「好奇心を満たしたい」とコンサルの道へ。顧客のニーズに合わせたAI開発に従事
2023年2月現在、私はStrategy Design & Activate事業部のデータ分析チームに所属しています。
このチームでは、主に2つの業務を担当しています。1つが、お客様のデータを解析し、レポートとしてご報告するサービス。もう1つは、お客様のニーズに応じたAI開発です。
データ解析の仕事では、単に分析結果を集計・グラフ化して報告するだけでなく、お客様の意思決定・行動につながる部分まで踏み込んだ提案をすることを意識しています。これはコンサルタントがデータ分析をする意味だと思っており、チーム内では“インサイト(示唆)”と呼んでいて、インサイトにつながるデータ分析を常に心がけています。
AI開発では、お客様自身が言語化できていない部分を探るところから、「AIを使ってこれがしたい」と表現できるところまで、幅広く対応しています。
具体的には、まず要件を決めた後、技術調査として最新の科学論文などをリサーチし、実装可能性の高い技術を選びます。その上で、技術検証として実際に作り、お客様の要求水準を満たせるかを検討。そこでうまくいけば、実装に入ります。
事例としては、花王グループカスタマーマーケティング株式会社と共同で、AIによる自動棚割りアルゴリズムを開発したことがありました。まず人の手で棚割りの基本パターンを作成。それに基づき、AIが、店舗での売り場サイズに合わせて自動的に商品の棚割りを作成する仕組みです。棚割り作業の大幅な工数削減につながることが期待できます。
現在、データ分析チームのメンバーは15名。中でも私は、2022年からチームリーダーを務めていて、個別の案件は持たず、アドバイザーのようなかたちでメンバーのサポートに徹しています。
仕事で私が重視しているのは、自分の興味に素直に従うこと。経験上、一度始めてしまえば、難しいことに直面しても頑張ってどうにかできることが多かったので、関心を持ったら、まずやってみることを大切にしています。
就職活動で軸としていたのも、自分の“好奇心”を満たせるかどうかでした。初めは、どの企業の話を聞いてもピンとこなかったんですが、コンサルティングの仕事は多様な業種の仕事に関われると知り、興味を持ちました。
何社か内定をいただきましたが、最終的にエル・ティー・エスに入社を決めました。決め手となったのは、仕事の良いところも悪いところも包み隠さず話してくれるような、物腰のやわらかい人がたくさんいたこと。エル・ティー・エスで働く人たちは、自分が将来なりたい大人像に一番近い存在でした。
通常業務とデータ分析業務を掛け持ち。やりたいことをしているだけ、つらさは感じない
2012年に入社し、1年目に配属されたのは、CRM(Customer Relationship Management) チームです。このチームでは、顧客サービスの業務改善コンサルティングが主なサービスであり、仕事の舞台はコンタクトセンターであることが多かったです。コンサルティングをするにあたって、新卒の私は知識や経験がありません。そこで、まず現場を知るための仕事からスタートしました。
そこでの仕事は、コールセンターでお客様の問い合わせ対応や解約受付の電話対応を行うこと。ただ、私はこの仕事が苦手で、毎回のようにヘルプを頼んでいました。ちょうどこの時期に協業をしていたパートナー会社がコールセンターを保有しており、現場業務を学ぶ良い機会、ということで私はコールセンターの現場に送り込まれました。
苦労も多かったですが、その間、リアルな現場の声を聞けました。そのおかげで、数カ月後、この企業様にコンサルタントとして接した際、現場の声が上層部が持つ課題感のヒントになっていることに気づけたんです。
現場の声を上層部に伝わる言葉に変換して発信することで、会社を変えられるんじゃないか。そう感じられた経験でした。
その後、現在のデータ分析業務を担当するまでに、紆余曲折ありました。実は私の入社時、社内にはデータ分析のサービスはありませんでした。そのため入社1年目から 、半身を従来のコンサルタント業務にあて、残り半身で自分が興味あるデータ分析の領域を掛け持ちしていました。
コンサルタントとしては、業務改善に向けて業務フローを書いたり、システム導入のための企画などを行ったりしていました。海外出張も多く、東南アジアに渡って、現地のオペレーションセンターをヒアリングして回り、改善案を日本のお客様に提案する仕事にも携わりました。また、業務領域だけでなく、市場調査や新規事業企画などの戦略領域のコンサルティング案件も経験しました。
それと並行して、データ分析関係の仕事を広げようと、コードの書き方や論文の読み方、新しい理論など、独学で勉強してきました。
海外出張が多かったときは、飛行機の移動時間で読みたい本を読んだり、漫然と勉強しないために、外部の人も巻き込んで、勉強した内容をレポーティングする会議をセットしたり、自分なりに工夫して学んでいましたね。
また、データ分析の仕事は専門性が多岐にわたるので、チームの力が欠かせません。勉強会を開催するなど、メンバーの育成にも力を入れてきました。その結果、入社2年目の2012年には、チームが立ち上がりました。徐々に人が増えていって、最近はデータ分析の枠組みの中でも、さまざまな種類のサービスが展開でき始めています。
日常業務とやりたい仕事を両立させる上で、時間的な厳しさはありました。でも、やりたいことをやっているので、精神的なつらさを感じた記憶はありません。
データ分析手法を用いて作成した“おまけ”が案件化。興味が新たなビジネスの発端に
これまでの仕事の中でとくに印象に残っているのは、入社1年目の頃、データ分析関係で最初に担当した案件です。お客様からの依頼内容は、業務プロセスを可視化して、今後の改善のヒントを提案することでした。
その報告書をお客様に提出する際、私は毎回1つの“おまけ”パートを入れていました。その案件では、現場の方からさまざまなデータをもらっていたので、それらのデータを当時勉強していた統計学やデータ解析の手法を使って分析し、報告書の末尾に加えていたんです。
するとあるとき、お客様がそのおまけパートに興味を持ち、「これを正式に仕事としてやってくれないか?」と依頼してくれました。
おまけパートは、純粋に自分が楽しくてやっていたこと。あくまで個人の趣味として、時間があったら説明させてほしいという位置づけです。仕事にする意図はまったくなかったのに、仕事につながった案件でした。
だからこそ、この案件は記憶に強く残っているんですが、こうした事例は、今のデータ分析チームではよくあるケースです。
というのも、メンバーの多くは、コンサルタントとしてやるべきことを120%やった上で、自分が興味ある技術について、「今の業務に適用するとこれだけ改善する可能性がある」とお客様に提案しているんです。それがお客様の関心を引いて、案件化につながっている例がいくつもあります。
また、データ分析チームでは、全員が違う専門性を持つことを大切にしています。
たとえば、私が今、取り組んでいる領域を誰かがやっても、長く関わっている私を超えるのは難しいはずです。それなら、誰よりも詳しい領域を自分で作って第一人者になったほうが、本人も楽しいしやりがいも生まれると思いませんか。それに、いろいろな分野の熟練者がいるチームのほうが、きっと話していておもしろいはずです。
そんな考えもあって、チームメンバーとは、興味がある分野やそれを追求・実現するにはどこに行って、どんな提案をすればいいかについて話すことが多いですね。
ここには挑戦を後押しする文化がある。主体的に学び、行動できるマインドがあればいい
私は1年目から、おまけパートに自分のやりたいことを盛り込んできましたが、そんな自由が許される時点で、エル・ティー・エスは魅力的な会社だと思っています。
エル・ティー・エスはいつだってチャレンジさせてくれたし、後押しもしてくれました。そして、社員が新しい道を進み始めた後はサポートもしてくれます。やりがいを感じますし、こういうカルチャーはもっと広げていきたいですね。
私の場合、2023年2月現在のチャレンジは、業務に携わるかたわら、大学院で水文学(※)を学んでいることです。きっかけは、以前データ分析チームにアドバイザリーとして、東京大学大学院の教授に入ってもらったことでした。
「これは水文学に利用されている解析技術と一緒だよ」などと、教えてもらううちに、水文学に興味を持ったんです。ただ、当時は水文学をコンサルタントの仕事に直接結びつけていくことは難しいため、プロジェクトを担当しつつ、一定の時間を研究活動に割くことにしました。
それから、仕事と並行して論文を書く活動を2年間ほど続け、論文がかたちになってきたタイミングで、教授に勧められて大学院に入学しました。
入り口はやはり個人的な興味でしたが、実際に深く学ぶにつれて、衛星データがビジネスに応用できる可能性を感じています。たとえば、店舗の駐車場に停まっている車の数を衛星データから把握し、売上の先行指標として投資に利用する事例などが海外では出てきています。
実際、衛星データ活用についての説明資料を作成し、当社のホームページで発表するなどしたところ、複数の企業から「興味がある」と声をかけていただき、そのうち2〜3件が仕事につながっています。
今後は、産業と技術両方に貢献できるような人財、チームになっていきたいです。データ解析やAIをあくまでも手段として捉え、社会課題やお客様の課題解決にフォーカスし、産業発展に貢献する。同時に、既存のAIや技術を使うだけではなく、技術の発展そのものにも寄与したいと考えています。
ときどき、入社を希望する方に「専門技術はなくても入社できますか?」と聞かれるのですが、新卒、中途に関係なく、若手の方には、現時点のスキルは問いません。
その先の社会人人生を考えれば、今のスキルなんて誤差の範囲。継続的に好奇心を維持し、チャレンジと行動を繰り返していけるマインドのほうがよほど重要です。その点にしっかりコミットしてくれる人に入ってほしいと思います。
自分の周りには、学び続ける姿勢を持った人が多いです。チームメンバーもそうですし、同じ部門でよく話をする人も、気がつくと知らない本を読んでいて、内容を教えてくれます。学び続けるのが当たり前、という文化なんです。個人差はありますが、みんなそれぞれ興味を持って、粛々と勉強していますね。
逆に、会社からの評価を気にしているメンバーは少ないかもしれません。誰もが頑張っていますし、その頑張りが評価されています。
だからこそ、エル・ティー・エスには、評価と関係なく、自分がやるべきことを見据えて動くことができる人財が多いのでしょう。私自身、今後もこうした環境のもと、好奇心の赴くままに動ける人財でいられるよう、努力していきたいと思います。
※水文学:地球上での水の循環について研究する学問分野。陸地において水が循環する過程から、水の存在状態、分布、化学的特性などを取り扱う。

