数年かけて制度を社内に浸透させ、個々の能力を最大限に発揮できる環境づくりをめざす
ホンダロジスティクスでは、2017年からCDP(キャリアディベロップメントプログラム)を展開。これは従業員の能力やキャリアを開発するための制度で、従来の取り組みをさらに強化するため2022年に刷新されました。この制度づくりにKは2023年から携わっています。
「自動車業界が大きな変革期を迎える中、かつては新しい国への進出や新規事業により、自然と成長機会が与えられていました。ところが、今はそういった機会が減少しているため、計画的に成長の機会を作っていく必要があります。
また、EVなど新領域の拡大に向けて、私たちも新しいことへのチャレンジや、専門性を磨ける人材育成が必要だと考え、CDPへの取り組みが始まりました。
この制度は、一人ひとりの能力を最大限に発揮できる仕組みづくりと、個人と会社が成長の方向性を連動させ、互いに貢献し合える関係構築を目的としています」
2022年からは意識改革の一環として、「CDP-2WAY」という取り組みを開始。これは通常の業務面談とは別に、キャリアや育成について上司と部下が話し合う機会です。
「若年層を対象にスタートし、2023年度は49歳以下の担当職へ、そして現在は新卒1年目を除く全担当職へと対象を拡大しています。同時に、CDP-2WAYについての研修も実施し、こちらも徐々に受講者を増やしていきました。
担当職向けの研修では、CDPの取り組みの説明をはじめ、キャリアカード(後述参照)の作成方法や上司との面談の進め方について、1日のオンラインで学んでもらいました。
一方、監督職や管理職の方たち向けの研修では、部下との対話方法についての講座を受講してもらいました。対象を徐々に拡大させながら、およそ3年かけてCDPの意識づけとCDP-2WAYを社内に浸透させていければと考えています」
CDP-2WAYでは、キャリアカードと呼ばれるツールを活用し、権限がある従業員のみ対象者の全内容を閲覧できる仕組みになっています。
「キャリアカードには、個人の異動希望だけでなく、仕事を進める上での価値観を3つ選択できるようになっています。また、自分の強みと弱みに関する項目では、それに対して上司がアドバイスを記入する欄もあります。キャリア計画には、業務のことだけでなくプライベートに関する内容も記入できます」
現在は情報収集の段階ですが、将来的には人材配置に活用していく予定です。
「現在は、スキルマップの作成もしています。これは能力判定を会社として公式に可視化するもので、作成のためのスキル定義を進めています。将来的にはキャリアカードとスキルマップを組み合わせ、育成型の配置転換やジョブローテーションに活用していく予定です。
私自身がそうだったんですが、なんとなくキャリアを歩んできた従業員もいると思うので、これを機に自分のキャリアについて考え、また上司は部下のキャリアを考える機会を作ってもらえたらと思います」
CDPに携わることで得られた気づき。従業員のためになっている、という想いが原動力
2023年に総務部 人事ブロック 人材育成グループに配属となり、現在に至るまでCDP推進に尽力してきたK。進めていく中で苦労したことについて、こう話します。
「職場の理解を得ながら進めていく必要があり、最初は苦労することもありました。そこで、CDP-2WAYの期間を延長し、特定の方が面談を行うのではなく分担するなどの工夫を重ね、できるだけ面談者の負担を減らすような折衷案を提案しました」
難しい状況でも乗り越えられたのは、「従業員のためになっている」という想いがあったからだとKは言います。
「若手従業員は2年目からCDP-2WAYがあって、そこで自分のキャリアについて上司と話す場があるというのは、すごく恵まれているなぁと思うんです。私自身は、与えられたことをこなすことに集中するタイプでキャリアを長い目で考えたことがなかったので、なおさらそう思うのかもしれませんね。
これらの制度を活用して、“自分はこうなりたい”というビジョンを持ってもらいたいですし、そのために必要な情報はなんでも出してあげたいという想いで取り組んでいます。まだ情報収集の段階なので、何も変わっていないように思うかもしれませんが、少しずつ会社は変わっていきます。必ず皆さんのメリットになると思うので、一緒にCDPを盛り上げていけたらうれしいです」
CDPに携わる中で、K自身もキャリアについて考える機会があったと話します。
「私もスキル定義を見直す中で、自身の不足しているスキルに気づきました。また、現在は人事領域の仕事をしていますが、他の領域に進む可能性も模索し始めるなど、将来を考えるきっかけとなっています。まだ答えは出ていませんが、このような悩み自体を上司に相談できる機会があるのは心強いですね」
CDP施策を機に、独自の取り組みを始める事務所も。2年で徐々に手ごたえを実感
CDP施策の開始から約2年。従業員からは意義を感じる声が多くなったと言います。
「従業員の皆さんからは、うれしいことに『もっと早くから実施すべきだった』とCDPの価値を肯定してくれている声をよく聞きます。また、50代以上の方は“どんな貢献ができるか”という研修テーマに対して、若手従業員にノウハウを教えたいといった前向きな言葉をたくさんもらえました。
これまでは若手と接点が少なくて伝える術がなかったんです。CDP-2WAYではこのような前向きな言葉を引き出せるような面談ができればいいなと思っています」
各事業所では自発的な動きも生まれ、K自身も会社全体の意識が変化してきていることを日々実感しています。
「ある事業所では、CDP-2WAYでの本人の意向などをもとに所内のジョブローテーションを実施するなど、独自の取り組みも始まっています。また、独自のスキル定義を持っている領域もあるので、それらとCDPと連携させる動きも出てきています。
とくに若手従業員から喜びの声が多く、CDP-2WAYをきっかけに希望の部署へ異動し、活躍している方の事例もあるんです。今後会社のキャリアパスやスキル定義が明確になれば、目標の持ち方も変わってきますし、スキルを習得するためにどの部署に行けばよいかがわかるようになります。100%叶うわけではありませんが、個人の希望を反映した育成計画が少しずつ実現できている状況です」
一方で、Kは課題も感じています。
「育成型の異動だけでは事業を回すことは難しく、人員補充による配置替えやジョブローテーションは、今後も残っていくと思います。ただ、自分の思い通りにならなくても、自身のやりたいことを考えて声に出し、努力できる環境があることは良いことだと思います。
スキル定義は、会社の成長にともない変わり続けるもの。なのでCDP施策には終わりがないんですよね。継続的な改善を行うための体制づくりの必要性も感じています」
誰もが自分らしいキャリアを歩めるように。発展途上でも成長機会は確実に広がっている
ホンダロジスティクスに長年勤務しているKは、働き続けたいと思える理由を次のように話します。
「ずっと人に恵まれてきたので、働きやすいというのが大きな理由ですね。やりたい仕事があれば周りに相談し、それで自分が楽しいなと思える仕事に巡り合うこともできました。
また、就職氷河期で苦労して入社した会社でもあるので、簡単にやめてはいけないと思っているんです。自分が成長し、会社で何もやることがなくなる位やろうという想いで、これまで働き続けてきました」
現在は人材育成グループで係長を勤めているK。今後、新たに挑戦したいことがあると言います。
「まずは人事のことをしっかり学びたいと思います。資格取得も視野に入れながら、業務を通じて知識を深めていきたいです。将来的には、社内外の情報をキャッチアップしながら、さまざまなことにチャレンジしていきたいと考えています」
最後に、ホンダロジスティクスへの入社を検討している学生の方に向けて、Kからメッセージを送ります。
「これから入社する方々には、CDP-2WAYの制度を積極的に活用してほしいと思います。自分のキャリアについて考え、上司に想いを伝える機会が用意されているので、それを前向きに捉えてほしいですね。
当社には、さまざまな領域や業種があり、それゆえキャリアを描きづらい面が以前はありました。その過程で悩むこともあるかもしれませんが、考えること自体に意味があると思います。まだ発展途上ではありますが、自分のキャリアを描きながら成長できる機会があることが、当社の大きな魅力ではないでしょうか」
制度を活用して自分らしいキャリアを築いていってほしい。その想いを胸に、Kはこれからも挑戦し続けます。
※ 記載内容は2024年12月時点のものです
