赤ちゃんと変わらない健康を手に入れられる、安心感のあるミルクを世に届けることをめざしています。
日々の業務では、細胞実験や臨床試験に携わることが多く、臨床試験は病院と共同研究することがほとんど。その中で私は、試験の計画を立てたり、計画通り進めるための運営役を務めたりしています。
また、乳幼児用ミルクの研究の臨床試験は海外でも実施することがあるため、海外企業や現地の方々とは英語でコミュニケーションを取っています。日本語ほど流暢には話せないのと、日本人同士なら不要な細かなニュアンスや事情まで説明しないと伝わらない、という難しさはありますが、おたがいに気持ちよく仕事ができるように、丁寧な対応を心がけています。
乳酸菌研究所では乳酸菌はもちろん、それ以外の栄養に関する研究にも力を入れています。基礎研究ではどうしても「商品」というアウトプットが遠く感じることもありますが、「お客さまのどんな健康課題を解決し、どう貢献できるのか」という目的を見据えて研究するように常に意識しています。
たとえば私はいま、乳幼児用ミルク以外にも脳機能商品の研究にも取り組んでいます。脳機能は加齢に伴ってどんどん落ちていくと言われていますが、サプリ等の食品を摂取することでその常識を変えられるかもしれません。「どうしようもないこと」と皆さんが諦めているような健康課題も含めて、それを解決するような商品を具現化し、お客さまの健康増進に貢献できればと思っています。
誰もが自信を持って働ける環境を。ステップアップ研修がキャリアのターニングポイント
私のキャリアを振り返ると、2022年に参加した「ステップアップ研修」が大きなターニングポイントとなりました。「ステップアップ研修」とは、女性のキャリア形成を支援する明治独自の社内研修。女性ならではのバイアスを理解して乗り越える方法や、自信を持ってステップアップしていくための具体的な行動などを学べると知り、参加を決意しました。自分や他者への理解を深めて、誰もが自信を持って積極的に働けるような環境づくりに少しでも貢献できたらいいなと考えたんです。
入社当時、私は上司に恵まれ「マナーとしての上下関係はあるかもしれないけど、研究者としての上下関係はない。だからどんどん考えを言ってほしい」と言われていたのですが、社内にはまだ女性が思うように意見を言いづらい雰囲気があって、すごくもったいないと思っていました。
多くの仕事はチームで成り立っていますよね。単に個々人の能力が高いだけではチームとしての力を最大限発揮できないばかりか、場合によっては下がることさえある。だからこそ適切な情報共有やコミュニケーションが必要ですし、 各メンバーが責任を持って自立し、信頼関係を築けたら、チーム力はもっと上がるはず。それを引き出せる人になりたいという想いもありました。
「ステップアップ研修」では、学んだ内容を最終的に社長にプレゼンする機会があるのですが、私は「グローバルリーダーの育成」をテーマとしました。このテーマを選んだ理由は2つあり、1つは先ほども話したように海外で臨床試験を行なう上で難しさを感じたこと。グローバルな仕事に取り組むときにリードしてくれる存在がいることで、海外業務に挑戦するハードルを下げられるのでは、と思ったんです。
もう1つは、これまでの明治のグローバル化が実態としてはあまり進んでいないと感じていたこと。当時の考えであった「グローバル人財=外国籍の方」という点にも疑問を持ち、そもそもの定義から提案したい、と考えました。
もちろん「外国籍の方の雇用を増やす」のもグローバル化の1つだと思いますが、社内の現状は「海外経験が少ない日本人社員」が大半。そのマンパワーを使わずに新しく呼び込むのは、すごくもったいないことだと思ったんです。
長く明治で働いてきた方であれば、社内の制度や日本での仕事の進め方は深く理解しています。そうした知識やスキルを少しカスタマイズすれば、グローバルでも活躍できる人財となり、日本と海外双方の良さを活かした独自商品を生み出せるのでは──そんな考えから「ステップアップ研修」での最終プレゼンに臨みました。
グローバルERG「Glowbridge」の立ち上げメンバーとして。日本と海外の架け橋をめざす
「グローバルリーダーの育成」についてプレゼンした私は、その後人財開発部の方から声をかけていただき、「グローバルERG(Employee Resource Group)」の立ち上げメンバーとして現在も活動に参加しています。
このERGの目的は、社内のDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を促進し、グローバルな視点を持った人財の育成を支援すること。グループ名はGlobal×bridgeの造語で「Glowbridge」といい、日本と海外の架け橋となって明治のグローバル推進を支えたいという想いが込められています。
「Glowbridge」の主な活動は、「社内の異文化理解の促進」と「社外のグローバル調査」の2つ。私は「異文化理解」の方を担当していて、まずは社員に海外勤務のリアルを知ってもらおうと、実際に中国に駐在している社員たちにインタビューを実施しました。
赴任先でどんな仕事や生活をしているのかはもちろん、辞令が出たときどう感じたか、ご家族の反応はどうだったか、お給料事情はどうかなど、皆が気になるであろうこともどんどん質問し、グラフィックなども交えてスライドにまとめたんです。とくに辞令については、皆ドキドキ気になっていることなので、「辞令の予感は事前にどれくらいあった?」という答えをパーセンテージで表すなど、興味をひく情報をわかりやすくまとめました。
それを社内で発信したところ、たくさんのアクセスをもらいました。これまでは駐在社員の情報を気軽に得られる場や仕組みがなく、皆気にはなるけど知る術がなかったんですよね。いざ自分が海外で働くことになったとき、事前にこうした情報があるのとないのとでは、ハードルの高さがまったく違ってくるはず。新たな環境に飛び込む人の不安を少しでも和らげられたらうれしいですね。
私がERG活動で最もやりがいを感じるのは、社員からのアンケートでポジティブな反応をもらえたとき。アンケートを読むと、皆グローバル化や海外勤務についてとても前向きで、自分が慎重に考えていたことが恥ずかしくなるくらい(笑)、精神的な強さを感じます。そうしたマインドセットに触れる機会を持てたのも、この活動のおかげです。
また、「Glowbridge」の活動や海外での臨床試験に参加するようになってからは、ニュースサイトやショート動画を見るときに日本と海外の反応の違い、価値観や考え方の違いを意識するようになりました。各国の制度や文化の違いを知れば、現地の方々とやり取りするときの伝え方を改善できますし、コミュニケーションが以前よりスムーズになったと感じます。
グローバルERGからの発信が、価値観や文化、考え方の違いを知るきっかけになれば
今後グローバルでの活躍をめざす皆さんに伝えたいのは、「一歩踏み出す勇気」を持ってほしいということ。一歩踏み出せば、自分の世界はどんどん広がり新しい可能性に出会えますし、これから世界はますますボーダーレスになっていくはず。この変化を恐れることなく、皆で楽しんでいけたらいいなと思っています。
私は異文化理解を進める上で大切なのは、まずは何よりも「違いを知ること」だと考えています。日本で生まれ育つと、多少の差はあれ、おおよその価値観や常識は一致していて、「私ってどんな価値観を持っているんだろう」「日本ってどういう文化なんだろう」とあらためて考える機会がほとんどないですよね。そして、ずっとその価値観や常識の中にいると、「他の国ではそれが当たり前ではない」ということにもなかなか気づけません。
グローバルERGからの発信によってたくさんの社員がそれに気づき、自分と異なる考え方を知ったり、自分自身のアイデンティティを深掘りしたり。そんなきっかけになったらいいなと思っています。
グローバルERG活動を通じて、私があらためて感じた明治という会社の魅力は「人の温かさ」。ここには物腰柔らかく、優しくて思いやりのある人々が多くて、活動を進めるうえでいろんな方に助けてもらいました。ときに、気を使いすぎるが故に行動を躊躇してしまうという側面もありますが、周りのことを考えながらアクションを起こせる人が今後増えれば、強い力になると信じています。
活動はまだまだ始まったばかりで、もっともっといろんな方に興味を持って参加してほしいという課題もありますが、前向きで明るく、人を思いやるという明治らしい社風を保ちながら、グローバル化への改革を推進していきたいと思っています。
※ 記載内容は2024年3月時点のものです

