仕事の基本はコミュニケーション。意見を出しやすい雰囲気づくりを心がける
部品を作る部品メーカー、クルマを製造するHonda、そのクルマをお客様に届ける販売店。それぞれをつなぐ架け橋となり、Hondaの物流領域を一手に担うホンダロジスティクス。そのなかで、販売店から依頼を受けて修理などに必要となる部品を梱包・出荷する業務を担当しているのが、パーツ用品事業所 パーツ課です。
Hは、パーツ課の管理係として、収支管理や環境整備を行っています。
「私たちは、各期で売上や収益の予測を立てた上で、実績と照らし合わせて分析をしながら、収益向上につながる対策を検討しています。
同時に、事業所の作業現場が生産性高く稼働するための環境整備も行います。たとえば、フォークリフトなどの設備が故障した際は、早急に修理の予算を確保して、原状回復に努めます。また、梱包作業が遅れているなどの状況があれば、ラインを増設して人員の確保をするなど、現場が滞りなく動くように調整をしています」
Hondaのモノづくりを物流面から支えるため、作業現場の課題を把握し、すぐに改善できるような環境づくりが必須。そのためにHは、現場のメンバーとのコミュニケーションを大切にしています。
「作業現場には、当社の従業員だけではなく、協力会社のメンバーもいます。日頃から皆さんとコミュニケーションをとり、なんでも言いやすい関係を作ることを心がけています。
Hondaでは、現場・現実・現物を重視する三現主義を大切にしています。私自身、何かあったときはすぐに現場に足を運び、どういう状況なのかを自分の目で確かめたり、何もなくても時間があれば現場に顔を出し、困っていることはないかと聞いてみたり、自分の目で現場を見ることを心がけています。そうすることで、『作業場所が暑すぎるからどうにかしてほしい』など、今困っていることを言いやすい関係ができるのです。
私たちが気づかない部分も、『ここを変えてみたらどうですか?』と意見を出してくれるようになるので、よりサポートがしやすくなります」
現場から管理まで、ひと通りの業務を経験したことが現在につながる
Hがホンダロジスティクスに入社したのは、2008年。きっかけは、クルマが好きだったことと、働きやすさに惹かれたことでした。
「父親がクルマの部品の卸売業をしていて、幼い頃から部品に囲まれて過ごしていたので、自然とクルマに興味を持つようになりました。家族がずっとHondaのクルマに乗っていたこともあり、Hondaに愛着があったんです。生産の現場よりも、ずっとクルマを見ていられる環境にいたかったこともあり、当社を選びました。
また、就職活動でいろいろな企業を見るなかでも、福利厚生がとても充実していたんです。長く働く上でも、そこが魅力でした」
入社後は、Hondaの生産工場に部品を運ぶ部署に配属。現場の作業から業務が始まりました。
「最初は、部品を詰めて、取り付けを行う工場の生産ラインまで運ぶ作業からスタート。その後、協力会社が作業をスムーズに行えるようにサポートする現場推進の仕事を担当しました。
もともと何も知らずに入社していますから、フォークリフトの免許を取得したり、部品を傷つけずに運ぶ方法を学んだり、覚えることに必死でしたね。ちょうど、ミニバンタイプの軽自動車がヒットしたタイミングでもあり、まさにフル稼働。私たちもずっと現場に出ていました」
入社5年目に現場業務から企画業務へと異動になります。業務の性質が変わったことで、仕事の大変さが変わったと振り返ります。
「物流企画では、メーカーから部品を運んでくるための動線を作ったり、部品を保管する倉庫のレイアウトを考えたりといった業務を担当しました。今までは、自分が体を使って現場で作業を行っていましたが、それを考えて伝える側に変わったんです。
相手に伝わりやすい資料構成を考える、効果があることを立証するためにどうするかなど、企画する側の大変さを実感しました」
その後、Hondaへ2年間出向し、再び事業所に戻ったHは、現在と同じ管理業務を担当することに。現場に関わる仕事から、お金を扱う仕事に変わります。
「お金の動きをどう分析したらいいのかわからず、頭を痛めました……。周りの人たちが、『この項目がここにつながっているよ』と教えてくれるのですが、きちんと理解するまでに1〜2年かかりました。でも、現場の作業から始まり、企画や管理業務まで満遍なく担当できたことが、今につながっています」
思いがけず海外へ──言葉や文化の違いに戸惑いながらも、成長を実感
現場から管理までひと通り経験したHに思いがけない転機が訪れたのは、2018年、入社10年目のことでした。アメリカの拠点に出向することになったのです。
「てっきり、ずっと国内で仕事をするものだと思っていたので、驚きました。英語はまったく話せませんでしたし、出発まで2カ月しかなかったので、赴任当初はとにかく言葉が通じなくてアタフタしていました」
日本での経験を活かし、アメリカでも作業者の業務管理や品質安全面の管理、搬入が遅れた際の対応など、現場の管理業務を担当。英語が話せないぶん、ボディーランゲージを駆使してコミュニケーションをとっていたと言います。
「1年くらい経ち、ようやく相手が何を言っているかわかるようになったのですが、そのタイミングで今度はカナダの拠点に行くことになったんです。アメリカとカナダで単語の使い方も少し違ったりするので、またコミュニケーションに苦労して……。
あとは、スピード感が違うんです。カナダの拠点は規模が小さいので、経営陣との距離が近く、わりと大きな投資であっても、必要だと判断されればその場で決済されて、とんとん拍子に進んでいきます。
言葉や仕事の進め方の違いに戸惑いはあったものの、国が違えば文化が違うのは当たり前。すぐに理解できたので、それほど困ったことはありませんでした」
4年間勤務したカナダでは、日本での経験を活かしてプロジェクトの立ち上げにも関わるなど、異なる環境の中で大きく成長できたと振り返ります。
「海外は、働いている人がどんどん入れ替わるため、システム化が進んでいます。誰が来ても作業ができるようにしておかないと、業務が進まないからです。ただ、システム化されているぶん、そのベースになる基本的な作業を知らない人が多いんです。
私は日本で現場をひと通り経験していましたから、問題なく部品を出荷するための流れを築くには、どういう作業が必要で、どこを押さえるべきかを理解していましたし、それを手作業で行うことができました。新しいプロジェクトを立ち上げる際は、その経験がすごく役に立ちました。
また、現場作業や管理だけではなく、会社全体に関わる人事や総務といった領域まで、なんでも任されました。必然的に、それまでよりも広い視野で会社のことを考えるようになりましたし、自分の中では一番大きく成長できた経験だと思います」
自分の経験を次の世代に継承しながら、皆が楽しく働ける環境を作りたい
2023年に日本に戻り、パーツ課に配属されたH。後輩たちに、これまでの自分の経験を伝えていきたいと意気込みます。
「私自身、現場で作業していた経験がとても役に立ちましたし、今でもこまめに現場に足を運ぶことを大切にしています。部下たちにも、現場の作業をしっかり見ておいたほうが良いということはよく伝えています。
また、広い視野で会社のことを考えられるようになったこと、部下を持つようになったことで、大きな目標もできました。
会社が大きくなっていくためには、働いている人が楽しくなければいけません。私の業務は環境整備ですから、もっと働きやすい環境を作れるようになりたいと考えています」
さまざまな変化の中で柔軟に、前向きに成長してきたH。それは、自分自身で仕事の“楽しさ”を見つけてきたからです。
「マンネリ化するのが、あまり好きじゃないんです。常に新しいことに挑戦していたいですし、その中で自分なりの楽しさを見つけるようにしています。
今振り返れば、自分で希望を出した異動は一つもありません(笑)。体力的にキツかったり、業務量が多くて大変だったりということもたくさんありました。でも、変化を楽しむことがモチベーションになっているのだと思います。
当社は、グローバルに拠点を展開していますし、モノを運ぶ以外の仕事もたくさんあります。さらに、自動車業界は今、電動化に向けて大きく変わっているところです。Hondaグループの一員になりたいというクルマ好きな方はもちろん、変化を楽しめる方なら、やりがいを持って仕事に取り組めるはずです」
新しい環境に飛び込むたびに、これまでの経験を活かしてスキルアップしてきたH。楽しむ心を大切に、さらに大きな視点で会社の成長に貢献していきます。
※ 記載内容は2023年9月時点のものです
