現場経験を活かし、横断的な視点で成果へ繋げる──事業運営部の舞台裏
グランビスタ ホテル&リゾートの事業運営部は、ホテル運営課、リゾート運営・リテーリング運営課、事業運営企画課の3つの課で構成される部署です。部長として全体を統括する黒田は、担当する各事業所の運営管理や目標達成をサポートする重要な役割を担っています。
「事業運営部は、それぞれの課で担当する事業所が異なります。ホテル運営課はインターゲートホテルズ5館と銀座グランドホテル、京町家2軒を。リゾート運営・リテーリング運営課は白良荘グランドホテルと3つのハイウエイレストランを担当しています。
事業所ごとに運営方針や年度予算が決まってきますので、それらの目標達成に向けての支援部隊というか、裏方としてサポートをしていくのが主な役割です」
部署全体で10名ほどのメンバーが在籍し、各課に課長を配置。特筆すべきは、ほとんどのメンバーが現場での経験を持っていることです。
「比較的若いメンバーが多く、現場を知っているキャストが本部に異動をしてくるケースが多いです。現場が今何に困っているのか、どういったサポートをすれば成果が出るのか、その感覚を持って業務に当たっているので心強いですね」
事業運営部の主なミッションは、PL(収支)、CS(顧客満足)、ES(従業員満足)の3つの視点から、各事業所の目標達成を支援することです。
「本部にいるとそれぞれのホテルを横断的に見ることができます。他部署を巻き込んだ視点や、より良いアプローチ方法を提案するなど横展開もしやすいですし、そういったことがより成果が上がるきっかけにもなります」
毎週、3つの課のメンバーが集まってミーティングを実施。部署として大切にしているのは、現場とのコミュニケーションと適切な距離感を保つことです。
「本社の人間だからといって、トップダウン的なやり方はしません。各事業所には支配人という責任者がいて、それぞれの責任や考えを尊重したバランスがとても重要だと考えています。
各事業所の課題を共有し、建設的な議論を重ねる中で、同じ課題を共有することで『こういうことできるんじゃない?』というアイデアが生まれています。現場との円滑なコミュニケーションを維持しながら、連携を促進することを常に大事にしています」
視野を変えれば世界が変わる──自ら選んだ転勤がもたらした大きな成長
1988年の入社以来、黒田は37年にわたりグランビスタで様々な経験を積んできました。最初の24年間は札幌グランドホテルに在籍し、食堂課やマーケティング課など複数の部署を経験します。
「札幌グランドホテルで働いていた頃は、『北の迎賓館』『地域一番館』と称され、地元の方々に支持していただき、自分が働いているホテルが一番すごい場所だと感じていたんです」
そんな黒田の転機となったのは、42歳での鴨川シーワールドへの転勤でした。当時感じていたマンネリ感から抜け出したいという想いもあり自ら希望を出したものでしたが、この経験は黒田の視野を大きく広げることになります。
「鴨川シーワールドに行って一番の衝撃は、グランビスタがこれほど全国区の事業所を運営していたことです。札幌グランドホテルで働いていた際は、北海道という限られた地域での評価に慢心していた面があり、自身の視座の狭さに気づかされました。
鴨川シーワールドでは取り組みに対するさまざまなリアクションがあり、水族館ならではの全国規模の影響力を目の当たりにしました。営業推進支配人としてマーケティングや広報活動に携わる中で反響の大きさも実感し、新たな気づきを得ることができました」
営業推進支配人として2年半を過ごした後、本社への異動を経て、再び札幌グランドホテルに戻ります。その後、ホテルインターゲート金沢の開業支配人を経て、2021年からは事業運営部長として本社の重要な役割を担っています。
「現場育ちということもあり現場での仕事に愛着がありましたが、より俯瞰的な視点で物事を見ていきたいという想いもありました。事業運営部長という立場は責任を感じるポジションですが、自身の成長の機会としても捉えています。
特に、これまで経験がなかったハイウエイ事業など新しい分野に携わることで、道路会社とのリレーション構築など新たな学びを得ています」
さまざまな現場を経験することで、成長実感を得たという黒田。転勤についてこんな考えを語ります。
「私個人の経験としては、視野が変わる転勤は、キャリアにとって大きなプラスになっています。グランビスタは素晴らしい施設を持っているのですが、それは経験してみないと分からないことです。もちろん、転勤を強要するわけではありませんが、違う視点で物事を見ることはとても重要だと思います」
業務効率化で生まれるお客様への時間。提案力で現場を支え、接客の質を高める
事業運営部では、現場キャストがお客様により多くの時間を費やせるよう、業務の効率化に取り組んでいます。その一例が、宿泊予約のキャンセル対応のオンライン化です。
「以前は、キャンセル料が発生するお客様に対して一件一件コンタクトを取り、承諾を得て請求書を作成し送付するアナログな作業が必要でした。これを全てオンラインによる専用ツールで完結できる仕組みを導入したことで、効率よくキャンセル対応を行うことができるようになりました」
このような取り組みのアイデアは、本部側で情報を収集し、現場に提案する形で生まれています。
「最新のトレンドや将来的な展望について情報を集め、それを現場に提案・検討・実行するというプロセスを重視しています。世の中には多くの情報が溢れており、その中から効果が期待できるものを選んでトライアルを行っています。
内部と外部の両方にアンテナを張り続け、トレンドを掴んでいくことが重要だと考えています」
そうした取り組みの成果が、部署としての大きなやりがいにもなっています。
「結果が出ることで、本部のキャストも現場のキャストもポジティブになり、次のステップへの意欲が高まります。もちろん、全ての取り組みが成功するわけではありませんが、失敗を恐れずにチャレンジする姿勢が必要です。現場やお客様に迷惑をかけないことを前提に、積極的にアイデアを出し合うようにしています」
管理職として、チャレンジしやすい環境づくりにも注力しています。
「新しいアイデアに対して最初から否定的な反応をすると、メンバーは提案をしなくなってしまいます。まずは相手の考えをしっかりと聞き、多少不安があっても『やってみよう』と背中を押せる職場環境を作ることが自分の役割です。また、責任を取ることも管理職だからこそ担える役割だと感じています」
やってみて初めてわかること。ホテル改革の手応えと変化への挑戦
事業運営部では、今後の取り組みとして客室の改装や禁煙化など様々なチャレンジを計画し、着実に準備を進めています。
「今までは費用や時間がかかることで、なかなか一歩前に進めなかったことがありました。しかし、実際にいろいろな改装をやってみると、効果が現れているのです。その一例が、白良荘グランドホテルで進めている畳の部屋のベッド化の推進です。外国人観光客の増加に伴いベッドのニーズが高まっていることへの対応です。
また、外国人のお客様は圧倒的に禁煙率が高いので、これまでの喫煙フロアを一気に禁煙化したホテルもあります。現場では稟議や契約など、手続きの段取りを全て行うのは難しい。それらを本部が全面的にサポートする形で進めています」
事業運営部は、現場をサポートする裏方の部署。しかし、その存在感は確かなものを目指しています。
「基本的に表に立っていく部署ではないのですが、新しい取り組みを打ち出して『また、面白いことにチャレンジしている』と思われる存在になっていきたいですね。
ただし、それには現場が結果を出していくことが重要なので、現場をしっかりとサポートする中で『事業部に任せれば大丈夫』だと信頼される関係性を作り出していくことを大切にしたいです」
社長も「トライアンドエラー」という方針を打ち出しており、新しい取り組みへの挑戦を推奨しています。
「会社として、実行して効果を検証し、その結果に基づいて拡大や継続を判断していく姿勢を大切にしています。やって効果があるものは必ずある。やらないで失敗するよりも、多少のリスクがあっても、影響を考えながら適宜判断をしながらどんどんチャレンジしていくべきだと考えています」
黒田自身の展望も、現場への思いと重なります。
「原点回帰というワードは、常に自分の頭の中にあります。いつかは札幌に戻り、これまでの経験を活かして会社に貢献できればと考えています。培ってきたものを、地元・北海道で発揮していきたいです」
現場とともに成長を──グランビスタ ホテル&リゾートのより良い未来を描くため、黒田はこれからも挑戦を続けます。
※ 記載内容は2025年2月時点のものです

