「社内における接客業」として、現場に寄り添った解決を心がける
情報システム部は、グランビスタ ホテル&リゾートにおけるITインフラの保守・サポートをはじめ、新規事業におけるITシステム導入支援、ITを活用した業務改善や効率化の企画・実行などを担う部署です。
「全社共通で利用しているインフラ以外にも、ホテルや水族館などそれぞれの施設で使っているシステムがあり、定期的に見直しも必要です。6名のメンバーが各施設と連携しながら、システムの保守管理や更新、新規システムの導入などを行っています」
営業職経験者やブライダル業界、航空業界出身者など、メンバーのバックグラウンドはさまざま。インフラ、セキュリティ、アプリなど、それぞれが得意分野を持ちながら業務に取り組んでいます。
「以前はもっと少人数のチームだったので、『職人集団』といった雰囲気がありましたが、今は事業拡大に伴いメンバーも増え、コミュニケーションが活発になりました。
私自身も担当業務を持ちながらマネジメントしているので、互いに助け合いながら、一人ひとりが新しい領域にも挑戦できるように仕事を割り当てるようにしています」
他部署からも「コミュニケーションがとりやすく、安心して相談できる」と信頼を寄せられている情報システム部。その理由は、総合ホスピタリティ企業ならではとも言える、部のスローガンにあります。
「私たちは、『社内における接客業である』という考え方を大切にしています。バックエンドの仕事ではあるものの、ユーザーであるキャストの先にはお客様がいます。IT領域のスペシャリストとして現場の困りごとに寄り添い、常に接客業としての意識を持って業務にあたっています」
この考えの背景には、渡辺自身がホテル勤務時代に感じた想いがあります。
「システムベンダーさんとやりとりする際に、専門用語での説明が理解できなかったり、現場としての課題が解決しきれていないにも関わらずサポートが終わってしまったりといった経験をしたことがあります。そのため、現場の視点に立ったサポートを大切にしています。
システムのメンテナンスをする際にも、『何時から何時までシステムが停止します』という案内だけではなく、その時間に現場でどのような業務が行われているのか、その業務にどのような影響があるのかといったことを想定した上で、わかりやすく伝えることを心がけています」
ホテルでの勤務経験から生まれる現場視点。一つひとつの経験を自分の引き出しに
契約社員を経て、2006年に入社した渡辺。キャリアのスタートは、札幌パークホテルでのロビーサービスでした。
「お客様のお荷物を持ってフロントへ誘導したり、お部屋までご案内したりする仕事を経験した後、宿泊の予約対応をする部署に異動。その後、フロント業務も担当しました」
宿泊部門での経験を積んだ後、仙台のホテルへ転勤。予約対応とフロント業務を兼務しながら、本部のIT部門と連携してホテルシステムの入れ替えを進めていました。しかし、2011年の東日本大震災によりホテルが閉鎖。再び札幌に戻ることになりました。
「札幌のホテルでも、ちょうどホテルシステムの入れ替えをしようというタイミングでした。そこで、仙台での経験を活かし、私が担当することになったのです。
約1年かけてシステム移行が完了すると、その経験を買われてIT部門に異動になりました」
異動して1年ほど経った頃、渡辺は大きなプロジェクトを任されることになります。全社で利用するポータルサイトとメールシステムの変更でした。
「当時のメールシステムは容量が少なく頻繁にデータの整理が必要であったほか、一斉にメールを立ち上げると動きが遅くなるなど、複数の課題がありました。サービスの選定からデータの移行に関する計画、経営陣への提案まで、上司にサポートしてもらいながら私が中心となってプロジェクトを進めました」
このプロジェクトを成功させた経験は、渡辺にとって大きな自信になったと言います。
「計画の策定や予算の確保など一通りの経験ができました。それ以降の業務で困ったことがあっても、『あの時はこの方法でうまくいった』『前回はここでつまずいたから、今回は気をつけよう』といった具合に、一つひとつの経験が自分の引き出しになっているのを実感します。
また、私は宿泊部門での経験があるため、フロント業務や予約データの流れまで、実務の全体像を把握しています。現場知識があることで、システム導入や改善の際に、現場がどう受け止めるか、どんな課題が生じるかをシミュレーションすることができるからこそ、現場とのコミュニケーションがスムーズにできると感じています」
チーム一丸で構築する安心のIT環境。成功のカギは徹底した準備
近年、グランビスタ ホテル&リゾートは、ブランドステートメント「地域の価値で、未来を変えていく。」を具現化する価値体験型ホテル「インターゲートホテルズ」や「神戸須磨シーワールド」など、新たな施設をオープン。各施設の滞りない運営にも、情報システム部の貢献があります。
「新規事業所のオープンには、チーム全体での協力が不可欠です。回線の開通はインフラチーム、システム導入は私、現場でのシステム操作の教育はセキュリティチームが行うといった具合に、それぞれの専門性を活かして一丸となって進めました。
とくに、現地のキャストは当社のシステムに慣れていない新規のメンバーも多くいます。チーム全員で現地に赴いて指導するなど、ITルールの定着に努めました」
その結果、オープン以来、システムに関する大きなトラブルはなし。この成功につながったポイントを、渡辺は「徹底した準備」だと分析します。
「プロジェクトの成否を分けるのは、準備段階での徹底した対策です。業務が立て込んでくると、どうしてもいつもより低い完成度で妥協してしまいがちです。しかし、それがいずれ思わぬトラブルにつながることも。だからこそ、お互いに準備が十分かどうかを確認しあい、足りない部分はサポートしあいながら進めていきました」
情報システム部の仕事は、表からは見えにくい仕事ではあるものの、ユーザーであるキャスト、そしてお客様の喜びの声が何よりの励みになると話します。
「キャストに相談された困りごとを解決できて、『便利になった』『効率が上がった』という声をもらえることが大きな喜びです。また、『商品の購入がスムーズにできた』といったお客様からの口コミも、とてもうれしいですよね。
私たちの仕事がキャストの負担を減らし、その負担が減った分、キャストがお客様により良い接客ができ、お客様に喜んでいただける。それがやりがいです」
広く先を見ながら自社に役立つ技術を選定。成長のために提案できる部署へ
2023年の夏から部長として情報システム部を率いる渡辺。管理職としてのやりがいをこう語ります。
「管理職になってもっとも変化を感じるのは、『今、何に投資すべきか』を自分で判断できるようになったことです。
IT業界は進歩が早く、数年で状況が大きく変わります。その中で、会社の将来にとって必要なものを見極め、それが実際にユーザーの利便性向上につながった時は大きな喜びを感じます。たとえばコロナ禍では、事前に準備していたシステムがリモートワーク環境の構築に活用できたこともありました。そういった決断を任せてもらえることにやりがいを感じます」
そして、情報システム部がめざす姿についても、明確なビジョンを持っています。
「私たちの第一の使命は、システムや業務を止めないこと。けれど、ただ保守・サポートだけを行う部署ではなく、『接客』を通じてキャストとお客様の満足度を上げていく役割を担っています。
そのためには、トラブルや困りごとが発生してから対応する受け身の姿勢だけではなく、現場のニーズを先回りして拾い、提案していく部署になる必要があります。私たち自身もITツールを大いに活用して業務を効率化させながら、より多くの時間を情報発信や提案に使っていきたいと考えています」
その先に見据えるのは、会社の成長への貢献。
「売上が増加すれば、人員やIT機器も増えていきます。先回りしてその準備を整えることで、ビジネスの成長を止めないことが私たちの最低限の使命で、システムの活用により当社が掲げる目標を前倒しで実現できるよう貢献したいと考えています。
そのために、グローバルな視野でIT業界の動向を注視し、将来的に自社で活用できる技術を常にチェックしています。
個人的には、いつかグランビスタが『業界初』となるようなITの事例を作っていきたいですね」
ホテリエとしての心がベースにあるからこそ、相手に寄り添う姿勢を大切に──社内の接客業として、IT面からキャストとお客様の「快適」を支えます。
※ 記載内容は2025年1月時点のものです

