キーワードは、「観光」「人材」「脱炭素」。山梨の未来を支える課題解決
宇佐美が所属する地方創生推進部は、2022年6月に発足した部署です。「山梨未来創生室」と「公務推進室」の2つから成り立っています。
「山梨未来創生室は、地域課題に着手する部署です。山梨が抱えるさまざまな課題を解決すべく、支援事業や新会社設立に向けた業務を行っています。背景にあるのは、銀行法が改正になったこと。
今まで銀行は、預金業務とか融資業務などの一般的な銀行業しか取り扱いができませんでした。しかし、銀行法が改正され、地方創生に資する事業であれば、銀行が事業主体として取り組んでいいということになったのです。そこで当行も、山梨の地域課題を解決するために、積極的に動き出しました。
もうひとつの公務推進室は、自治体の皆さんが抱えているお悩みを解決する部署。例えば『自分の市を対外的にPRしていきたい』とか、『さびれてしまったリゾート地を復活させたい』などのオーダーに相談窓口として応えていきます」
現在、山梨未来創生室では、地域の課題を解決するために、観光、人材、脱炭素という3つのキーワードを掲げています。
「最初に地域課題ってなんだろうと思い、自治体や山梨の大学、企業などに重点的にヒアリングをしました。優先順位をつけて絞ったのがこの3つです。
観光面の課題は、富士山周辺以外に観光客が来ないこと。富士山に来た後、県外にすぐ移動してしまうケースが多いので、山梨を周遊してもらえるように盛り上げていきたいと思っています。
人財面の課題は、量的・質的な不足です。人財の流出を防ぐ取り組みをしたり、活躍できる人財を育てたりしたいと考えています。また、多くの人が県外へ出ていってしまう要因のひとつには、そもそも山梨にどんな企業があるのか知らないということがあると思うんです。そこで2023年11月には、大学生向けに社会科見学を行い、実際に企業の中を見てもらう活動をしました。
そして脱炭素については、地域の企業や自治体に、まず脱炭素の必要性を含め現状を認識してもらうところから始めるつもりです。実際にCO2を減らす取り組みをしてみて、目標に届かなかったら、カーボンクレジットの導入支援を考えています。カーボンクレジットとは、CO2削減に成功した他の企業などからその分の効果を買って、自分の排出量に当てはめて調整するというものです」
太陽光発電の主力電源化を目指す活動にも力を入れていると話す宇佐美。2023年4月には、山梨県、三菱UFJ信託銀行、東京大学発スタートアップのヒラソル・エナジーとタッグを組み、「百年ソーラー山梨株式会社」に出資しました。これからも、地域のリーディングバンクとして事業を行い、3つのキーワードをかたちにするのが目標です。
東京・神奈川での勤務を経て気づいた、もったいない「分断」
宇佐美は山梨出身。大学は埼玉の学校に通っていました。就職活動の際は、東京、全国転勤の会社を含めて広く企業を見て、いくつかの内定を獲得。しかし、地元・山梨に何かしらのかたちで貢献したいという想いが強く、最終的に山梨中央銀行を選びました。
「金融機関で働きたいというこだわりはなかったものの、面接を進めていく中で行員の方から『銀行という仕事は、大きな看板を背負っているからこそ、社長などとも対等にお話ができる』という話を聞きました。若くても1対1で深い話ができるということに魅力を感じ、興味を持ったんです」
最初は山梨の支店で3年間過ごし、窓口業務、個人向けの資産運用の提案などを担当。その後、新しく神奈川に支店ができたタイミングで、メンバーに選ばれ異動しました。山梨を離れて働いたことで、宇佐美は驚いたと言います。
「支店では、新規開拓のために飛び込み営業をしていました。山梨で働いていたときは『山梨中央銀行です』というだけで誰もが分かってくれたのに、神奈川ではそうはいきません。支店が開設したばかりということもありますが、知名度の変化に驚きました。
山梨中央銀行の名前が通じないので、まずは私自身を魅力に感じてもらう必要があると考えました。山梨中央銀行のファンになってもらうという狙いで、とにかく話の幅を広げたり、いろんな業界の深い話ができるよう勉強したりと、工夫を重ねました。
6年間在籍し、苦労しながらもいろんなお客さまや案件に携わらせてもらい、その後は東京の支店へ。こちらも開設して日が浅い支店だったので、似たような難しさを感じながら働きました」
東京も神奈川も、良いソリューションを持っている会社はたくさんあります。なのに、そもそも山梨中央銀行のことが知られていないという現状を目の当たりにしたのです。
「これでは融資などの働きかけが進みにくいので、もったいないと思いました。山梨と東京・神奈川を分断させずかけ合わせることで、もっと当行を盛り上げていけるのではと感じ、自分のできることを考えるようになりましたね」
そんなときに、新しく部を発足するという知らせを受けた宇佐美。東京で新規開拓を担当する中でさまざまな業種を見てきた経験を活かして、山梨中央銀行の可能性をもっと広げられるのでは、と考えます。
「当行では、キャリアデザインのための『ポストチャレンジ制度』があります。その枠組みで、自分から手を挙げて面接を受ける決意をしました。結果、室長代理というポジションで関われることが決まり、今に至ります」
子会社の立ち上げを計画中。新しい挑戦にわくわくする
地方創生推進部に異動し、業務内容はがらりと変わりました。
「融資のような分かりやすい成果がなかなか表れない仕事になりました。脱炭素の取り組みは、私1人がやったところで効果は実感できません。銀行全体、そして自治体や企業など、いろんな方々を巻き込んでいく必要があります。
多くのステークホルダーと関わって、みんなで取り組んでいかなければいけないという点で、今までにない難しさを感じます。でも新しい施策をあれこれ考え、アイデアを一つ一つ積み重ねていくのは面白いですね」
業務のジャンルは異なりますが、これまでの銀行業務で培ったスキルはしっかり活きています。
「就職活動中に言われた言葉の通り、特に東京時代は、誰もが聞いたことがあるような大企業の社長や創業者の方、役員クラスの方々と、たくさん話すことができました。お客さまを通して、介護や医療、製造業、農業などの幅広い業界を見てきたことも、すべて今につながっていると感じます」
銀行業務の枠組みを超えたチャレンジができる環境は、刺激にあふれています。
「近い将来、会社を立ち上げるというミッションがあります。銀行法が緩和され、いろいろな事業に主体的に取り組めるようになったので、そのための会社をつくるんです。子会社を立ち上げるなんて、なかなか銀行にいては経験できないこと。立ち上げだけでなく、収益を出して自走できる会社になるように、しっかりやり切りたいと思います」
頑張る意欲があれば、思う存分活躍できる環境
これからも、まだ見ぬ事業に果敢に取り組んでいきます。
「お客さまを通していろんな事業を見てきましたが、今度は自分が子会社の立ち上げという事業をやる主体になります。銀行としての目線と経営側の目線、両方を得ることができるので、わくわくしています。今後、銀行業務に戻ったとしても、今まで以上に多角的な支援ができるのではないかなと思うんです。一生懸命経験することで、より一層お客さまや地域の役に立ちたいですね」
仕事をしていてやりがいを感じるのは、お客さまからの反応を得たときです。
「お客さまに感謝されたときや、なんでも相談してくれるような関係を築けたときには、ものすごくやりがいを感じます。現在の仕事では、直接お客さまの課題解決に携わることはないのですが、自分たちの取り組みを地域に発信すると、地域の皆さまから反響をいただくこともあります。うれしい声が届いたときは、頑張ろうとエネルギーが湧きます」
山梨中央銀行の挑戦に共感してくれる仲間を心待ちにしています。
「銀行に入ったら、銀行っぽい業務しかできないと思われているかもしれません。でも、実は地域課題解決という名のもと、銀行が主体となって積極的な取り組みを行える時代なんです。
当行は、キャリアを描くための仕組みが整っています。手を挙げて部署異動できる『ポストチャレンジ』のほかにも、自分の仕事をしつつ他の仕事にも携われる『ジョブトライアル』という制度もあります。頑張る意欲がある人が、思う存分挑戦できる環境が整っていますし、山梨中央銀行だからできる課題解決があると思いますので、興味があれば仲間になってくれるとうれしいです」
宇佐美はこれからも山梨中央銀行の新しい顔をつくるため、まい進していきます。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです
