医薬品の品質管理の効率化に向け、LIMS更新プロジェクトを推進
日立産業制御ソリューションズでは、さまざまなソリューションの提供を通じて、医薬品の製造および品質管理、文書管理業務の効率化に貢献しており、医薬品の生産計画から出荷まで当社がカバーする領域は多岐にわたります。
製薬会社は、医薬品の品質を維持するために、規制当局によって定められた厳格な法規制を遵守しなければならず、その中で品質管理を支援するのが栗本と岩井が開発に取り組む「LIMS(Laboratory Information Management System/試験室の品質情報管理システム)」です。
栗本:LIMSは、品質管理に必要な各種分析業務のサポートや、分析機器から連携されたデータを元に試験結果の判定などを行います。現在、各種法規制やガイドラインに則ったシステムの構築に向けて、既存システムの更新プロジェクトを推進中です。
プロジェクトに参加するのは最大で10名。2024年末の完了をめざして取り組んでいます。
同プロジェクトのプロジェクトマネージャー(以下、PM)を務める栗本。案件の旗振り役を担ってきました。
栗本:プロジェクト全般の工程管理に加えて、コストの管理、お客様や社内の各部署との調整役も担当しています。また、プロジェクトメンバーが抱える課題を解決するのもPMである私の役割です。
一方の岩井が務めるのは、プロジェクトリーダー(以下、PL)のポジション。要件定義や設計の段階から参加し、開発現場を統括してきました。
岩井:PMである栗本さんのもとで、開発チームの全体管理を担っています。開発されたプログラムのチェックや、開発に当たっての社内ルールの整備を担当してきました。現在はテスト業務を遂行中です。メンバーが直面する課題を集約し、栗本さんに報告する役割も果たしています。
従来の使用感とさらなるユーザビリティを追求。若手時代に培った経験や人脈が助けに
今回の案件がスタートしたのは2023年3月のこと。競合他社による同様の製品が市場に多く存在する中、10年以上にわたって当社のLIMSを使用してきたお客様からの高い評価をいただいて、当社に更新プロジェクトが任されることになりました。
岩井:今回のプロジェクトは、システム更新にあたりお客様の要望をヒアリングするところから着手しています。初めに既存のシステムの仕様を徹底的に理解し、その上で新しいLIMSに必要な機能や設計に関するアイデアを出し合いながら、徐々に要件を固めていきました。
システムを更新する過程で、プロジェクトチームがもっとも重視したのがバランス感覚。従来の使用感を保ちつつ、ユーザビリティのさらなる向上に努めました。
栗本:「現行の仕様に近いかたちで運用したい」というお客様の要望をお聞きし、これまでの使用感を維持したままシステムをバージョンアップさせ、使いやすさを向上させる必要がありました。変更すべきでない要素を明確にしつつ、さらに使い勝手の良いシステムの実現をめざし、岩井さんと実現方法の議論を重ねました。
じつは若手時代に今回のお客様のシステム開発を手がけていた栗本。当時の経験を今回のプロジェクトで存分に生かせていると話します。
栗本:私が入社して4年目のときに、プロジェクトメンバーの一員として参加しました。そのため、お客様は面識のある方ばかりです。仕様に関する知識などを含め、当時培ったことを大いに役立てながらプロジェクトを推進しています。
共鳴するリーダーシップ。それぞれが描くプロジェクト成功への道筋
今回のプロジェクトで、初めて大規模案件のPLに抜擢された岩井。プロジェクト参加当初の苦労を次のように振り返ります。
岩井:以前、LIMSと分析機器をデータ連携する開発案件でPLを務めたことはありましたが、これほど大規模なプロジェクトでリーダーを任されるのは今回が初。要件定義から参加したのも初めての挑戦でした。
開発経験が豊富なシステムエンジニアにシステムの詳細な仕様を確認したり、他案件の資料を参考にしながら各フェーズで必要な作業を学んだりと、とても苦労しました。PLとしての社内業務や、プロジェクトを円滑に進めるためのルール整備などについて、栗本さんに相談する場面も多かったですね。
そんな岩井の活躍に大いに助けられてきたと話す栗本。プロジェクトを通じてシステムに関する共通理解の醸成に一貫して取り組んできました。
栗本:案件の初期段階で、システムの仕様を深く理解しているのは私とPLである岩井さんだけ。プロジェクトを成功へと導くためには、実際に開発を担当するほかのメンバーの共通理解が不可欠です。分かりやすい仕様書を作成すると同時に、質問しやすい環境づくりを心がけてきました。
例えば、状況確認のためのミーティングを毎朝実施し、課題を抱えているメンバーがいた場合は、時間を設けてすぐに解決するよう努めています。
プロジェクトが始動して間もなくちょうど丸1年。ふたりはともに大きな成果を感じていると話します。
岩井:PLという立場での新しい経験を通じて、多くを学べている実感があります。例えば、開発メンバーにはプログラムが開発できるよう詳細なシステムの動作を伝えることが求められる一方、エンジニアではないお客様に対しては、専門用語を避け、図解を活用するなどして内容を分かりやすく説明することが重要です。相手目線に立ったコミュニケーションを心がけたことで、お客様の要望に的確に応えられている手ごたえがあります。
また、初めて担当した要件定義では、システムの仕様について構想を提案するなど、ものづくりの醍醐味を味わうこともできました。
栗本:私は、チームが一丸となって小さな目標を一つひとつ達成するたびにPMとして大きな充実感を得ています。これは、メンバーが互いに進んで知識を共有し合う雰囲気づくりができているからこそ。設計や開発など、設定した期限通りに各フェーズの目標を達成するごとに打ち上げ会を開催し、メンバーの努力を労っています。
医薬品製造現場のDXに挑む。日立産業制御ソリューションズだからこその貢献と成長
プロジェクトは現在開発フェーズを終え、ちょうど折り返し地点に到達した段階。ふたりは、今後に向けた抱負を次のように語ります。
岩井:テスト工程では、開発したプログラムが要件や仕様書通りに正確に作成され、問題なく動作するかを確認します。社内でのテスト後、実際の環境でも動作確認を行い、システムの動作に問題ないことが確認されたら、お客様にお引渡しします。その後、お客様によるテストも行われますが、お客様のテスト工程の負荷をできるだけ軽減できるよう、お問い合わせがあった場合などに迅速に対応できる体制を整えていきたいと思っています。
中長期的には、栗本さんのようにPMを務められるようになりたいので、まずは中規模プロジェクトから挑戦してみたいですね。また、私はプログラミングが得意で手を動かすことも好きなので、新しいシステムの開発にシステムエンジニアとして参加したいとも考えています。
栗本:岩井さんが話す通り、新システムへの切り替え後もスムーズに運用できるよう、今後はお客様サポートを強化していく予定です。
また、現在は新規営業活動を別チームが担当していますが、将来はお客様に対して提案する段階からプロジェクトに参加し、自分の考えや意見をシステムに反映できるポジションに就くことをめざしています。
医薬品の製造現場におけるDXは、日立産業制御ソリューションズの注力分野のひとつ。その最前線で活躍する立場から、同分野のソリューション開発に携わるやりがいについて、ふたりは次のように話します。
栗本:システムに誤りがあれば、医薬品の安全性や有効性に影響を及ぼす可能性があり、責任はとても重大です。患者さんの安心と安全を陰で支えているという自覚と誇りを持って、日々の業務に励んでいます。
岩井:システム導入していない製薬会社では、安全性を保証するために、ダブルチェック、場合によってはトリプルチェックを行うケースもあります。システム導入により、これまで紙ベースで行なっていた煩雑なチェック作業を大幅に簡略化することが可能です。お客様の業務負荷の軽減に貢献し、製薬・医療業界全体の効率化に寄与していることを実感しながら仕事に取り組んでいます。
一方、成長機会や学びの場の豊富さが当社の魅力だと口を揃える栗本と岩井。新しい仲間に向けてこんな言葉で参加を呼びかけます。
岩井:当社の開発業務では、上流から下流まで、プロジェクトの全工程に携われるところにおもしろさを感じています。研修や資格取得支援など、教育制度も充実しており、システムエンジニアとして多様な経験を積みたい方にとって最適な環境です。
システムの仕様や開発方針についてチーム内で話し合う機会が多いため、コミュニケーションを積極的に取ることができる方なら、自身の能力を存分に発揮できると思います。
栗本:システムエンジニアに限らず、当社には誠実で実直な方、人柄の良い方が多いと感じます。また、岩井さんが言った通り、学びの機会が豊富にあるのも当社の大きな魅力。私は大学で化学を専攻したので、ITについては入社後に学び始めたんです。情報系以外の方も多く活躍しているので、IT未経験でも臆せず、医薬や社会インフラ、産業分野に貢献したいという方にぜひ入社していただきたいですね。
※ 記載内容は2024年2月時点のものです

