開発・研究・製造、それぞれの現場で奮闘する同期が実感した“つながり”の力
2024年4月に入社した三人は、約半年にわたる手厚い研修期間を経て現在の部署へ配属されました。田中は第一開発室でデザートソースの開発を、福地はバイオプロダクツ研究室で酵素や微生物の研究開発を、そして谷本はバイオプロダクツカンパニーでその製造を担っています。職種は違いながらも、昼食をともにするなど、その交流は今も活発です。
田中:谷本さんは製造現場でいつも忙しそうにしているし、福地さんも研究室に異動してからより専門的な顔つきになりましたよね。同期がそれぞれの場所で頑張っているのを見ると、私も第一開発室での業務に力が入ります。今日はお話するのを楽しみにしていました。
まずは私の現在の仕事を簡単に紹介すると、おもにアイスやチョコに使われるようなデザートソースの開発を担当しています。お客さまからの要望に対して求める味を提供することがミッション。スピード感が求められる一方で、どうやって競合他社に負けない味作りをしていくか、常に考えながら取り組んでいます。
福地:田中さんはいつも現場を気にかけてくれるから心強いですね。私は谷本さんと同じ寮に住んでいるから、共有スペースで会って話をすることも多いんですよ。
私の業務は、現在、バイオプロダクツ研究室で、おもに食品以外の酵素や食品微生物などの研究開発を行っています。2025年9月に異動してきたばかりですが、年単位の長期的な目線で研究活動を行い、自分で試行錯誤して考えていくプロセスにおもしろさを感じています。
谷本:福地さんとは寮で会うたびに、お互いの進捗を確認し合っていますよね。福地さんや田中さんが研究や開発で芽を出した商材を、実際に製造するのが私の役目です。
私の役割を紹介すると、バイオプロダクツカンパニーの製造部で、現在は血糖値測定用酵素などを製造しており、製造や管理がおもな業務です。1カ月におよぶ長期の製造もあり、最後の方でトラブルが起きるとすべてが台無しになってしまうため、設備の異常にいち早く気づくことを大切にしています。
専門領域は異なりますが、三人の仕事は目に見えない糸でつながっています。そこには、他部署との密接な連携が欠かせません。
谷本:製造現場では、効率的な量産フローを組むために福地さんたちの研究部門とのコミュニケーションが重要になります。
田中:開発も、営業の方がお客さまから要望をもらってくるところから始まって、製造部の方に「これぐらいの量が入るのですが大丈夫ですか」とコンタクトを取ったりします。いろんな部署の方に支えられながら成り立っているので、日頃からコミュニケーションを取っておくことが大事だと感じていますね。
プロの壁に挑む。実務の厳しさを乗り越え、絆を糧につかんだ成長の軌跡
入社当初、三人は学生時代の実習とは異なる「プロの現場」の厳しさに直面しました。
田中:「慣れるまで大変だったのは、とにかく業務の種類が多いこと。入社前は、開発の仕事とは単に試作を重ねて味を追求するものだと思っていました。しかし実際には、規格書の作成や製造フローの構築、さらには見積もりの作成まで開発が担うことは驚きましたね。
試作は毎日行うため習得も早いのですが、規格書や見積もりの作成はタイミングよく案件がないと経験を積めません。最初は一人では難しかったのですが、少しずつ経験することで、今では仕事のパターンをつかめるようになってきました。時間が解決してくれる部分もありますが、多くのことを任せてもらえるようになり、着実に対応力が身についてきたと感じています。
谷本:私は高専で学んだ知識があったものの、実際の現場に入ってみると大きな違いがありました。最初は培養がメインだと思っていましたが、実はその後の分離や精製など、製品にたどり着くまでの「後処理」も培養と同じくらい重要だと知ったんです。
製品によって遠心分離や濾過、食品用であれば殺菌工程など、条件も工程も多岐にわたります。さらに設備が巨大なため、仕様を覚えるだけでも大変で、これらは一つひとつ地道に習得していくしかありません。
先輩からは「必ず記録に残しなさい」と指導されています。自分の記憶には限りがありますが、製造のたびに細かく記録することで、次の製造や開発担当者との正確なコミュニケーションに活かせるようになりました。この記録の積み重ねが、今の私の土台になっています。
福地:私は開発室での経験を経て、現在の研究室へ異動したばかりで、新しいことを一から覚え直さなければならない今の時期が、一番の踏ん張りどころです。研究の仕事は実験だけに没頭すればいいわけではなく、計画書やデータに基づいた報告書の作成など、事務的なタスクも並行して進める必要があります。気を抜くと業務が山積みになってしまうため、自己管理が欠かせません。
忙しいからといって実験のプロセスを省略するのは簡単ですが、それでは得られるはずの知見がこぼれ落ちてしまいます。たとえ業務量が多くても、目の前のことに丁寧に向き合うことが、自身の成長と正確な知識の習得につながると信じています。今はまだ機器を触り始めた段階ですが、この地道な一歩を大切にしていきたいですね。
困難な状況下でも、同期の存在が三人の心を支えてきました。半年間の研修期間中にさまざまな部署を共に回った経験は、絆を深める大きなきっかけとなりました。
福地:研修で一緒に工場を回ったことで、お互いの性格も仕事への向き合い方もよくわかるようになりました。昼食のときに集まって話す時間は、私たちにとって精神的な支えとして機能していると感じます。
田中:本当にその通りです。谷本さんや福地さんとは部署が違うからこそ、客観的なアドバイスをもらえることも多い。夜に寮で過ごす二人の絆も羨ましいけれど、こうして集まって本音で語り合える環境があるからこそ、目の前の壁に立ち向かい続けることができているんだと思います。
それぞれの強みが交差する現場で、3年目に芽生えた確かな手応え
入社から3年目を迎え、三人は徐々に自らの判断で成果を出し始めています。
田中:最近、ソースの開発において大きな手応えを感じる機会がありました。お客さまから「苦味の強いソースが欲しい」とご要望をいただいたのですが、用途がアイスクリームのベース(敷きソース)だと聞き、自分なりに思考を巡らせたんです。アイス部分の甘みが強いため、コントラストをはっきりさせないと、製品化した際に味がぼやけてしまいます。そこで、あえて限界まで苦味を際立たせ、味の輪郭が際立つようなソースを試作しました。
周囲からは「さすがに苦すぎるのでは?」と心配の声もありましたが、「一度この味で提案させてください」と自分の考えを貫いた結果、お客さまから「これこそ求めていた味です」と評価をいただくことができました。自分で取り組んだ仕事が認められたことで、開発のコツをつかめたような、確かな実感を得ることができましたね。
谷本:私は製造ラインの構築において大きな手応えを感じました。開発部門から共有されるフローを、実際の製造現場へ落とし込む業務です。
たとえば、遠心分離後の殺菌が必須となる製品では、殺菌不良を防ぐための細やかな配慮が求められます。全体に熱が行き渡るよう循環ラインを設計したり、滅菌が必要な箇所を徹底的に洗い出したりと、自ら思考を巡らせて最適なラインを構築しました。そのラインが充填までスムーズに流れ、後工程も滞りなく出荷まで進んだときは、心から達成感を覚えましたね。
判断に迷う部分は先輩に相談もしましたが、自分が中心となって設計したラインで製造を完遂できたことは、大きな自信につながりましたし、ミスの許されないタイトなスケジュールの中、無事に終えられたときは安堵しましたね。
福地:私は研究室へ異動する際、3カ月間の研修に参加したのですが、ちょうど社内に食品用微生物専用の新工場が建設されたばかりのタイミングで、設備の詳細まで把握しているメンバーがまだ少なかったんです。
そこで、今後の研究に活かすためには設備の仕様を熟知しておくべきだと考え、見学で得た知識を資料としてまとめました。製造現場の方々にも使い勝手を詳しくヒアリングし、活用方法を盛り込んだ報告書を作成して室長に提出したところ、評価してもらうことができました。自発的に動いて組織の役に立てたことは、研究室という新しい環境へ踏み出す上での大きな自信になったと感じています。
こうした個々の成功は、同期の間でさらなる相乗効果を生んでいます。
谷本:同期が活躍している話や、大きな案件を任されているという話を聞くのは、純粋に誇らしいし嬉しいですよ。私たちの代は人数も多く、それぞれの得意分野が異なるからこそ、互いに補完し合いながら高みをめざせる環境があると思っています。
福地:自分の強みを活かすことで、同期やチームに良い刺激を与えたい。そんな循環があるからこそ、困難な課題や新しい環境での研究にも、心が折れることなく前向きに取り組めるのだと感じています。
若手でも最前線へ。仲間と切磋琢磨しながら、池田糖化でつかむ成長と挑戦のリアル
三人は今後の目標と、池田糖化という組織の魅力について語ります。
福地:まずは研究室のあらゆる機器を一人で使いこなし、日々の業務を問題なく完結できるようにすることが目先の大きな目標です。最終的には、自分が携わった研究で一つ、新しい製品を作り上げて世の中に送り出したいですね。
今取り組んでいる研究は、社会課題を解決するような大きな夢があるものです。成功の難易度はもちろん高いですが、もし成功できればニュースになるような、社会の役に立つ製品を作れる可能性があって。そんな素晴らしい瞬間に立ち会えるよう、長期的な目線で一歩ずつ頑張っていきたいです。
谷本:現在は遠心分離機などの後工程をメインに担当していますが、今後はさらに大規模な培養槽、たとえば7,500リットルや1万リットルクラスの設備も自在に扱えるよう習熟していきたいと考えています。工場全体として設備を扱える人員を増やしていく方針もありますので、特定の専任者に頼り切るのではなく、複数種類の機械や工程をこなせるゼネラリストをめざしたいですね。
それと同時に、自分が理解した設備の仕組みや業務の意義を、新しく入ってくる後輩や周囲のスタッフへ的確に伝えていけるようになることが目標です。設備の構造を深く理解して動かしていくプロセスにはおもしろさがあります。そのやりがいを、しっかりと次世代へ伝承していきたいですね。
田中:私は現在の第一開発室で、デザートソースの開発を突き詰め、専門性を極めていきたい。目標は、困ったときに相談しやすく、的確なアドバイスを即座にくれる今の先輩方のような存在になることです。いつまでも新人気分でいるのではなく、着実にスキルを磨いて、周囲から頼られる存在へと成長したい。
現在はアイスやチョコレート用のソースが中心ですが、ヨーグルト用など、この分野には幅広い可能性があります。「デザートソース」という括りの中でも、まだ経験していない領域がたくさんあります。そのすべてを吸収し、お客さまの期待を超える価値を提供できるようになりたいですね。
池田糖化には、若手の挑戦を歓迎し、早い段階から第一線での活躍を促す土壌があります。未来の仲間へ向けて、三人は自らの経験に基づいたメッセージを送ります。
田中:大手メーカーだと開発に携わるまで数年かかることもありますが、池田糖化は学卒であっても研修後すぐに自分のやりたい開発業務に携われます。開発の最前線に関わることができるのでスキルも目に見えてついていきます。自分の手で製品を形にしたいという思いがある人には、これ以上ない環境です。迷っているならぜひ一歩踏み出してほしいですね。
谷本:製造においても、単に作業をするだけでなく、設備の導入や更新にスタッフが直接意見を出して関わることができます。メーカーの方とやり取りしながら、自分の考えを反映させた設備を導入していく経験は、製造職としておもしろいところです。ただ作るだけではない、モノづくりの深みを楽しめるはずですよ。
福地:池田糖化は若手の声を尊重し、活躍の場を惜しみなく提供してくれます。出身のフィールドが違っても、切磋琢磨し合える同期と出会い、ともに社会を良くしていける。皆さんと一緒に、新しい価値を創造できる日を楽しみにしています。
池田糖化の未来を照らす三人の若き力。その挑戦は、これからも加速し続けます。
※ 記載内容は2026年3月時点のものです
