人の役に立ちたいという想いから始まった就職活動
就職活動で私が大切にしていた軸は、「人の役に立つこと」「人と関わること」でした。この想いを胸に、様々な業界を見て回りました。
特に興味を持ったのは、ブライダル業界、航空業界、そして鉄道業界です。いずれの業界にも共通して惹かれたことは、人々の大切な瞬間や何気ない日常に寄り添える仕事であるという点でした。ブライダルは人生の特別な日を演出し、航空や鉄道は人々の移動を支える。どれも、多くの人のストーリーの一部になれる仕事だと感じていました。
説明会等を通じてJR九州を知るうちに、鉄道会社という枠を超え、地域の暮らしそのものを支えている会社だと感じるようになりました。
通勤・通学、旅行、帰省といった誰かの「当たり前の日常」や「大切な時間」を、安全に、確実につないでいる。そこには多くの社員の仕事や想いが積み重なっていることを知り、目に見えないところで社会を支えている会社だと感じました。さらに、鉄道事業にとどまらず、地域とともに成長し、九州を元気にしていこうとする姿勢にも惹かれました。生まれ育った九州で、自分の仕事が地域の役に立ち、誰かの暮らしにつながっていく。その実感をもって働けることは、私にとって大きな魅力でした。
「人の役に立ちたい」「地元九州を元気にしたい」この二つの想いが重なり、JR九州への入社を決意しました。
多彩なキャリアと、入社後に感じた温かな社風
入社後、最初に配属されたのは香椎駅です。みどりの窓口でのきっぷ販売や改札業務を担当し、社会人としての第一歩を踏み出しました。
印象に残っているのは、新入社員5人で香椎線の路線図を手作りしたことです。駅名だけでなく、商業施設や公園なども最寄り駅とあわせて記載し、「乗車されるお客さまの目線」で考えたオリジナルの路線図を、香椎線のすべての車両に取り付けました。新入社員でも任せてもらえる環境があり、挑戦する楽しさを実感した出来事でした。
その後、門司車掌区に配属され、在来線車掌として北部九州の在来線や、博多~大分間を走る特急ソニック号などに乗務しました。初めて一人で列車のドアを閉め、車内放送を行ったときの緊張感は今でもよく覚えています。先輩車掌から「駅には駅長がいる。この列車の長は車掌。車掌は列車長として、お客さまを守る責任がある」と教えられ、その言葉を胸に、常に責任感を持って乗務していました。車掌の経験を通して、安全と時間管理の重要性が染みついたと思います。
在来線車掌として乗務してしばらく経った頃、新幹線乗務員の職場見学に行く機会がありました。その際に、新幹線車掌の先輩方の強い責任感と、おもてなしの意識の高さに惹かれ「私もこんな車掌になりたい」と思い、新幹線車掌の試験に挑戦することを決意しました。
当時、在来線では女性車掌が増え始めており、上司は私に指導役として残ってほしいという気持ちがあったようですが、私の「新幹線車掌になりたい」という想いを尊重し、最終的には背中を押してくれました。
社内試験を経て、研修や訓練を乗り越え、一人前の新幹線車掌として乗務できるようになったときの喜びは、今でも忘れられません。
また、特に心に残っているのは、2011年の九州新幹線全線開業です。その際に鹿児島から博多新幹線乗務所へ異動し、そこから約3年間乗務しました。全線開業にあわせて制作された「祝 九州」のCMを見るたびに胸が熱くなり、多くの方々の期待を背負って新幹線が走り出すこと、博多から鹿児島まで一本でつながることを心待ちにしている人がたくさんいること、そしてその節目に自分自身も関われていることを強く実感しました。大きな責任を感じるとともに「もっと頑張ろう」と自然に思えた瞬間です。
新幹線は通勤で利用される方だけでなく、日本各地や海外から旅行で訪れるお客さまも多く、毎日が新しい出会いの連続でした。列車が遅れた際には厳しいお言葉をいただくこともありましたが、それ以上に励ましや感謝の言葉をかけていただくことも多くありました。
限られた乗車時間の中で、どうすれば心地よく過ごしていただけるか、新幹線での思い出の一部になれるかを常に考えながら仕事に向き合っていました。お客さまから直接お礼や励ましのお手紙をいただいたときは、本当にうれしく、この仕事を選んでよかったと心から思いました。九州新幹線車掌として過ごした日々は、私のキャリアの中でも特に印象深い時間です。
その後は広報部に異動となり、主に社内報やホームページ運営を担当しました。現場の業務から離れ、会社全体を見る視点を持てるようになったのはこの頃だと思います。
また、広報部在籍中に産休・育休を2回取得しました。復帰後は時短勤務で働いていましたが、仕事と子育てを両立していくうえで非常に苦労したのは時間管理です。限られた時間の中で成果を求められる一方、家庭でもやるべきことは多く、そのバランスを取ることは決して簡単ではありませんでした。それでも、家族の支えや職場の理解とサポートがあったからこそ、仕事と子育ての両立を続けることができたと感じています。
さらに、次の異動先である事業開発部門で初めて鉄道以外の分野に関わることになりました。事業開発部門の総務人事として、教育研修やインターンシップ、採用などにも携わりました。そして2024年12月からは、JR九州フードサービスというグループ会社に出向し、総務課長として人事や総務全般を担当しています。経営会議の準備から採用、教育、人事異動や社員の待遇改善、制度改正など幅広く業務を行っています。
これまで様々な職場を経験してきましたが、この会社で働き続けられている一番の理由は、アットホームで温かな職場風土だと感じています。入社前は、鉄道会社というと規律正しく厳格で真面目な、いわゆる固い印象を持っていました。しかし実際に働いてみると、その印象は良い意味で大きく変わりました。
社内にはフレンドリーで思いやりのある人が多く、困った時や行き詰まった時には一緒に解決策を考えてくれますし、楽しいことがあれば自然とみんなで盛り上がれる。そんな雰囲気が私は大好きです。
育休から復帰する際も不安な気持ちがありましたが、上司や同僚が業務の進め方を一緒に考えてくれたり、周囲が自然にフォローしてくれたり、一人で抱え込まなくて良いように周りが助けてくれたおかげで、続けることが出来たと思っています。制度が整っているだけでなく、「人」が支えてくれる会社。その安心感があるこそ、さまざまな挑戦ができたのだと実感しています。
誠意と思いやりを持って、人と向き合う人事・総務の現場
現在JR九州フードサービスで担当している人事や総務の仕事というのは、会社を支える基盤となる業務です。社員一人ひとりが安心して働ける環境を整えること、そして組織全体が円滑に機能するように調整していくことが、私の役割だと考えています。
仕事をする上で大切にしているのは、何事も誠意を持って向き合うということです。これはお客さまに対してだけではなく、社員に対しても同じです。
人事や総務の仕事は、成果が目に見えにくい部分もありますが、社員一人ひとりが安心して働ける環境を整えることで、会社全体の力になると信じています。
学生の皆さまへ「一歩を踏み出そう」
これまで私は、鉄道の現場、広報(管理部門)、事業開発部門と、異なる3つのフィールドを経験してきました。このすべてを経験している社員はそう多くはないと思いますし、その経験こそが私の強みだと感じています。現場で培った対応能力、広報で磨いたコミュニケーション能力、事業開発で養った企画力 。これらを組み合わせることで、きっと今まで見えなかった景色が見えてくるはずです。その経験を生かして、いろいろとチャレンジをしていきたいと思っています。
JR九州グループは、「やってみたい」という気持ちを大切にし、挑戦を後押ししてくれる会社です。失敗を恐れずに挑戦できる環境は、キャリアを築く上で大きな意味を持ちます。
就職活動では、不安や迷いもあると思います。私自身も、就活をする中で「本当にこの会社でいいのかな」「自分のやりたいことって何だろう」と悩むこともありました。この選択が本当に正しいのか、不安に感じることもあるかもしれません。それでも、「この人たちと一緒に働きたい」「この会社の考え方に共感できる」と思えるのであれば、自分を信じて一歩を踏み出してみてください。その一歩が、みなさんの人生を豊かにするスタートになることを願っています。

