車に関わる仕事を夢見て理工学部へ。バンドにはまった学生時代
幼少期より元気で活発だったと語る佐藤。父親が自動車の生産技術・管理に関わる職に就いており、働く背中を見て育ちました。
「子どものころから父のことをかっこいいと思っていました。父が作っている車もそうですし、国内だけでなく海外出張にも行き、世界中飛び回って仕事に励んでいました。家に帰っても、夜にパソコンに向かって仕事をしていることが多い印象でしたが、休みの日には車を運転して家族旅行に連れて行ってくれました。
プールやスキーなど、家族みんなで出かけた楽しい思い出がたくさんあります。そのため高校生のときから車に関わる仕事がしたいと思い、大学では機械工学を専攻しました」
大学では勉強のかたわら軽音部に所属し、ギターとキーボード担当でライブ活動を積極的に行いました。中でも、合宿で優勝したことが一番の思い出だと語ります。
「合宿ではみんなの前で演奏し、投票制で1位を決める大会があるんです。参加者は全部で70人くらい、20〜30のチームがエントリーします。私はヘヴィ・メタル系の音楽を演奏する仲間5人とチームを組んでエントリーし、予選を勝ち抜き決勝へと進みました。
最終的な投票で優勝が決まったときの喜びは、今でも忘れられません。なんといっても今までメタル系のバンドが優勝したことは一度もありませんでしたから。ジャンルにとらわれず一番良かったと認められ、部の話題になりました。今でもメンバーとは仲が良く、大切な友達ですし、大学時代の一番の思い出です」
3D-CADの設計開発を仕事にしたいとアビストへ入社
将来の進路を考える中で、子どものころの父への憧れもあり、設計の仕事に就くことを決意した佐藤。その中で、大学の就職課にてアビストの求人を見つけます。
「会社説明会で話を聞いて、自動車のボデーやランプの設計開発を行っていることを知り、この会社で働きたいと強く感じました。設計開発に3D-CADを使用していることも決め手の一つでしたね。大学時代にCADを使う経験があり、3Dモデルを作ることが楽しいと思っていました。これを仕事に車の開発ができるなんて、この仕事しかないと確信しました」
入社後、新入社員研修や機械設計の特別研修を経て、船外機エンジンを開発する会社のチームに配属されました。
「最初に配属先を聞いたときには正直驚きました。自動車の設計開発をするぞと意気込んで入社したのに、船に関わるなどまったく想像していませんでしたから。
しかし実際にやってみると、3D-CADを使い、自分のアイデアを形にすることはとてもおもしろく、作成した設計図を先輩に評価されると嬉しくてやりがいを感じました。
最初の配属時には、紙の2D図面しかなかった部品を、3D-CADを使った図面に書き換えるという仕事を担当しました。この仕事を通じて、3D-CADの図面と実物との結びつきがよくわかるようになりました。その後、新しい船外機のエンジン開発プロジェクトに配属され、入社2年目にシリンダーヘッドカバーの構造設計を担当することになりました。
シリンダーヘッドカバーはエンジンオイルの飛散を防ぐ部品になりますが、吸気側へのオイルが流出しないようにするとともに、一定の強度を持たせなければなりません。しかし、限られたスペース内で厚みを増して部品を大きくするわけにはいかず、形を工夫して強度を出す必要がありました。この構造設計が難しく、何度も先輩にアドバイスをもらいながら改良を重ねました。苦労を重ねてついに完成させたときには、やって良かったと心から思いましたね」
失敗を学びに──店頭に商品が並ぶ喜び
部品設計の仕事にも慣れ、やりがいを持って行っていましたが、入社3年目となる2020年にプラモデルの設計開発の部署へ異動になります。
「話を聞いたとき、はじめは車ではなく『次はおもちゃか』と思いましたが、同時にプラモデル設計でも3D-CADを使って設計し、今まで培った自分の技術を活かしながら新しい形状の設計を行うことにワクワクした気持ちもありました」
しかし、最初は慣れず、失敗したことも多々あったと語ります。
「1、2年前になりますが、車のプラモデルの設計をしていた際に組み立てられない3Dデータを送ってしまったことがありました。今まで設計していたプラモデルはロボットがほとんどで車のプラモデルは初めてでした。形状が違っていたので、組み立て方にミスが生じてしまったんだと思います。もっと細部まで確認していれば防げたことで、それ以降は納品する前には綿密にチェックするようにしています。
昨年はアニメのキャラクターのプロジェクトを任されたのですが、お客様と打ち合わせを重ね、衣装の3Dデータの修正だけでなく、頭部、胴体、バックパックなどは2Dイラストから3D-CADに落とし込み、プラモデルとして完成させるまでをほぼ自力で完成させることができました。
プラモデルは動きが大切なので、動く範囲を決めると同時に、動いた後に止まること。そして、そのポーズのかっこよさが大切です。これを3D-CADで動かしながら調整していきます。少しの違いで止まらなかったり、隙間ができてしまったりと難しいのですが、完成するとお客様のホームページで自分の作った商品が発表され、店頭に実物が並んだ瞬間はとても嬉しく、やりがいを感じます」
自分の仕事が会社の評判を作っていく──今後は質の高さを追求したい
今後は、より高いクオリティをめざしたいという佐藤。パーツの面を増やし、かっこよく見えるように工夫していきたいと語ります。
「今後は、3D-CADを用いてよりクオリティを追求していきたいと考えています。パーツの角を削って面を増やすと、より滑らかさが増してかっこよく見えるんです。また、かっこいいポーズが取れるように腕や足の可動域を広げながら止めた際に倒れないようなバランスに気をつけていきます。
さらに、お客様や作者がめざす方向や大切にしていることをくみ取って、理想に少しでも近づけるようにしていきたいと思っています。私が作る1作品1作品の積み重ねで会社の評価も作られると考えているので、会社全体の評価向上に寄与できるよう大切に仕事に取り組んでいきます。
もともとは自動車の設計がやりたくて入社しましたが、今のプラモデルの設計開発はとても楽しくやりがいを感じています。この分野をもっと究めて、後輩に仕事のノウハウを伝え、チームメンバーを増やし、一つでも多く設計ができる体制を作っていきたいと思っています」
最後に、就職活動を行っている学生に向けて次のように話を締めくくります。
「ものづくりが好きな人はぜひアビストの話を聞いてみてください。とくに、プラモデルが好きな人には自信を持っておすすめします。
車の設計よりも短い期間で設計し、納品しなければならないので大変なこともありますが、『好き』な気持ちが強ければ仕事の難しさよりも自分で作る『楽しさ』や『喜び』のほうがずっと大きくなります。商品が完成して店頭に並んだ瞬間の喜びを感じてほしいと思いますし、それを一緒に共有できれば最高です」
一緒に働く仲間を増やし、良い製品を多くの人に届けたい──会社の想いと佐藤の想いは重なっています。
※ 記載内容は2023年4月時点のものです
