納期と効率を考え、最適な生産計画を──ものづくりの最終工程を担うSCM課
豊橋工場は、東洋製罐の工場の中で唯一、フレキシブルパッケージ(軟包装)全工程の生産を担う工場です。SCM(サプライチェーンマネジメント)課で需給グループに所属する金原はここで、洗剤の使い切りパウチを生産して袋にする「フロス工程」の生産計画を主に担当しています。
「SCM課は調達グループ、需給グループ、ロジグループの3つのグループに分かれています。まず調達グループが材料を発注し、その材料をもとに需給グループが生産計画を立て、できあがった製品をロジグループがお客さまへ届ける。各グループが連携しながら、生産から出荷までの流れを管理しているんです。
その中で、私たち需給グループの主な業務は、販売部門がお客さまから受けた発注について、納期に間に合うよう、かつラインの効率性も考えながら生産計画を立てること。機械のトラブルや突発的なスタッフの欠員なども少なくないので、製造部門に『これはできますか?』など細かく相談しながら調整を行っています」
生産計画を立てる上で、金原が最も重視しているのは納期を守ること。その上で、製造部門の負担を最小限に抑えながら、より効率を高めるにはどうすればいいかを日々考えていると話します。
「たとえば、同じ機械で異なる形の製品を作る際に『型替え』という調整作業が必要な場合があるのですが、それを2台同時に行うと人手が足りなくなってしまいます。そのため、1日1回に抑えるなど、製造部門の負担を考えながら約1カ月先のスケジュールまで見据えて計画を調整するんです」
こういったきめ細やかな調整を可能にするのは、製造部門との密なコミュニケーションだと語る金原。信頼関係を築くため、毎日1度は現場に足を運んでいます。
「工程の責任者と話をして、困っていることはないか聞くようにしています。何気ない雑談の中で、自分の担当に限らず、さまざまな課題に気づくことも。そのため、できるだけいろいろな工程の担当者に話を聞きに行くことを心がけています」
さらに、生産計画を立てる上では、製造現場だけでなく、需給グループの前工程の担当者との連携も欠かせません。
「私の担当するフロス工程の前にも複数の工程があり、それらが完了しないとラインは次に進めません。各工程の担当者と密に情報交換をすることも日々大切にしています」
SCMの重要性について、金原はこう語ります。
「SCMはお客さまに製品を届けるという、ものづくりにおける最後の大事な役割を担っています。私が1つでも予定を見落とすとお客さまにご迷惑をかけてしまう。その責任は大きいですが、販売や製造など、さまざまな部門と協力して成果を生み出していく、やりがいのある仕事だと実感しています」
SCM業務の経験を活かし東洋製罐へ。“自分のやり方”を見つけられる自由さが魅力
もともと新卒で入社した会社で、食品業界のSCM業務に携わっていた金原。約7年間の経験を積んだ後、転職を決意し、転職活動を進める中で東洋製罐に出会いました。
「じつは、前職時代に東洋製罐と取引したことがあったんです。営業担当者の対応や納期管理など、印象が非常に良かったのを覚えています。
SCMの仕事は、納品という目標に向かって、お客さまや他部署とうまく調整しながら、自分なりのアプローチで取り組める点が醍醐味。この経験を東洋製罐でも活かせるかなと思い、興味を持ちました」
採用面接を受ける中でも、東洋製罐の誠実さを実感したと話す金原。
「面接の際に工場を見学させてもらう機会があって。工場内が清潔で従業員が真面目に丁寧に働いている様子を見て、理想的な職場環境だと感じました。
そのほか、休暇などの福利厚生が整っている点も、入社を決める大きなポイントでしたね」
こうして2018年にキャリア採用で入社を果たした金原。約2週間の現場研修で製造の各工程の説明を受けた後、実務に入っていきました。しかし、経験のあるSCM業務とはいえ、前職との違いに戸惑ったと振り返ります。
「前職とは業界も異なり、業務の進め方もまったく違いました。これまでは1人で全工程を見ていた一方、東洋製罐は扱う製品が多いため、各工程に担当者がいて、お互いに協力して進める体制。
そんな状況で頼りになったのは、前任者でもある上司の存在でした。予定の立て方などを1つずつ教えてくれながらも、『金原さんの好きなようにやっていいよ』と言ってくれたんです。この言葉に支えられて、自分なりのやり方を少しずつ確立していけました」
計画を立てる立場ということもあり、予定の調整が利き、休みも取りやすくなったと語る金原。現在、入社8年目を迎え、業務改善にも積極的に取り組んでいます。
「基本的なやり方は決まっていますが、それにとらわれることなく、“自分のやり方”を新たに創っていける余地があるんです。たとえば今、みんなで意見を出し合って協力しながら、年間計画の予定表フォーマットを少しずつ改修しているところです。いろいろと改善しながら、より良いやり方に変えていけるところは、やりがいでもありますね」
課題解決プロセスやものづくりへの姿勢。大きな刺激を受けた「次世代リーダー研修」
東洋製罐での7年間で、金原はさまざまな成長機会に恵まれてきました。中でもとくに印象深いのが、2023年に参加した「次世代リーダー育成研修」だと語ります。これは次世代の会社を担う技術者を対象とした研修で、金原は上司から指名を受け参加。1年間にわたって、改善活動をテーマに、仕事における考え方や問題解決のアプローチ方法を学びました。
「研修では、改善活動の着眼点や部下への伝え方、5Sについてなど、仕事をする上での考え方のプロセスを学びました。座学はもちろん、ゲーム形式の学びや発表のほか、最終的には実際に他工場に行って行う実践課題も。現場での困り事に対して、チームに分かれて台車や棚などを作り、問題解決に取り組みました。
それまで“なんとなく”で考えていたことを、きちんと体系化して学べたことで、自分の中でしっかりと考え方の癖をつけることができました。
また、他工場やグループ会社の同年代の人たちと知り合い、1年間を共に過ごして交流できたことも、とても刺激になりました。製造現場の人はものづくりに専念したり、テクニカルセンターの人はプレゼン資料をうまく作り上げたりなど、それぞれの得意分野を結集させて1つのことが成し遂げられるんだなと感じました」
とくに印象に残っているのは、工場で行った最終課題での出来事だと語ります。
「私たちのチームは作業に時間がかかってしまい、時間内に完成させることができないかもしれない、という状況でした。すると、他のチームの仲間が手伝ってくれて。そのおかげで、なんとか最後まで作り上げることができたんです。
研修の一環にもかかわらず、ものづくりに対してみんな一生懸命に取り組む姿勢や、所属チームを問わず、同じゴールに向かって協力し合う姿勢に感銘を受けました。私が所属するのはSCM課という間接部門ですが『ものづくりの会社ってこういうことなんだ』と東洋製罐の魅力を実感しましたね」
ここで得られた学びを活かし、何か困ったことが起きた時に、どうやって考えていけばよいのか、答えにたどり着きやすくなったと語る金原。
そのほか、初めての海外出張も貴重な経験の1つだと言います。
「中国の材料メーカーへの品質監査に同行する機会を得たんです。実際に材料の製造工程を見学させてもらいました。資料だけではわからない材料に関する知識が深まり、とても勉強になりましたね。
入社後の7年間を振り返ると、これまで豊橋工場だけでなく、さまざまな場所で多くの経験をさせてもらったなと感じます」
悩みも知識も共有して、みんなが働きやすい環境を創る。中堅社員としてめざす役割
金原は、東洋製罐の魅力として、部門間のコミュニケーションの取りやすさを挙げます。
「豊橋工場は、製造現場の人も気さくで話しやすく、販売部門も非常に協力的です。
さらに、2022年から『仕様統合』という改善活動を行っています。これは製造課、販売課、SCM課が集まって、パウチのサイズ統合を行うことにより効率化を図る取り組みです。製造で効率的なサイズ統合を検討したり、販売の担当者からお客さまへサイズ変更提案をしてもらったりと、みんなで話し合いながら具体的な解決策を探っています」
部門を超えた協力体制のもと、常により良い製品づくりをめざす東洋製罐。その中で金原は、これまで培った知見を活かし、自身の担当領域だけにとどまらず、他グループや工場全体へと視野を広げていきたいと語ります。
「まだまだ豊橋工場のSCMの仕事を完全に把握できているわけではありません。需給グループだけでなく、調達グループやロジグループなど、他の業務の知識も深め、SCMに関する幅広い知見を蓄積していきたいと考えています。
1つの仕事に専念して長く続けることも重要ですが、その前後の工程など、周辺の知識があることで、よりうまくいくことがたくさんあると思っていて。実際に業務を行うことは難しくても、情報交換は密にやらなければいけないと考えています」
そこで現在、金原が自ら取り組んでいるのが、SCM課内での情報共有の場を設けること。以前は朝礼のみだった1日のミーティングが朝礼・昼礼・終礼の3回に増えたことをきっかけに、司会進行も担当するようになりました。
「今困っていることについて議題を挙げ、それに対して、メンバーそれぞれが持つ知識を出し合って解決へのアプローチ方法を探っていきます。これを続けることで、みんなの知識を少しずつ共有し、深めていきたいと思っています。
みんながもっと働きやすくなるために、これからは職場の雰囲気をより良い方向にしていくことに貢献できたら嬉しいですね」
※ 記載内容は2025年2月時点のものです
