ペットボトルの材料を製造するラインで品質保証と機械の保全業務を担当
幼いころからものづくりに関心があり、工業高校では機械科を専攻した本田。身近なものの製造に関わりたいと考えていて出会ったのが東洋製罐でした。
「缶やペットボトルなど、日常的に誰もが使用するものをつくっている会社だと知って興味を持ちました。東洋製罐は働きやすい環境だという話も聞いて、入社を決めました」
入社後に本田が配属されたのは、プリフォームを成形するINP工程の製造ライン。プリフォームとはペットボトルを形作る前の素材のこと。自身が希望したポジションでした。
「福岡出身なので、広島工場への入社と同時に寮生活を始めていました。そこで親しくなった先輩社員が担当していたのが、プリフォームを成形するINP工程。一緒に働きたくて上司に配属先の希望を伝え、受け入れてもらったかたちです」
配属後、本田が最初に担当したのは品質保証業務と機械のオペレーション業務でした。
「品質保証業務は、不良見本をもとに、成形されたプリフォームに不具合がないかを確認する仕事です。一方、機械のオペレーションでは、機械の基本的な操作方法のほか、掃除や点検といった保全作業も任されました。
プリフォームの製造過程で生じる小さな傷が、エンドユーザーのケガにつながる重大な不良に発展することがあります。また、プリフォームの小さな傷が原因で、膨らませる段階で破裂してしまうこともあります。品質の良し悪しを見極める、責任ある仕事だと感じました」
プリフォームの品質を調整したり機械をメンテナンスしたりするには、知識と経験が欠かせません。地道な作業を繰り返しながら、必要な技術を一つひとつ身につけていったと言います。
「たとえば、製品に傷が出たとしたら、工程のどこかに機械の不具合があるということ。同じ問題を再発させないよう、原因を突き止めて適切に対応する必要があります。また、プリフォームの特性から起こる品質不良もあり、その場合は原材料である樹脂に関する知識が不可欠です。
学校では試験勉強を一夜漬けでこなしていましたが、仕事となるとそうはいきません。先輩に教えてもらってメモを取り、それをノートにもう一度書き直して頭の中で整理しながら覚えていきました」
そんな本田を支えたのが周囲の先輩社員たち。手厚いフォローのもとで成長してきました。
「ホワイトボードに図を描いて詳しく説明してくれたり、試しに作業する様子をそばで見守ってくれたりと、丁寧に教えてもらいました」
3年目の自己変革と6年目の西日本豪雨。キャリアを方向づけたふたつの転機
入社当初、仕事に対して十分に力を注ぎきれていなかったと振り返る本田。転機が訪れたのは3年目のことでした。
「地元に戻りたい気持ちがずっとあり、最初の数年は仕事に対して全力で向き合えずにいたんです。そんな消極的な姿勢が覚えの悪さやケアレスミスにつながり、結果として仕事に楽しさを見出せない悪循環に陥っていました。
辞めるべきかどうか決めかねてモヤモヤした状態が続く中、時間がむなしく過ぎていることにふと気づいたんです。同じ時間を過ごすのなら、仕事が好き・嫌いに関係なく、目の前の仕事に全力を尽くさなければ時間の無駄。そう考えるようになり、仕事に真剣に取り組み始めました」
初めのころは無理に仕事を楽しもうとしていた本田でしたが、実際に仕事のおもしろさに気づくまで、あまり時間はかかりませんでした。
「必死で仕事をするうちに興味が湧いてきて、あれも知りたい、これも知りたいと思うようになりました。すると知識や技術がみるみる身について、仕事が次第に楽しくなっていったんです。ミスをしなくなって叱られることが減ると、今度は逆に周囲から頼られる機会が増え、それがさらにやる気に火をつけました。
また、そのころはちょうど後輩が増えていた時期。後輩たちに負けたくない、という気持ちも背中を押したと思います」
そしてその数年後、広島工場にとって、また本田にとって忘れられない出来事がありました。
「西日本を中心に全国的に広い範囲を襲った西日本豪雨の影響で広島工場が冠水し、操業が完全に停止したときのことです。先輩と共にラインを担当し、水没して動かなくなった機械をすべて整備して稼働させた後、課長にお願いして別のラインの立ち上げを自分主導で任せてもらいました。
上司にフォローしてもらいながらでしたが、無事に立て直しに成功。計画の段階から責任を持ってラインに関わる中で学んだことは多く、とても貴重な経験になりました」
切迫した状況下で人手も限られる中、本田はこれを契機に飛躍的に成長。以前と比べて視野が大きく広がったと言います。
「ライン全体を見渡しながら計画を立てたり、チェックリストや進捗状況を報告するための資料をつくったりしたのはこのときが初めて。また普段の業務ではあまり触らない部品を交換する必要もあり、機械に関する知識の幅も広がりました。メーカーの方からじかに操作について教わる機会にも恵まれ、技術的な向上も実感しています」
教えられたことを後輩たちへ。中堅社員としてより良い組織づくりに向けて
いまや本田は後輩を指導する立場に。よりいっそう高い意識を持って仕事に向き合うようになったと言います。
「以前はトラブルが起きても、機械をリセットして再稼働させるだけでしたが、トラブルの原因を追及して対策するなど、ここ数年は不具合を慢性化させないために一歩踏み込んだ仕事を心がけてきました。中堅として期待される役割を果たしていきたいと考えています」
そんな本田が普段から後輩に対して熱心に伝えているのが、基本的な動作の大切さです。
「トラブルが起きたときなど 、表面的なところだけを見て事態を把握するのではなく、よく確認して本質を捉えるように教えています。また、普段から注意深く細部に目を配ることも重点的に指導してきました。小さな確認ミスが大きな失敗につながることがありますし、油断さえしていなければ致命的なミスを見逃すことはないと思っているからです」
また、仕事に対して前向きに取り組めていない後輩の姿を見ると、以前の自分を思い出すことも多いと話す本田。より良い指導法を模索して奮闘中です。
「僕らの世代は叱られながら成長してきた実感がありますが、いま当時と同じやり方をすれば煙たがられるだけ。こちらの熱量だけが高くてもうまく噛み合わないので、時代に合った教え方で伸ばしてあげたいと思いながら、模索する日々です」
一方、仕事一辺倒にならないことも大切にしてきました。ワークライフバランスを充実させることをいつも心がけていると言います。
「ずっと仕事のことを考えて気持ちが張り詰めたままだと体がもちません。オンオフを切り替え、ガス抜きしてストレスを発散することをとても大事にしています。
仕事が終わった後はお酒を楽しんだり、休日には趣味に没頭したり。仕事には本気で取り組みますが、家に持ち込むことはありません。仕事はあくまで人生を充実させるための手段であることを忘れないようにしています」
自分の頭で考えるからおもしろい。10年がかりで見つけた、ものづくりの醍醐味
2023年で入社11年目を迎える本田。キャリアを振り返りながら、東洋製罐で働く魅力についてこう話します。
「東洋製罐の強みは、人。先輩が親身になって指導してくれる、とても働きやすい環境があると思います。
また、仕事が流れ作業でのルーティンワークではないことも魅力です。当社のラインでは機械の保全なども担当するので、覚えることが多い反面、自分で考えながらものづくりに携われるところにおもしろみがあり、やりがいを感じながら仕事に取り組むことができています」
そんな本田の目標は、いまできることに全力を傾けること。
「これからも、目の前の仕事に力の限り取り組んでいくつもりです。どんな仕事も手を抜くようなことはしたくないと思っています。頑張っていれば、結果はおのずとついてくるもの。先のことはあまり考えずに、これまでと同じよう真摯に続けていくつもりです」
挑戦のたびに成長を重ね、約10年の歳月をかけて確固たる地盤を築いた本田。さらなる飛躍をめざして、ものづくりに対する情熱を燃やしながら、次の10年を歩み始めます。
※ 記載内容は2023年11月時点のものです
