航空機が安全かつ安定的に運航するために欠かせないシステムの開発に従事
オペレーションシステム部に所属し、現在は飛行計画を作成するシステムの改修・環境移行プロジェクトに携わる岡野。同システムはANAの飛行計画を管理し、安全かつ安定的な運航を維持する上で重要な役割を果たします。
「飛行計画システムは、たとえばANAの航空機が羽田から福岡に向かう場合、安全かつ効率的に目的地に着くために、『どのルートを通って』、『どの高さ(高度)と速さで飛ぶか』『気象』という条件を基に、必要な燃料量や、何時に到着するかを正確に計算し、飛行計画を表示します。
オペレーションマネジメントセンターにいる運航管理者は、このシステムを見ながら運航計画を策定します。パイロットをはじめとした運航乗務員や空港スタッフなど、ANAの航空機に関わる仕事をする人たちにとって、なくてはならないシステムです。
日々たくさんの人が使うシステムであることから、開発メンバーの気づきやユーザーからの要望をもとにエンハンス開発(機能の追加や改修)をしたり、新しい航空機が導入された際はデータを登録し、健全性を確認するテストを行ったりします」
飛行計画システムに不具合が起きると影響範囲が大きい、ミッションクリティカルな業務を担う岡野が、仕事をする上で何よりも大切にしているのは「安全」です。
「ANAグループの行動指針である『あんしん、あったか、あかるく元気!』を体現するためにも、安全を第一に考えて仕事に取り組んでいます。私たちが開発しているシステムは、安全に深く関わるので、一つひとつの作業に対してミスがないように確認を徹底し、安定的に運用できるように心がけています。
また、より良いシステムをつくるために必要なのが、同じチームの仲間やユーザー部門とのコミュニケーションです。定例の会議の中で、私たち開発側が気づいたことやユーザー側の意見を共有し、すり合わせながら進めることも大事にしています」
若手時代の苦い経験やANAへの出向を経て、SEとして成長を遂げる
小学生の頃、父の転勤先へ遊びに行く時によく航空機を利用していたと言う岡野。飛行中にコックピットを見せてもらったことが、航空機が好きになったきっかけだったと振り返ります。
就職活動では「航空機に関わる仕事」を軸に企業を選び、2012年にANAシステムズの前身・全日空システム企画に入社。最初の3年間は、客室乗務員のスケジュール管理システムなどの保守・運用業務を担当しました。
「当時の苦い経験として印象深いのは、消費税が5%から8%に変わるのに合わせて、経費精算システムなどを改修した時のことです。税率が変わる日までに急いで作業を進めなければならない一方、間違いがないように慎重を期す必要もある、という難しい状況でした。
まだ新人だったこともあり、『なんのためにこの機能が必要で、どう動いて誰に影響するのか』というシステムの全体像を十分理解できていなかったことから、途中でいくつかのミスもありました。取り扱うシステムについてもっと理解を深めなければ、と痛感した出来事でした」
そんな悔しい経験も糧にし、2015年からは飛行計画計算システムや気象情報システムなど、運航管理システム全般の保守・運用を担当することに。
「保守・運用担当として、ユーザーからの問い合わせに対応する役割を担っていたのですが、いわゆる『よくある質問』を整理すると、『ユーザーはこういう点を気にするのだな』『ここに困っているのだな』とわかってきました。そうした情報も活用し、自分が担当する機能については誰よりも詳しくなろうと、努力しました」
さらに2020年からは、入社当初から希望していた、ANAへの出向を果たします。
「出向先では、オペレーションマネジメントセンター、フライトオペレーションセンター、客室センターなど、さまざまなセクションに関わるシステムを横断的に見る立場になりました。各部署のシステムに関する要望を取りまとめたり、コロナ禍でもできる施策を考えたり。ユーザー部門とより近い位置で仕事ができ、ANAとしてのオペレーションがどのように動いているのかをよく理解できた貴重な機会でしたね」
「何もないこと」こそが成果。縁の下の力持ちとして、安全で確実な運航を支える
飛行計画システムに携わる岡野たちにとって、新たな航空機の導入時にENGINE性能データを登録し、飛行計画を提示できるように準備することは重要な業務です。「FLYING HONU」として親しまれる、カラフルなウミガメが描かれた世界最大の旅客機「エアバスA380」を導入した際も、岡野たちが対応しました。
「航空機メーカーからANAに引き渡される空輸の日程は決まっているので、それまでにデータ登録を完了し、テストをして問題ないか確認しておく必要があります。航空機を空輸するには、登録した性能データを基に作成した飛行計画を使って空港まで飛んできてもらわなければならないからです。
『FLYING HONU』に限らず、無事に到着した機体を見た時は『自分たちが手がけたシステムで飛んできたんだな』という安堵感を覚えますし、その後運航が始まって自分でも乗ることができると『あの時苦労してデータ登録した機体か』と嬉しくなりますね」
そんな岡野は、今の仕事のやりがいを次のように語ります。
「飛行計画システムの一番の成果は何か、と言うと、航空機が何事もなく通常通り運航できる状態であることです。何か問題が起きれば運航がストップしてしまうので、『何もないこと』が成功であり、正直に言うとユーザーやお客さまから感謝される機会は多くはないかもしれません。
でも、毎日航空機が平和に飛んでいる姿を見ると、安全で確実な運航に貢献できていると感じますし、縁の下の力持ちとしてのやりがいを感じますね」
コミュニケーションが活発な環境で、出向も含めた多様なキャリアを描ける
現在のプロジェクトでは、プレイヤーだけでなくプロジェクトマネージャーの補佐役も務め、SEとして着実に成長を遂げている岡野。ANAシステムズという会社の魅力を次のように語ります。
「当社は、ANAが使用する各種システムを開発・保守・運用しているので、航空機が好きでSEの仕事がしたいという方にはとても魅力的な会社だと思います。ユーザーとの距離が近く、業務の流れを理解しやすいことも、開発する上でのメリットだと感じます。
また、オペレーションシステム部は全体で100名弱、会社の規模が大きすぎず、社員同士のつながりが強いのも魅力だと思います。部署やプロジェクトが変わっても顔見知りがいますし、困った時の相談先もほぼ決まっているので、安心して仕事ができますね。
また、私が出向を経験したように、ANAシステムズでは多様なキャリアを歩めます。ANAやANAグループのシステム部門だけでなく、ANAグループ外に出向したり、いろんなチャンスをつかめます。1つの会社にとどまらず、さまざまな環境で幅広い経験を積みたいという方にはおすすめです」
出向の経験は、岡野にとって今後のキャリアを展望する機会になりました。
「現在のプロジェクトには開発担当として参画しているのですが、今後も開発業務をメインとし、ゆくゆくはチームやプロジェクトのマネジメントを担える存在になりたいと考えています。
マネジメントに興味を持ったのは、出向時にさまざまなセクションに横串を刺すような経験をしたことが大きいですね。複数の案件を進め、ANAとして1つの完成品をつくっているようなイメージで、どうすれば実現できるのか考え、最終的に世の中にお披露目するまでをマネジメントできたらおもしろいだろうな、と感じたんです」
新たな目標に向かって動き出した岡野ですが、変わらず大事にしたいのはやはりコミュニケーションだと言います。
「入社前は、プログラマーなどの専門職=あまり話さず黙々と仕事をする、というイメージを持っていたのですが、当社のエンジニアは皆さん活発にコミュニケーションを取ります。そうした環境に影響を受け、私もコミュニケーションスキルが磨かれたように思います。
システム開発は1人でできる仕事ではなく、みんなで協力してつくり上げるもの。マネジメント職をめざす上でも、メンバーとしっかりコミュニケーションを取り、チームのモチベーションを維持できるようなリーダーになりたいですね」
※ 記載内容は2026年1月時点のものです
