“すべての人に優しいものづくり”をめざし、自身の成長へ
現在、栗栖は大手自動車メーカーにて、自動車部品の設計開発に携わっています。自動車部品の中でもエンジンのECM(電子制御モジュール)に取り付けるブラケットの開発を担当しています。
「ECMはエンジンに関するセンサーを制御するコンピューターで、『自動車の頭脳』とも言われています。私が担当しているのは、このECMをボンネットの中にあるエンジンルームに固定するための『ブラケット』と呼ばれる部品の設計。
具体的には、まずエンジンルーム内のどこにECMを配置するかを検討し、その位置にしっかり固定できるブラケットを3D-CADなどを使って設計します。さらに、実際にエンジンや車体からの振動に耐えられるかを確認するため、強度解析を実施。
こうして安心して使用できる部品に仕上げていきます。エンジン制御の設計開発担当は約20人おり、車種ごとに担当が割り振られています。私は現在、お客さま先の若手社員の方と2人で1つのプロジェクトを進めています。若手社員の方が独り立ちできるようにサポートすることがメインの業務です」
入社以来、一貫して同じグループに所属している栗栖は、これまでにいくつものプロジェクトを担当してきました。仕事をする上で大切にしていることは「すべての人に優しいものづくり」をすることだと話します。
「プロジェクトを進める上で、他部署との連携は欠かせません。工場と設計の間を取り持つ担当者や、自動車の骨格となるボデーを担当する人たちなど、多くの部署と協力しながら進めています。その中で私が意識していることは、すべての人にとって“優しいものづくり”をすることです。
具体的には、『設計者同士が意図をくみ取りやすい設計』や『組み立てる人が扱いやすく、優しい設計』、『製造する人が作りやすい設計』、そして最終的に『使う人が気に入ってくれる設計』をめざすこと。この考え方を大切にすることで、他の人にとっても自身にとってもより良いものづくりができ、成長にもつながると考えています」
ものづくりへの情熱とチャレンジが導いたキャリア。友人の誘いで、設計開発の道へ
幼少期からものづくりに触れる機会が多かった栗栖。泣き虫な一面もありましたが、持ち前の前向きな性格で乗り越えてきたと語ります。
「実家が板金業を営んでいて、小学生の頃から工場でお店の看板づくりなどを手伝っていました。溶接がうまくいかなかったり、ネジがしっかりはまらなかったりすると悔しくて泣くこともありました。しかし失敗しても、心を入れ替えてもう一度チャレンジしようとする性格でしたね」
幼少期の経験から「将来はものづくりに携わりたい」と強く思い、高校は工業高校に進学。旋盤やフライス盤といった工作機械の扱いから、溶接や鋳造などの技術を3年間学びました。そして大学も機械工学科に進学します。
「卒業研究では、小型の自動車型ロボットを複数台制御し、最短経路を探索する研究に取り組みました。事前プログラムを組み込んで、スタートからゴールまでロボットが全自動で移動できるようにしたんです。
また、応用としてファジー制御や機械学習も研究し、AIの前身となる技術の成果を発表しました。とてもおもしろく、夢中になって取り組んでいたのは良い思い出です」
卒業後の就職先として栗栖が選んだのは、「CNC旋盤」という工作機械を製造するメーカーでした。しかし、働く中でしだいに気持ちが変化していったと話します。
「金属加工やコンピューターの制御といった、これまでに学んだことを活かしたいと思い入社を決めました。そして将来的には、自身で設計したものを世に送り出す仕事がしたいと考えていました。
しかし、入社してみると、任されたのは工場で機械の組み立てをする仕事でした。設計を担当する部署に行きたいと毎年希望を出していましたが、人手不足を理由に、同じ現場で働く他の社員も含め、希望が通ることはかないませんでした。しだいに、今いる環境で自身のやりたいことができるのだろうかと考えるようになったんです」
やりたかった設計の仕事ができないかもしれないと悩んだ栗栖は、高校時代の友人に相談します。
「友人がアビストで働いていて、『設計開発をやりたいなら、一度アビストの面接を受けてみてはどう?』と誘ってくれたんです。しかし、その時は設計開発の仕事は未経験だし、私にできるのかな、という不安が大きかったですね。
ただ自分の思い通りにならないことが嫌でやめようと思っているだけで、転職してもうまくいかないんじゃないかとも考えました」
悩みに悩んだ栗栖でしたが、それでも設計開発に携わりたいという強い想いからアビストの面接を受けることに決めます。
「会社の説明を受けて、アビストは自動車やプラモデル、医療機器、衛生設備など、さまざまな製品の設計開発に携わっていることを知りました。また、お客さま先で働く機会もあれば、アビストの支店内で働く機会もあることを知り、大きな可能性を感じました。
3D-CADの操作は、学生時代に授業で少し学んだだけで不安はありましたが、アビストには、大学の講師としてCADを教えている専門の社員がいる、と聞いて安心しました。友達が同じ会社にいるのも心強かったですね。ここなら私もがんばれそうと思い、入社を決めました」
私たちの仕事は設計ではなく“設計開発”。成長の先で見つけた新たなミッション
晴れてアビストに入社した栗栖。研修を終えて、配属された先は現在の大手自動車メーカーでした。
「はじめは先輩から、部品の種類やCADを使った設計方法など、仕事の流れを学びました。周囲には自動車に詳しい人が多く、会話の中で飛び交う言葉は初めて聞く単語ばかり。部品や用語を覚えるのには時間がかかりましたね。自分なりに仕事が身についてきたなと感じるまでは、4年はかかりました」
業務の中で自身の一番の成長につながったのは、上司から依頼されたとある部品の設計です。
「ある日上司から現場で撮影した写真と、手書きでざっと書いた図面を渡され、『これで製品化まで進めてほしい』と依頼を受けたんです。やったこともないし、はじめは正直『これだけの情報でできるのか?』と戸惑いました。1週間以内という期限の中、正解がない中で何度も悩んで、周りの先輩にも相談しながら、より良い形を検討しました。
結果的には、資料作成も含めて2週間かかりましたが、どうにか上司から設計案について承諾を得ることができました。自身の設計したものが製品として形になった時は、とてもやりがいを感じましたね。この経験を通じて、効率よく設計を進める方法が身につき、業務のスピードが格段に速くなりました」
仕事にも慣れ、自信も付いてきた頃、「今の職場での成長もここまでだろう」と感じていた栗栖。しかし、その時に上司からかけられた言葉が、心に深く響いたと話します。
「設計や解析のスピードが上がり、自信過剰になっていた時期でした。そんな時、上司に『栗栖くんがやりたい形っていうのはないの?』と聞かれました。私が今できていることは、言われた要望をうまくまとめて形にしているだけでした。
そこであらためて、より良い商品とは何かを考えさせられました。それは人に寄り添い、感動を生むものであると気づいたんです。自身の想いが入っていなければ、感動を生むことはできません。私の仕事は設計ではなく“設計開発”。より良い製品を開発するためには、他部署の要望も取り入れて、自身が何を思い、どのように考えを反映させるかを考えなければならないと、上司に言われて気づきました」
技術士資格を取得し、後輩たちの成長をサポートできるプロフェッショナルへ
未経験から設計者をめざし、ここまで成長できたのは周りの人たちの支えがあったからと話す栗栖。今後は自身の経験を通してアビストの後輩たちが成長するためのサポートをしたいと話します。
「アビストに新たに入社する後輩が、早く独り立ちできるような環境を作りたいと考えています。新人の頃はわからないことが多く、不安も大きいです。仕事に前向きに取り組める人が1人でも多く増えてくれたら嬉しいですね」
また、今後は国家資格である「技術士」の取得も挑戦していきたいと話します。この資格はアビストの福利厚生の1つである「資格試験奨励金」の対象資格にも含まれています。
「資格を取ることで自身の技術を保証し、自身の取り組んできたことを実績として、周囲に安心感を与えられたらと思います。卒業した大学ともつながりがあるので、大学の先生にも相談しながら取得をめざしていきたいです」
最後に、採用候補者の方々へメッセージを贈ります。
「就職活動は、ぜひチャレンジ精神を持って取り組んでほしいです。得意なことだけにこだわる必要はありません。周りを見れば、自分よりも得意な人や上手な人はたくさんいます。私も、幼少期は姉のほうが溶接はうまかったですし、アビストを紹介してくれた友達のほうが設計や製図は上手でした。今も周囲には優秀な人がたくさんいます。
それでも、どうせダメだと思わずに、何か役に立てればいいなと思いながら努力をすれば、プロフェッショナルをめざせます。挑戦することを大切に、くじけずに頑張ってください!」
周囲と比べずに、諦めなければうまくいくことを後輩にも伝えていきたいと話す栗栖。これからも成長を止めることなく、チャレンジ精神を武器に前進し続けます。
※ 記載内容は2024年11月時点のものです
