日常の業務を楽しむ工夫の数々。仕事への意欲を高められるような環境づくりに努めて
結婚後、長く専業主婦をしていましたが、子どもが手を離れたのを機に株式会社 明治(以降、明治)のグループ会社に1998年に入社。ここでは約20年近く勤務し、さまざまなことを経験しました。
配属されたのは総務部。人事や労務を主に担当し、パートさんたちの賃上げや男女の賃金差の解消など、就業規則や労働環境の改善に努めました。
とくに苦労したのが人員の確保です。フルーツを使ったゼリーなども製造していたことから、季節によって必要な人手の数が変動するため、繁忙期には100人ほど人員を追加で確保したこともありました。
印象に残っているのが、安全事務局を任された時のこと。機械や設備など現場についての知識がまったくなく、安全管理の担当者の多くは男性。最初はひどく戸惑いました。
自分には無理だと思いながら始めた仕事でしたが、社外に出てグループ会社や本社の人たちと会って会議に参加したり、工場見学をさせてもらったり、たくさんの貴重な経験をしました。そして新しい仕組みを現場に落とし込んでいくには、導入して呼びかけるだけでは浸透していかないこと、現場の人への細やかなフォローが必要なことなどを学びました。この学びは今も生きていると感じます。
2019年4月には明治の倉敷工場の立ち上げに参加し、その後、明治に転籍となりました。就業規則や、勤怠や給与の計算方法などに慣れず、複雑な作業に追われ、仕事を覚えるのが大変だった記憶があります。
現在は人事・労務のほか、衛生管理者として社員の健康管理などにも携わり、仕事への意欲を高められるような環境づくりに努めています。
その一環で2022年に企画・実施したのがスクワットマラソンです。健康の維持・向上を目的としたもので、10回×3セットのスクワットを週に2回、3カ月間続けることを社員に呼びかけました。スクワットって正しいやり方をすると、すごく効くんですよね。ですから正しいやり方をどうやったら伝わるかと業務課のみんなと話し合って、説明用の動画を撮影しました。スクワットをやりきった人には景品を用意するなど、楽しく取り組める工夫もしました。
また、倉敷の美観地区をボランティアガイドさんと共に散策するイベントも企画しました。これには130人ほどいる工場で働く社員のうち、約30人が参加。「ガイドさんがいてくれたおかげで、新しい発見があった」とみなさんに喜んでいただきました。
仕事をする上で心がけているのは、自分が楽しく、モチベーションが上がるようなことを常に提案していくこと。コロナ禍のために新人さんの歓迎会を開催できないなど、これまで交流の機会は限られてきました。こうしたイベントをきっかけに、社員同士のコミュニケーションが活性化してきていると感じ、とてもうれしく思っています。
「今さら」ではなく「今から」学ぶ。50代からのリスキリングと自己変革に向けて
明治ではD&I推進の一環として、シニア社員のキャリア開発とリスキリングを支援する取り組みを行っています。2023年には50代後半の社員400人以上を対象に「50代キャリアデザイン研修」と「50代キャリアデザイン面談」が実施され、私も参加しました。
「50代キャリアデザイン研修」では、事前課題やグループワークを通じて自己理解を深め、いきいきと活躍する将来像を自ら考え、アクションプランを立案。一方の「50代キャリアデザイン面談」は、人事部員と対話しながらアクションプランを振り返り、新たに身につけるスキルを見つけ出して一歩踏み出す行動を促すという内容でした。
50代後半となりこれから定年を迎えるにあたって、「自分のキャリアはもうおしまい」と自分で自分の限界をつくってしまっていたところがあったんです。面談の中で、「まだまだこれから。研修を受けて新しいことを学んでいってほしい」と力強いメッセージをもらって、勇気づけられる思いでした。
研修と面談を受けた後は積極的にリスキリングに取り組んでいます。たとえば、先日参加したのが「ストレングスファインダーワークショップ基本編」。これは自分自身の強みを発見し、それを活かすための具体的な方法を学ぶことを目的とした研修です。
受講して知った私の強みは、まだ誰もやったことがない新しいことに情熱を持って挑戦できること。そして弱みは、考えを固める前に口に出したり行動したりしてしまうところ。だから、周囲に説明するときはもう少し内容を詰めてから伝えると、賛同を得やすいとアドバイスをもらいました。
それまで気づいていなかった自分らしさや資質に気づくことができ、それを活かすためのヒントも得られました。不得意なことを克服するよりも、得意なことを伸ばしていくことの大切さを学べたことは大きな収穫でした。自分の強み、弱みを理解した上で、仕事を進めていきたいと思っています。
また、オンラインではなく研修所で実施された研修だったため、さまざまな人との出会いを通じて刺激をもらえたのも有意義でした。仕事への意欲が高まった実感があります。
自ら学ぶことが良い刺激に。職場に根づきつつある新しいことを学ぶ姿勢
キャリアデザイン研修と面談、またその後のリスキリング研修を受けたことで、新しい知識やスキルを積極的に取り入れ、自分をアップデートしていく必要性を痛感しました。実際、この1年で工場内のシステムはどんどん更新されていて、学ぶべきことや覚えなくてはいけないことがたくさんあります。若い社員に遅れをとらないよう、気持ちを引き締めているところです。
周囲に付いていけなくなることへの不安から、何かを学ばなければと感じていたのですが、そうやって学ぶ機会が社内に用意されているのは非常にありがたいことですね。また、研修参加は就業扱いになるなど、業務として受けさせてもらえることにも感謝しています。
業務について説明するような研修はこれまでにもありましたが、新しいスキルや考え方が身につく研修が充実していて、それらを自由に受けられる環境があるのは画期的なことだと感じています。内容はどれも質の高いものばかりです。
研修を受けていて実感するのは、参加している人たちがとても真面目で、懸命に学ぼうとしていること。また、研修後の反応がとても良いのも印象的です。業務課に在籍する他の社員たちもさまざまな研修を受けているのですが、「受けてよかった」「その研修の内容はどんなだった?」「そういうのもおもしろそう。私も受けてみたい」と積極的に情報交換するなど、自ら関心を持って、新しいことを学ぼうとする姿勢が職場に根づきつつあるのを感じます。
いつまでも心をやわらかく保っていたい。新しいことを積極的に受け入れられる存在に
新しいことを柔軟に、積極的に受け入れられる自分であるために、心をいつもやわらかく保っていたいと考えています。難しいことはできませんが、たとえば、若い人たちが話題にしているような映画やテレビ番組など、食わず嫌いすることなく、簡単なところからなんでも試してみたいです。
一方で、若い人たちに伝えたいのは、自分の力量を超えるような仕事が舞い込んだときに、できないと諦めるのではなく、周囲に相談したり、助けを求めたり、もがいてみてほしいということ。
障がい者の雇用を担当していたときのこと。わからないことだらけでしたが、障がい者センターや学校の先生たちの協力のもと、結果的に現在の倉敷工場での雇用につながる新しい仕組みを整えることができました。
またグループ会社時代には、シーズンによって必要な人員の数が変動するため、近隣の食品会社の総務の方に掛け合って、両社間の人員の行き来を制度化したことも。そうやって難しい局面に遭遇するたびに、本当にたくさんの人たちに助けてもらいました。
自分には無理だと思えるようなことでも、周囲の力を借りることで思わぬ力を発揮できるものです。挑戦のハードルを少しずつ上げながら、そして周囲をどんどん巻き込みながら成長していってほしいですね。
個人的には、日常的な幸せを大切にしていきたいと思っています。昨年、ふたりめの孫が生まれたのですが、小さな命が懸命に生きようとしている姿を見て気づきました。健康で普通の生活ができていることはとても幸せであること。その幸せに感謝できる自分でありたいです。
仕事も日常の積み重ねですよね。この日常を楽しくする工夫によって、仕事に意欲的に取り組めたら、それは幸せなことです。そう思って日々仕事をしています。
仕事を楽しくするために、まだ研修に参加されていない方々も、ぜひ新しいことに挑戦してみてほしいですね。
※ 記載内容は2023年10月時点のものです

