仕事面での心配はなかったものの、復帰時期が延びたことでの不安があった
──まずは自己紹介も兼ねて、現在の所属部署と仕事内容を教えてください。
Y:技術本部 品質保証部に所属しています。品質保証部は名前の通り、品質を全社横断的に確認する部門です。国内はもちろん、タイヤの組み立て業務に関しては、世界のグループ会社も含めて品質確認を行っています。
J:日本事業本部 管理課 安全品質環境係の所属です。所属事業所全体の安全領域、品質領域、環境領域を統括している部署で、私は主に安全、環境領域を担当しています。従業員や現場の作業者の事故防止対策のほか、CO2削減などの環境取組みを行っています。
Y:日本事業本部 管理課 総務係に所属しています。所属事業所における庶務や収支管理の業務を担当しています。
──Yさんは2023年4月に育休から復職していますが、現在はフルタイムで勤務されていますか?
Y:今は時短勤務をしています。当社は育児休暇をとる女性従業員は毎年数名いますし、所属事業所には私の他にも現時点で時短勤務をしている方が1名います。
──皆さんが産休・育休を取得した時のお話を聞かせてください。キャリアを中断して休むことへの不安はありましたか?
Y.:私が入社したのは子どもが2歳ごろだったので、当社で産休・育休は取っていないんです。入社するにあたっても、子育てをしながらここで働くことに対してネガティブな印象はなく、とくに心配することはありませんでした。
J:私が最初に産休・育休を取得したのは、まだ社会人として積み上げたものがそれほど多くない時期だったので、あまり不安はなかったです。後任の方にしっかり引き継ぎができたこともあり、自分が休むことで心配になることはありませんでした。
Y:私も休みに入る前の不安はありませんでしたが、復職時が心配でした。もともとは子どもが1歳になった時点で復職する予定だったのですが、保育園になかなか入れず、結局8カ月ほど延長することになったのです。
管理職や総務部とやりとりしながら調整してもらったものの、予定通りに復帰できないことで皆さんに申し訳ない気持ちで……。自分のキャリアよりも、周りに迷惑をかけているのではないかという不安がありました。
「いつでも頼って」。職場のサポートの中で効率良く仕事を進める工夫をして両立
──仕事と育児の両立についても教えてください。ご自身のなかで工夫していることはありますか?
Y:私は、「両立しなくちゃ」と意識したことがほとんどありません。ありがたいことに子どもがすごく健康で、風邪をひいたりすることも少なかったので、「自分が仕事を楽しむことが子育てにも良いのかな」くらいの気持ちでした。
ただ、出張が多かったので、子どもが小さいうちは近くに住む両親にサポートしてもらったり、会社の同僚が代わりに迎えに行ってくれたりということがありました。
J:私は、自宅と職場まで距離があるため、職場の近くの保育園、小学校に通わせていました。職場から近いとすぐに迎えに行けますし、送り迎えの車のなかで子どもといろんな会話ができたことが良い思い出になっています。
ほかには、いかに8時間で仕事を終わらせるかを工夫しました。残業が続いて子どもと過ごす時間が減ると、子どもにも負担がかかって体調を崩すことがあったので、業務の優先順位と効率を常に意識していました。
Y:家事の時間をできるだけ短縮できるようにしています。買い物はネットスーパーにしたり、料理も30分以内で作れるものにしたり。家事の分担もとくに決めず、手が空いた人がやるというスタイルです。
──「思っていたより大変だった」と感じたことはありますか?
Y:子どもの風邪が長引いて1週間ほどお休みした時ですね。私自身は働けるけれど、子どもの面倒を見ながらではリモート勤務も難しいという状況で、復職時と同じように職場の皆さんが私の分まで負担しているのではないかという申し訳ない気持ちがありました。
J:子どもの病気は本当に大変です。仕事を途中で切り上げなければならないこともあり、思うようには進みませんし……。
あとは、送り迎えは子どもとの時間が増える一方、本当に大変でした。朝が早いので、おにぎりを握っておいて、子どもが起きると同時に車に乗って、おにぎりを食べさせながら移動することもありました。
──子どもの体調不良などで休む時に職場の皆さんに申し訳ない気持ちになるというお話がありましたが、実際のところ、子育て中の人に対しての職場の雰囲気はどうですか?
Y:育児を経験されてきた方も多いので、皆さん「心配しなくていいから、いつもで頼って」と言ってくれるのが心強いです。寄り添って考えてくれる方が多いので、「ここで働けてよかった。恵まれているな」と感じています。
Y:そうですね。時短勤務の方や急な早退が必要になった方に対しても、まったくと言っていいほど嫌な雰囲気はないですね。以前から、全体的に理解のある職場だと思います。
子育てが落ち着いた時にやりたいことができるか──研修が未来を考えるきっかけに
──ご自身のキャリアについても聞かせてください。Yさんはお子さんを連れてアメリカ(オハイオ)駐在も経験されていますが、打診された時に戸惑いはなかったのでしょうか?
Y:ありませんでした。もともと海外駐在を希望していたので、「行きたいです」と即答しました。子育ての環境が違うこともあり、当時の人事の方もいろいろと調べてくださったのですが、とくに問題なさそうだったので、子どもを連れて行くことにも不安はありませんでしたね。
子どもは当時14歳でしたが、自分でアメリカに行くことを決めて、現地の学校にもすぐになじんでいました。帰国後も「アメリカに戻りたい」と言っていたくらいです(笑)。
──アメリカでの駐在で、今後のキャリアのヒントになったことはありますか?
Y:外から日本やホンダロジスティクスという会社を見ることができたことです。良いところも改善すべきところも客観的に見ることができたので、「井の中の蛙になってはいけない」という感覚を持つことができました。課長という立場になった今も、その視点や感覚は役に立っていると感じます。
──Jさんは、ご自身のキャリアを考えるきっかけはありましたか?
J:1人目の育休から復帰して間もなく2人目の産休に入ったこともあり、しばらくはがむしゃらに毎日を過ごしていて、正直今後のキャリアを考える余裕はありませんでした。
最近ようやく子育てが落ち着いてきて、社内のキャリア研修(※)をきっかけに、「自分のキャリアについて改めて考えていかないと」と感じているところです。
※ ホンダロジスティクスでは、従業員が自身の価値観や強みを理解し、今後のキャリアを考えるための研修を実施しています
──研修を受けて、どんなキャリアをめざしたいというイメージを持ったのでしょうか?
J:まだ具体的なことは描けていません。ただ、何年後かに子どもから手が離れた時に、自分は何歳になっていて、そこからどうしていくのかと考えたら、「その年齢からで本当に自分が望む方向に進めるのか、自分にできるのか」と不安に感じる部分もあります。なので、余裕がなかったとしても子育て中に少し考えておくことも大事だなと思いました。
──事前に準備をしておく必要があるということですよね。Yさんは、今後のキャリアについて不安や迷いを感じることはありますか?
Y:私もJさんと同じ研修を受けたのですが、「考えないと」と思いながらも、正直まだ不安を感じる余裕すらない状況です。今は仕事ができることがありがたいと思っているので、与えらえた仕事を、責任を持って進めることを大切にしています。
──入社当時に思い描いていたキャリアや、やりたかったことはありますか?
Y:海外を経験してみたいと思っていたこともありますし、人事の仕事をすることにも興味がありました。ただ、結婚や出産を経て、生活拠点が変わったこともあり、ライフイベントに合わせてだんだんとやりたいことや考え方が変わってきています。
まずは自分が笑顔で過ごす。やりたいことを諦めず、チャンスがあれば掴みに行く
──大変なことも聞いてきましたが、仕事を続けてきて良かったと感じることも教えてください。
J:自分の存在意義を感じられることですね。それなりに年齢も経験も重ねてきて、任せてもらえることも増えましたし、いろいろな部署との関わりもできました。その中で、感謝してもらえることがあると、やりがいを感じます。
Y:夫に頼らずに自立できていることです。私と夫の2馬力あることで、家庭にも負担をかけずに生活できていると感じます。
Y:私は、後輩従業員から「Yさんの存在が励みになります」と言ってもらえた時ですね。上司や環境に恵まれたことで、海外駐在や管理職など、社内で「女性初」ということを経験してきました。私自身はそこをめざしてきたわけではなく、自分のやりたいことをやってきただけなので、本当に上司に恵まれていたのですが、この会社での私の役割なのかなと考えています。
──ここまでのお話を聞くと、子育てや女性のキャリアにとても理解のある環境だと感じますが、その理由はどこにあるのでしょうか?
Y:「仕事より家庭を優先して働かないといけないよ」と言われることが多いので、そういう考えの方がたくさんいるのではないかと思います。
Y:私が入社した2007年当時から、「出産後に戻ってくるのが当たり前」という考えでしたから、男性も女性もそういった考えが定着しているのだと思います。会社全体に優しい雰囲気があるのは、当時から変わらないですね。
──先輩たちが作ってきた風土なんですね。最後に、これからライフイベントを控えている方や従業員に向けて、アドバイスをお願いします。
Y:自分自身が楽しむことで、子どもにも家庭にも良い影響を与えると思うので、「私が楽しむ!」という気持ちを優先させることも大事です。チャンスがあれば、我慢せずに掴みにいってもいいと思います。
J:そうですね。子どもって勝手に育っていく部分もあるので、気負い過ぎることなく、育児も仕事もやるからには楽しむこと。職場でも家庭でもコミュニケーションをしっかり取ることが大切だと思います。
Y:私はまだアドバイスできるようなことはありませんが、お二人の話を聞いて、自分が楽しめば家族みんなが笑顔になるなと思いました。まずは私が笑顔で過ごすことを心がけたいと思います。
──それぞれの考え方はもちろん、職場の雰囲気の良さも伝わってきました。皆さんのお話が、自分のキャリアに悩む方のヒントになれば幸いです。当社も、さらに働きやすい環境づくりに取り組んでいきます。本日は、ありがとうございました!
※ 記載内容は2024年1月時点のものです
