人の命を守る技術者たち──最先端カメラシステムで実現する製造現場の「安全革命」
当プロジェクトでPM(プロジェクトマネージャー)を務める伊藤 慎吾。プロジェクトの概要についてこう説明します。
伊藤:真空ポンプや半導体を製造している大手メーカー様のご依頼を受け、工場へのカメラ設置とカメラ映像を活用した工場の安全を守るシステムの検討・導入を進めています。具体的にはまずカメラの設置を行い、そこから得られる映像をもとに「どんな危険を察知できるか」を考え、システムの開発・導入を行っています。
チーム編成としては、社内では私たちのような設計に携わるメンバーが6人、そのほかお客様との折衝を担う営業メンバーやシステムの品質を見定める品質保証部門のメンバーも関わっています。また実際のカメラの設置やそれに伴う工事では協力会社の力を仰ぐため、プロジェクト全体では約20人と数多くの人が関わっています。
私はPMとしてプロジェクト全体を取りまとめることが仕事。社内メンバーはもちろん、社外協力会社やお客様とも密に連携をとるようにしています。とくに大切にしていることは、プロジェクトを滞りなく進めていくことです。作業者の手が止まらないよう、決めるべきことは速やかに決め、スムーズに業務を進められるよう心がけています。
このプロジェクトに画像解析のプロフェッショナルとして加わったのが、山口 尚輝です。
山口:先に導入されていたカメラの映像から、どんな危険を察知することができるか考え、実際のシステムのご提案やプロトタイプの設計などを担当しています。現時点ですと、作業員が倒れた際にそれを察知して知らせる「倒れ検知システム」やフォークリフトの「動線解析システム」、現場作業員が侵入してはならない場所に入ってしまった際にアラートを出す「侵入検知システム」などのプロトタイプが実際の工場で活用されています。
入社3年目の幾井 星光もチームに加わり、メンバーの一員として活躍しています。
幾井:社内で行われる会議の資料作成やカメラ・サーバーのシステム設定、倒れ検知ソフトの開発などに携わっています。このチームに入ってまだ日が浅いこともあり、上司や先輩方に教わりながら幅広い業務に挑戦させてもらっています。
チームの雰囲気がとてもよいので、困ったことがあれば気軽に相談できることが魅力。オフィスで顔を合わせて会話することもありますし、出張が多いのでチャットツールを使ったコミュニケーションも活発です。
安全を見守り、事故の再発防止をめざす。200台のカメラが織りなす製造現場の安全
もともと工場の安全性に関する課題を解決するために生まれたこのプロジェクト。立ち上げの経緯を伊藤が語ります。
伊藤:工場で起こる事故は作業者の不利益になるだけでなく、企業の利益にも悪影響を及ぼします。そこで事故を未然に防いだり、残念ながら起こってしまった事故に対して再発防止を検討したりするために、工場全体にカメラを設置して危険や事故を「見える化」し、作業者、経営者ともに安心して働ける工場を作ろうということでこのプロジェクトがスタートしました。
初めは神奈川県にある工場の1棟を対象に200台ものカメラを設置。工場内のネットワーク配線からシステムの構築、カメラの位置設定まですべてをお任せいただいたので、初めはインフラの整備にとても時間がかかりました。その画像の解析と並行して、同敷地内の別の棟や他地域の工場にもカメラ設置を展開。(現在ではプロジェクト全体でカメラ約1300台)
並行作業が増えたことでマネジメントも難しくなりましたが、メンバーのサポートを受け、無事順調に進んでいます。
1棟目の工場のカメラ設置が進んだ後に、山口・幾井もこのプロジェクトに参画します。
山口:これまでも日立産業制御ソリューションズで画像解析に関わってきたので、「知識や経験が生かせそうだな」とワクワクしたことを覚えています。
業務に関わる中でありがたかったのはお客様の協力体制ですね。画像解析でできること、逆に苦手としていることを事前にしっかりお伝えしていたこともあり、うまくいかない時も温かく見守ってくれました。そんな環境だったので、慌てず落ち着いて一つひとつの業務を進めることができました。
幾井:私も山口の後を追って参画しました。チーム全体が若手にもチャンスを与えてくれる環境なので、いろいろな業務を経験できて楽しかったです。例えば、定期的に行われるお客様とのミーティングでは司会進行を任されています。初めの頃はお客様の前で話すことに緊張を覚えましたが、最近はだいぶ慣れて自信を持って発言できるようになりました。
顧客との対話から広がる可能性──導入・解析をワンストップで提供できることが強み
和気あいあいとした雰囲気で語り合う3人に、このプロジェクトの中で大切にしていることやとくに印象深かったことについて聞きました。
幾井:私たちは実際の工場に足を運んで、実機を見ることや現場で働く方々とコミュニケーションをとることを大切にしています。移動は確かに大変ですが、自分たちが思い描いていたものが実際に完成していくさまを見ているとやりがいにつながります。また頻繁に足を運ぶことでお客様との絆も強まり、お客様のニーズも掴みやすくなるように思います。
山口:私は自身の提案が通ったことが何よりうれしかったですね。最近ではフォークリフトの動線解析システム、侵入検知システムを新たにご提案し、無事にプロトタイプの導入につながりました。提案する際は、できるだけ提案資料を詳しく作ることで相手に思いを伝えています。導入後の効果検証はまだ先ですが、ひとまずお客様の心に響くご提案ができたかなと思っています。
2人の言葉を聞き、伊藤はこう語ります。
伊藤:本当にとても頼りになるメンバーたちなんです。私はPMとしてプロジェクトを動かしていくことはもちろん、若手にどんどん仕事を任せていくことを大切にしているので、彼らの成長が何よりうれしいですね。
今回のプロジェクトは規模も大きく、クリーンルームなど工場特有の特殊な環境も含めた管理が必要になるので、技術的に難しいこともたくさんあります。そんな中でも、メンバーそれぞれが自主的に社内外のステークホルダーと連携をとって業務を進めてくれるので、本当に助かっています。カメラ200台の設置と管理を任せた後、幾井が「次は50台ですか、楽勝ですね」と言ってくれたのが本当に心強くて印象的です(笑)。
プロジェクトの発展を評価され、社内でも「事業開拓賞」を受賞したと言います。
伊藤:個人的には主に2つの点が評価されたと思っています。1つは、新しいビジネスの創出につながったこと。もう1つはお客様からの反応がよく、他の工場にも展開したいとのことで連続受注をいただいたことです。すでに6施設の導入が決まっており、最近は九州地方に出張することもよくあります。
幾井:同期からも「頑張ってるね」「大変そうだけど頑張ってね」と声をかけてもらえます。それだけ、社内でも注目されているプロジェクトだと感じています。
本人たちもプロジェクトを通じてあらためて日立産業制御ソリューションズの強み、チームの強みを実感したと語ります。
山口:カメラシステムの導入だけを行う企業や画像の解析だけを行う企業は少なくないと思います。しかし日立産業制御ソリューションズでは提案・設計・構築・導入・アフターフォローまでワンストップで行えることが魅力。お客様のニーズに応えられるよう、できることはなんでもしたいと考えています。
伊藤:独りよがりのシステムを入れても意味がありません。お客様のニーズを引き出せるだけ引き出し、日立産業制御ソリューションズの技術で何ができるかを考えて提案につなげていくことが強みだと思います。前述の通り、コミュニケーションスキルの高いメンバーが集まったからこそ、大きなトラブルなくここまでやってこれたのだと思います。
現場から未来のリーダーを育てる。安全の見える化に挑戦する技術者たちが描くビジョン
このプロジェクトのゴールは「誰もが簡単に理解できる安全の仕組み」を作ること。今後の展望についてそれぞれが語ります。
伊藤:具体的なゴールの時期は定めていませんが、2025年度中にはインフラ構築が終わり、2026年以降本格的な画像解析の開発が進んでいくのではないかと予想しています。最終的には、カメラ映像から事故が起こりやすい事例集を作ったり、事故が起きる前に危険を察知してアラートを出せるような機能を取り入れたりしたいと考えています。
幾井:私は今各工場にカメラを設置し、このシステムを広げる業務を行っています。複数の工場での作業を並行して行っているので忙しくなりますが、これまで通り周囲との連携を大切にしながら無事故で設置を行なっていきたいですね。加えて、倒れ検知システムの製品化も決まっていますので、こちらもお客様と会話をしながら要件をしっかり定め、期待を裏切らない製品を作っていきたいです。
山口:お客様にプロトタイプを使用していただいているので、フィードバックをしっかり受け止め、ブラッシュアップしていきたいです。また最近はシステムの使い勝手の部分にも着手し始めています。お客様にとって操作しやすいユーザーインターフェースを考えながら作っていきたいですね。今はまだ開発途中ですが、最終的には安全見守りカメラシステムの存在を多くの企業の方々に知っていただき、興味を持っていただけたらうれしいです。
伊藤:まずはインフラ構築に取り組んでいきますが、カメラの導入はゴールではありません。今後はその先にある画像解析に力を入れていきたいです。カメラの設置環境もそれぞれに異なるので、画角による違いなどをうまく対策しながらできるだけ精度の高いシステムを提供したいと考えています。加えて、私が個人的に頑張りたいことは、メンバーの育成。今自分がやっている仕事もどんどんメンバーに任せていって、このプロジェクトを通じて未来のリーダーを育てていきたいです。
最後に就職や転職を考える方々へ、伊藤がメッセージを送ります。
伊藤:日立産業制御ソリューションズでは画像処理・解析に関するさまざまなプロジェクトが進行しており、私たちもさまざまなプロジェクトを経験した上で今の知識や技術を身につけています。私自身、学生時代は異なる分野を勉強していましたが、これから入社を検討している方にはAI活用にも役立つ、Pythonなどの言語を身につけておくとよいかも知れません。チームで仕事を進めていくことが好きな方にぜひ来ていただきたいです。
※ 記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商号、商標もしくは登録商標です
※ 記載内容は2025年1月時点のものです

