創立100周年目前の株式会社豊田自動織機。そんな中、2021年に電動化を牽引するべく始動した電池事業は、世界初のバイポーラニッケル水素電池量産に成功した最注目の新領域です。そして、開発・製造・客先をつながる司令塔として最前線をリードするのが、電池事業室 生産管理部です。 今回はキャリア入社の武石と新卒入社の伊藤へインタビュー。新規事業としてのスピード感や、新卒・キャリア・現場出身者が一丸となり大きな裁量を持って挑戦できる温かい組織風土、そして現場を重んじる現地現物の精神に迫ります。
01.未経験から最先端の現場へ――二人のキャリアと豊田自動織機を志望した理由
―― お二人のこれまでのご経歴や、現在担当されているお仕事について教えてください。
武石: 私は2023年に卒業し、他社で1年ほど勤務したのち、キャリア採用で当社に入社しました。 現在は主に手配業務を担当しており、電池パックの製造に必要な部品の生産管理業務を行っています。台風などの災害時でも安定供給を維持できるようサポートする役割です。また、試作品に関する生産計画の調整業務も担っています。
伊藤: 私は2025年4月に入社し、現在2年目になります。 最初の1年間はコントロール業務として現場に近い立ち位置で日々の生産計画作成や調整を行っていました。2年目の4月からは新車進行業務を担当しており、新製品のバッテリーや製品のモデルチェンジの際に中長期での生産計画や管理業務を行っています。
―― キャリア入社・新卒入社それぞれの視点から、御社を志望された理由を教えてください。
武石: 志望理由は大きく2点あります。1点目は、家族が購入したクラウンのハイブリッド車のイベントで当社の電池が搭載されていることを知り、その際に開発者の方が高出力電池が生み出す、走りの感動を熱く語る姿に感銘を受け、この電池に直接関わりたいと強く感じたことです。2点目は、面接時に感じた安心感ですね。キャリア採用は即戦力として1人で孤独に成果を出さなければいけないのではないかという不安がありましたが、面接で上司や部長から、あなたを1人にすることはないから安心してほしいと声をかけていただきました。チームで支え合える温かい職場環境だと確信し、志望度が高まりました。実際、その言葉通りにチーム全体でサポートし合える環境が整っていると感じています。
伊藤: 私は地元が石浜工場近辺のエリアで、幼い頃から世界で活躍する大企業として親しみがあったことがきっかけです。 自動車や産業車両といった安定した事業基盤を持ちながらも、近年では電池事業のような新しい領域へ果敢に挑戦している点に魅力を感じました。古き良き伝統と新しい挑戦が共存するスタイルが非常に魅力的で、ここで自分も成長したいと思い入社を決めました。
02.世界の電動化を加速させるバイポーラ技術。技術的強みと生産管理が担う一貫体制
左:株式会社豊田自動織機 電池事業室 生産管理部 石浜生産管理G 伊藤 丈生
右:株式会社豊田自動織機 電池事業室 生産管理部 共和生産管理G 武石 優太
―― 独自のバイポーラニッケル水素電池の技術的強みや、それが求められる背景について教えてください。
武石: 私たちは主にトヨタ車のハイブリッドカーに搭載される電池を生産しているのですが、最大の強みはバイポーラ型と呼ばれる独自の技術にあります。従来の電池は単電池同士を電線でつないでいたのに対して、当社の電池はシート状のものを直接積み重ねる構造を採用しています。これによって部品の数を大幅に減らせてコストを抑えられますし、電気抵抗をきわめて低くできるので、電気自動車に負けないスムーズな走り出しや力強い加速といった高出力を実現できています。
伊藤: このような高出力なバッテリーが求められる背景には、欧米を中心とする世界的な環境規制の強化があります。排ガス規制などをクリアするために自動車メーカーはエンジンの出力を下げざるを得ません。その分、バッテリーの出力で補い、車の走行を維持する必要があります。当社の電池は、これからの電動化社会をリードする上で非常に重要な役割を担っており、高出力な電池をつくるというのが当事業部の最大のミッションです。
―― 最先端の電池を市場に届ける生産管理部の役割と、具体的なお仕事の流れを教えてください。
武石: 生産管理部のミッションは、納期通りにお客様が満足する製品を届けることです。他部門を巻き込みながら全員が同じ方向を向いて、課題やタスクを整理して仕事を進めるための司令塔ですね。業務の流れは、生産準備、製造進捗の管理、そして出荷調整という大きく3つのステップに分かれています。私自身は主に部品の手配や試作オーダーを現場へ流す橋渡しを担当しています。伊藤も別の領域を担当していて、お互いに連携しながら日々業務を進めています。
―― 普段の1日のスケジュールをお聞かせください。
伊藤: 朝から工場が稼働するので、まずは生産計画の確認から始まります。私たちがいない夜勤帯の生産実績を正確に確認して、当日の見通しを立てるのが最初の仕事ですね。 同時に、部品や工程で使う部材などの在庫をチェックして、当日の業務に影響が出ないかを社外の仕入先と調整します。 お昼が終わった後は、自分が抱えている中長期的なタスクを処理する時間に使うことが多いです。 夕方に向けて、日中の計画の進捗を確認します。異常がないかも含めて実際に現場に足を運んだり、ミーティングに参加したりして正確な情報をつかみます。その後、仕入先と明日以降の調整を行い、1日を締めくくっています。
―― 他部門や社外との連携、また提案型生産管理の強みについてはどうお考えですか。
伊藤: 顧客先であるトヨタ自動車様とは、供給を支える立場として毎日細かく調整を行っています。お互いの生産停止や在庫過多を防ぐための毎日の対話は欠かせません。 また、技術部門から工場の設備改修やモデルチェンジの情報を事前に共有してもらい、製造現場とも中間在庫の状況について常に密に連絡を取り合っています。全体の流れが滞らないように現場を調整する役割ですね。
武石: 自ら最善策を提案できるのが、当社の生産管理部の強みだと思っています。 例えば客先に対しても、自社の設備能力や生産状況を踏まえて、こういうアプローチのほうが安定して電池を供給できます、といった提案を主体的に行っているんです。情報が集まる立場だからこそ、全体最適を見極めながら、他部門と一緒になって新しい価値を生み出しています。
―― 現在の生産管理部の組織規模や、メンバーの経歴について教えてください。
武石: 共和工場の生産管理部は約10名の組織です。キャリア入社者は2〜3名ほどで、私のような自動車・部品メーカー出身もいれば、化学薬品や材料系など異なる業界の出身者もいて、それぞれの知見を持ち寄ってフォローし合っています。
伊藤: メンバーは20代から50代まで幅広いです。組織としておもしろいのは他の事業部から異動されてきた方や、技術職・技能職の方など、多種多様な人材が同じ部署にそろっており、お互いの強みを活かしてフラットに意見を言い合えることが、この部署の魅力ですね。
03.手作りの試作から秒単位の量産まで――2つの司令塔が向き合う難しさと醍醐味
―― 試作品と量産品では、生産管理における難しさやアプローチにどのような違いがありますか。
武石: 量産品は同仕様のものをロットでまとめて作っていくのに対し、仕様が異なる試作品は1点ずつ手作りするため管理がきわめて複雑です。 例えば車両実験用ですと、電池としての機能は不要で形状だけ同じにしたものを作ってほしいという特殊オーダーもあります。現場が混乱しないよう、タスクを丁寧に整理して正確に分配する役割が求められます。その複雑な試作製造をスムーズに進めるために「現地現物」の姿勢を徹底しています。図面上で「この部品をここに取り付ける」とあっても、実際にその部品を取り付けようとすると、例えばプラスチック部分に手が干渉して折れやすい、という問題が生じることがあります。それに対して、「すでに取り付けてある別部品を一度外してから作業すれば破損を防げる」といった解決策は、現場に足を運ばないとわかりません。当事業室の強みである製造と技術部門の近さを存分に活かすため、現地現物を大事にしています。
伊藤: 一方で、量産ラインは生き物のように動きます。全工程が1本のラインでつながっておらず、工程間に中間在庫を挟んで進むため、最初の工程が止まれば後続もストップし、一瞬で多大な影響が出ます。突発トラブルへの迅速な計画調整やスピード感ある判断が、量産製品ならではの難しさです。 また、部品調達のリードタイムも大きく異なります。大口の部品は2日ほどで手配できますが、特殊な試作部品は1カ月以上かかることも珍しくありません。だからこそ、先手で計画を立て、リードタイムの違いを先読みすることが極めて重要になります。
―― 2年目という若さでありながら、関係部署への交渉や調整を直接任されるのですね。
伊藤: 手組みでの生産が必要になった際、生産ラインの変更や人員追加などの調整を自ら主導しています。 その中で意識しているのは、相手が目上であっても臆せず積極的にコミュニケーションを取ることです。入社2年目でも司令塔としてボールを持ち、納期を守るために部長クラスの上位職へ直接確認や提案を行っています。役職の垣根を越えて直接掛け合える距離の近さがあるからこそ、自分の意志で物事を前に進める積極性が養われたと感じています。
―― 立ち上げ期ならではの「生みの苦しみ」についてはどうですか。
武石: 新規部門ゆえの生みの苦しみは確かにあります。例えば、新しい機種の立ち上げに伴うモデルチェンジ時、旧機種はサービスパーツ(補給品)として将来にわたり供給を続ける必要があります。しかし、まだ事業自体が新しいため、管理のルールが決まりきっていませんでした。 将来の需要を見据え、手探りで全体最適を考えながら先頭に立って仕組みを構築していくプロセスは大変ですが、新規事業だからこそ味わえるスピード感と大きな醍醐味があります。
伊藤: 生産管理部は組織規模が程よいため、いい意味で部署間の垣根が曖昧なのも特徴です。そのため、一人ひとりが一気通貫で幅広く業務を担える環境があります。 実際に私も、1年目は日々の生産コントロール、2年目は新車進行を担当し、現在はその双方を並行して一気通貫で進めています。現場の状況把握から中長期の計画立案まで、若手のうちから大きな裁量を持ってマルチに挑戦できる環境が、視野を大きく広げてくれていますね。
04.原価低減とDXで未来の工場を創る――利益に直結するやりがいと心理的安全性

―― 生産管理における業務のIT化やDX、定常業務の効率化はどう進めていますか。
伊藤: 部内ではDX化を掲げ、手作業による現場確認業務のデジタル移行を進めています。私は部のDX推進責任者として、現場の計量的なデータをリアルタイムでモニターに表示し、欠品や異常を一発検知するシステムを構築中です。 従来は在庫確認のために現場へ都度足を運んでいましたが、可視化により迅速な対応が可能になります。事務職でありながら技術部と連携し、システム構築を自らリードできる環境は非常に刺激的ですね。
武石: 前職と比較しても、当社は意思決定から実行への落とし込みがきわめて速いと感じます。製品種別の増加に伴う管理工数の増加に対しても、標準化や自動化を週次ミーティングで徹底し、属人化を排除しています。
―― 生産管理という仕事ならではの面白さや、日々感じられているやりがいについて教えてください。
武石: 定常業務の自動化によって生まれた時間で、より付加価値の高い改善業務に注力できる点が大きな魅力です。例えば部品輸送において、トラックにどれだけの部品を積むのが品質や効率の面で最適かを検証し、直接「原価低減」に寄与できたことは大きな達成感がありました。また、現場がより柔軟かつ短納期で動けるように先手を打つことで、組織全体の対応力を高め、結果として会社の利益に直接貢献できていると実感できることが、日々の大きなモチベーションになっています。
伊藤: 私は生産数を最大化させる計画を立案し、会社の利益に直結させる部分にやりがいを感じています。自身の担当工程の能力を見極め、「これだけの受注に対応できる」と客先へ主体的に提案し、供給能力の向上とともに利益最大化へ寄与できるのは生産管理の醍醐味です。また、仕事のおもしろさで言えば、関わる人の幅広さも挙げられます。事務職でありながら、技術部や製造現場、さらには社外の関係者まで多岐にわたる人と深く関われる環境は、この部署ならではの大きな魅力だと感じています。
―― 現場主義を大切にする一方で、製造現場の「人」に寄り添う温かみのある対応も特徴的ですね。
武石: 数字だけでなく現場の「人」を気遣う姿勢も、私たちの誇りです。例えば仕入先から納入される重い液体部材を地面に直接置くと、女性やシニアのオペレーターが腰を曲げて作業することになり、身体的負担が生じます。これらを軽減するため、あらかじめ作業しやすい配置や高さを指示する計画を立てました。現場から直接「やりやすくなった」と感謝していただけて嬉しかったですね。
―― 現場や製造部門との関係性、工場の雰囲気はいかがでしょうか。
武石: 私が在籍する共和工場では、生産管理と製造部の距離は、気軽にご飯に誘えるほど近く、柔らかい信頼関係が築かれています。 工場全体の製造従業員は約600名規模ですが、最先端の電池事業室はラインがほぼ自動化されているため現場の人数は少数です。この顔が見える規模感だからこそ、信頼関係を強固にできていると感じますね。
05.好奇心と情熱を――次世代電池開発を共に支える仲間へ
――お話を伺う中で、お互いを尊重し高め合える温かい雰囲気が伝わってきました。あらためて、電池事業室ならではの組織風土や強みを教えてください。
武石: 新設の事業ということもあり、他部署からの異動者やキャリア採用の専門人材が多く、いい意味でひとつの色に染まっていない個性豊かな組織です。 この多様な視点があるからこそ、お互いの考えに対して寛容で、従来のしがらみにとらわれず、改善に向けてスピーディーに一致団結できるのが強みですね。目指す方向性が一緒でもアプローチの違いで議論になることはもちろんあります。ですが、そこは適当に流さず、正面から納得がいくまで熱く意見を交わし合える風通しの良さがあります。
伊藤: 会社全体は歴史が長く安定志向なイメージを持たれがちですが、電池事業は立ち上げから約5年と新しく、まったく異なる挑戦的な文化を持っています。社内公募で集まった社員やキャリア入社の専門技術者など、トライ&エラーそのものを楽しめる人が集まっていますね。
同部署の先輩は20歳ほど歳が離れたキャリア入社の方なのですが、年齢に関係なく対等な同期のような感覚で仕事をしています。異なる強みを持ち寄って、適材適所で協力できる環境です。
―― 今後、成長が期待される電池事業において、どのような方と一緒に働きたいですか。
武石: 発展途上の組織なので課題はまだまだあります。正解は問いませんので、自身の知見を活かして自ら問題提起し、主体的に取り組める方と働きたいですね。 提案を無下にする風土は一切ありません。主体的に手を挙げれば、脇役ではなく「自分がこの分野の主役なんだ」という自覚を持って大きな裁量で動かせるのが、当部署の一番の魅力だと思います。
伊藤: 今後の量産拡大や事業の成長とともに業務の幅が広がっていくワクワク感があります。大企業の安定感の中で、世界のトップ電池工場をめざし、早期の売上高1兆円という壮大な夢を追いかけられるのは今しかありません。挑戦を心から楽しめる方には最適な環境です。
―― 最後に、応募を検討されている方へメッセージをお願いいたします。
武石: 私たちが手掛けるバイポーラ電池は、ドライバーに走りの感動を直接届ける素晴らしい製品です。ぜひ私たちと一緒に、この感動の電池を届けるための未来の生産体制を、情熱を持って支えていきましょう。
伊藤: 当社は完成車やフォークリフトが有名ですが、私たちは新領域の電池で会社に貢献し、世界一を取りに行きたいという強い思いを持って取り組んでいます。この挑戦的な環境で、まだ見ぬ未来を共に創り上げる仲間からのご応募を心よりお待ちしています。
