技術の「継承」と「革新」を求めて──世代を超えた部門運営
データ&AI事業部 システムイノベーション・テクノロジー部で部長を務める横野。2024年9月の就任以来、17名の部署メンバーを率いています。
「製造業のお客様に対して、工場内の製造工程情報を管理し、工程によっては全自動で制御するMES(製造実行システム)のデリバリー・保守が、当部署の主な業務です。また、銀行のお客様向けのデータ基盤構築の技術サポートも提供しています。
部署はベテラン層と若手層で構成されており、長年MESに携わってきたベテラン社員は豊富な技術やナレッジを持っています。それを若手に継承しながら、新しい事業展開を進めることが当部署のミッションでもあります」
このミッションの一環として、自社開発システムに加え、他社製品も取り扱う新たな取り組みを開始しています。
「お客様の多様な要件に対応するため、自社製品と他社製品の強みを組み合わせた提案を行っています。操作画面の美しさ、コスト効率、独自機能など、他社の製品特性を把握し、それらを活かしたソリューション提供も可能なことが、当部署の強みになると考えています」
部長として、横野は状況に応じたマネジメントを心がけています。
「若手主体のプロジェクトではより深く関与しマネジメントをサポートするなど、プロジェクトごとに最適なアプローチを取るようにしています」
また、メンバーとのコミュニケーションにおいては、業務だけでない人間関係の構築を重視しています。
「メンバーとは仕事以外の話もするよう心がけています。相互の信頼関係がすべての基盤になると考えているので、相手を尊重する姿勢を大切にしています」
常に新しい挑戦を選び続ける──多彩な業界経験が育む視野の広さ
DXCの前身企業にエンジニアとして新卒入社して以来、横野はさまざまな立場でシステム開発に携わってきました。
「新卒入社後は開発メンバーからスタートし、しだいにアプリケーションリーダーやグループリーダーへとキャリアを進みました。大規模プロジェクトではグループリーダーを統括する立場になったり、小規模案件ではプロジェクトマネージャーとして予算・スケジュール管理からお客様対応まで一手に担当したりするなど、プロジェクトの規模に応じてさまざまな役割を経験してきました」
横野は、金融、製造、鉄道、小売りなど、さまざまな業界のプロジェクトに取り組み続けました。
「会社として未経験の業界の新たなシステム構築に取り組む機会も多くありました。もっとも長く関わったのは、家電量販店のシステム構築と保守でした。在庫管理、会計処理など、基幹系システムを担当しました」
新しい分野への挑戦を積極的に選択してきた横野。背景には明確な理由がありました。
「同一業務を続けていると、自分の知識と技術が固定化されて、広がりがなくなってしまうように私は感じていました。そのため、新規プロジェクトへの参画を希望してきました。幸いにも会社はその姿勢を受け入れてくれました」
そして2024年、部長職への就任を打診されます。部長職への挑戦には葛藤もありました。
「役職の責任の重さを認識していたため、最初は躊躇しました。しかし、長年にわたり会社から提供された挑戦の機会、育児休暇からの復帰後に受けた支援などに対して恩返したいという気持ちがあって。その気持ちも含めて挑戦することを決意しました」
部長就任後は、新たな課題に向き合う日々です。
「ビジネスの将来を考えることや、メンバー全員が気持ちよく仕事ができる環境づくりなど、従来の業務とは異なる難しさを感じています。しかし周囲からの手厚いサポートにより、温かい環境で職務に取り組めていることに感謝しています」
育児と仕事の試行錯誤から得た、多様なメンバーと協働して進める覚悟
これまでに2度、育児休暇を取得した横野。約12年前に初めての出産・育児を経て仕事に復帰した頃を、次のように振り返ります。
「私は家庭の中で、夫と対等でいたいと思う性格です。そのため、子育てだけに集中することは自分には合わないと思い、仕事を続けようと考えました。
育休明けすぐに任された案件は、製造企業でのサーバー導入プロジェクトで、プロジェクトリーダーを担当しました。保育園のお迎えの時間までしか仕事ができないといった時間の制約がある中で、チームメンバーに助けてもらいながら進めていきました。月に1、2回の日帰りの遠方への出張時は、親に保育園のお迎えなどのサポートをお願いしていました」
仕事と育児の両立において、さまざまな工夫を重ねてきた横野。限られた時間を効率的に使うことを心がけてきました。
「たとえば、夫が朝の保育園への送りを担当し、私が夕方の迎えを担当するという分担制にすることで、朝の時間を確保できる体制を整えています。その朝の時間で夕食の準備をしておくことで、帰宅後すぐに食事ができるようにしています」
子育てをしながら働く中で、横野は大きな気づきを得ます。
「仕事も育児も、自分の理想通りにしようと思うと、100%自分でやり切る必要があります。でも、実現は難しく、どこかで諦めなければいけない部分が出てきます。
自分ですべて進めることが難しい状況では、他の人を信頼して任せることを受け入れる必要があります。これは貴重な経験でした。この経験がなければ、自分ですべて進めるのが1番と考えるような人間になっていたと思います。
周囲の力を借りる必要が出てきた時、こちらからお願いしなくても自ら動いてくれる人もいれば、そうではない人もいます。時に妥協したり、時に説得したりと、さまざまな対応をしながらプロジェクトを前に進めなければいけません。
いろいろなタイプの人に対して、この人は自分とは合わないからと距離を置くのではなく、一緒にやっていかなくてはいけないという覚悟が持てたことは、現在の私のマネジメントの姿勢につながっている部分があるかもしれません」
多様性が「強み」になる組織づくりに、自分らしく貢献していく
横野が仕事で感じるやりがいは、新しい出会いと、そこから広がる知識の習得にあります。
「新しいお客様やシステムとの出会いを通じて、新たな知識を習得していくプロセスにおもしろさを感じます。作ったものがお客様のビジネスに役立ち、会社のコアな機能として動いていく様子を見ると、とてもやりがいを感じますね」
部長職に就いて半年、メンバーとの関係性を築く中で印象的な出来事もありました。
「メンバーの相談に乗っていた際に『横野さんがいてくれてよかった』と言われたことがあり、心から嬉しく思いました。でも、私もメンバーもまだお互いに不慣れな部分があるので、これからさらに関係性を築いていく必要があると感じています」
DXCにはさまざまなタイプの人材が在籍しており、横野はその多様性を強みと捉えています。
「役割分担はあっても、実際には明確な境界線がないのが特徴です。たとえば、エンジニアといっても技術に特化した専門性の高いエンジニアもいれば、エンジニアでありながら営業的センスに優れた人もいて、その個性を活かして仕事をしています。
特定の型にはまった人材だけだと、その型に合わない人は疎外されてしまう可能性がありますが、多様な人材が協働している環境であることは、社員の会社への信頼感を高めることにつながると考えています」
多様性を重視するDXCにおいて、横野は健康を第一に、自分らしいキャリアの形を模索し続けていきたいと言います。
「まずは、健康維持が最優先です。自分の健康状態が、家族の日々の生活に大きく影響するからです。
会社での自分の立ち位置については、特別なロールモデルになりたいとは考えていません。私はバリバリ仕事をこなす女性管理職のタイプではなく、それが個性です。多様な人材が集う当社において、その多様性を構成する一員として貢献できればと思っています」
仕事と育児の両立に悩む人へ、横野は自身の経験から得た想いを語ります。
「『両立はできない』ということが、私の答えです。両方を自分の理想通りにこなすことは難しいものですし、たとえどちらか一方だけでも理想通りにいかないことが多いものです。しかし、そういうものだと受け入れ、仕事でも育児でも周囲の力を借りながら進んでいきましょう。
プライベートと仕事の両立は、誰もが直面する課題です。プライベートの問題が仕事へ及ぼす影響は、子育てだけでなく親の介護や自身の健康管理など、さまざまです。将来的には、こうした『両立』の話題が特別視されず、プライベートと仕事の両立が当然のこととして認識されるようになればと思います」
※ 記載内容は2025年4月時点のものです
