一人ひとりに合わせた最適な顧客サービスを。基盤システムの刷新プロジェクトをリード
CXマネジメント部 CX推進チームに所属する土田。ANAグループ唯一のITプロフェッショナル企業であるANAシステムズのエンジニアとして、保有する高い技術を活かしながら、顧客体験価値の向上に取り組んでいます。
「いま、ANAの利用前から利用後までのお客様の体験をトータルに捉えた体験価値向上が図られています。チェックインしてからラウンジを利用したり、機内では機内食のサービスを受けたり、映画などのコンテンツを楽しんだり、乗り継ぎでの待ち時間があったり、到着したら預けた手荷物を受け取ったり。
そういったトータルでの体験を通じて『ANAにしてよかった』と思ってもらえるのがCXのめざすところです」
お客様との直接的な接点だけではなく、トータルでの体験価値の向上。そのためには一人ひとりへのアプローチが重要になると土田は言います。
「国内外での競争激化に伴い、もっと上をめざすためには、お客様一人ひとりの属性やご搭乗履歴、趣味嗜好などを踏まえたアプローチが求められるようになってきました。これまでは『1対多』のサービスが展開されてきましたが、これからは『One to Oneサービス』が重要になります」
このようなCX戦略の実現に向けて、ANAシステムズでは具体的な取り組みが始まっています。
「ANA便の利用前から利用後までの流れを『ANA Customer Experience』として28のシーンに整理し、製品やサービスの品質向上に力を入れてきました。
私たちCX推進チームの役割は、このビジョンをCX基盤とデジタルサービスプラットフォームの連携を通じて実現すること。当社の他の部門が予約、運航、整備といった既存システムの開発に注力する中、これまでにない新しいビジネスモデルの構築をめざしているのが大きな特徴です」
CX推進チームを構成するメンバーは約28人。中でも土田はCX向上のための基盤システムの刷新プロジェクトでグループリーダーを務めています。
「当社では、2018年にお客様情報や運航情報をリアルタイムで連携させるデジタルプラットフォーム『Customer Experience(CX)基盤』を構築しました。
2021年にはこれを活用し、お客様に紐づくスタッフ間の引継ぎに必要な情報を部門横断的に一元管理できるポータルシステムを開発。これにより、お客様に対してタイムリーかつパーソナライズ化されたサービスの提供が可能になりました」
このような取り組みが評価されて、経済産業省および東京証券取引所から、3度にわたり『DX銘柄』に選出され、2019年にはデジタル時代を先導する企業として初代『DXグランプリ企業』にも選出されました。
「外部に高く評価されるほど、ANAグループは最高水準のサービスを提供し続けていると自負しています。お客様の満足度や体験価値を持続的に維持・向上することをめざして、現在は将来の不確実性に対して柔軟性を持った新しい基盤をテーマにシステムの刷新に取り組んでいます」
直面する性能課題をチーム力で克服。情報共有を徹底しメンバーが主体的に動ける組織へ
以前は開発業務に従事していた土田。2018年のCX基盤の構築プロジェクト立ち上げにはプログラマーとして参加しました。
「多くの企業が開発業務を外部に委託する中、当社では当時から内製化を推進していました。プログラムの詳細を理解せずにプロジェクトを管理すると、システムが陳腐化する可能性があるからです。
また、内製化により、開発スピードも大幅に加速します。技術的な側面とANAのビジネスニーズの双方を深く理解する私たちが開発を主導することで、迅速かつ適切な提案が可能です。
当時プログラマーだった私がCX基盤構築のプロジェクトにアサインされたのは、そうした先を見据えた経営層の戦略的な判断があったからだと思います」
企画段階からビジネス戦略に基づいた新規機能やアーキテクチャ検討にも携わってきた土田。その過程で重くのしかかったのが性能課題でした。
「期待される速度、効率、処理能力が達成できていませんでした。これは、お客様満足度や体験価値の維持・向上をめざすシステムにとって深刻な問題です。改善や最適化が急務となっていました。
システムを構成するソフトウェアの供給元に対しても積極的に改善を要求するなど、コストとリスク低減、スケジュールの厳守にこだわり、マネジメント層を含むメンバーが一丸となって取り組んだ結果、現在は解決に向かっています」
グループリーダーとして土田が重視してきたのが、メンバーの主体性を引き出すマネジメント。自走するチームづくりをめざしてきました。
「リーダーとしての意見や考えを出し惜しみせず積極的にメンバーに伝え、チーム全体に波及させるよう心がけてきました。現在では全員が自分の右腕のように信頼できる存在となり、各メンバーが仕事を自分ごと化して取り組んでくれていると感じます。情報を徹底して共有してきたことで、助け合う文化も根づきました。
プロジェクト立ち上げ当時は8人ほどだったメンバーが、現在ではその3倍以上に増加。これは社内でも珍しいケースですが、それほど期待されているプロジェクトと言えます。コロナ禍の時には、旅客需要の大幅な縮小を機に客室乗務員や空港業務の経験者もチームに加わり、多様性を持ったチームとなりました。
ITのバックグラウンドを持たないグループの社員もお客様により良い体験を提供したいという想いは同じ。異なる発想や視点を活かしながら、共有された価値観がチームの原動力になったと思います」
挑戦を後押しする環境の中で、自らに120%の負荷をかけキャパシティを広げていく
複数のプロジェクトが相互に依存する状況の中、マイルストーンを一つひとつ確実に達成しながら開発をリードしてきた土田。一方で、プロジェクト管理スキルにも磨きをかけてきました。
「グループリーダーとなり、プログラマー時代には必要とされなかった視野が求められるようになりました。今後、プロジェクトマネージャーへとステップアップしていくには、全体を俯瞰できるより高い視座や意思決定力が欠かせないと考えています」
自らの視座を高めるために、最近では社内活動に積極的に参加するようになったと言う土田。
「2023年には当社の設立10周年を記念し、有志と共に10周年パーティーの実行委員会を立ち上げました。さらに、他社が主催する勉強会にも顔を出したり、論文を発表したりすることで、コミュニケーション力の向上に努めています。
自分のキャパシティを広げるためには、120%の負荷をかける必要があるというのが私の考え。自身の専門領域を超えた業務にも積極的に挑戦し、幅を広げていくことの重要性を感じています。実際、そうして獲得した知識や技術が役に立ったこともありました」
そんな土田の成長意欲を支えてきたのが、ANAシステムズの組織風土。当社で働く魅力について次のように話します。
「技術力や業務ノウハウを習得し、明確なキャリアプランを描けるようになったのは、成長させることを目的に上司が私をビジネスパートナー各社へ派遣し、高い技術力を持ったプログラマーのもとでさまざまな経験を積ませてくれたおかげ。当社には、若手のうちから新しいことに積極的に挑戦させ、育成しようという文化が根づいていると感じます。
成果を正当に評価する社風があるのも当社の魅力のひとつ。上司には仕事を認めてもらっていますし、「土田さんがいないと困ります」と言ってくれる部下もいるなど、周囲には感謝しています」
挑戦を続けることがモチベーション維持の鍵。新しい価値の創造につながっていく
約半年後のリリースを控え、刷新プロジェクトがこれから佳境を迎える中、土田はその先を見据えています。
「パーソナライズ化された情報提供やサポートを実現するには、あらゆるデータを瞬時に参照しリアルタイムに活用できる、ニーズに即応する仕組みが不可欠。お客様の体験価値をさらに向上させる新しいサービスの開発に注力し、ANAのファンをどんどん増やしていきたいですね」
2024年でキャリア13年目を迎える土田。組織の中核を担う存在として、めざす姿があります。
「今後の私に期待されるのは、アプリケーション開発やインフラ構築、システムの運用保守など、幅広い領域のプロジェクトを管理し、ゴールへと導いていくプロジェクトマネージャーの役割です。
システムが大規模化するにつれ、関わる人々も多くなり、組織へのインパクトも増大します。現在の上司は縦横だけでなく斜めの関係にも配慮した解決策をアドバイスしてくれるので、上司をお手本に、お客様に、そして組織や個人の成長に貢献できるよう、これからも学び続けていくつもりです」
ともに働くメンバーへの気づかいを心がけ、仲間と喜びを分かち合うリリース時は幸福を感じると言います。
「採用が再開されて新しいメンバーが当社に加わりました。コロナ禍以降在宅勤務が増えてきていますが、新入社員たちの不安を解消する目的で、リアルで会話する機会を設けたほか、ボウリングなどのコミュニケーションを促進させるイベントなども部内で盛んに行われています。
メンバーとともに目的を達成するのが嬉しくて、とくにシステムのリリース時は喜びを共有できる瞬間ですね。過去に北陸に関するウェブサイトのシステム改修案件があったのですが、その際は無事に終了した後、メンバーみんなで金沢へ旅行に行きました。これからも仲間と協力し合いながら業務を進めていきたいです」
一方、技術者としてさらなる成長にも意欲的です。
「他社や大学、自治体など、社外の組織の知識やノウハウなどを組み合わせ、革新的なビジネスモデルを生み出すオープンイノベーションに関心があります。技術やアイデアの流動性を高め、新たな価値創出に取り組んでいきたいです。
それができるのは、社員のチャレンジを奨励する文化がある当社だからこそ。20代のころ、会社の駐車場予約システムを自分たちで作りました。なんでも挑戦させてくれるし、挑戦を続けることが、仕事に対するモチベーションを維持する鍵だと信じています。これからも前のめりに新しいことに挑んでいくつもりです」
※ 記載内容は2024年7月時点のものです
