生成AI推進の最前線で見つけた、新たなやりがいと価値創出
DXCテクノロジー・ジャパン株式会社(以下、DXC)のテクノロジーコンサルティング事業部 Powered by GenAI部で、生成AI活用の推進に取り組む近藤。現在は3つの主要な役割を担っています。
「1つめは、社内向け生成AIチャット“DXC Chat”の企画・開発・啓蒙です。社員が生成AIを活用しやすいようニュースレターを発行するなど、社内への利活用を後押ししています。
2つめは、「高速開発」と呼んでいる生成AIを活用した開発手法の検討です。生成AIチームでは、複数の生成AIツールを組み合わせた独自の開発手法の体系化を進めており、私は主にテスト部分を担当しています。
3つめは、生成AIの業務アプリケーションへの組み込みが進む中で、日々登場する新しい生成AIツールを調査し、その機能をエンドユーザーに容易に届けられるプラットフォームの選定です。これらを通じて生成AIの可能性を引き出し、新たな価値創出をめざしています」
社内向け生成AIチャットは、DXCでの自社開発プロジェクト。主要メンバー約10名に加え、生成AIに興味を持つ社内のボランティアメンバーも開発に参画しています。
「ボランティアメンバーには、本業の合間に改修支援や技術調査を手伝ってもらっています。週次の定例ミーティングや日常的なチャットでやりとりしながら、それぞれの得意分野を活かして開発を進めています」
これまで近藤が経験してきたものとは異なるプロセスに多くの学びがあり、そのすべてがおもしろさにつながっています。
「今まで担当してきたシステム開発のプロセスとは違う点も多いので、学ぶことがたくさんあります。それも含めてやりがいがあって、どの取り組みも一つひとつおもしろいですね」
中でも3つめの取り組み、生成AIツールの調査とプラットフォーム選定は、業務アプリケーションへの実装を見据えた重要なステップだと近藤は話します。
「生成AI担当として意識しているのは、常に情報をキャッチアップし続けること。日々情報が更新され、追いつかない!と感じることもありますが、『私が担当です』と胸を張れるよう、責任を持って学び続けています」
この真摯な姿勢が、近藤がお客様や周囲メンバーから信頼を集め続けている理由の一つです。
お客様に寄り添い、信頼を築く。未経験から歩んだPMOまでの道のり
近藤のキャリアは、常に挑戦の連続です。大学では理工学部で化学を専攻、IT未経験からプログラマーとしてキャリアをスタートしました。
1社目では大手企業向けの顧客管理システム開発を担当し、エンジニアとしての基礎を築きます。やがて「お客様とより近い立場で仕事がしたい」という思いが芽生え、DXCの前身企業の一つ、日本ヒューレット・パッカードに転職しました。
「1社目では、お客様からの要望や自分からの提案が複数の担当者を経由して行き来することが多く、思いがうまく伝わらないもどかしさがありました。もっと近くでお客様に向き合いたい──その思いが転職のきっかけでした」
転職後はお客様先に常駐し、金融業界のプロジェクトでプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとして活躍。2020年からは、新たなステップとしてクレジットカード会社のシステム開発プロジェクトにおいて、お客様のPMO組織の一員としてPMO業務を担当することに。
「それまでもPMOがいるプロジェクトに参加したことはありましたが、正直どこか遠い存在に感じていました。そのため自分がPMOを担当するとなった時は漠然とした不安もありましたが、それ以上にチャレンジしてみたいという気持ちが強かったですね」
中でも印象に残っているのが、複数システムで構成されるシステムの基盤更改プロジェクトです。
「クレジットカードシステムは、サービスを停止できる時間が限られています。なるべく短い時間で切り替えるため、私が参加してからも数年かけて準備が進められました」
プロジェクトはトラブルなく完遂。成功の裏には、各システムのチームの尽力と、PMOとしての丁寧な調整の積み重ねがありました。
「同じゴールをめざしていても、チーム毎に立場が違えば見える景色も意見も異なります。そうした違いをすり合わせ、方向性を一つにまとめていく。そこにPMOとしての難しさと醍醐味があります」
総合試験の準備では、各システムの特性に応じた試験観点や資料のフォーマットを調整。納得のいく形にするため、何度もお客様と各チームと議論を重ねました。
「ユーザー画面を持つシステムと、バックエンドで処理のみを行うシステムでは、試験で確認すべき内容もまったく異なります。各システムの特性を意識しながら、最終的にはこれらを一つの統一されたフォーマットの資料にまとめる必要があり、その取りまとめが難しかったですね」
試験計画フェーズの各種ドキュメント作成では、「2年後の総合試験の実施結果報告書でどう報告するか」を見据えた設計力も求められました。そうした苦労と工夫を重ねたプロジェクトの中で見えてきた成功の鍵について、近藤は次のように語ります。
「最終的な判断を下すのはリーダーですが、その判断を支えるには、各チーム間に信頼関係があることが大前提なんです。これがすべての基盤になると、強く感じました。この経験が、現在のチームでもしっかり活きています」
キャリアを紡ぐ挑戦。新しい未来を支えた「貢献したい」という想い
そして2024年、近藤は新たな一歩を踏み出します。次なる舞台は社内横断で生成AIの活用を推進する「Powered by GenAI部」。キャリアの中でも大きな転機となる異動、Powerd by GenAI部を新設するタイミングで声を掛けられたのがきっかけでした。
「PMOとして関わったプロジェクトは成功し、そのプロジェクトはお客様の社内で非常に高い評価を受けました。この経験の中で、チームや組織の一員として貢献することの意義を強く実感していました。
そんな中、『一緒にやってみないか』と声を掛けられた生成AIチームは、DXC社内で横断的に活動するチーム。今度は自分の会社のチームの中で仕事をして、自分の会社に貢献してみたいという想いが強くなり、異動を決意しました」
とはいえ、この決断は容易なものではありませんでした。
「私はもともと何かの技術に特化したキャリアを歩んできてはいないので、生成AIというテクノロジーに特化していかなければいけないという部分に不安はありました。
今でもプレッシャーはありますが、さまざまな社内チームと関わる中で、DXCという会社全体を初めて俯瞰できている感覚があります。これまでにない視点が得られている実感があり、『挑戦してよかった』と素直に思っています」
これまでに歩んできたキャリアの積み重ねは、現在の業務にも確実に活かされています。
「プログラマーからPM、PMOと開発の各工程を経験してきたからこそ、ユーザー視点で“どこに生成AIが役立つか”を見極める意識が自然と身についています」
そうした中で、今までにない手応えも感じていると言います。
「社内向けのプロダクト開発に携わると、『こういう機能がほしい』という声や、実際にリリースしたときのリアクションがダイレクトに返ってきます。その反応を受けながら改善を重ねていくプロセスに、大きなやりがいを感じています」
変化を恐れず未来をつかむ。一歩踏み出す勇気のすすめ
近藤は現在、生成AI分野でのスキル習得に励みながら、将来的にはお客様への生成AI導入支援にも携わっていくことをめざしています。
「大きすぎる目標を立てると、かえって動けなくなってしまうタイプなんです。そのため、まずは生成AIの勉強を進めつつ、一つひとつ目の前の課題に丁寧に向き合いながら、着実に次のステップに進む方法を考えています」
そんな近藤のように、新たな分野への挑戦に踏み出す社員が少なくないのがDXCの特徴。その背景には、一人ひとりの意思や希望を尊重するカルチャーがあります。
「DXCはいい意味で自由な会社だと感じています。リモートワークや出社といった働き方だけでなく、キャリアについても自分の考えを率直に伝えやすい環境があります。もちろん希望がすべて通るわけではありませんが、耳を傾け、前向きに検討してくれる風土があります」
こうした柔軟な環境が成立しているのは、社員同士の信頼関係があってこそ──近藤はそう実感しています。
「リモートワークなどの柔軟な働き方が成り立っているのは、普段の仕事を通じて“この人なら任せられる”という信頼があるからだと思います。期待されている成果を一つひとつ丁寧に積み重ねていくことが、働きやすさにもつながっていると感じますね」
多様な経験を経て、いま新たな領域に挑む近藤。自身の経験を通じて、新しいことに踏み出そうとしている人たちへ、こんなメッセージを送ります。
「“挑戦してみたい”という気持ちは、まず誰かに話してみることが大事だと思います。頭の中だけで考えていると、モヤモヤのまま終わってしまうこともあるので……。信頼できる同期や先輩、後輩と話すことで、自分でも気づいていなかったチャンスが見えてくることもあります」
どんな仕事も、実際に「やってみないとわからない」──だからこそ、変化を恐れず学び続ける姿勢と、仲間と共に挑む意志が、次の成長を引き寄せていくのかもしれません。困難に真正面から向き合いながら、着実に歩みを進める近藤。その姿勢は、同じようにキャリアの可能性を模索する多くの人に、前を向くきっかけを与えてくれるはずです。
※ 記載内容は2025年6月時点のものです
