IT業界不況期という苦境をバネに、40代半ばで新たな世界へ
中村がフレクトに入社したのは、2018年のこと。これまでのキャリアを紐解くと、IT一筋の経歴がありました。
中村 「小学生のころからパソコンが好きで、プログラミングをやっていました。大学では理工学部の電子工学科に通っていたのですが、そこでもプログラミングを学びながら、無線通信や電波の研究をしていました。就職先は、迷うことなくIT業界へ。新卒で、SIerの会社に就職しました。
入社後は、COBOLというプログラム言語を使って、金融系のプロジェクト設計から製造、単体テストなどを担当していましたが、かなりハードな勤務状況だったこともあり、協業していたパートナー企業様からお誘いを受けたことを機に転職。入社して半年ほどのことです。転職先は、SES( System Engineering Service )をメインとするソフトウェア会社。22年間勤務しました」
長くエンジニアとして働いてきた中村にとって、印象的だった出来事があります。2009年、リーマンショック後の不況期です。
中村 「あのころは案件も激減し、会社にいても仕事がなくて……ちょうど時を同じくして、世間にクラウドサービスが登場。当時務めていた会社では、昔ながらのシステム開発が中心だったので、私はこの新しいサービスに大きな興味を持ちました。この不況を乗り越えるためには、クラウドサービスが欠かせないだろう。そんな見込みを持ち、関連する参考書や技術雑誌を読み漁って、稚拙ながらも提案書を作り会社に提出しました」
このとき学んだことが、フレクトの転職へとつながっていきます。
中村 「22年間働いていて、たくさんの貴重な経験ができましたし、立場的にもプロジェクトリーダーを任され、非常に充実していました。ただどうしても、新しい技術に触れたい、もっと先端テクノロジーに携わりたいという想いが強くなったのです。プライベートで勉強を進めていたAWSを使ったブログサイトの構築やAI/機械学習をしていると心底ワクワクできました。年齢は40代半ば。転職するならラストチャンスです。そこで思い切って、行動に移すことを決意しました」
こうして中村には、クラウドの先端テクノロジーを手がけるフレクトに、中途で入社することになりました。
リリース後の運用保守こそ、スムーズなサービス提供の礎
2022年9月現在、中村がチームマネージャーを務めるチームでは、開発が完了し、サービスインしたシステムのフォローアップする役割を担っています。
中村 「フレクトが開発に携わったお客様に関して、リリース後のシステム改善や運用保守をすべて取りまとめて担当するチームです。フレクトで開発する案件が増えてくると、当然ですが、新規開発とリリース後の運用改善の掛け持ち業務を行う担当者が増えていきます。運用中のシステムで、万が一トラブルが発生すると業務過多となり、新規開発に集中して取り組むことが難しくなってしまいます。
リリース後の運用保守は、開発時とはまた違ったノウハウが必要となり、新たな問題も次々と生じてきます。そこで、専門の部署で複数のお客様のリリース後のシステムを取りまとめることで、トラブル等に関する知見も蓄積され、迅速な対応ができますし、開発担当、運用保守担当がそれぞれの業務に集中して取り組める環境が作り出せるのです」
中村がチームマネージャーを託された背景には、これまでエンジニアとして活動してきた中で培った知識と経験、そして、かねてから抱いていた想いがありました。
中村 「フレクトに入社後、エンジニアの立場でプロジェクトに参加してクラウドでの開発技術を実務で学び、そのサービスがリリースした後、運用保守を担当していました。その案件が軌道に乗り、他の案件の運用保守も任されるようになっていたので、今回声をかけてもらえたのだと思います。
一般的に、エンジニアは保守よりも開発を好む傾向がありますが、私にとっては魅力的なポジションだと思いました。なぜなら、リリース後のシステムを運用するには、かなり幅広いスキルが必要になるからです。開発はひとつの技術を深堀りするイメージですが、リリース後の保守を見ていると、必然的に複数のクラウドシステムやシステム構成を扱うことになります。さらに、実際に使ってみたお客様からの問い合わせや依頼、要望に対応することで、エンジニア視点だけでなく、ユーザーが何を望んでいるかまで汲み取る力が必要とされます。
リリース後の運用保守を極めることができれば、開発から運用保守までエンジニアとして幅広いスキルとセンスを磨くことができるのです。そういった意味では、エンジニアのスキルアップにもつながる場であるといえます。私はぜひこのチームのマネージャーをやってみたいと思いました」
フォローアップをしながら、リクエストに応える。多角的視点が必要なチーム
エンジニアとしてのスキルアップにもつながるという中村のチームの業務。実際にどのような流れでフォローアップが始まるのか、中村が語ります。
中村 「各部署で開発し、リリースが終わると、しばらくはその部署で様子を見ながら、順次引き継ぎをお願いしたいという要望が集まってきます。そこで、引き継ぎ時のノウハウなどの情報をヒアリングし、1~2カ月ほどともに運用した後、以降の保守運用はこちらのチームで巻き取るという流れです」
ただし、現状のまま引き継ぐだけでなく、お客様がサービスを使ってみて「もっとこんな機能ができないか」といった要望や改善点を相談されることも少なくありません。
中村 「サービスの大枠は満足された上で、検索機能など細かな機能の追加などは、よくリクエストに上がってきます。やはり、お客様やユーザーの方がサービスを使ってみて初めてわかることはたくさんあります。すべてを対応できれば良いのですが、契約内容や業務状況に鑑みると、そうもいきません。そこで、出てきた改善要望をリスト化し、お客様とコミュニケーションをとりながら、どの点から改善していくかの優先順位をつけて着手していきます」
さまざまなお客様から異なるリクエストを受けながら、一つひとつ対応していく。そんな中で、この仕事の魅力は「チームメンバーの育成」だと中村は語ります。
中村 「目指すは、現状バラバラと進行しているチームを業種別や、作業に必要なスキルをバランス良く学べるような形にチームビルディングすることです。誰か特定の担当者に同じような案件が集まることは、業務の効率化を考えれば仕方のないことなのですが、エンジニア側の立場でいうと、少々物足りなさを感じてしまう。スキルを把握した上で、新しく学びたいことにも挑戦ができる環境にしていきたいです。
誰もがクラウドシステムを幅広く扱えるようになるため、そして、お客様の視点を持った上で理想的な設計を実現できるようになるためにも、やはりチームビルディングは欠かせません。こうしてメンバーが経験を増やしてどんどん成長していくと、私自身も感慨深いです。チームリーダーとして、仲間として、多角的な視点を持ちながら、技術を磨いてほしいと思っています」
フレクトの強みになる「鉄壁の守り」のチームを作る
目指すチームは「サッカーでたとえるならば、最後の砦となるゴールキーパーのような存在」と中村。サービスがリリース後はこのチームに任せれば大丈夫、そう思ってもらえるようなチームに育てていきたいと語ります。
中村 「フレクトの強みは、複数のパブリッククラウドサービスなど、先端テクノロジーを駆使して最適な形につくりあげるという『攻め』のシステム開発だと思っています。その攻めの姿勢は大切にしながらも、一方で、システムリリース後の安定稼働もがっちりと固める。『守り』の部分は私たちのチームで担い、攻めと守りの両方を武器にしていくことがチームとしてのビジョンです」
そんな大きな視野でビジョンを描く反面、個人で目指す姿を尋ねると「恩返し」という思いがけないワードが出てきました。
中村 「今の会社はもちろん、前職やお客様など、私に関わってくれたすべての方に対して、素晴らしい経験と成長の場を与えてもらえたことに感謝しています。そして、その恩返しの気持ちを込めて、これからもたくさんの方々と良い関係を構築していきたいし、チームメンバーが成長できるよう支援していきたいのです。
私がいるチームは、エンジニアとしての技術だけでなく、システムの調査能力、お客様の意図を汲み取る力、調整力、緊急時のトラブル対応など、幅広いスキルが必要です。だからこそ、チームメンバー個々の価値観や適性に合った役割を見い出し、誰もが成長できて働きやすい環境をつくっていきたいと思っています」
数多くの案件に携わり、失敗も成功も経験してきた中村。これまでに得た知識やスキル、ノウハウにこだわらず、常に新しいことにチャレンジしたいと語るその目は、チームを通じた会社全体の成長、そして、自身だけでなく、仲間たちみんなのキャリアアップや成長を見据えています。
