“ただの再現”では終わらせない。課題の本質に寄り添う開発姿勢と味作りへの探求心
池田糖化第一開発室に所属する服部は、現在、洋菓子などで使用されるフィリング材料開発を担当しています。
「第一開発室では、フルーツソースとフィリング、焙焼品、色素の4つの分野があります。フルーツソースはヨーグルトやドリンクなどに使用される材料で、私が所属するフィリングチームでは、洋菓子などに使用するペースト類を開発しています。
たとえばキャラメルペースト、チョコレートペーストなど、油脂や乳原料などを配合した材料を開発する業務です」
3名で構成されるフィリングチームで、試作業務の実施や案件の進捗管理など、業務全般を服部も担当しています。
「お客さまからの依頼にもとづいて開発を行うことが多いのですが、単に依頼内容をそのまま形にするのではなく、お客さまが本当に求めているものは何か、どういったものを提案するとさらに受け入れていただきやすくなるのかを深く掘り下げるようにしています。さらにそこにひとさじの自分らしさを加えられれば、と常に考えながら動いていますね」
じつは味作りには自信がある、と語る服部。気になったことはすぐに調べる姿勢や、前向きに仕事に取り組む姿勢を大切にしています。
「昨年に現在の部署へと異動してきたばかりなので、原料や製造工程など、わからないことがまだまだ次々と出てきます。そういった部分はすぐに確認したり、先輩に聞いたりして、早めに課題を解決し、吸収できるようにしています」
開発職として何より大切にしているのが、お客さまとのコミュニケーションです。
「実際にお客さまのところに営業担当と共に訪問し、『最近お困りごとはないですか』『今後やってみたいと思っていることはありますか』といった現場の生の声を直接聞くようにしています。
すると、話している時の反応や興味の強さ、新素材への関心度など、生の反応から、お客さまがどこに注目されているのか、どのような改良が求められているのかを感じ取ることができます。それが味作りにも活きてくるので、大切にしています」
希望して異動を重ねた先に見えた、自分なりの味作りと研究の軸
服部は大学で、主に化学合成系の研究に取り組んでいました。専門分野は異なれど、研究を通じて何かを生み出すことへの興味は学生の頃から変わらず持ち続けていると言います。
「開発研究に携わりたいという思いがずっとありました。大学では現在携わっている食品開発とは畑違いの分野出身ですが、研究に携わってきて何かを生み出す・作り出すところに興味がありました。
また、食品にも興味があり、広島県内で働ける場所を探していた中で池田糖化と出会いました」
池田糖化に入社後は、3つの部署で経験を積んできました。最初に配属された第三開発室では、農産チームに所属し、海外グループ工場における野菜のエキスや野菜加工品の開発業務を担当。中国の工場での製品立ち上げも経験しました。
「第三開発室は一から製品を作り出す部署で、原料を自社で加工してエキスを抽出し、お客さまが味作りのベースとして使用するような製品を作っていました」
その後、第二開発室の乾燥具材チームに異動。カップスープなどに使用するフリーズドライ具材やふりかけなどに使用する味付け具材の開発を手がけました。
そして2024年からは第一開発室のフィリングチームに異動。これまでの経験を活かしながら、新たな挑戦を続けています。各部署での経験を通じて、原料の知識や味作りのノウハウを蓄積してきたことを振り返って服部はこう言います。
「最初の第三開発室では原料の特性を見極める目を養うことができ、それは今の仕事にも活きています。たとえば、今の仕事でも生鮮フルーツを扱うことは多く、収穫時期による変化や異物の危険性など、原料の状態をしっかりと把握することが重要になりますから」
また、このようにさまざまな部署を経験してきたことには、服部自身の希望も影響していました。
「せっかくこれだけいろいろな事業をしている会社なので、幅広い知識を身につけたいという思いが入社前からありました。そのため、定期的な異動や部署の変更を自ら希望してきました。
異動・配属のタイミング自体は予測できませんでしたが、自分の希望と会社のニーズがマッチして、結果としてさまざまな経験を積ませてもらうことができています」
半年間で5件もの採用を達成。自信を深めた具材開発の挑戦
これまでの経験を振り返って、第二開発室時代に経験したことは服部にとって成長期のようなもの。当時、大きな成功体験を得たことが印象に残っていると言います。
「ふりかけ具材の開発を担当していた時期があり、たとえばカレー味など、お客さまから依頼された味を再現する仕事をしていました。ここで、新しい味の開発の際に半年間で5件もの採用をいただき、その年のふりかけ具材の採用の大半を獲得することができました。とても大きな自信につながりました」
とくに、メーカーとのコラボ商品で手がけた開発は、自身がこれまでこだわってきた姿勢が形になったものだったと言います。
「ある製品の味を再現する依頼があり、自分でスーパーに行ってその製品を購入・試食し、味の出方を徹底的に研究。味の特徴を分析していきました。素材の味、香りの出方、全体のバランス、食感など、さまざまな要素を組み合わせて開発。そして、開発したものはお客さまからは一発目で高評価をいただくことができ、その後も続けてご依頼をいただけるように。とても嬉しく、印象的な成果でした。
このように、イミテーションと呼ばれる既存の味を再現する開発は、ゴールが明確なだけに難しさがあります。でも、その分、求められている味を的確に再現できた時の達成感は大きいのだなとわかりました」
このような経験は、現在の第一開発室での仕事にも活きています。
「今は洋菓子用のフィリングやペーストの開発を担当していますが、お客さまの要望をより深く理解し、そこに自分らしさを加えていく姿勢は変わりません。これまでの経験があるからこそ、この第一開発室でも今までにはなかったようなより良い提案ができると実感しています」
いずれは、コミュニケーションを大切にする姿勢が活かせるグローバルな開発へ
このように、入社以来、開発職として多様な部署で経験を積んできた服部ですが、現在の第一開発室では、以前の乾燥食品開発とは異なる新たな課題に直面しています。
「現在、第一開発室のフィリング開発で私が難しいと感じる点は、原料同士の組み合わせや工程などがより理論的であることです。たとえば乳化反応や、トロッとさせたり保形性を持たせるような物性調整など、化学反応的なところが結構多いんです。
元々、大学時代の研究で取り扱っていた分野に近いかもしれません。好きなジャンルではありますが、原料を入れると予期せぬ反応みたいなのが結構あるので新鮮に感じる半面、難しさもありますね」
これまでの経験を活かしながら、既存の製造方法や原料の配合順序などを客観的に見直し、より良い方法を模索していく考えです。
「既存メンバーの皆さんが組み上げてきたやり方に、自分のような別の部署を経験した自分が入ることで、客観的に見られる部分も出てくると思います。これが本当に最適な方法かどうか、もっといい方法があるのではなど、より突き詰めて見出していきたいと思っています」
さらに、入社当初からの目標である海外での仕事にも強い意欲を持っています。
「入社当初からずっと思っているのは海外で仕事がしたいということです。幸い、最初の部署では少し経験をさせてもらえました。
ただ、現在は家族もいるので、自分だけが好きに挑戦するというのは少しずつ難しくなってきたところがありますが、今のところ池田糖化のメイン市場は国内なので、海外にはまだまだ可能性があると感じているんです」
とくに、最初の部署では中国の工場での業務経験もあり、当時は言語の壁に苦労しながらも、積極的にコミュニケーションを図る努力をしていたと言います。
「工場の中で依頼や要求をする際に、通訳さんもいてくださるので必ずしも言語ができなければならないということはなかったのですが、実際に現場の人と触れあわないと細かい部分はわかりあえないというジレンマがあったので、翻訳アプリを使うなどして現地の工場の方とできるだけ直接話すようにもしていました。
これは味作りでお客さまと直接話すことを大切にしているのと同じことかもしれません」
このように、これまでの経験を活かしながら、海外市場での展開も視野に入れている服部。そして、仕事に対する真摯な姿勢は、入社時から変わりません。
「ちなみに、外から見ると、開発研究職って難しいのではないかと感じる方もいるかもしれませんが、知識が深い先輩方が池田糖化には多く、皆さん優しい方ばかりで困ったことがあっても誰でも助けてくれます。やりたいことに挑戦できる環境も整っています。
たとえば先ほどの海外展開の構想なども、自分の意見を積極的に発言できる会社です。向上心があり、将来を見据えてさまざまなことを学びたい方には、最適な環境だと思います。皆さんと一緒に働けることを楽しみにしています」
※ 記載内容は2025年3月時点のものです
