アーチェリー、アルバイト、学業の三位一体。新興国の最前線をめざした就活の軌跡
学生時代は日々の講義やゼミに加えて、高校時代から始めたアーチェリー、家庭教師やバーなどでのアルバイト、の三位一体の生活を送っていました。アーチェリーに注力したのは、自身が通っていた高校で最も伝統があり、全国レベルで強豪の部活動だったからです。高校から始めたスポーツでしたが、大学に入っても続け、充実した日々を過ごしていました。
就職活動を始める時期になると、私は明確な軸を持って企業を探していました。それは、特定の技術や製品には拘らず、海外の最前線でビジネスをできる業界、そのチャンスが最も多い業界で働きたいという思いでした。なぜ海外なのか。日本国内の人口が縮小傾向にある中で、世界、とくに新興国の人口は拡大しており、純粋にさまざまなビジネス機会も拡大していく可能性が高いと考えたからです。その軸から、自然と総合商社を志望するようになりました。
就職活動では、会社のネームバリューや格も勿論大事だと思っていましたが、実際に会う社員の方々との親しみやすさを大事にしようと考えていました。豊田通商は、総合商社の一社でありながらもトヨタグループの一社ということで、やはり自動車ビジネスが強みというイメージを持っていました。
そして入社を決めた理由は大きく二つあります。一つは、アフリカなど新興国での事業を戦略的に推進し、実際に拡大してきているという点です。私が就職活動で重視していた、海外、とくにアフリカなど新興国の最前線でビジネスをするという軸にまさに合致していました。もう一つは、採用プロセスを通じて会う社員の方々の親しみやすさです。他の総合商社と比較しても、フラットな社風を強く感じました。実際に会う社員の方々との会話を通して、伝統的な日本企業によくある上意下達の文化があまりなく、その逆に風通しの良さがひしひしと感じられたのです。
特に印象に残っているのは、選考終盤、内定者がほぼ出終わった状況にも関わらず、二次面接の面接官の方が、事業部門の方へ自分を強く推薦してくださった事です。この出来事が、この会社で働きたいという気持ちを決定的なものにしました。
トヨタグループの歴史から学ぶ研修と、想像以上に広がる総合商社のフィールド
入社後の研修でとくに印象に残っているのは、トヨタ産業記念館などへの訪問を通じて、トヨタグループの歴史をゼロから学んだことです。自動車という製品だけでなく、そこに至るまでの企業の歩みや理念を深く理解できたことは、その後の仕事にも大きく影響を与えています。
研修を経て実際に配属されてからは、入社後から現在に至るまで、アフリカにおけるインフラ開発事業を担当しています。最初に携わったのがケニアでの仕事でした。オルカリアでの地熱発電事業や、モンバサでの港湾開発事業など、国家プロジェクトの開発・実現に取り組んできました。どれも国の根幹を支えるインフラを構築していく重要なプロジェクトで、責任の大きさとやりがいを感じながら業務に取り組んでいました。
入社後に感じたギャップとして挙げられるのは、自動車ビジネス以外の多角的な事業の広がりです。総合商社らしく、ありとあらゆる事業が世界中で展開されていることには驚きました。自分が想像していた以上に、ビジネスの領域が広く、グローバルに展開されている。それを実感したことで、自分自身のキャリアの可能性も大きく広がったように感じました。
ケニアでの経験を基盤に、新たな国・マーケットの開拓に尽力してきたこれまでのキャリアは、常に新しい発見と学びの連続でした。一つの国での経験・実績が、次の国での仕事に連鎖的につながっていく。そうした積み重ねの中で、自分自身も成長してきたと感じています。
政府との信頼構築とチームマネジメント。グループリーダーとして視野を広げる
現在私はアフリカ電力・インフラ部に所属し、第一グループのグループリーダーを務めています。第一グループは東部・南部アフリカ地域を所掌しており、私はグループが担当している全プロジェクトの進捗管理、予算管理、人員管理などを行っています。アフリカ全域における再生可能エネルギーなどの電力プロジェクト・水環境や交通などのインフラプロジェクトの開発・実行を通じ、アフリカの人々や未来の子どもたちの生活の基盤を創る仕事です。
この仕事で特にやりがいを感じているのは、新たな国への進出を加速できていることです。TICAD(アフリカ開発会議)などのマイルストーンも活用しながら、これまで実績のない国において新たなプロジェクトの開発を推進しています。入社時はケニア並びにエジプトが事業の中心でしたが、今ではモロッコ、チュニジア、ウガンダ、エチオピア、ナイジェリア、コートジボワール、セネガル、ベナン、アンゴラなど、さまざまな国で実績を積み上げてきています。
新規プロジェクト開発を進める際に特に苦労したのは、政府との関係をゼロベースから構築することです。相手は政府なので、なかなかコントロールが難しいのが正直なところです。政治・経済情勢によってプロジェクトが大きな影響を受けることが多々あります。始めの頃は「そもそもお前に何ができるんだ?本当にできるのか?」という反応だった方々に、我々にしかできない付加価値を訴求し、実際に一つ一つ着実に実現していく事に尽力してきました。
こうしたさまざまな国・企業との協業・連携を拡大していく中で、異なるバックグランドを持つ方ともすぐに関係を構築する事が出来るようになったと感じています。特に商談を始める前の「雑談」の力が上がったように感じます。どれだけ重要な商談であっても、まずは和やかな雰囲気を醸成した上で行うように心がけています。
入社した頃は「如何に仕事をするか・如何に成長するか」という自分中心の考えでしたが、昨今は、「如何に組織として仕事を創り・拡げるか、如何に部下・後輩の成長を支えていくか」という広い視野を持てるようになってきたと思います。グループリーダーとして、自分だけでなく組織全体の成長を見据えた仕事への向き合い方に変化してきました。
「考えながら走れる人」と共に国創りへ。自分に合った企業との出会いを願って
今後どんなことに挑戦してみたいかというと、これまでのインフラ事業の経験を基盤にしながら、現地拠点のマネジメントとして、さまざまな事業を通じて「国創り」そのものに貢献していきたいと考えています。インフラは国の基盤を支える重要な役割を担っていますので、その最前線で国の発展に関わっていけることに大きなやりがいを感じています。
そして中長期的には、現地拠点のマネジメントを経て、本社のマネジメントなど、より俯瞰的に組織を創り・牽引していく仕事をしていきたいと思っています。その目標を実現するために、現在グループリーダーとして、日々のプロジェクトだけでなく、グループメンバーの育成・キャリア形成に注力し、「組織としての力の最大化」をめざしています。一人ひとりの成長が組織全体の成長につながり、それがやがて国創りという大きな目標の実現にもつながっていくと信じています。
採用候補者の皆さんには、(社会人になると自分の時間がどうしても少なくなりますので)バックパッカーとしてさまざまな地域・国に海外旅行する事をお薦めします。現地の文化や価値観に触れることは、今後の仕事にも必ず活きてくるはずです。
私たちの会社で活躍できるのは、前述した通りのフラットな社風だからこそ、自分自身から・能動的に・積極的に動ける人です。具体的には、考えながら走れる人ですね。考えながら走って・走りながら考えて、臨機応変に・柔軟に戦略を構築していける人がいいと思います。要するに頭でっかちではなく、まずはとにかくやってみる!挑戦してみる!という人です。
最後に、今この記事を読んでいる皆さんに伝えたいことがあります。自分自身に合った会社に出会ってほしいと思います。さまざまな業界・会社を見ていただき、社員の方と会っていただき、自分自身の肌に一番馴染む企業とのご縁が有る事を祈っています。皆さんの就職活動が実り多いものになることを、心から願っています。

