発明の価値を守る仕事。疑問を武器に、知財のプロフェッショナルへの道を歩む
石川が所属する知財戦略部は池田糖化グループの知的財産(知財)を守り、戦略的に活用する部署です。
「当部のミッションは当社グループの知的財産、および契約に関する事案に適切に対応することで、リスクを抑えて戦略的に知財を活用することです。具体的には、特許や商標の出願管理や先行文献等調査、ノウハウ管理、侵害予防、大学や企業との共同出願に関する契約対応など幅広い業務を担っています。
チームメンバーは3名です。私は出願前の先行文献等調査の業務を主に担当しています。上司2名は知財のエキスパートなので、手厚いフォローを受けながら業務に邁進できます」
調査業務では、発明の「新規性」と「侵害性」を調べています。
「私の業務は、当社の研究員や開発員から上がってきた発明が本当に世の中に知られていない『新規性』のあるものか、そして他社がすでに特許として保有していないかの『侵害性』を調べる仕事です。
双方に問題がない場合、ノウハウとして秘匿するか、論文・雑誌などで積極的に公開するか、それとも出願して特許とするかを検討します。特許を取ることで当社の事業に利益があると判断されれば、実際の出願のフェーズに移ります」
石川が仕事をする上でもっとも大切にしていることは、発明の本質を深く理解することです。
「上司からも『上がってきた発明について、発明者以上に深く理解できるように努めなさい』といつも言われています。そこでできるだけその発明に興味を持ち、浮かんできた疑問を発明者に投げかけながら、その発明の本質を捉えるようにしています。
ただ、それだけでは発明を深く理解できるとは限りません。そこで、業務を重ねる中で出てきた上司からの指摘を次に活かすことを意識しています。『こういう結果が出ているのはなぜかな?』『次はここをもっと詳しく考えてみよう』といったアドバイスをもとに、上司が知財のプロフェッショナルとして何を気にしているか、どういうところに目を向けているかを考えるようにしています」
知識ゼロから知財のプロへ挑む。薬学部出身の若手が語るゼロからつかんだ自分の道
学生時代は薬学部に進んだ石川。そのきっかけは身近な出来事でした。
「学生時代、よくけがをして近所の接骨院に通っており、その帰りに立ち寄った薬局で薬剤師という仕事を知ったんです。興味を持って親に聞いてみると、『収入が安定している職業だ』と言っていて(笑)。きっかけはそんな些細なことでした」
そんな石川が本格的に進路を考え出したのは大学5年生の時です。
「病院実習に行った時、検体の分析をしているのを見て、一般的な薬剤師の業務より自分に向いているのではないかと思い、地元で分析の仕事ができる職場を探しました。そんな時、同級生から池田糖化の話を聞き、会社説明会に参加することに。当社のキャッチフレーズに『食べたことがないとは言わせない』というのがあり、消費者の食を陰で支える姿がかっこいいと思い、入社を決めました。
医療の道から離れることに、そこまで抵抗はなかったですね。それよりも、やりたいことができるところに行きたいと思っていました。ただ、周りを見渡しても珍しいキャリアだとは思います」
こうして2023年に池田糖化に入社。最初の半年間は研修を受け、食品業界の基礎を学びました。
「研修後はラーメンスープや鍋つゆなど、しょっぱい風味の製品を開発する部署に配属され、半年間経験を積みました。食品科学と薬学には共通する部分もあり、とくに化学や生物の基礎は知っておいてよかったと感じました」
しかし半年後の2024年4月には、知財戦略部への異動を打診されます。
「初めに声をかけられた時はびっくりしましたが、『そういう道もありかな?』と思い、前向きな返事をしました。ただ、当時は知財に関する知識はほとんどゼロ。異動から1カ月間は上司がまとめてくれた情報や知財関連の教材に齧り付いて基礎知識を身につけました。
その後は先輩と共に実務をする中で知識を身につけたり、社外の講座を活用して自分なりに勉強したりしてなんとかやり抜いてきました。知財戦略部に異動してまもなく2年が経ちますが、まだまだ勉強の日々です」
発明を守り、財産に変える。ケースバイケースの知財業務に挑む充実した日々
入社からおよそ3年。現在の石川は池田糖化にどのようなイメージを抱いているのでしょうか。
「いろいろなチャレンジをさせてくれる会社だと思っています。少数精鋭の組織ですが、若手社員を手厚く育成してくれる風潮があります。たとえば入社3年目の私が『こういうことがやりたいです』と伝えると、上司も真摯に受け止め対応してくれます。そのため、若手でも意見が言いやすく働きやすい環境です。
このようにのびのびと仕事ができる環境なので、自身の成長も強く実感します。とくに感じるのは、目先の業務だけに捉われずその先まで考えられるようになったことです。
たとえば、特許はただ取れればよいというものではありません。本当に出願することが正しいのか、他の方法で世に知らしめることはできないか、仮に特許を取ったとして活用できるのか……さまざまな視点でものを見て判断できるようになってきたと感じています」
日々成長している石川にこれまでの業務でとくに印象的だったことを聞きました。
「私の業務内容の1つに、特許庁から配信される膨大な特許情報の中から当社に関連のあるものだけをピックアップし、研究や開発の部署の方に配信する業務があります。その情報を見ていると、日本中の会社がさまざまな技術を発掘して世に出していることが体感できて楽しいです。
また研究・開発のメンバーがその情報を見て、自身の業務に関係のある特許について知ったり、時には知財戦略部に相談を投げかけたりしてくれます。この配信が研究・開発のメンバーの役に立っていると思うと、とてもやりがいを感じます」
知財戦略部の仕事のやりがいについて、石川はこう語ります。
「まず、特許という形で当社の研究や開発の部署から出された発明を会社の財産にできることは、すごくやりがいを感じる瞬間です。自分たちの努力が身を結んだ達成感があります。
また、知財戦略部の業務はケースバイケースで対応する必要があり、マニュアル化することが困難です。その都度、自分がやるべきことを考えながら動かなければならないところが難しいところでもありながら、楽しいところです。
最後に医療系出身者としては、医療の知識を深める機会があることも魅力です。当社の研究部門では医療用の製品や健康食品に関する研究も行っているので、学生時代学んだことを深掘りできるチャンスがあり、とてもワクワクします」
1つを極めたい人にも、いろいろ挑戦したい人にも。池田糖化の多様なキャリアパス
池田糖化の魅力について、石川はこう考えます。
「当社には本当に多様なキャリアパスが用意されていることが魅力です。私は初め開発室に配属されましたが、その後知財戦略部に配属されました。そのほかにも、分析や工場などさまざまな部署があるので、1つのことを極めたい人にも、いろんな業務に携わってみたい人にもそれぞれの道が用意されていると感じます」
働きやすい環境で日々成長し続ける石川が描く、今後のキャリアとは。
「知財に対する知識はまだまだ足りていないのですが、今後は知財相談の窓口になっていきたいです。正直、研究・開発のメンバーにとって知財戦略部への相談はハードルが高いものだと思います。
とくに若手のメンバーは『知財のことはよくわからない』『何から話せばいいかわからない』と思っている人も多いんです。気軽に相談できる相手として、『まずは石川さんに聞いてみよう』と思ってもらえるような存在をめざしたいですね」
一方で多様なキャリアパスが描ける池田糖化だからこそ、こんな可能性も視野に入れています。
「今は知財一筋で頑張りたいと思っていますが、もともと分析に興味があって入社してきたので、いずれは分析に関わるのもいいなと思っています。やりたいことをやらせてくれる会社なので、またキャリアを考えるタイミングが来たら他のことにも挑戦したいですね」
最後に池田糖化で輝ける人について、石川が自身の考えを述べます。
「自分の考えを持ち、それを進言できる人はきっと輝けると思います。何かを思っても自分の中で思いとどまってしまったり、『まあいいや』と発信を諦めてしまうのではなく、疑問に思ったことを質問したり、『こうした方がいいんじゃないか』と提案したりする人は、当社で活躍できると感じます。
これから就職活動をする方には、自分の肩書きにとらわれすぎず、自由に挑戦してみてほしいです。私は自分が大学で学んできたこととはまったく異なる仕事をしていますが、周囲のフォローのおかげもあって安心して飛び込めたと感じていますし、それはそれでおもしろいと満足しています。
これまで積み上げてきたものがあれば、知識は残るので元の分野に戻ることも可能です。人生は一度きりなので、いろんな経験をしてみてください」
※ 記載内容は2026年3月時点のものです
