人のために働き、地域に貢献したい──ホスピタリティ精神を持ってJR九州へ
私は学生時代、経営学を専攻していました。授業の中でもとくに印象深かったのは、さまざまな経営者の方が登壇をする授業です。飲食店やホテル業など、ホスピタリティやサービスについてお話を伺う機会が多く、気づけば自分も「人のために働きたい」と強く思うようになっていました。
私自身、学生時代のアルバイトは、コンサートスタッフなど接客が中心となる仕事をしていました。その場と状況に合わせて臨機応変な対応が求められる中で、お客さまとコミュニケーションをとるやりがいを知っていたため、就職活動の軸では、そうした経験と想いが当てはまる企業に入りたいと考えました。
JR九州に惹かれたのは、自分自身も通学で電車を使う中で、駅係員さんがすごく丁寧に接してくれたのを覚えていたからです。自分もあんなふうに、お客さまに誠実に向き合えるような人になりたいと感じました。
そして何よりも九州が好きだったから。食べ物もおいしく、ずっと応援している球団も福岡が本拠地なので(笑)。大好きな地元で暮らしながら地域に貢献したいと思い、JR九州へと入社を決めました。
初任配属は小倉駅。慣れない泊まり業務に苦戦した時期も
2018年に入社後、最初は新人社員研修を受けました。門司の研修センターで1カ月半、営業知識や団体行動、接客マナーについて習得。1クラス26名のクラスが計8つあり、先輩社員が先生になってさまざまなサポートをしてくれます。最後にはクラス単位の運動会を実施するなど、まるで学校のように盛り上がりました。仲のいい同期がたくさんできて、すごく楽しい時間でしたね。こうした同期との絆は今でも変わらずに続いています。
研修後は、小倉駅に駅係員として配属されました。大規模な駅であるため、当時はみどりの窓口と改札業務で担当が分かれているのが特徴でした。私はお客さまに近い立場で旅行をサポートしたいと考えていたため、みどりの窓口を希望しました。先輩社員のもと、発券機の操作方法を学んだり、運賃を覚えたり。とくに注意していたのは、切符の最安値の組み合わせを頭に入れておくことです。窓口に来たお客さまに即座に最安値を提案できると、喜んでいただけることが多いです。旅行をスムーズに楽しんでいただくために、さまざまな知識を身につけていきました。
配属当初に苦労したことは、泊まり業務ですね。通常業務を終え、発券機の締め作業をして清掃をして、仮眠を取ったら朝早くに起きて、窓口のシャッターを開けるという流れなのですが、これまでとは違う睡眠のリズムになかなか慣れませんでした。泊まり明けに、あえて先輩や同期と遊ぶ予定を組むなど、楽しみを作ることで自分を鼓舞していたのを覚えています。ただ次第に体が慣れていき、朝にも強くなっていきました。今ではむしろ、日勤が週5日で続く方が大変だと感じるほど。すっかり環境に適応したのだと思います。
また、大きな駅だった分、お客さまとの出会いも多く「ありがとう」と言っていただける機会をたくさんいただけたのはうれしかったことですね。自分の対応が駅の顔になっているのだと実感することができました。
挑戦をしたからこそ見えた自分らしさ。車掌から、再び駅係員へ
駅係員に慣れてきたころ、公募制度に申し込み、車掌職に挑戦をしました。研修センターで1カ月ほどプログラムを受けて、基本動作や運転知識を身につけ、試験を受けるという流れです。
無事に合格した後は、博多車掌区に配属されました。博多車掌区の特徴は乗務範囲が広いこと。たとえば鹿児島本線・長崎本線・筑豊本線・筑肥線などに乗務していました。耳馴染みのない駅も多く含まれているため、駅名を覚えるのには苦労しました。
車掌の業務は、お客さまの命に関わる重要なものです。基本動作で確認して、乗降がないことを確認した上でドアを閉めるのですが、それでも物が挟まることも。適切に対応しなければ、重大な事故につながることがあるので注意が必要です。最初のうちは責任感で精一杯でした。
慣れてくるとある程度の余裕ができ、放送に自分なりの工夫を入れられるようになりました。土日は平日に比べて不慣れな方が多く利用されるので、いつもより放送を丁寧にしたり、反対に平日は乗り慣れているお客さまが大半なので、端的に案内をまとめたり。マニュアル通りに留まらない工夫を取り入れていきました。
車掌として約3年間経験を積み、希望を出して駅係員に戻ってきたのが2022年10月のこと。以来、現在の折尾駅で勤務しています。
再び駅係員になるという選択をしたのは、やはり入社前から抱いていた接客への想いでした。運転士にも憧れはあったのですが、実際に経験をする中で、お客さまと触れ合う機会の少なさに物足りなさを感じました。私にとっては、さまざまなお客さまとお会いすることの方が、ワクワクをする業務だと気づきました。
最初の配属であった小倉駅と比べて、折尾駅は小さな駅ですが、だからこそ、同じ職場の社員ともコミュニケーションを取りやすいのが魅力です。何かあったら先輩がフォローしてくださり、私自身も後輩へと手を差し伸べられる。また駅長は、社員だけに現場を任せることなく、自らも積極的にお客さまとの関わりを作ってくださっています。駅全体が一致団結して頑張っている雰囲気があり、とても心地よく働くことができています。
お子さま向けの企画を提案・実施。地域の皆さまに、駅の新たな価値を発信
仕事をする上で大切にしていることは、お客さまへの真摯な姿勢です。駅にはさまざまなお客さまがいらっしゃるため、素早い対応が必要なケースもあれば、丁寧に時間をかけることが必要なケースもあります。ただ共通するのは、どんなにこちらが忙しい時でも適当に済ませないことです。
駅長は「目の前にいるお客さまがもしも自分の身内だったら」と、よく口にします。お客さまが自分の祖母だったら、父だったら、そうした想像をしながら、親身に接するよう心がけています。私も後輩から先輩の立場となり、教えることの難しさを実感することも多いのですが、その姿勢をしっかりと伝えるようにしています。
今後の展望としては、駅係員を続けつつ、委員会活動にもさらに力を入れたいと考えています。JR九州には業務とは別に、イベント企画や広報活動といった委員会にも参加できる仕組みがあります。私はそこで、販売促進に携わっています。
たとえば、直近ではお子さま向けにシールを制作しました。もともと車掌時代、シールを配っていた際にとても喜んでいただけた姿が印象的で、いつか駅としてもそうした取り組みができないかと考えていました。そこで夏休み期間に電車のデザインシールを制作して、無料でお渡しするというイベントを企画しました。シールは1人につき1日1枚と決めていたため、毎日来てコンプリートをめざすお子さまもいらっしゃって。想像以上にご好評をいただくことができました。
ほかにもお子さま向けのワークショップイベントとして、駅構内のスペースを借りて、牛乳パックで電車を作る企画なども行いました。こちらも人気企画となり、予約がすぐに埋まってしまったため、冬休みに再度違う内容のワークショップを実施する予定となっています。
自分がやってみたいと思ったアイデアがお客さまに喜ばれるというのは、とてもやりがいがあることです。今後もお客さまに喜んでもらえるような提案をして、実現できたらいいなと思います。駅という場所からさまざまな活動をすることで、入社前に考えていた「地域貢献」にもつなげていきたいです。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです

