ドイツで「距離の近さ」に驚く
──まずは、簡単に自己紹介をお願いできますか?
千葉県野田市で生まれ、父は主に海外進出する企業の支援を行うコンサルタントをしています。母は若い頃に銀行員として働いていたそうですが、結婚を機に退社したため在籍期間は短く、銀行時代の話を聞いたことはあまりありません。
幼少期の夢は、キャビンアテンダント(客室乗務員)になることでした。母もそんな私を応援してくれて、小学生の時に「あなたが大人になる頃には、英語はできて当たり前になっているから、ほかの言葉を勉強しても面白いんじゃない」とドイツ語学科がある中高一貫校の受験を勧めてくれました。母の大学での第二外国語がドイツ語だったこともあったみたいですが、私は「美味しいものがありそうだ」「クリスマスの時の街並みもきれい」とそれくらいのイメージで、ドイツ語をやってみたいと思い受験し、その学校に通うことになりました。
──学生時代のインターンに参加されたきっかけについて教えていただけますか?
大学生の時に、ドルトムントのホテルで2か月ほど働きました。ドイツの航空会社への就職を希望していたのですが、ドイツでの就労経験がないと入社できない規定があったため、大学のインターンシップ・プログラムを利用して働くことにしました。
──参加された感想はいかかでしたか?
最初に驚いたのは、日本のホテルよりも接客がかなりフランクなことでした。でもサービスはとても親切で、リピーターのお客さまも多いため、スタッフはお客さまと長期に渡って関係性を築いていました。再訪されると、前回の話の続きが始まるといった具合で、どちらもとても楽しそうでしたし、お客さまがスタッフを信頼して頼りにしていることが伝わってきました。
私自身も2か月の間に、何人かのお客さまと親しくなりました。1か月目くらいのタイミングで、インドから出張で来られたお客さまに英語で話しかけられたのですが、私の頭はすっかりドイツ語に染まって英語が抜け落ちてしまっていて、ついドイツ語でお返事したところ、「君、面白いね」と言われました。日本のこと、インドのこと、就職のことなど、ドイツ語を母語としない2人がドルトムントでドイツ語を介して盛り上がるのは、とても不思議な体験でした。
──インターンに参加されて、どのような変化がありましたか?
ホテルで働いている間に、お客さまと一期一会でない関係性が築けるのであれば、必ずしもドイツで、あるいは航空業界で就職しなくてもいいのかもしれないと思うようになりました。それくらい、お客さまとの距離が近い働き方にハマってしまったんです。
インターンをするまでは、大学では労働社会学のゼミに所属し、日独のワーク・ライフ・バランスや、女性の雇用や家族形態を比較する研究をしていました。次第にヨーロッパの人々が、仕事をライフイベントの一つとして楽しむような生き方をしていることに惹かれていきました。ホテルのスタッフとお客さまとの関係にもそういった人生観が垣間見えて、日本でもそういう生き方を実践したいという気持ちが芽生えていました。
帰国して、航空会社やホテル、旅行会社など接客業を中心に就職活動をしました。その中で千葉興業銀行の人事部の人から、とても温かい印象を受けて、この人たちと一緒に働けるなら楽しいかもしれないと素直に思いました。航空業界や旅行業界、さらに他行よりももっとアットホームな雰囲気を感じ、私が惹かれていた生き方や、お客さまとの関係性が築けるのではないかと考えたんです。だから採用された時は、本当に嬉しかったですね。
詳細な情報でニーズを見定める
──入社後の業務内容について教えてください。
2018年4月に入行し、研修後は実家と同じ野田市内の梅郷支店に配属となりました。先輩に教わりながら事務やテラー(窓口)業務に当たり、12月からはライフコンサルタント(以下、LC)も兼務するようになりました。
最初は店頭にいらっしゃったお客さまへの対応でしたが、徐々に外回りも増え、営業車を運転することも増えました。大学在学中に運転免許を取得はしていたもののペーパードライバー状態で、初めはかなり緊張していたのですが、幼い頃から知っている道ではあったので、なんとかなりました。
ちょうど渉外担当者2名が退社するタイミングでもあり、100人前後のお客さまを引き継ぎました。担当交代の挨拶までは前任者と同行しましたが、すぐに1人で訪問しなければならなかったので、外回りの前に作戦会議を開いてもらっていました。
電話セールスもたくさんしました。「千葉興業銀行です」と名乗ると「今はいいです」と電話を切られることがほとんどでしたが、もともと対人コミュニケーションを好む性格で、お話を聞いていただけた時の喜びが強く、あまり落ち込んだ記憶はありません。お客さまにも恵まれて、1年目から営業成績が比較的良かったことも幸運でした。
お客さまの多くは古くから野田で暮らしてこられた方で、100歳に近い方もいらっしゃいました。私は当初、少額でも投資信託をお勧めすることが多かったのですが、お話を伺っているとお子さんやお孫さんに貯金や保険などで手堅く財産を残したいと考えられている方が多く、「増やす」よりも「残す」ことのニーズが大きいことを知り、とても勉強になりました。
──LC専任となった後の業務内容や変化について教えてください。
19年10月からはLC専任となり、窓口業務は行わずに外回りがさらに多くなりました。担当するお客さまも150人ほどに増えました。扱う情報量も増えましたが、お客さまから伺ったお話を記憶するのは得意で、支店に戻ってからかなり細かいことまでパーソナルデータに加えるようにしています。次回のアポイントメントの前に読み返せばだいたいのことが分かるので、今でも変わらずしていることの一つです。
LC専任になって半年後の20年4月に、南流山支店へ異動となりました。お客さまの年齢層はグッと若くなり、40~50代の方々が多くなりました。お客さまのニーズも梅郷支店とは対照的に「増やす」にシフトして、多くの方が投資信託に関心を持たれていました。パート勤務で貯めたお金の運用のご相談に来られる方もいらっしゃいましたし、都心にお勤めの方もちょうどコロナ禍でリモートワークをされている方が多く、資金計画を立てるチャンスができたと仰るお客さまもかなりいらっしゃいました。
その後、21年7月に小金支店、23年5月に現在の習志野支店に異動しましたが、LC担当は変わっていません。生まれてから小金支店在籍時まではいわゆる東葛エリアでの生活でしたが、習志野支店配属となり京葉エリアで働くことになりました。都心へ通勤される方の多さや、地域内の交通アクセスなど、東葛エリアとはさまざまな違いがありますし、コロナ禍の縮小や新NISAのような制度変更もあり、金融商品への関心も高まっています。「増やす」ニーズが高まる中で、LCとしてすべきことが大きく変化していると感じています。
なぜ「社内兼業」なのか
──現在、力を入れていることは何ですか?
LC業務と兼務する形で力を入れているのが、地域の小・中学生や高校生に向けた金融リテラシー教育です。「CKBジョブマッチング」という社内兼業制度を利用して、学校に伺って講義やイベントを行ったり、生徒さんの職業体験を受け入れたりしています。お小遣いの使い方や貯め方といったことから、銀行や金融の仕組みや、個人のお金がどのように社会のなかで動いていくのかといったこともお話しします。
大学時代に教職課程を取って高校の教諭一種免許を取得していることもあり、人に教えることが好きなので、とてもやりがいがあります。ドラマ『半沢直樹』を見ていた人も多く、ドラマで描かれた銀行内部のイメージがあるせいか、「金庫のない支店もあるんだよ」などと言うと驚かれたりもします。
まだ6年目ですが、LCには私よりも社歴の浅い行員も多くいるので、後輩に業務を教えたり、バックアップをしたりする立場になりつつあります。自分の担当範囲だけではなく、銀行全体から見渡す視点も必要だと感じています。そのため、一昨年には本部の市場業務部で短期トレーニングを経験しました。この部署はお客さまとはまったく関わることなく、少人数で日本銀行に保有している当座預金の管理や運用を行っています。まさに日銀の金融政策とダイレクトに連動する業務を、少数精鋭で行っていることに素直に格好いいと思いましたし、とても勉強になりました。
これに限らずさまざまな業務をしっかりと見ておくことが、後輩の育成にもつながると思いますし、金融リテラシー教育にも生きてくると考えています。
──当行の社風や職場環境についてどう感じていますか?
入行した時は、教育に関わる仕事ができるなんて思ってもいませんでしたし、教職課程での経験が生きるとも思いませんでした。他部署でのトレーニングもそうですが、必要だと思ったことは実現させやすい社風があると感じます。数ある地方銀行の中でも、当行はお客さまとの距離がとても近いと思いますし、お客さまのお役に立てる取り組みであれば前例がなくてもやらせてもらえて、バックアップしてくれる会社です。学生時代の多様な経験が生きる職場だと思いますね。
「近さ」だけではない強み
──最後に、千葉興業銀行ならではの強みや魅力について教えてください。
意外と思われるかもしれませんが、取り揃えている金融商品のバリエーションも、当行の強みだと思います。大手銀行ではどうしても自社グループの商品が多い傾向がありますが、千葉興業銀行ではとにかく良い商品を多く揃えることを重視し、「運用されるなら、ぜひちば興銀に」と自信を持って言える品揃えになっています。
とくにライフステージをまたぐような長い期間に渡る運用をお考えであれば、ぜひお気軽に相談していただきたいと思います。商品のバリエーションと、お客さまとの距離の近さを生かして、万全のサポートができると考えています。
行員一人ひとりに裁量が与えられていて、お客さまや地域にとってプラスだと思ったことを実現させてくれる人事制度も、とても手厚いと感じています。仕事で地域貢献をしたいと考える人にとっては、うってつけの職場だと思います。銀行業務と関係なさそうな経験が生きる場面も多いので、多様なバックボーンを持った学生の皆さんに関心を持っていただければ、本当に嬉しく感じますね。
※ 記載内容は2024年1月時点のものです
取材・撮影 柳瀬徹
