速度と性能を徹底的に追求する、レーシングカーの「エアロパーツ」を設計
2013年に新卒でアビストに入社した片岡 優太は、現在大手自動車メーカーにてレーシングカーの安定性や速度性能向上に欠かせない「エアロパーツ」の設計開発を担当しています。
「エアロパーツは、車のさまざまな場所に取り付けられています。例を挙げると、車の後ろについている飛行機の羽のようなもの、といえばわかりやすいでしょうか。エアロパーツがあることで車が速度を上げてもバランスを保ちながら走行することができるようになります。グループ内でアビストの社員は5名おり、メンバーそれぞれがエアロパーツなどの外板全般を担当しています。
出場レースごとに決まったレギュレーションがあり、その範囲の中でレースに勝つためにデザインや改造内容を決めていきます。毎年レギュレーション自体は大きく変わりませんが、部品は前年度のものをブラッシュアップすることも、ガラッと大きく変えることもあります」
一般的な自動車とは異なるレーシングカーの設計開発。1年間のプロジェクトの中で、スピードを求めつつ最良のものを追求する難しさがあると語ります。
「私たち設計開発のミッションは、お客様から企画された案をもとに、3D-CADで3次元の図面を作成し、具現化していくことです。レーシングカーの設計開発は一般的な車とは異なり、速度とパフォーマンスを最大化するために軽量化、安定性、高速走行に適した設計をしなければなりません。
そのため、実際に自分たちで3Dプリンターを用いて模型を作成し、何度もテストを繰り返しながら、最終的にもっとも優れた設計を実現していきます」
日々忙しく過ごす片岡ですが、とても働きやすい環境で仕事ができていると言います。
「入社時はレースに関する知識がなかったのですが、上司に一から指導してもらい、ここまで成長できたことにとても感謝しています。チームメンバーは年齢層がさまざまで、フレンドリーでコミュニケーションも活発です。
メンバーの中にはレーシングカーが好きな人もおり、お昼には雑談しながら一緒に食事をしています。実際に自分たちが設計した車がレースで走っている姿を一緒に見に行くこともあり、とても良い雰囲気の中で仕事ができているなと感じています」
顧客から感謝の声を聞ける、アビストならではのやりがい
子どものころから、模型の内部構造などメカニカルな部分に興味を持っていた片岡。その興味をさらに深められる学校に進学しました。
「当時、学校の授業で初めて3D-CADを知り、そのおもしろさに惹かれました。先生や周囲からのすすめもあり、将来は3D-CADを使った設計開発を仕事にしたいと思うようになりました」
就職活動では、3D-CADを専門的に使って設計ができる会社を求め、その中でアビストに出会います。
「アビストは、多岐にわたる設計開発に携わっており、これを追求できる環境に魅力を感じました。また、メーカーの社員として設計開発に携わる場合、直接的な顧客満足を感じることは難しいですが、アビストのお客様はメーカーの設計者であり、その満足度を直接感じることができる点にも魅力を感じました。
私の父は、業界は異なりますが、清掃サービス業で働いていて、お客様から感謝の声をいただくことがあると聞いていました。子どものころから父がやりがいを持って働いていることを見てきたというのもあるかもしれません。迷わずアビストに入社することを決めましたね。
実際に働く中で、お客様から『よかったよ』『ありがとう』と直接の感謝の言葉をいただけると、とてもやりがいを感じますし、仕事のモチベーションアップにもつながっています。この経験ができるのはこの仕事ならではと感じています」
設計にはすべてに意味がある。技術者として自分の考えを明確にする大切さ
長くレーシングカーの設計開発に携わる中で、とくに印象深かったのは入社3年目のこと。テストを繰り返し、実際に採用されたエアロパーツを3D-CADで設計をする業務だったと言います。
「ドアの下につけるエアロパーツだったのですが、その部品の設計がとても複雑でした。形状も製造方法も難しく、性能を落とさずに実車に組み込むことが、知識も経験も乏しかった私にはとても難しかったんです。
車両に取り付けるためには、どういった空気力学の理論でつくられているのかをくみ取り、車両の性能を最大限引き出せるように設計しなければなりません。自分の持っている知識を使い、周りの人に尋ねながら必死に進めていきました。
そんな時、アビストの先輩方は親身になって教えてくれました。プレッシャーは大きかったですが、先輩方の助けもあってどうにか部品を完成させることができました。実際に部品がついたレーシングカーがレースで走っているのを見た時は、緊張もしましたが、とても嬉しかったことを覚えています」
経験を積み、先輩や上司の背中を追いかけてきた片岡ですが、その中で学んだことは設計者として何に対しても自分の意見をきちんと持つことだと語ります。
「自分の中で理由が明確でないままに設計を進めていたことがあったんです。その時に、上司から『なぜその設計にしたの?』と聞かれ、答えられないことが何度もありました。言われたことをきちんとやることも大事ですが、実際に形にしたときに組み立てがしにくかったり、製造時に作りづらかったりと思わぬ落とし穴があることもあります。
意見をただ受け入れるのではなく、自分の中できちんと考えて提案することで、より良いものが作れる。もちろん、考え自体が違っていることもあるとは思いますが、そうすることで自分のスキルを高めていくことにもつながると思うんです。働く中で、設計にはすべてのことに意味があるということを学びました」
また、チームで働きやすい職場環境を作っていく上で、コミュニケーションの大切さを学んだと言います。
「昔は、あまり周りの人と話す方ではなかったのですが、先輩方や上司が私に仕事中でも積極的に話しかけてくれたり、レースを観に連れて行ってくれたりと、話しやすい環境を作ってくれたことで、だんだん私自身も積極的にコミュニケーションを取るようになりました。
おかげでとても働きやすいですし、毎日充実してここまで長く働けています。自分が働きやすいと感じるためには、周囲としっかりコミュニケーションをとり、自分から働きやすい環境をつくっていくことが大事だと学びましたね」
解析業務も身につけ、技術者として仕事の幅を広げていきたい
長くレーシングカーの設計開発に携わった片岡ですが、今後は解析技術を身につけ自身の市場価値を高めていきたいと意気込みます。
「働く中で、テスト段階の解析の需要が高くなってきているのを感じているのですが、実際に解析業務ができる人が少ないなと感じています。現在、アビストとしても『デジタルソリューション企業』をめざしていますが、実際にお客様から求められることも変化しているのを感じています。私自身も3D-CADだけではなく、デジタルという大きなくくりとして解析の勉強もしていきたいですね」
解析業務ができるようになると、より性能の高いレーシングカーを作ることにもつながると言います。
「解析業務をマスターすれば、現在携わっているレーシングカーの設計開発においてテスト段階で解析を行い、そこで精度の高いものを厳選することで試作回数を減らすことができます。
これによって効率化が図られ、余った時間をより高品質な部品の開発に費やすことができます。難易度は高いのですが、せっかくCADや設計に取り組んできた経験があるので、それを活かして自分のスキルアップにつなげていきたいです」
最後に、就活生に向けて言葉を送り、話を締め括ります。
「設計と聞くと難しいイメージを持たれる方もいるかもしれませんね。確かに覚えることはたくさんあり、アイデアが浮かばずに行き詰まることもあるかもしれません。でも、それを乗り越えたときの達成感ややりがいはとても大きいです。
私も、新人社員のころは設計スキルが未熟でしたが、先輩社員のサポートやアビストの研修制度がしっかりしていたおかげで、着実にスキルアップすることができました。ですから、入社前に経験や知識不足を心配しすぎる必要はありません。興味があるならぜひチャレンジしてみてください!」
現状に満足せず、新たな分野へのチャレンジへの姿勢を崩さない片岡。これからも、アビストの仲間と共により良いレーシングカーの設計開発に取り組み、さらなる高みをめざしていきます。
※ 記載内容は2024年3月時点のものです
