マネージャーとして国内線旅客システムの移行プロジェクトを推進
国内線旅客システムの移行プロジェクトに参加する藤生。ビジネスニーズとシステム構築の仲介役として、SaaS型の新システムへの移行を推進しています。
「従来の旅客システムは国内線と国際線に大きく分かれ、別々に運用されてきました。それらがひとつに統合されることで、空港での乗り継ぎ手続き、遅延・欠航時の対応、さらには職員の教育・訓練などを円滑化することが可能です。ANAグループとしてより高いビジネス価値の提供を目標に、プロジェクトに取り組んでいます。
2025〜2026年度にかけて運用開始をめざす今回のプラットフォーム統合は、関連企業を含め総勢500名以上が参加する、ANAグループにとって過去最大級のプロジェクトです。そのうち私は、プロジェクト完了後も国内線のチェックイン端末を継続して使用するためのセクションを担当しています」
藤生が務めるのはマネージャーのポジション。8人のメンバーと共に、ユーザー、SaaSベンダー、社内のシステム部門、オフショアの協力会社との協業に取り組んできました。
「私たちにとって最もやり取りする機会が多いのが、統合対象となる国際線旅客サービスシステムを提供するAmadeus社のスタッフです。さらに、インドのITサービス企業や、イギリスに拠点を置く企業など、英語を使って海外のステークホルダーとコミュニケーションを取りながら業務を進めています」
藤生が今回のプロジェクトに参加したのは、2020年のこと。当時の想いを次のように振り返ります。
「視野を広げ、キャリアの幅を広げたいと考えていた私にとって、この移行プロジェクトはまたとないチャンスでした。国際線で培った知見を活かしながら国内線にも活躍の場を広げ、旅客システムのスペシャリストとしてさらに成長できるチャンスだと考えました」
全員が一丸となれる環境づくりを。ベクトルを合わせ、プロジェクトを前へ
2008年に新卒入社して以来、一貫して旅客系システムに従事してきた藤生。いまも忘れられない出来事があります。
「2019年に成田からホノルルへの大型機A380機材導入に伴い、現地チェックイン環境の拡大を担当した時のことです。多くのお客さまが利用する自動チェックイン機を準備するに当たり、その環境構築を担当しました。
通常はシステムプロバイダーが提供する環境を利用しますが、ホノルルでは海外エアラインの協力を得て整備することになりました。システムプロバイダーと違い、海外エアラインとは競合関係にあります。互いに譲れない部分がある上、英語での意思疎通をうまく図ることができず、プロジェクトは非常に難航しました。
有識者に電話会議に同席してもらったり、現地に赴いて調整を試みたりといった努力が実を結び、徐々に事態が好転。海外エアラインとの調整など、学びの多い経験となりました。
この一件以来、オンライン英会話を受講するほか、オフショアの協力会社のスタッフと対話する機会を積極的に設けるなど、実践的な英語力の強化に取り組んでいます。その結果、いまでは話すことに対するストレスが大幅に軽減されました」
一方、プログラムマネジメントの領域では、成果を実感できたこんな経験も。
「現在進行中のプロジェクトではステークホルダーがとても多く、当初の計画通りに進められないことが多くあります。そのため、関係各所との調整役を自ら買って出て、プロジェクトの円滑な推進に取り組んできました。
たとえば、依存関係にある他セクションとのあいだでは、責任範囲や考え方の違いなどさまざまな事情が複雑に絡み合うため、意見が食い違うケースが少なくありません。しかし、それぞれが主張し合うばかりではプロジェクトが停滞してしまいます。
そこで、ANAグループ全体や部門としての戦略を常に念頭に置いて、めざすべきゴールを共有した上で、互いが抱える課題への理解を深めながら、取り組むべきタスクの優先度や役割を明確にし、方針を策定するよう努めてきました。
セクションごとに線引きして作業を進めてしまうと、どうしてもこぼれ落ちる部分が生じ、それが結果としてボトルネックとなることがあるものです。境界を超えて互いが歩み寄り、協創関係を築いて課題解決することが、プロジェクトを円滑に進める鍵だと信じています」
メンバー育成にも注力。プロジェクトを支えるチームダイナミクスとマネジメントの哲学
国内線旅客システムの移行プロジェクトを推進する一方、藤生はメンバーの育成にも力を入れてきました。
「特定のトピックについて学ぶ勉強会や、有識者をスピーカーとしてお招きした講演会を定期的に開催しています。私がマネージャーに就任する前から取り組んでいるもので、数名で立ち上げたワーキンググループを引き継ぐかたちで私が主導してきました」
勉強会のカリキュラム策定にも携わる藤生。取り組みの狙い、その背後にあるマネージャーとしての想いを次のように話します。
「端末やシステムに詳しいシステムエンジニアや空港業務のスペシャリストなど、メンバーのバックグラウンドはさまざまです。チームのパフォーマンスを最大化するためには、それぞれが持ち味を発揮することが欠かせません。基礎編から応用編まで、メンバーの習熟度に応じてフェーズ分けし、段階的に知見を蓄積できる環境の整備が必要だと考えています。
私がめざすのは、チームメンバーが相互にナレッジをトランスファーすることで各自の弱点を補い合い、強みを活かして業務を円滑に推進できる体制づくりです。ただ漠然と目の前のタスクをこなすのではなく、全員が業務の意義を理解し、モチベーションを感じながら気持ちよく働ける組織にしていきたいと思っています」
一方、藤生は2015年から育休を取得し、約1年後に所属していたチームへ復帰を果たしています。働きやすい環境が育児と仕事の両立を支えてきました。
「育休に入る際、同僚たちから非常に温かく送り出してもらった記憶があります。復帰後は時短勤務を利用しましたが、周囲には制度の利用者が多く、抵抗を感じませんでした。業務にスムーズにキャッチアップできたのも、手厚いサポートがあったおかげです。チームメンバーにはとても恵まれていると思います。
リモートワークも取り入れていますが、コロナ禍を経て、対面で意見交換する重要性をあらためて実感しました。最近は出社する機会が増えています」
そして、マネージャーを志して自ら管理職試験に挑んだ藤生。ビジネスパーソンとして、確固たるビジョンがありました。
「プロジェクトを俯瞰する立場から、より広い視野を持って課題に対してアプローチしたいと考えていました。管理職と一般職とでは、入手できる情報の量も速度も違います。プレーヤー視点ではなく、経営視点で意思決定できるポジションに就くことで、それまで以上に介在価値を発揮し、組織に貢献したいという想いがありました」
また、母親としてのこんな願いも。
「チャレンジする姿を子どもに見せたい気持ちもあったと思います。私が新しいことに果敢に取り組む姿を見て何かを感じ取り、それをやり抜く情熱に変えて自身の成長につなげてほしいと考えていました」
ANAグループの航空事業を支える誇りと責任。より魅力的なサービスをお客さまのもとへ
2024年で入社17年目を迎える藤生。これからのキャリアの道筋を次のように展望します。
「入社以来、ずっとANAシステムズの一員として旅客系システムを担当してきました。今後のキャリアでは、ANAをはじめとするグループ企業など、違うポジションから旅客系システムに携わる選択肢も検討しています。異なる立場からANAシステムズを客観的に評価することで、課題への新しいアプローチや、より良いサービスのためのヒントを見つけることが可能だと考えているからです。
マネージャーとしては、統合プラットフォームの運用開始に向けて、現行のプロジェクトを牽引し、成功へと導くことが現在の目標です。将来的には、組織にさらなるインパクトを与えるポストに就くことも視野に入れつつ、管理職としての責務を果たしていきたいと考えています」
学生時代に情報工学を専攻した藤生がANAシステムズを選んだのは、幼いころから飛行機の旅が好きだったからでした。旅客系システムのスペシャリストとして活躍するいまも、当時の情熱はまったく衰えていません。
「ANAグループの中核を担う航空事業をシステム面で支えるANAシステムズのメンバーであることは、私にとって大きな誇りです。自分が携わった新しいシステムやサービスがリリースされるたびに、確かなやりがいを感じます。
また、ANAシステムズの最大の魅力は“人”です。社内には相互扶助の文化が根づいており、困り事を誰かに相談して不快な想いをしたことはこれまで一度もありません。ANAシステムズは、とても楽しく働ける場所。その魅力が、ひとりでも多くの方に伝わることを願っています」
自分の可能性には、ふたをしない。より魅力あるサービスを実現するため、藤生はさらなる高みをめざします。
※ 記載内容は2024年9月時点のものです
