就職活動を通して得た、気づき
私は就職活動において、地域に根差し、地域に貢献できる仕事がしたいという想いが強かったこともあり、インフラ業界を中心に検討していました。その中でも、私の地元である九州のインフラとして、地域を支えるという社会的使命と、地域と一緒につくり上げていく事業が多いということが、私がJR九州に興味をもったきっかけでした。
しかし、当初のJR九州に対する私のイメージは、正直「鉄道会社」という一言に尽きます。それまでは、関連事業については全く知識がありませんでしたが、就職活動を通して企業研究を重ねるうちに、むしろ非鉄道事業の方が売上が多く、成長している分野だということを知り、単なる鉄道会社ではないことにも魅力を感じました。
また、鉄道事業に関して特に印象に残ったのが、新幹線を活用した「はやっ!便」というサービスです。コロナ禍で人の移動が制限される中、モノを運ぶことの重要性に気づかされました。物流分野にも積極的に展開していったことに、大きな関心を持ちました。
つまり、私がJR九州への入社を決めた最大の決め手は、「型にはまらない」という企業としての姿勢でした。一般的な鉄道会社のイメージを超えて、新しい分野に果敢に挑戦している。そんな企業の在り方に共感したのです。
入社後の歩み - 新しい環境での学びと成長
入社してすぐに約1カ月半にわたり新入社員研修が行われました。研修では、もちろん鉄道の専門知識を学ぶこともありましたが、何よりもクラスメイトとの協働や集団行動を通じて、一つのことを成し遂げることの大切さを学びました。
研修を終えた後、まず本社経験をする期間として人事部人事課に配属となりました。主に内定者への連絡や、採用のインスタグラムのコンテンツ企画・運営、就活生に向けた広報ツールの原稿作成など広報報業務に携わりました。
特に、採用のインスタグラムに関して、それまで画像投稿が中心だったため、動画投稿を提案したところ、快く後押ししていただきました。裁量権をもってインスタグラムの投稿も担当させていただきました。
その後、宮崎駅に配属となり、駅員として出札や改札、車椅子をご利用のお客さまの介助など、駅での業務を経験しました。駅でも、改善点を相談すると「どんどん言っていいよ」と励まされ、若手だからと軽視されることは一切ありませんでした。
また、駅で印象に残っているエピソードがあります。
私は学生時代アルバイトに力を入れており、特に接客が求められる現場では、目の前のお客さま一人ひとりに寄り添ったサービスを提供することを常に意識していましたのである程度の自信はありました。
しかし、宮崎駅の業務で、良かれと思ってとった行動に対して、お客さまからご意見(お叱り)を頂戴したことがありました。落ち込んでいた私に、当時の駅の責任者が 「100人のお客さますべてに通じる同じサービスや接客はないかもしれない。どんなに真心を込めてもうまくいかないこともある。完璧は求めすぎずとも誠実で丁寧な対応を行っていこう 」という言葉をかけてくださいました。私を励ましながら指導してくださった、その言葉に救われたのを覚えています。
もし入社後に感じた一番のギャップは何かと問われると、
どの職場も、誰でも意見を言いやすい環境が整っているということだと思います。いいギャップですね。心理的安全性が保たれた環境で、自分の意見がしっかりと受け入れられる。そんな職場の雰囲気に、とても励まされています。
安全と快適さを届ける車掌としての誇り
現在は博多車掌区に所属し、在来線の車掌として乗務しています。
無事に見習い期間の最終試験に合格したことも大きな自信につながりました。基本動作をしっかりと身につけ、必要な情報を覚えることは大変でしたが、その努力と、日々先輩方からご指導いただいたことが実を結んだと実感しています。
車掌の仕事は、お客さまの安全を守ることはもちろん、ドアの開閉、車内営業、車内放送など、多岐にわたります。
その中でも、私が特に大切にしていることは、走行中の列車内での細やかな気配りです。運転士は運転台から離れられない分、車内を動き回れる車掌だからこそできる役割があります。例えば、車内の電球が切れていないかの確認や、お酒を召し上がって眠っているお客さまへのお声掛けなど、些細なことでも見過ごさないように心がけています。
また最近感じるのが、学生時代と比べて、時間感覚や体調管理に対する意識が大きく変わったということです。アルバイトであれば、多少の体調不良は何とかなるという気持ちでしたが、今は違います。
ほんの少しの気の緩みが重大な事故につながりかねません。特に泊まり勤務の際は、寝坊一つで列車の運休という事態を引き起こし、何百人、何千人という規模のお客さまにご迷惑をおかけすることになります。
そして車掌の業務では、作業内容表に定められた手順を厳密に守ることが求められます。これは時として命に関わる重要な判断を伴うものですので、決められたルールは必ず遵守するよう心がけています。お客さまの安全はもちろんのこと、私たち社員同士の安全も守らなければなりません。
そうした責任の重さを感じながらも、車内の安全と快適さを守れるのは車掌しかいないという誇りを持って日々の業務に取り組んでいます。一人でも多くのお客さまに安心して列車をご利用いただけるよう、これからも細やかな気配りと確実な業務遂行を心がけていきたいと思います。
未来への展望 と就活生へのメッセージ
一人前の車掌として業務を始めてからまだ日が浅いため、まずは何よりも、お客さまを安全に目的地までお運びすることを第一に考えています。安全運行は私たちJR九州の根幹であり、決して妥協できない部分です。
まずは無事故で日々の業務をこなしていくことを当面の目標としていますが、数ヶ月経って少しずつ余裕も出てくれば、初心を忘れることなく、さらに自己啓発にも励んでいきたいと思っています。社内で展開されている通信教育なども活用しながら、鉄道以外の知識も広く身につけていきたいです。
そして将来は、人事部や総務部といったコーポレート部門での仕事に挑戦してみたいです。会社の資産は「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つに分類されると考えており、私は特に「ヒト」が最も重要な経営資源だと考えています。鉄道も結局は人が支えているのだと実感していますし、私自身も人との関わることが好きなので、やはり将来は人に関わる仕事に携わりたいと考えています。
最後に、
私は就職活動を通じて、企業の本質を見極めることの大切さを学びました。表面的なイメージだけでなく、その企業が持つ可能性や、成長への意欲を知ることで、自分の将来を託せる場所を見つけることができたと感じています。おかげで入社後も、自分の仕事への責任感ややりがいを自覚し、自分のキャリアについて想いを巡らせることができています。
今回の私の記事が就活生の皆さまへの何かしらのアドバイスになったのであれば嬉しいです。

