気持ちよく列車をご利用いただけるよう、最大限のおもてなしをしたい
私は現在、博多運転区で在来線の運転士を務めています。担当線区は鹿児島本線(門司港~荒尾)、長崎本線、佐世保線、大村線。普通・快速列車やリレーかもめ号、ハウステンボス号、ソニック号などの特急列車に乗務しています。
九州の在来線は、いろいろな車種があるのが特徴。車種ごとに、ブレーキの利き方やブレーキハンドルの形状が変わり、運転の仕方が異なります。運転技術を身につけるのは大変でしたが、いろいろな車種を動かせるのは楽しいものですよ。
運転以外にも業務はさまざま。列車を動かすための点検をしたり、回送列車を車庫に入れたり、事故が起きた時の対応を行ったり。慌ただしい日も多いですが、皆さんが気持ちよく電車をご利用になれるよう、最大限のおもてなしの心で向き合っています。
また、仕事や職場を活性化するためのユニークな取り組みを職場ごとに行っています。サービスを向上させるグループや、列車を効率的に運転する方法を研究するグループなど、たくさんの種類から自分で選べるのですが、私は職場内新聞を発行するグループに所属。もともと広報活動に興味があったので、職場内外で催されるイベント情報を共有したり、季節ごとにおすすめの食べ物を紹介したりするのは楽しいですね。本業の運転士業務以外の仕事から学べることも多く、たくさんの方に新聞を読んでもらえると思うとモチベーションも上がります。
誰かに感動を届けたい。1本のCMが入社のきっかけに
私は、福岡県の篠栗町出身。地元が好きで、社会に出てもできるだけ福岡エリアで暮らしたいと考え、就職活動では福岡や九州の企業にエントリーしました。
企業選びの軸は、「人の心を動かすような仕事がしたい」という思い。学生時代のアルバイト先の飲食店が、コミュニケーションで人の気持ちを温かくすることを大事にしていたことから、感動を届けられる仕事に就きたいと考えるようになりました。
当時、とくに興味があったのは、広告や宣伝の仕事でした。見ることでみんなが頑張れるような、エネルギーあふれる広告が大好きで。そこで企業研究として、いろんなCMや宣伝物をチェックしていました。その中で出会ったのが、JR九州の九州新幹線開業のCMで、見た途端に心を打たれたのを覚えています。九州の人の温かさが詰まった内容で、「こんなかたちで集客ができる会社ってすごい」と思い、説明会に行ってみようと決意。鉄道会社に入社するなんてまったく考えていなかったので、不思議なものですよね。
2019年に入社し、最初に配属されたのは鹿児島中央駅。鹿児島と聞いた時は少し驚いたのですが、同じ駅に配属される同期が7~8人いて、全員鹿児島以外の出身者だったので、みんなで協力しながらエリア内の駅名を覚えるところから始めました。初めての仕事、初めての土地に当初は不安も多少ありましたが、先輩社員はいい人ばかりでしたし、鹿児島は観光地としても魅力満載。それに鹿児島中央駅は新幹線も発着する大きな駅で利用者数や売上も大きく、貴重な経験を積めました。
最初に任されたポジションは、改札業務。改札口に立って、在来線や新幹線が到着した時に切符を受け取ったり、「この駅に行きたい」「この切符が使えなかったんだけど、どうしたらいいの?」など、お客さまからのお問い合わせに対応したりする仕事です。また、お客さまが安全に列車や駅を利用できているか、構内でトラブルが起きていないかなど、幅広い範囲の責任を持つ立場でした。
とくに台風や人身事故で列車が止まった場合は、1日中バタバタしていてハードでしたね。でも、鹿児島中央駅の先輩たちは仕事に対する熱意が強い人ばかりで、大変な状況の中でも明るい声掛けをしながら前向きに乗り切ろうとする姿はとても勉強になりました。緊張感のある中でもいつも優しく、嫌な顔ひとつせずに業務を教えてくれるんです。そんな先輩たちの仕事ぶりを見ながら、「遅延のときはこのボードを出すのか」「列車が運休になったから、このパソコンの表示は消さなきゃ」など、見よう見まねで覚えていきました。
また、泊まり勤務は慣れないうちは大変でしたが、会社が睡眠の質を高める方法を教えてくれるなど、フォローしてくれました。頑張るところは頑張って、息抜きするところはしっかりリラックスするというように、バランス良く働くことができましたね。
私はもともと旅行好きなのですが、鹿児島勤務になってからは、お客さまに観光地や名物などについて尋ねられたときにしっかり答えられるように、休日は県内をよく旅行しました。鹿児島には大迫力の桜島をはじめ雄大な自然があり、魅力的な観光地やおいしい食べ物、お酒もいっぱい。知れば知るほど楽しいエリアで、初めての配属が鹿児島で良かったと心から思っています。
ロールモデルとなる先輩社員──その姿をめざして挑戦を続ける
2020年からは、入社を決めた時から考えていた2つの夢──「車掌になりたい」「運転士になりたい」を叶えるために自ら手を挙げてチャレンジしました。学生時代にJR九州の列車を使っていた時、女性の車掌さんや運転士さんを見て「かっこいいな」と憧れていたんです。
まずは社員研修センターで、1カ月間車掌業務に関する知識を勉強しました。運賃やサービスについての基礎を全体的に学んだ後は、それぞれの配属先に行ってその車掌区特有のルールなどを習得。そこから見習いとして先生と一緒に1カ月間乗務して、試験で合格したら見極めを行い、ようやく1人で乗務できるようになります。車掌として一人前になるまでは、早くて3カ月間ぐらいかかります。
車掌の仕事は、車内放送で停車駅や乗り換えを案内したり、車内で切符を販売したり、安全状況を確認しながらドアを開け閉めしたり。列車を安全に運行させ、お客さまが快適に乗車できるような業務を担当します。実際に運行している列車で業務を始めた当初は緊張しましたが、丁寧な研修プログラムでしっかり鍛えられていたので自信を持って臨むことができました。
車掌として半年間勤務した後、もうひとつの夢だった運転士に挑戦することを決意。運転士への道のりは、車掌以上に大変でした。まず社内の試験に合格したら研修センターに入り、そこから座学が3カ月。その後、国家資格を取得できたら配属されます。私は博多運転区に行くことになり、運転区に配属されてからは普通列車や特急列車など自分が受け持つ車種や、線路や信号、ルールなどについて記載された分厚い資料をもらって勉強しました。その後見習い乗務を3カ月行ってから、晴れて運転士になりました。12月に研修に入り、初めて1人で運転できたのは11月。運転士になるには、1年ほどかかるものなんです。
車掌も運転士も、独り立ちするまではかなりの努力が必要で、たくさんの苦労がありました。それでも頑張れた理由は、鹿児島時代と同じく先輩の存在が大きかったですね。私は、新幹線の運転士になった女性の先輩に憧れていて、彼女がYouTube動画で紹介されているのを見て「こんなかっこいい運転士になりたいな」と目標としていました。とある研修でその先輩を見かけた時もやっぱりすてきで、私も頑張ろうとエネルギーをもらえました。
接客面でも、先輩から学ぶことは多々あります。JR九州には、お客さまに寄り添いながら臨機応変に接客ができるかを評価する接遇選手権という大会があり、私も一度大会に出場したことがあります。先輩たちの接客レベルが非常に高く惜しくも受賞には至りませんでしたが、先輩たちのすてきな振る舞いや心遣いを目の当たりにし、自分もさらに磨きをかけていこうという気持ちになりました。大会はもちろん、普段の接客からも「先輩たちはこういう対応をしているんだな」と、細かい部分まで見習って自分の振る舞いに取り入れています。
運転士としてのやりがいを感じるのは、沿線でお子さまが手を振ってくださったり、「頑張ってください!」とお声掛けをいただいたりした時です。お客さまから感謝の言葉をいただくことも多く、苦労して運転士になって良かったと感じますね。
挑戦を後押しする風土の中、前向きに歩み続ける
この会社の魅力は、社員がみんな前向きで、頑張る人を応援する風土があるところです。私が車掌や運転士の試験を受けた時、先輩たちは全力で応援してくれましたし、「成長する」ことを大事にしている人たちばかり。仕事はもちろん大変ですが、みんなで力を尽くして1日を終えると「今日もちゃんとやり切った!」という達成感があります。
運転士はまだまだ男性の割合の方が多いのですが、博多運転区には女性が10人ぐらいいて、中には子育てをしながら働いている方もいます。小さいお子さんがいる場合は泊まり勤務がないように行路を調整してもらえるなど、育児との両立がしやすいような環境が整っているのも当社の魅力。産休・育休を長く取っても、戻ってきて同じポジションで働けるのは嬉しいし、「お母さんは運転士」って子どもに言えるのって、すごくかっこいいですよね。
今後チャレンジしてみたいのは、学生時代に思い描いていた「人の心を動かす」宣伝やイベント系の仕事です。今とはまったく違う領域ですが、JR九州には異なる職種に挑戦する足がかりとなるステップアップ研修があるんです。
そうした制度を活用して新しいキャリアに進めたら、九州エリアの魅力を伝えたり、地域の人たちや企業とコラボレーションしたりして、地域活性化に貢献したいと思っています。
今、就職活動をしている方たちに伝えたいのは、ぜひ自分の中での価値観の軸を1個でも見つけて、それを大事にいろんな企業を見てほしいということ。価値観がわからない場合は、自分の過去など今まで生きてきた道を読み解けば、共通した何かが見えてくるのではないかと思います。じっくりと自分に合う企業を探す中で、もしJR九州が持つ、人の温かさや成長を大事にする文化に魅力を感じていただけるのならば、ぜひ一緒に働きたいなと思います。
ちなみに私の働く上での軸は、「コミュニケーションを大事にする」こと、そして「何事にもチャレンジする」こと。常に新しい挑戦をさせてくれるJR九州は、その意味で私にとてもフィットしていると思います。これからも尊敬できる社員の皆さんと一緒に、自分らしく働き続けたいと思います。
※ 記載内容は2023年11月時点のものです

