工務部企画課で現在、未来のJR九州にとって最良な体制づくりに取り組んでいる安部 和俊。「これまで仕事が大変だと感じたことはほとんどなく、本当に楽しく仕事ができています」と話す入社10年以上の安部が、仕事のやりがいやJR九州の魅力的な労働環境、そして鉄道の未来について語る。
横断的にモノづくりに携われる環境と雰囲気の良さに惹かれ、JR九州へ
2009年に新卒でJR九州へ入社した安部。大学院では土木工学を専攻しており、学生時代から興味を抱いていた“モノづくり”を軸に就職活動を進めた。そして、徐々に惹かれていったのが鉄道業界だった。
安部 「モノを作っていく過程に非常に興味を持っており、仕事探しの軸にしていました。就職活動を進める中で、ゼネコンやコンサルタントのような“設計なら設計”、“工事なら工事”という断片的な形ではなく、計画から設計、施工、保守、管理まで横断的に行える企業で働きたいと考えるようになりました。さまざまな業界を見ていくうちにインフラ事業に興味を抱くようになり、鉄道業界にはとくに魅力を感じました」
鉄道業界に惹かれたのは、当時JR九州が進めていた高架化事業の影響も大きかった。
安部 「私は大分の出身なのですが、当時大分で高架化事業が進んでいました。高架化事業は町の様子を大きく変えていくような大きな事業で、世の中に対して影響力やインパクトを与える仕事に強い興味を抱きました」
事業はもちろん“人”にも魅力を感じ、JR九州への志望度はさらに高まったと言う。
安部 「説明会を通して社風や雰囲気に触れて、JR九州で働きたい思いがより一層強くなりました。説明会で、雰囲気の良さをすごく感じたんです。先輩社員の雰囲気の良さは、一緒に働く上でとても大事です。熱意を持ち、全社員が一致団結して事業に取り組んでいることがすごく伝わってきて、いい会社なんだろうなと思いました」
入社前に感じた雰囲気の良さは、入社した今でも変わらず感じている。
安部 「実際に入社してみて先輩社員の熱意はすごく感じますし、一致団結して取り組んでいく風土はすごく良いなと感じています」
社員の適性に合わせた多彩な働き方ができる環境。理想の働き方ができている
入社後はやりたいことを次々に叶え、まさに理想の働き方ができている。横断的な仕事がしたいと願っていた通り、これまで多岐にわたる仕事を経験してきた。一つひとつの仕事に、やりがいも感じていると言う。
入社後は鉄道現場で保守土木の仕事を2年、保線の仕事を2年経験し、その後計画部門である保線課で保線業務の機械化や省力化に取り組んできた。
安部 「鉄道には、歴史の長い設備や構造物が数多く存在します。保守土木や保線の仕事においては、効率的かつできる限り費用を抑えてお客さまの安全を守る大切な設備を維持管理していくことに、やりがいを持って取り組んでいました。
鉄道が開業してから約150年が経ちましたが、仕事の方法や保守、メンテナンスの手法はまだまだ昔のやり方が残っている部分もあります。今後人口が減少し、働き手もお客さまも減っていくことが予想される中で、課題となる既存のやり方や仕組みを見直す業務に携われて、やりがいも感じましたしおもしろかったです。
脈々と受け継いできた知識や経験は当然活かしながら新しいアプローチも試みて、変えるべきところは変えていくことができたと思います」
保線の仕事を長く経験した後は企画課へ配属となり、自治体との駅周辺の整備や駅前広場などに関する設計協議業務に取り組んだ。
安部 「JR九州単体では実現できないような新しい駅や駅周辺の開発など、地域の賑わいをつくるような事業を地元の自治体などと協力しながら実現できることに、すごくやりがいを感じました。
また、JR九州の「おこない」の一つとして「地域を元気に」を掲げて事業に取り組む中で、地域へ貢献できる事業ができていることにもやりがいを感じました。元々、学生時代に都市計画を専攻していたこともあり、“まち”を変える業務に携われた喜びは大きかったです。」
現在は工務部企画課で、将来の工務関係職場の体制づくりに取り組んでいる。
安部 「社会の変化に適応していくためにも、まだまだ改善しなければならない点も多くありますし、将来の会社にとって最適な形を考えることは非常にやりがいがあります。夢がある、未来がある仕事ではないかと考えています」
“モノづくりがしたい”という夢も叶えられた。とくに入社4年目で携わった駅の構内改良は、印象に残っているという。
安部 「入社4年目のころに、駅の設備を変える工事に携わりました。4年目ではなかなか任せてもらえないような規模の大きな工事を担当し、周りの方にも助けられながら工事を進めていきました。モノづくりがしたいという思いを抱いていたこともあり、形として成果を上げられたことは記憶に残っています」
鉄道事業に強く興味を惹かれるきっかけとなった、“インパクトのある仕事”も経験できた。
安部 「福岡市とJR九州の共同事業として、博多駅の筑紫口を整備する仕事に携わりました。どのような駅広場がいいのか福岡市の担当者の方々と一緒に考えながら取り組みを進めていき、工事が始まるころに後任に引き継いだのですが、整備された美しい筑紫口を見て本当に事業に携われて良かったなと思いました。
筑紫口は利用する機会も多いですし、だんだんと変わっていく様子は見ていておもしろかったです。利便性も格段に向上した駅前広場を見るたびに、これだけインパクトのある仕事ができて、そしてこれからずっと残る事業に携われることができて、JR九州に入社して本当に良かったと思いますし、貴重な経験ができたなと思っています」
安部が入社前に望んでいた働き方を実現できているように、JR九州では個人にあった働き方ができる環境が整っている。
安部 「入社後、全員が私のようにキャリアチェンジを繰り返しながら働いているわけではなく、一つの部署で長年頑張っている方もいます。専門性を高めたいという方もいるでしょうし、私のように多様な経験をしたいと思う方もいるでしょう。
その中で、私は多彩なキャリアステップを踏めたことに、本当にありがたく思っています。社員の適性に合わせてさまざまな働き方ができるのは、おもしろいなと感じています」
入社してから10年以上になるが、本当に楽しく仕事ができており、大変さを感じたことはほとんどないと言う安部。しかし、2017年に発生した九州北部豪雨は鉄道事業にも大きな影響を及ぼし、衝撃を受けた 。
安部 「2017年に九州北部豪雨が発生し、日田や朝倉などの地域が大きな被害を受けました。当時、私は日田彦山線(ひたひこさんせん)の管理を担当していましたが、災害のために列車の運行ができなくなりました。私が管理している線路がこれほどの被害を受けるのは初めての経験で、大きな衝撃を受けました。線路の管理者として、復旧方法などいろんなことを考えながら日々を過ごしていました」
しかし、この経験が新たな運行の形を考えるきっかけにもなった。
安部 「ほどなくしてBRT(※)が運行開始しましたが、災害が転換の一つのきっかけとなりました。そういう意味でも、2017年の九州北部豪雨はすごくインパクトに残っています」
※ Bus Rapid Transitの略で、バスを基盤とした大量輸送の仕組み
個人プレーではなく、チームプレーが基本。 コミュニケーションは欠かせない 
鉄道事業にはひとりではできない仕事が数多くある。個人ではなくチームで仕事を進める必要があるため、仕事をする上でコミュニケーションは非常に大事にしていると言う。
安部 「線路の中に入って検査や工事、補修を行うにしても当然ひとりではできないため、チームで動く必要があります。チームで動く際にはコミュニケーション力や作業を円滑に進めるための調整力が必要で、入社した時からこの2点は意識しながら仕事をするようにしています。また、立場がだんだんと上になるにつれて、チームをより良い方向に持っていくにはどうすればいいのかも考えるようになってきました。
コミュニケーションを取る上で、私が一番大事にしているのは話を聞くことです。言いたいことは、当然それぞれあると思います。だから、一人ひとりがどのように考えているかを聞きながら最善の策を考えていくことが、チームとして仕事をする上では大事だと思います」
会社としてもコミュニケーションは大切にしており、社員同士の意見交換も活発に行われている。
安部 「いろんな人に話を聞くことで、新たなアイデアが生まれるきっかけにもなりますし、社員同士のコミュニケーションも生まれます。職場内での意見交換は、非常に活発に行われています」
これからJR九州に入社される方たちにも、コミュニケーションを大切にしてほしいと言う。
安部 「社内のさまざまな系統と話し合いながら、業務を進めていくことは多々あります。円滑に仕事を進めていくためにも、コミュニケーションが取れることは当社で働く上で重要な要素だと考えています。あとは、調整力も必要です。社内外含め鉄道事業の関係者は非常に多岐にわたります。関係者との調整なども、仕事を進めていく上で重要だと考えています。当社にはいろんな性格の人がいますが、人間力に長けている人が多いと個人的に思っています」
一方で、採用時に鉄道に関する知識はとくに求めないという。しかし、業務への熱意は持っていてほしいと話す。
安部 「学生時代には鉄道の保線などの仕事を学ぶ機会もなかなかないと思いますし、そこは全員同じスタートラインから始めればいいと考えています。ただし、熱量の違いが仕事の進め方などに表れてくることもありますし、熱意を持って業務に臨んでいただける方に入社していただきたいです。
私はモノづくりに興味を持っていましたが、社員全員が同じようにモノづくりに興味があって入社してきたわけではありません。お客さまに最良の乗り心地を提供することにやりがいを感じる方もいるでしょうし、人それぞれ、やりがいや興味を持っていることは異なると思います。社員の適性に合わせて多様な分野に進めるのが当社の特徴の一つで、それぞれが望む道へ進みやすい環境ができています」
アンテナを張り積極的に情報を得ることが、チャレンジングな発想を生む
新しいことへのチャレンジを受け入れる風土も、JR九州の特徴的な風土の一つ。どんどんチャレンジができる環境だからこそ、大切にしていることがあると言う。
安部 「新しいことを知らないと、取り入れることもできません。だから、JR九州に限らず、さまざまな分野の情報を積極的に収集するように心がけています。そして、それらをどのように活用できるか、日常的に考えるようにしています」
実際に、日頃の情報収集が活かされて始まった取り組みもあると言う。
安部 「高架下に鉄道用地があるのですが、草が結構生えてしまい人の手で手入れするのは大変でした。そこで、人の力ではなくヤギに草を食べてもらい草刈りするのはどうかと会社に提案したところ、提案が承認されました。
他の企業でもヤギを活用した草刈りの取り組みが行われており、JR九州でも同様の試みができるのではないかと考え提案に至りました。地元の方々にも受け入れていただき、ヤギはマスコット的な存在として可愛がられました。社内だけでなく社外の情報も含めていろいろと知っておくと、チャレンジングな発想ができるのではないかと思います」
社員の考えや挑戦のアイデアを柔軟に受け入れてくれる環境の中で、これまで安部もさまざまなことに挑戦してきた。
安部 「計画部門の保線課にいたときは、本当に新しいことにいろいろチャレンジさせてもらいました。日本ではまだ導入されていない機械などを勉強する機会もあったほか、作業者の安全を確保するための装置の開発にも関わりました。施設系の分野だけでは解決できない課題には、他系統の方と協力しながら取り組み、開発を進められたことは、新しいチャレンジになったと思います」
社員一丸となり、未来の鉄道のあり方を考えていく
現在、JR九州では”未来の鉄道のあり方”を、社員一丸となって考えている。鉄道は開業から約150年が経ち、環境の変化もある中で変革も必要な時期に差し掛かっている。
安部 「“未来の鉄道のあり方”を一つのキーワードにして、当社では一生懸命鉄道のあり方を考えています。約150年の歴史がある鉄道業界において、JR九州では大改革と言っても過言ではない革新的な取り組みをしています。
働き方や仕事の進め方など、変えるべきところは変えていき、次世代に残せるような鉄道を作っていく必要があると考えています。次世代に残せるような鉄道のあり方を今後しっかりと検討して作り上げていくことが、個人的には使命だと考えています」
JR九州には、風通しの良い風土がある。だからこそ、“未来の鉄道のあり方を考える”という同じ目標に向かって、社員が一体となって取り組めている。
安部 「当社は若い社員から上層部まで気軽に意見が言える、風通しのいい会社だと思います。未来鉄道というプロジェクトには若手社員が自ら手を挙げてメンバーになっており、若手だから意見が通らないということはありません。
全社員が一体となり、未来のあるべき鉄道の姿を思い描きながら取り組んでいます。保線、保守、土木、電気、駅などさまざまな役割の社員が、未来のあるべき鉄道の姿について一生懸命考えています。年齢を重ねると考え方が凝り固まってしまうところもあるので、若い社員の柔軟な発想は非常に貴重です。会社として、どんどん若手の意見を聞く姿勢を持っています」
日本の人口は減少の一途をたどっており、将来的にはお客さまも働き手も減っていくことが予測される。変わりゆく社会の変化に柔軟に対応していくために、未来の鉄道の形を考えていくことは非常に重要になる。
安部 「人口の減少に伴いご利用されるお客さまが減っていく中、鉄道事業を維持し、発展させていくためには、仕事のやり方や仕組みを見直していかなければなりません。こうした社会の変化に柔軟に適応するためにも、鉄道のより良い形を模索しているのが現状です。未来の鉄道を作るために、会社を上げて全力で取り組んでいます」
※ 記載内容は2023年9月時点のものです

