鉄鋼のデリバリーを担当。顧客ニーズと市場動向の調和に向けて奮闘
金属本部 条鋼鋼管部に所属する三浦。現在は鉄のデリバリー業務を担当しています。
「パイプ状のもの、棒状のもの、コイル状のもの、そして板状のものなど、鉄の種類はさまざまです。その中でも、私は特殊鋼棒線(棒状のものとコイル状のもの)という鋼材を扱っていて、国内の自動車部品メーカーに向けてデリバリーを行っています。
特殊鋼棒線は自動車のトランスミッションやギア関連の部品に使われており、鉄鋼メーカーから購入した鉄をそのまま販売することもあれば、加工メーカーで加工してから販売するケースもあります」
発注から納入までの管理や、仕入先である鉄鋼メーカーと納入先である自動車部品メーカーとの折衝が三浦の主要な業務です。
「どの鉄鋼メーカーの材料を採用するかを最終的に決定するのはお客様です。お客様の要望を正しく理解し、それを仕入れ先である鉄鋼メーカー各社にフィードバックすることで、品質、コスト、サプライチェーンなどの複数観点で魅力的な提案ができるよう心がけています」
適切な発注量を策定して仕入先へ発注するためには、納入実績だけでなく、各OEMや部品メーカーの生産台数情報のマクロ動向などの考察も欠かせません。
「メーカーの生産台数のほか、自動車の売れ行きを含むマクロな外部環境なども確認しながら、適切な発注量を決めています。さらに、鋼材の種類は鋼材径、長さ、成分値、熱処理の有無などによって異なり、その種類は300〜400にも上ります。市場のトレンドを加味しながら、これらの鋼材それぞれの数量を慎重に決定し、確実にデリバリーするのが私たちの役割です。
カーボンニュートラルが叫ばれる中、製鉄の際のCO₂排出量を抑える工程の開発も進んでいます。環境への配慮を重視するお客様が増えているため、こうした新しい潮流を捉えることも、私たちにとって重要な課題です」
現在、条鋼鋼管部に在籍するのは約60名。6グループ体制で、自動車メーカーや自動車部品メーカーに鉄をデリバリーしています。
「条鋼鋼管部ではここ数年、体制強化を目的にキャリア入社のメンバーや関連会社からの出向者が急増中です。私はまだ豊田通商に入社して3年目ですが、社歴ではすでに部内では古株の部類。フレッシュなメンバーがとても多い組織です」
デリバリー業務の成果を左右するのは、迅速な判断と対応
三浦がキャリア入社したのは2021年のこと。以前は自動車部品メーカーに勤務し、海外工場向けの輸出業務や、海外OEMメーカー向けのバックオフィス業務を担当していました。転職を考えるに至った経緯を次のように振り返ります。
「もう少し上流工程から業界のビジネスを見てみたい気持ちがありました。同じ自動車業界向けの仕事でも、他業界のビジネスにも携われる機会がある豊田通商はとても魅力的でした。
また、30歳という節目を迎えるに当たって、環境を変えることが自己成長につながるとも考えていました」
大学時代、1年間休学してミラノの語学学校に通った経験も持つ三浦。海外で働くチャンスがあることも、豊田通商に転職を決めた理由でした。
「当時通った語学学校には世界中から人が集まっており、異なる文化や考え方に触れられて大いに刺激を受けました。異なる文化圏の人と一緒に働いてみたい気持ちがあることは、周囲や上司にも伝えています」
そんな三浦が大切にしているのが、いかなる現実に対しても正対すること。仕事と向き合う基本姿勢として、一貫して守り続けてきました。
「トラブルに直面すると、気が重くて逃げたくなるものですが、後回しにして得られることはひとつもありません。目の前で起きている事実に勇気を持って向き合い、できるだけ早く対処するよう肝に銘じています」
入社後、デリバリー業務に携わる中で、その信念はより強固なものになりつつあると言います。
「輸出をともなうデリバリーの場合、お客様にお届けするまでに船便で1カ月ほどかかることもあるなど、緊急対応が難しいケースが少なくありません。
一方、現在私が担当している国内業務では、お客様の生産計画にリニア(直線的)に追随するため、日々の在庫・仕掛状況を正しく把握し、変化点があれば迅速に対応し安定供給につなげることがミッションです。
対応を後回しにすれば、手配が遅れてお客様の要求に応えられなくなることもあります。スピーディーな行動を心がけてきたことで、いまでは状況を正確に把握し、すばやく対処することが習慣化しました」
部内の組織開発活動も主導。横のつながりを強化し、より助け合える組織へ
鋼材デリバリー業務に携わる中で、良好な人間関係を構築することの重要性を今まで以上に実感するようになったと話す三浦。
「決められた納期に決められた製品を納入するのが私たちの仕事です。遅延は論外ですが、早過ぎる納品は在庫の増加につながり、お客様に迷惑をかける可能性があります。そうしたさまざまな問題を回避するための情報収集には、お客様との関係構築がきわめて重要です」
顧客や仕入先との関係だけでなく、社内の関係についても同様です。三浦はさらにこう続けます。
「担当顧客は違いますが、条鋼鋼管部のメンバーはそれぞれ同じような業務を担当しています。そのため、困難な状況に直面したとき、周囲の力を借りることで解決策が見つかることが少なくありません。たとえ違う製品を扱っていても、同じ部のメンバーなので壁を感じずに、よりスムーズに情報交換できるような組織づくりが必要だと感じています」
こうした思いから、三浦は部内の組織開発活動に積極的に関わり、組織の活性化に貢献してきました。
「私の入社当初、お昼休みを利用して週2回、30~35歳の有志メンバーが集う『中堅会』が開催されていました。私はその取り組みに共感してすぐにメンバーに加わりました」
同会の活動の広がりとともに、組織改善に対する部全体の機運が高まり、2022年4月からは部としての活動に発展。金属本部のスローガン「広げる心、ともに前へ」にちなんで「ともに前へ」という名称のもと、いまも精力的な活動を続けています。
「本音で対話できる心理的安全性が担保された組織をめざして、週に1~2時間活動しています。年次や役職にも関係なく誰でも参加可能です。
コロナ禍以降、在宅勤務をするメンバーも増えたため、こうした場を設けることで、コミュニケーションの活性化につなげたいという思いもあります。グループ外のメンバーに相談すると課題がすぐに解決するのはよくあること。社内の横のつながりを強化することは、組織にとって大きな強みになると考えています」
「ともに前へ」では、年に2回、部員全員を対象にしたコミュニケーションイベント実施。回を重ねるごとに、部内の連携の強まりを感じていると三浦は言います。
「部内のメンバーの交流を深めるためのワークショップなどを実施してきました。『これまで関わりのなかったメンバーと話す良い機会になった』という声も聞こえてくるなど、 活動の意義を感じています。
何より、『こんな活動をしたい』と意見したとき、それに賛同し、一緒に本気で取り組んでくれる人が多かったことがとても印象的でした。豊田通商の『人』の魅力を実感しています」
組織も事業も、いまは変革のタイミング。現状維持ではなく、挑戦を
鋼材デリバリー業務や部内の組織開発活動と並行して、新規ビジネスを検討するプロジェクトにも携わる三浦。CO₂削減観点で鉄に関連した新規事業や、電動化に伴う新素材の拡販を提案するものなど、現在はふたつのプロジェクトを担当し、既存のビジネスにとらわれない枠組みでの事業化に向けた検討を進めています。
このように活躍の場を広げてきた背景には、ある先輩社員の存在がありました。
「実務に励む一方、組織開発や新規事業にも積極的に取り組んでいる先輩の健闘ぶりを見ているうちに、目の前の業務が多くあることを理由にほかのことをあきらめるのは格好悪いなと思うようになったんです。おかげで、いまでは組織について考える時間を確保するために、通常のデリバリー業務をいかに効率化できるか、と考えられるようになりました。
その先輩は、中堅会の発起人でもあり、発信力のある方。私も彼のように、後輩にとって良い影響力を与えられる存在になれたらと思っています」
そんな三浦がいまめざすのが、誰もが働きやすく、そしてチャレンジすることを惜しまない組織づくりです。
「新しく部に加わった人が1日でも早く仕事に馴染めるよう、組織のナレッジを蓄積し、助け合えるような組織文化を醸成していきたいと考えています。今後、自動車の電動化にともない1台あたりの鉄の使用量が減少するため、新しいビジネスの創出が喫緊の課題です。部のメンバー全員が、目の前の実務だけに満足せず、新しいことに挑戦しようとする気概を備えた組織にしていけたらと思っています」
いままさに変革のタイミングを迎えている条鋼鋼管部。だからこそ、おもしろみがあると三浦は強調します。
「業務の電子化が進むなど、私が入社した2年前と比べるととても働きやすくなってきました。また、社長が経営メッセージとして挑戦への姿勢を打ち出すなど、会社全体が大きく変わろうとしています。
業界に新しい文化を取り込み、変革を起こしていくチャンスがある環境です。『鉄=お堅い』という先入観を取り払い、挑戦意欲のあるたくさんの方に参画していただきたいです」
いま求められているのは、現状を維持する力ではなく、挑戦し新しいことを生み出す力です。変革の原動力として、三浦はこれからも自らが先駆者となって、組織の、業界の変革を牽引していきます。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです

