自由度が高く、仕事の幅が広い
山梨中央銀行の東京推進部では、各業界のエキスパートとの協業・連携を進めています。
林:東京推進部のパーパスは、「川上営業で新たな当行顧客を創造し、技術・人脈・顧客・市場を双方向でつなぎます」です。つまり、東京で新しいお客さまや技術パートナーを開拓し、山梨の企業や人々をつなげる役割を担っています。
現在は17人のメンバーが神田・八王子の2拠点で業務を展開。神田では主に都心エリアのお客さまを、八王子では当行の「第二の地元」とも言える多摩地区のお客さまを担当しています。
1877(明治10)年の設立直後には東京支店を出しており、当時から東京は戦略的に取り組んでいます。都内は現在17店舗、地方銀行随一の都内支店数です。神田では上場企業や上場企業創業者、多摩地区では製造業や開業医のお客さま層が厚いです。
江戸:山梨には、山梨だけで解決できないさまざまな課題があります。その課題解決のために県内と県外の事業者をつなぐこともあれば、銀行が当事者となって、共に課題解決を検討することもあります。自治体や事業者、新しい技術を持つベンチャー企業、関わる事業者は多岐にわたります。
また、東京推進部の特徴の1つとして、銀行業務の枠を超えた柔軟な対応力があります。法人、個人、不動産融資、相続・事業承継、M&A、為替など、一般的には部門が分かれている業務を1つの部で一手に引き受けています。
細分化されていると、お客さまが相談窓口をあちこち回らないといけませんが、私たちはお金にまつわるどんな相談でもお受けできることが強みです。個人一人では限界があるため、行内の各部との連携や外部専門家との連携が進んでいます。
さまざまな専門家との連携により、各専門知識を得ることにもつながりますし、さまざまな相談を通じてお客さまを深く理解できるため、深く長いお付き合いができると考えています。
それぞれの経験や強みを活かした形で業務を分担している東京推進部。林は20年のキャリアを持つライン長として、豊富な融資業務の経験をもとに複雑な案件の整理や方向性の提示を担当しています。
林:お客さまと銀行の間に立ち、ニーズを実現可能な形に調整することが私の役割です。行内外のコミュニケーション、案件の本質の理解とスピーディーな対応、そしてお客さま視点での判断。この3つを特に大切にしています。
一方、リクルートと不動産デベロッパーでのキャリアを持つ江戸は、前職での経験や人脈を活かし、富裕層開拓やインバウンド施策、行内改革、ベンチャー投資、M&A、顧客のマーケティング支援や販路拡大、事業提携や新事業設立支援などに注力しています。
江戸:山梨出身でも、銀行経験者でもない私だからこそ気づく観点で、観光コンテンツの開発支援、さらには行内の改革など、自分らしさを発揮してのびのび仕事をしています。
海外70カ国以上を旅してきた旅行好きという個性も活きています。自由度の高い業界しか経験していないため、周りに銀行への転職を驚かれましたが、思いつきのアイデアにも「それいいね」と周囲がフォローしてくれ、実現に向かっている実感があるので、挑戦したいことがどんどん増えていっています。
山梨の支店で経験を積んできた木村は、2023年に東京推進部へ異動。以来、都内マーケットにおける顧客創造をミッションに掲げ、融資やビジネスマッチングを主軸に幅広い支援を展開しています。
木村:いろいろな事業者から日々さまざまなご相談をいただきますが、自分の介在価値を残すようにしています。例えば、融資を実行するのが困難な案件であったとしても、単純に断るのではなく、必ず改善のアドバイスをするようにしています。
お客さまの事業の本質を理解し、強みやセールスポイントを把握したうえで、金融・財務面以外の助言も行います。集客や売り上げ向上施策の事例の紹介の他、時には他行を紹介することもあります。
転勤するまでの短い付き合いではなく、今後もずっと付き合う気概を持って、他人事ではなく、自分事として捉えることを心がけ、「困ったときは山梨中央銀行の木村に相談しよう」と思っていただける存在になることを目指しています。一緒に事業を育てていくのは楽しいですし、多分「人」が好きなんだと思います。
東京推進部が関わるお客さまは経済界の中枢にいらっしゃるVIP顧客
超富裕層のお客さまは事業で成功された方が多く、社会への影響力も大きい方々です。最終決裁者であるために、すぐに成果に結びつくことが多くあります。
林:お客さまでもっとも多いのは、企業オーナー、企業経営者、資産管理が必要な富裕層などです。また、ファミリーオフィス、プライベートバンカー、税理士や弁護士などの士業との取引も多く、時には芸能人やアスリートなどのご相談に乗ることもあります。
お客さまにはそれぞれ独自の業界文化や課題があります。そこで東京推進部では、さまざまな業界のプロフェッショナルとのネットワークを構築し、お客さまの紹介やアドバイザー的な役割を担っています。
江戸:銀行というと、融資など特定の目的のために「相談、審査、毎月の返済と進み、それ以降は銀行担当と会うことはない」というイメージを抱く方もいるかもしれません。
しかし、私たちは山梨が本拠地であり、東京は出先であるため、人員配置も都内の方が少なく、少ない人数で深く長く複数回取引をする、LTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)を高める戦略を取っています。どんどん新規開拓をしていくというのではなく、お取引先を絞って、深いお付き合いをしています。
これは林さんの話ですが、インターナショナルスクールを経営しているお客さまとの雑談で、サマースクールの話題があった時に、当行から山梨の宿泊施設、牧場体験、美術館貸切など具体的なプログラムをご提案し、サマースクールの会場が山梨に決定した事例があります。集客についてもお手伝いし、このプログラムを当行顧客や知人へご案内、8名の参加者を送客、主催者・参加者ともにとても感謝されました。
さらには、この取り組みを別のインターナショナルスクールのお客さまにご紹介しながら同様のニーズをつかみ、山梨側の教育関係者にも現状課題をヒアリングしながら形を発展させ、今度はインターナショナルスクールと県内公立高校との国際交流プログラムとして提案する展開になりました。こちらはもうちょっと規模も大きくなり、海外校も絡めた長期交流プログラムになりそうです。
もともと地銀には地域経済に関心の高い人が入行していますし、当部の目先の目標やノルマに追われることなく、お客さまのためになることはどんどんやれという風土が、こういった自由な動きにつながっていると感じています。
提案がお客さまのお役に立ちやすい背景には、山梨の立地の良さもあると語ります。
江戸:山梨は東京から近く、これからリニアも通ります。場所の決まっていないイベントならば山梨に誘導することもできます。東京から日帰りで行けるという距離感とアクセスの良さも強みですが、当事者意識を持ってお客さまの事業成功に関わっていく仕事へのスタンスこそが私たちの強みだと感じています。
他にも、イベント誘致や企業・ホテル誘致、別荘購入などさまざまに関与しており、全国あちこちに視察にも行っています。
銀行として「できること、できないこと」の制約はあるものの、できるだけ柔軟な対応を心がけているという林。お客さまの話をしっかりと聞き、ワンストップで対応する姿勢を大切にしています。
林:お客さまから相談があった場合、門前払いしたり、たらい回しにしたりすることはまずありません。要望に応えられない場合でも、「こうしたらできる」といったアドバイスを加えるなど、次につながる対応を心がけています。そのため、お客さまから新たなお客さまを紹介していただけることも多いですね。
山梨で課題解決の型をつくり、全国に波及させていくこともできる
東京推進部では、地域の課題解決に向けて積極的な働きかけを始めています。その1つが、地方創生のプロフェッショナル集団「刀」が手がける沖縄のプロジェクトへの参画です。
林:2025年7月に沖縄で「JUNGLIA(ジャングリア)」という施設がオープンします。そのプロジェクトに対して商工組合中央金庫がアレンジャーとなり、シンジケートローン(※)を組成。当行もそれに参加しました。
一見すると、山梨の地方銀行が沖縄のプロジェクトに関わることに疑問を抱く方もいるかもしれません。しかし、この取り組みには明確な狙いがありました。
林:山梨は富士山や湖などの観光資源は豊富なのですが、地元の事業者だけでは地域活性化に限界があります。そこで「刀」という日本最強のマーケター集団と関係を築きたいと考えました。通常ではなかなかアプローチが難しい存在ですが、シンジケートローンへの参加をきっかけに、関係構築を図ることができました。
刀は海外からの集客に向けたマーケティングや行政との調整、地元との関係づくりなど、地方創生に関わるあらゆるノウハウを持っています。そういった仕掛けをつくる企業とつながることが、山梨の課題解決への近道だと考えました。
このプロジェクトを進めるに当たり、大きな課題となったのは行内での理解を得ることでした。
林:初めは「なぜ山梨の銀行が沖縄の事業に融資するのか」という疑問の声も上がり、参加目的や取り組みの意義を丁寧に説明し、理解を得ていく必要がありました。当時、上司・同僚ともに協力し、シンジケートローンへの参加が実現した際には、大きな達成感を得ることができました。
シンジケートローンへの参加以降も「刀」との連動・アライアンスは続いています。山梨県の課題解決のため、当行側から「刀」に対しさまざまな提案を実施しています(詳細は言えません……)。
また、2024年7月には「刀」のマーケティング思考を当行にも取り込むため、部長級人財を対象とした研修を実施していただきました。この取り組みは今後、中堅・若手世代も参加できるように考えています。
東京推進部では、この他にも二次交通の整備や観光コンテンツの開発、観光人材の育成、高付加価値型ホテルの誘致など、山梨が抱えるさまざまな課題解決に向けて動いています。
江戸:例えば、山梨は東京から近いがゆえに、日帰り客が多く、消費額が上がらないという課題があります。自然豊かな山奥では、公共交通機関も通っていません。これは日本の地方都市すべてが抱えている課題でもあり、自治体はもちろん、他県との連携、国との連携も必須になってきます。
他での先進事例に学ぶことも多いですし、当行グループのパーパス「山梨から豊かな未来をきりひらく」の通り、山梨から先進事例を発信していくこともできます。
他県出身者も歓迎ですので、東京に近く、風通しが良く、柔軟、自由に動ける当行で「地方創生モデル」のベストプラクティスをつくり上げ、他県にも広げていけばよいと考えています。日本の未来を変えていくモデルが当行から生まれたらと願っています。
木村:自分自身で山梨が抱える課題を定義し、その答え(解決策)を都内マーケットで探しに行く。都内で生まれたニュービジネスやベンチャー企業、上場企業などと戦略的に接点を持って、県内事業者と都内企業を掛け合わせるフレーム(山梨にあって都内にないものと、都内にあって山梨にないものを双方向でつなぐ)で課題解決をお手伝いしたりもします。経済番組で紹介されるような先進的な企業を開拓することもあります。
※ 複数の金融機関でシンジケート団を組成し、1つの融資契約書で融資を行う資金調達方法
今は変革期。変えていく立役者になれます
長年の歴史の中で築き上げてきた人脈やノウハウを活かしながら、山梨の地方創生に全力を注ぐ東京推進部。山梨中央銀行の魅力について熱く語ります。
江戸:良い意味で銀行のイメージを覆す存在だと思っています。新規のお客さまにお会いした時も、よく「銀行員っぽくないですね」と言われますし、行内の雰囲気も風通しが良くて、自由度が高い。銀行特有の堅苦しさはほとんど感じません。
また、私たちの部署は特に経営陣との距離が近く、秘書を通さずダイレクトに連絡を取り合うこともしばしばです。行内でも、経営陣の携帯電話番号はオープンになっており、常に現場の意見に耳を傾け、必ずレスポンスをくださっています。
組織全体が変革に前向きで、トップ層も変革の必要性を認識しています。だから組織が変わるのを実感できる、その立役者になれるところも魅力ですね。
特に東京推進部では著名な経営者や企業との出会いも多く、成長機会も豊富です。
林:日本を代表する経営者の方々など、さまざまな分野で活躍している方とお会いする機会が多くあります。そういった方のお話を聞くだけでも刺激になり、考え方や生き方、仕事のやり方など、多くのことを学べます。
木村:都内のメジャープレーヤーと接点を持ちながら、山梨での展開を図れるところも魅力の1つです。まったく異なるマーケットが隣り合っている東京と山梨だからこそ、地方創生や県内事業者の課題解決等の多様なコラボレーションが生まれるんです。
私自身、銀行員になったばかりの時には考えられなかったような仕事に関われていて、銀行員としての幅が広がっているように思います。
これから就職を控える学生たちに向けて、3人がそれぞれのメッセージを送ります。
林:当行では、皆さんが思っている以上にさまざまな経験ができます。私は入行以来20年間、都内で勤務してきました。山梨の企業ではありますが、東京でもいろいろなことができるのも大きな魅力です。幅広いことに興味を持ち、バイタリティーがあって好奇心旺盛な人が活躍できると思います。
木村:「銀行といえばお金を数えて……」というような決まりきった定型業務ばかりという考えの方も多いかもしれませんが、当行は、東京×山梨の2拠点地銀という特徴もあり、幅広い業務に携われます。
だから、個人的には銀行に興味を持っていない方にこそ、当行の存在に注目してほしいですね。例えば、商社などを志望している方は、当行の仕事を面白いと感じてくれるのではないかと思っています。
江戸:スマホはメーカーによって機能が違いますが、私たちが提供している「お金」はどこの銀行のお金も同じです。だからこそ、「人」と「気持ち」で差をつける必要があります。人との出会いを大切にし、人のために動ける人、仲間づくりのうまい人は、当行で活躍できると感じます。
一方、お金の使い方は千差万別。社会や人に関心を持ち、未来に向けた課題解決をしたいと考える熱い人にとっては、最高の舞台だと思います。
また、銀行の名刺があれば、さまざまな営業先にアプローチできます。成功しているお客さまから学ぶ機会も多いので、将来的に経営や独立を考えている人、行政関係やコンサルティング業界に興味がある人にとっても、良い経験を積めますし、経営の疑似体験をしているとも言えます。
※ 記載内容は2025年2月時点のものです
