パズルのピースが埋まる感覚
コンサルタントとしての醍醐味とやりがいを感じるのは、クライアントの中でも言語化しきれていなかった課題が、少しずつ輪郭を持ちはじめる瞬間です。
相談をいただいた段階では、クライアントもご自身の課題を明確にできていないことが多々あります。「変革はしたいけど…」「何をすればよいのか…」という状態です。そこで業務や営業に関わるデータを検証し、業務プロセスを整理し、現場へのヒアリングを重ねていきます。そうしていくうちに課題の解像度が上がり、点と点がつながり、パッと全体が見える瞬間があります。パズルのピースが埋まっていくような感覚です。課題解決への確信が持て、構想をどう描くか、どう進めていくかが見えてくるのです。
コンサルタント志望だった京都大学生時代から現在まで、一貫して感じていることがあります。当時、実際にコンサルタントに会いましたし、周囲にも志望者がいましたし、みなさんロジカルで頭の回転がすごく速く、舌を巻きました。
ただ「ロジックだけでは人は動かないのではないか」とも感じていました。私自身が困りごとを相談した時、あるいは若年者が年配の方に何かを提案した時、ロジックだけで納得するだろうか? 行動するだろうか? ロジックは必要条件ですが、相手が動くには信頼や納得といった感情的な要素も必要なのではないだろうか…。
コンサルタントである以上、「論理的に正しい」ことは重要です。しかし、とくに企業支援の現場では、相手の立場や感情に寄り添いながら「この人の言うことなら納得できる」と思ってもらうことが不可欠です。私は、ロジックに加えて人間力、相手の懐に入り込む力や信頼関係を築く力を大切にしてきました。現場でのヒアリングを重ねることも、そのために大切なことです。
2015年に新卒でLTSに入社して10年。こうした実践の積み重ねもあってか、2026年1月からConsulting事業本部 BX(ビジネストランスフォーメーション)事業部(関西)の部長を務めることになりました。プロジェクトから人材育成、組織マネジメント、セールスまで業務は幅広く最初は「荷が重い。関西拠点の成長というミッションが務まるかな」と不安もありました。ただ、尊敬する前任者から「南場さんの人間性を活かしてやってほしい」と言われ肩の力が抜けました。
変化の渦中にある関西に貢献する
兵庫県川西市の出身で、大学を卒業するまで関西にいました。東京の本社時代に担当した大手製造業の基幹システム構想支援では毎週、東京から大阪へ出張していました。関西への愛着もあり、現地に常駐して支援したいと感じることがあり、いずれ関西を拠点に仕事をしたいと考えていました。
そう考えていた2019年、LTSとしても関西への貢献をより強めるべく、拠点の立ち上げが始まりました。私も希望して関西へ異動しました。
関西拠点は、本社のサポートを受けつつ、関西で主体的に価値提供を完結できる体制を目指しています。育成も各マネージャーが主体的に向き合っており、ライン単位での勉強会や日常的なコミュニケーションを通じて、知識や経験を共有しています。
私自身は、クライアントへの提案やプロジェクトの立ち上げに関わることが増えています。新規顧客へのアプローチや、まだ輪郭の定まっていないニーズに対してサービスを紹介しながら案件化していくことも大きな役割です。採用にも関わっており、面接やフィードバックなどhuman resources領域の比重も高くなっています。いわば、成長していく組織の中で必要となる部分を拾いながら支えていくような役割でしょうか。
メンバーの平均年齢は30代前半。私自身も含め、組織全体がまだ成長フェーズにあります。だからこそ、お互いに切磋琢磨できる環境づくりが非常に重要です。もちろん課題はあります。人柄の良いメンバーがそろっているものの、組織を強くリードできる人材はまだ十分ではありません。新卒とキャリアの割合は4:6で、キャリア入社の方が前職で得た視点やアイデアを組織運営に持ち込んでいただくことは、関西拠点を強くするうえで欠かせない要素になっています。
これからは、キャリア採用に加えて、内部からもマネージャーやシニアコンサルタントを育てることが重要です。特別な研修だけでなく、オフィスで隣に座って「どう進めている?」といった何気ない会話やコミュニケーションが、育成で重要な役割を果たしています。性善説でのマネジメントを心がけていて、みな責任感が強く、自走してくれています。クライアントから名指しで指名される若手メンバーも出てきています。
クライアントから「目に見える形で組織が変わった」
最近は、ロジックと人間力に加え、さらに「何ができるのか」専門性を問われる場面が増えています。劇的なAIの普及により、その傾向は加速しています。AIがコンサルタントの仕事に大きな影響を与えるのは間違いありません。
リサーチや資料整理、プレゼンテーションの準備など作業コストは確実に減ります。しかし、業務プロセスのどこでAIが使えるか、業務プロセスをどう変えるか、そのための段取りで必要なこと、誰と交渉し、どう説明して、行動を促すか。現場に入って一緒に業務改善を推進するニーズは、むしろ高まっていくと考えています。
これから人間であるコンサルタントに求められるのは「作業」ではなく、人を巻き込みながら変革を実行していく力です。AIをどのように業務に組み込み、関係者にどう動いてもらうか。そうした領域は、今後も人の役割として重要であり続けるでしょう。
ある大手製造業での支援では、クライアントのメンバーは日常業務に追われていて、プロジェクト活動に工数を避けないという課題がありました。そこで、あえてプロジェクトの実施範囲を幅広くとり、エル・ティー・エスのメンバーが一貫して伴走しながらサポートしました。相手の状況に合わせて柔軟に入り込み、現場と同じ目線で動く姿勢が評価されたのか、「システム導入だけではなく、一緒に目に見える形で仕事と組織を変えてくれた。現場が自走できる状態になった」との言葉をいただきました。
関西で挑むからこそ得られる成長がある
関西は今まさに、大きな変化の渦中にあります。2025年の大阪・関西万博を経て、IRをはじめとする都市開発や国際化の動きも進んでいます。こうした動きに合わせて、多くの企業が変革を志向しています。しかし、その変革を支えるコンサルタントの数は東京に比べて非常に少なく、東京の約10万人に対して、大阪・京都・兵庫で約2万人と言われています。
市場開拓の余地もまだまだ大きく、関西に拠点を置いて地場企業の変革を支援していく意義は大きいと感じています。大手ファームも進出していますが、「関西でコンサルティングといえばLTS」と認知される存在を目指し、西日本全体へ活動の幅を広げていきます。同業ファームで経験を積んだ方にとっても、完成された型をなぞるだけではなく、関西というマーケットに根ざして組織やサービスを創る経験が得られる点におもしろさがあるはずです。
AIの進化など変化が激しい時代ですが、とくに若手には焦りすぎないでほしいと思っています。「経験を積めているか」「成長できているか」「これは外れ案件ではないか」と不安になることもあるでしょう。回り道なく成長したいという気持ちはわかりますが、後に振り返った時、無駄になる経験はありません。目の前の仕事に向き合い、重ねた経験を自分の中でどう咀嚼するかが問われます。
目の前の仕事にしっかり向き合いながらビジネスアナリシス、ビジネスアーキテクト、ビジネスプロセスマネジメントなどの世界的にも体系化されている方法論や、クライアントの意向を汲み取り、構想を描くスキルを身につけてもらい、それぞれの専門性や強みを築いていってほしい。そうした積み重ねが、結果的に個人と組織の大きな成長につながります。
関西拠点は、まだまだ発展途上です。その分、挑戦できる余地も大きいのです。だからこそ、ここでしか得られない経験を積みながら、一緒に組織を創っていける人と働けることを楽しみにしています。

