パソコンでものづくりができる喜び。ダブルスクールで専門知識を磨いていく
鹿児島県の種子島で生まれ育った荒川。IT業界に興味を持ったきっかけは、高校時代にさかのぼります。
「高校1年生の時、進路研究の一環で情報系の学校による出張講座が行われたんです。パソコンの画面上でブロックを動かしていくような、簡単なミニゲームを作成するプログラミング実習でした。
私は普通科の学生だったのですが、いつも触れているパソコンで、こんな風にものづくりができるのかと驚きました。そして、情報系の進路を志すようになったんです」
卒業後は、鹿児島市内の専門学校に入学。そこには「大学併修学科」という学科がありました。
「専門学校に在籍しながら、大学の単位も通信教育で取得できる仕組みでした。大学の授業は通信教育で学び、専門学校では登校しながら勉強を進める。ふたつの側面から情報系の知識を深めていきました」
ダブルスクールという進路を選んだ理由について、荒川はこう説明します。
「未経験から知識を身につけるにあたって、専門学校の方が先生から手厚いサポートを受けられると思ったんです。ただ、大学を卒業しておきたいという思いもあったため、合わせて学べる形を選びました」
その結果、荒川は在学中の4年間で、たしかな知見を得ることができました。
「最初は基礎知識を固めることからはじめ、だんだんとプログラミングができるようになり、最終的には、要件定義からリリースまでの一連の開発プロセスを実践的に経験することができました」
鹿児島からの就職活動。オンラインとオフラインを経験することで見えたもの
就職活動の時期となり、荒川は東京での就職を希望するようになります。
「鹿児島は都心と比較するとIT関連の仕事が少なく、待遇面もまだまだ充実していません。同じ仕事をするのであれば、選択肢が豊富な東京で働きたいと考え、企業を探していきました」
面接はオンラインで実施されることが多く、地方であることの障壁が少なかったと振り返ります。
「ちょうどオンラインでの面接が浸透しはじめた頃だったので、タイミングが良かったのかもしれません。ただ、インターンシップについては、現地で参加したいと考えていました。
当時の私が見たオンラインのインターンシップは、チームワークではなく個人ワークが中心。朝会のような全体ミーティングはありますが、その後は1人で課題を進めていく形式がほとんどでした。それで人と一緒に働く経験をするためには、足を運ぶのが一番だと思いました」
こうして荒川は、2社に絞って東京のインターンシップに参加します。
「10日間の滞在期間で2社のインターンシップに参加をしました。仕事を経験することはもちろん、就業後にオフィスで食事会もして、社風を肌で感じながら、交流を楽しむことができました」
実際に参加をする中で、地方と都心の就職活動の違いも経験したと言います。
「宿泊先は会社に手配をしてもらえるケースが多いですが、交通費は自己負担です。遠方であればあるほど大きな金額となるので、事前の準備は必要ですね。
東京での就職をめざす人、かつ現地に行くことも大切にしたい人は、学生時代からアルバイトで貯蓄をしておくことがおすすめです。また一度の訪問でいくつかの企業を回ることができるよう、スケジュール調整も大切だと感じました」
インターンシップ経験後、鹿児島に戻った荒川。意外なきっかけから、DXCの存在を知ります。
「地元の先輩にDXCで働いている方がいて『受けてみたら?』と言ってもらったんです。それまで日系企業ばかりを見ていたので、外資系企業という点に新鮮さを感じました。企業研究を進めていく中で、幅広い業界で事業を展開している点に惹かれ、選考に進むことを決めました」
DXCの選考は、最初から最後までオンラインで実施されました。
「画面越しではありましたが、DXCの選考は大企業でありながら柔らかい社風が伝わってきて、ここで働きたいと感じました。
内定をいただいた後も月1回、オンラインで内定者向けのイベントがあり、同期メンバーと積極的にコミュニケーションを取っていきました(※)」
入社後は、4月から6月までの3カ月間の新卒社員研修を受講。その後、保険デリバリー本部へと配属されました。
※ 2023年当時。現在は対面でのイベントも実施しています
設計業務からスタート。最初に壁を乗り越えることで得られたもの
配属後は、1カ月間の部署研修から始まりました。
「保険業界の知識や製品について学んでいきました。もともとはまったく知識のない業界だったのですが、保険業界向けの自社製品があることを知り、とてもおもしろそうだと感じました」
そして研修後、荒川は小規模なプロジェクトを任されることになります。
「タイミングよく新しいプロジェクトが始まっていたため、そこにアサインされることになりました。テスト業務などからスタートするかと思っていたのですが、設計書作成を任されることになり、本当に驚きましたね。自分にできるのだろうかと思いつつも、挑戦することにしました」
同期と比較しても早いスピードで設計書を書く工程を担うことになった荒川。周囲のサポートをもとに、業務を進めていきます。
「設計書を作成し、先輩から通常1回のレビューを受けるところを、2回にするなど細かくサポートをしていただきながら進めました。ただ、予定していたよりも2カ月リリースが遅れてしまうなど、苦しい場面も経験しました。
リリースが遅れた要因は、設計段階でのヒアリングに甘さがあったこと。何をどう解決したいのかを拾い切ることができなかったため、テストフェーズで『あれもこれもできていない』という事態が発生してしまったんです。
初めてのプロジェクトだからと周囲は温かくフォローしてくれましたが、当時は焦りでいっぱいでした」
しかし、この経験は次のプロジェクトで活きることになります。要件定義で入念なヒアリングを行い、お客さまとのコミュニケーションも円滑に行えた結果、スケジュール通りにリリースすることができました。
「今振り返ると、最初に設計を経験して良かったと感じています。案件の進め方がわかっていたので、自分の中で全体像が理解しやすかったです。お客さまに聞く内容も、こちらで用意した質問を渡して回答を得られ、スムーズに進めることができました。
前の失敗があったためリリース直前は緊張しましたが、無事にプロジェクトを終えることができた時は、とてもうれしかったです」
現在の仕事の醍醐味について、荒川はこう語ります。
「学生時代からコーディングが好きで、さまざまなコードを書いていたのですが、COBOLを扱うのは初めてです。Pythonなど新しい言語であれば、ネットを調べるだけでさまざまなコードが転がっているのですが、COBOLになると参考資料がほとんどありません。そうしたニッチなところに触れられるところが、楽しいですね」
成長を後押しする環境と温かなフィードバック。ここからめざす姿とは
DXCに入社して感じているギャップについて、荒川は「裁量」だと答えます。
「入社前は5〜6人のチームで1つのプロジェクトに取り組むイメージでしたが、私の所属する部門では1〜2人で担当することも多いです。若手の自分としてはハードルが高い部分ではありますが、その分、早くから裁量を持って仕事ができることはいい経験になっています」
仕事をする上で大切にしていることは、コミュニケーションの工夫です。
「とくに意識をしているのは、相手の考える時間です。何かわからないことがあった場合、周囲に質問をする機会が多いのですが、1から考えなければいけないような質問の仕方をすると、多くの時間を取ることになります。自分なりに整理をして、まとめることで、スムーズなコミュニケーションを取るよう心がけています」
そうした日々の努力から、フィードバックを得られることが成長の糧となっています。
「マネージャーとは定期的にミーティングを行っていますが、自分の動きをよく見てくれています。作成した資料に対して『よくできている』『ここまで調べられると思わなかった』など、いつも温かい言葉をくれるので、それがモチベーションになっています」
今後の展望について、荒川は以下のように話します。
「直近の目標は資料作成のスキル向上です。レビューでの指摘を減らし、チームの時間を有効活用できるようにしたいと考えています。長期的には、お客さまの業務内容への理解を深め、提案ができる人材になっていきたいです」
最後に、就職を機に上京しようと考えている学生たちへメッセージを送ります。
「就職活動中の交通費や、内定後の引越し費用など、金銭的な準備はやはり大事ですね。一人暮らしについては、やってみると意外となんとかなります。また、私自身も心配していたことですが、東京の治安はそれほど悪くありません(笑)。
休日に出かける場所などは増えましたが、地方にいた時と比べて、基本的な生活様式は大きく変わりませんでした。仕事の選択肢を広げたい方は、ぜひ挑戦してみてください」
※ 記載内容は2025年5月時点のものです
