安定したキャリアを飛び出す。一から挑戦を積み上げていく33歳の新たな決意
もともと車が好きで、メカニックとしての仕事に興味があった山本。整備士の専門学校に通い、20歳で自動車の整備会社に入社しました。そこから約10年間、整備士としてキャリアを積んだ後、他業務への異動となりました。
「整備が好きだったので、ずっと続けていたかったのですが、フロント業務などで、現場を離れている時期があり、その時期に、新しいことへの挑戦の想いが心に宿るようになりました」
その想いから赤字が続く自身の店舗でマーケティングに力を入れ、SNSなどを利用した情報発信などで集客と黒字化を実現。さまざまなことが評価されて最年少で課長へ抜擢されました。
マネジメントや後輩の育成も任されていた山本。そんな安定したキャリアを手にしていた彼が、33歳、現状に違和感を覚え始めます。
「日々安定した生活の中で不満もなく過ごしていましたが、当たり前になりすぎた日常を変えたいと思うようになりました。『同期の中で1番最初に出世してやろう』と頑張ってきたところ、結果として最年少で管理職となることができました。
その自分のスキルや能力が他のフィールドでどれだけ通用するのか、試してみたくなったのです。この先10年20年働いていく中で、今の立場から継続するのではなく、新たな分野で一からスタートして積み上げていく。そこに魅力を感じたんです」
自分の力を試したかった山本は、転職活動ではあえて同業種以外の企業に挑戦。不採用が続く中で、その悔しさが他業種へチャレンジする意欲につながりました。
「他の業種の採用面接を受けた時に落ちることが多かったですね。この業界でしか生きられないのかなと思いつつ、くじけそうになった時も。しかし、その悔しさも含めて他の業種でやってみようという気持ちが芽生えました」
そんな中、出会ったのが当社でした。一次面接で、直属の先輩や社員とWeb面談する機会があり、そこで元整備士の先輩がリース会社で活躍している話を聞きます。
「車の知識がある人間がオートリース会社で働くことで、お客さま、整備工場、リース会社の3社間の関係性をより良くできるのではないか。未知の業界ではありましたが、自身のキャリアアップも含めて、この可能性に賭けてみたいと思いました」
オートリース業界という未知の舞台。整備士経験が支えとなった一年
整備工場でつなぎを着て働いていた環境から、都内のオフィス勤務という大きな環境変化に直面した山本。新しい環境に慣れるまでには数カ月を要しました。
「入社して約1週間は、会社のOJTでオートリースに対しての基礎知識をしっかり教えてもらいました。ただ、知らなかった専門用語がたくさんあって、研修が終わった後や退勤後に調べ物をしていたのを思い出します」
とくに苦労したのがパソコンスキル。整備工場では見積作成など決められたソフトで限定的な作業しかしていなかったため、基本的なパソコン操作にも戸惑いがありました。
「今でも専門知識は苦労していますが、新しいことを学ぶことは苦にならないので、毎日が楽しいです」
直属の先輩も整備士出身で、入社当初はパソコンスキルもなく、上司からのアドバイスや独学で習得したことを聞きました。今ではなんでもできる先輩の存在が山本の大きな支えとなりました。
「一次次面接の時から、自分のことを評価してくれる先輩で。私は褒められて伸びるタイプ(笑)。とても心強かったです」
前職での整備士としての経験は、現在の業務でも大きな強みとなっています。
「現在の業務としては、車両メンテナンス管理を専門に扱う部門で、お客さまの車を整備していただく委託工場とのやり取りや、問い合わせ対応が中心。その中で営業部門と整備担当の間に立って調整を行ったり、整備内容や費用に関するデータをまとめたりしています。
社外対応の時は、前職での経験から整備工場側の気持ちがわかることが強みになっています。個人事業主の方も多いので、お店を運営するにあたってしなければいけないことや、収益面も含めて寄り添いながら話ができるのは、前職での管理職経験が活きていますね」
RCBXで優秀賞を受賞。整備士を守るために挑んだ、整備工場のシェアリングビジネス
JA三井リースグループは、新規ビジネスアイデアの事業化をめざす社内公募型プログラム「RCBX」(Real Challenge to BX)を実施しています。山本は入社と同時にこのプロジェクトに参加することになりました。
「入社後、通常業務を覚えながらRCBXプロジェクトに取り組んでいました。このプロジェクトで私たちが取り組んでいるのは、自動車整備工場の問題解決。年々、整備工場は減少していますが、整備が必要な車両は減っていません。整備工場を守るためにオートリース会社として何かできないかと考えました。
整備工場が抱える課題を解決するため、車両メンテナンスシェアリングという新しいビジネスモデルの構築に挑戦。私たちを含めてお互いの課題を解決できないかと考えました」
ただし、実現に向けてはさまざまな課題があります。
「契約関係やリスク管理、法規制など、思い描いていた以上に多くの課題が見えてきました。これらを一つずつ確認し、万全な環境を作っていく必要があります」
そんな中、このプロジェクトは社内で高く評価され、優秀賞を受賞。山本の表情が明るくなります。
「最終選考を通過したという安堵感と同時に、来年から本格始動するという緊張感が一瞬で出てきました。ともに進めてきたチーム3人は、『やってきて良かったね』と喜びを分かち合いましたね」
現在、このプロジェクトは会社全体の取り組みとして広がりを見せています。
「実は自動車整備工場はコンビニよりも数が多いのです。しかし近年は整備士不足により、工場廃業が進んでいます。車をメンテナンスしてくれる工場がなくなれば、お客さまも困ってしまう。当社のようなオートリース会社も、整備工場があってこそ成り立つビジネス。整備工場を守ることは非常に重要だとあらためて感じています」
整備士としての経験を持つ山本には、強い想いがあります。
「整備士の地位向上も、このプロジェクトの重要な目的のひとつです。私は、自動車整備士は医師と同じぐらい重要な仕事をしていると考えています。人間を診るか、車を診るかの違いはありますが、どちらも社会にとって欠かせない存在です。 車が故障して修理する人がいなかったら困りますよね」
プロジェクトの実現にはさまざまな課題が残されていますが、山本の表情は強い決意に満ちています。
「可能性が1%でもあれば諦めずに突き詰めていく必要があります。今年度中には形にしていきたいですね」
指示待ちではなく、自ら動く。安定を超えて得た、濃密な毎日と達成感の喜び
新規事業にあたっては、乗り越えるべき課題がたくさんありながら、それでも山本は一つひとつの課題に前向きに向き合っています。そのモチベーションの維持に、数値による評価制度が役立っていると、山本は言います。
「自分で設定する目標と会社として設定される目標があり、半期ごとに自己レビューを行います。目標に対する進捗を確認し、上司がしっかりと評価してくれる仕組みになっていて、ここまで見てくれるのかというほど細かい評価ポイントもありました。私は褒められて伸びるタイプなので、この評価制度がモチベーションになっていますね。
またこの他にも上司との1on1面談があって、直接自分の想いや考えを伝えられる機会があります」
入社後すぐに新規事業の立ち上げプロジェクトに参画した山本。その活躍の背景には、会社の文化が大きく影響しています。
「指示を待って与えられたことだけをこなすのではなく、自分で考え、発信し、行動に移せる環境が整っています。一社員として会社を動かしていけるような働き方ができる職場だと思いますね」
今後の目標について、山本は次のように語ります。
「現在進めている新規事業に加えて、最初に配属されたチームの環境整理にも取り組んでいきたいと考えています。僕が入社した後にチームに新しい方が入ってきたので、もう学んでばかりではいけません。聞かれる立場として、しっかり答えられるだけの知識をつけ、責任も担わなければいけません」
現在、転職を考えている人へ、山本は自身の経験を踏まえてメッセージを送ります。
「転職の最大のリスクは安定を捨てること。ただ、そのリスクを乗り越えた先でしか得られない経験や感情があります。当たり前の日常がガラッと変わり、毎日が濃密になります。私自身、入社後にいろんな経験やチャレンジをし、壁にぶつかることもありましたが、それを乗り越えた時の達成感は何よりも嬉しいものでした」
そして、会社の未来を担う存在として、次のステップに向けた意欲を見せます。
「できないことでも一度は受け入れて、オールマイティに活躍できるプレイヤーになっていきたいですね」
※ 記載内容は2025年8月時点のものです
