幼いころからのものづくりへの関心。“現場目線に立つ”が電気担当者としてのモットー
工務グループで電気の領域に携わる村岡。次のような業務を手がけています。
村岡 「ひとつは、工場・製造設備の保全です。当社ではPETボトルや缶などを製造していますが、その生産機械を正常に稼働させるための電気保全、メンテナンスを担当しています。工場の電気設備、生産機械が機器の故障や制御的な不具合が起こらないように対処することが主な仕事です。また製造担当者からの改善依頼や、生産効率を上げる改造等も実施します。
生産ラインの構築や大きな改造工事の際は、新規設備の設計も行います。生産機械本体は開発拠点であるテクニカルセンターで開発・設計されるのですが、製品を製造するためには、搬送コンベアなど、生産する機械と機械のあいだをつなぐ設備が必要になります。そうしたいわゆる搬送と呼ばれる工程を担う設備の設計も仕事の一部です」
現在、工場の電気担当者は4人。普段はそれぞれ担当が決まっていますが、設備が追加されたり新規設備が導入されたりする際は、4人でチームを組んで業務に当たっているといいます。そんな村岡が日常業務の中で常に意識しているのは、“現場目線に立つ”こと。
村岡 「設備の電気の立ち上げをするのは私ですが、導入後に毎日機械を操作するのは現場の製造担当者です。現場の作業員にとって使いやすい設備になるように、という想いで日々業務に取り組んでいます。
というのも、今の部署に移る以前、製造課で2年ほど現場を経験しているんです。そのときに感じたことを振り返りながら、作業にあたっています」
入社21年目を迎えるベテラン社員の村岡。東洋製罐に入社を決めたのは“ものづくりへの純粋な興味”があったからでした。
村岡 「物心ついたときから、ものづくりへの興味があったんです。工業高校時代、学校の授業でラジオを自作したりする作業がとても好きで、就職を考える際も、『何かを作るような仕事が良いな』と漠然と思っていました。
そこで目に留まったのが、東洋製罐。毎日私たちが目にする缶やPETボトルを作っている会社だと知り、興味が湧いて入社を決めました」
現場応援でさまざまな人と出会い、経験してきたことが財産に
2004年に製造課から工務課に転属となり現在に至る村岡。およそ21年のキャリアの中で、国内外問わず、他工場の現場応援に行くことも少なくなかったと振り返ります。
中でも村岡がとくに印象に残っているというのが、2021年に携わった石岡工場での新ライン立ち上げです。長年の経験を積んできた村岡ですが、DI缶の製缶ライン立ち上げは初めての経験でした。
村岡 「増産体制を整えるために新ラインを導入する大がかりなプロジェクトで、私を含め3名が仙台工場から応援として参加し、設備導入から生産の開始まで携わりました。入れ替わりでの参加だったので、最初から最後まで立ち会えたわけではありませんが、ライン新設への参加は私にとって本当に良い経験になりました」
石岡工場や他の工場から応援に駆けつけたメンバーと協力体制を構築し、優先順位を決めながら工程をひとつずつ丁寧に進行させたことで、プロジェクトは無事成功。その結果、他工場のメンバーらとの信頼関係が深まったといいます。
村岡 「それまでは、何かトラブルがあっても、他工場のメンバーに対して、『こういうときどうしてる?』と気軽に問い合わせることはなかなかできずにいたんです。
しかし、石岡工場でのプロジェクトを一緒にやりとげお互いを知ったことで、そういうやりとりも気兼ねなく自然にできるようになりました。他工場と情報交換しながら物事を進められるのは、視野も広がりやはり安心感がありますね。
たとえば、ひとつトラブルが起こったとしたら、『同じようなトラブルはないですか?それに対してどんな改善をしていますか?』といった改善例の聞き取りから、『そちらに○○という部品はありませんか?』といった在庫確認まで、どんなことでもコミュニケーションが取りやすくなりました。工場間の垣根が低くなり、情報の共有化が進んで、作業効率も上がったと感じています」
もうひとつ、村岡の印象に残っているのが、ミャンマー出張での経験です。
村岡 「ミャンマーの工場に新ラインを構築するため、4カ月間、ミャンマーに滞在しました。主に電気関係の担当でしたが、生産ラインの立ち上げの他、新築の工場ということで、現地の日系建築会社と共に、照明やコンセント、エアやガスといったユーティリティに関わる電気設備の仕様決めなども手がけました」
同プロジェクトでは、ミャンマー人スタッフへの電気設備に関する教育指導にも関わった村岡。日本とミャンマーの安全に対する考え方の違いを痛感したといいます。
村岡 「日本は何をするにも安全第一が当たり前ですが、ミャンマーでは必ずしもそうではありません。建築工事の現場でも平気でサンダル履きでやってきたり、ヘルメットを被らなかったり。文化や言葉、考え方に違いがあることを認識した上で、説明の仕方を工夫しながら指導にあたりました。
まったく知らない土地、知らない人たちの中で仕事をすることに不安もありましたが、貴重な体験をさせてもらいました。今でも、『誰もが違う考えを持っていて、完全な意思の疎通は難しい』と肝に銘じながら、メンバーとコミュニケーションをとるようにしています」
現場経験を積み重ねて身につけたことが、そのまま自分の成長につながる
これまでを振り返って、現場で経験を積むことの意義をあらためて感じているという村岡。
村岡 「高校でもきちんと電気の知識を学んだつもりでしたが、実際に現場に出てみないとわからないことが圧倒的に多いと感じます。日々、工場の電気設備に触れていても、わからないことがたくさんあるものです。一つひとつ、地道に経験を積んで知識を体得していくことの大切さを実感しています。約20年間、そうやって経験を積み重ねてきたことで、少しは成長できているのかもしれません。
次々に出てくる新しい技術を習得しながら電気設備を思いどおりに動かせるようになるところが、この仕事のおもしろいところ。自分で操作方法を調べ、自由に操れるようになると、技師として喜びを感じますね」
入社当初は周囲のメンバーがどんな動きをしているかさえ見る余裕がなかったと苦笑する村岡。年次を重ねるにつれて視界が広くなり、周囲のことを考えながら仕事ができるようになったといいます。
村岡 「入社したてのころは、まったく余裕がなく、自分のことしか考えられませんでした。仕事を正確にこなすだけでなく、実際に機械を操作する現場の製造担当者のことまで考えられるようになったことは、大きな変化、成長できた部分だと思います」
そんな村岡が仕事のやりがいを感じるのは、無事に生産ラインが立ちあがったとき。そして、自分が手がけた製品が世に出たとき。
村岡 「仕事中は無我夢中で取り組んでいますが、ラインが立ち上がって、無事に生産がはじまってひと安心する瞬間に達成感を覚え、それがやりがいにつながっているように思います。あとは店先などで、自社製の缶やPETボトルが並んでいるのを見つけたときは、世の中の役に立っていることが実感できてうれしいですね。実際に商品を手にしたときは、喜びもひとしおです」
電気設備以外の領域にも視野を広げ、全体の生産性向上に寄与していきたい
約20年にわたって、電気設備関係の業務を担当してきた村岡。今後は、電気関係以外の業務にも進んで携わりたいといいます。
村岡 「私が属する工務グループには、電気、設計、工務と3つの領域があります。これまで私は電気設備の専門的な知識と経験を深めてきましたが、視野を広げるためにも、とくに工務の領域の知識を積極的に吸収していきたいですね。電気と工務との境界線はあいまいなところがあります。
たとえば、新設や改造といった設備工事の際、電気だけでなく工務の知識があれば、全体の流れを俯瞰的に見ることができるので、より効率よく工事を進められたり、費用削減につなげられたりできると思っているんです。そうやって違う領域の人の意見を聞くことが、結果的にプラスの効果を生むことが多いと感じています。協力しながら何かをなしとげていく作業は、楽しくもありますしね」
東洋製罐で働く最大の魅力は、“市場で目にする製品を生み出せること”にあるという村岡。次のように続けます。
村岡 「自分が作ったものが間近で見られるのは、やはりおもしろいと感じる点です。また、コイル状の板材が缶のかたちになるまで、一連の製造工程に関われる点も、ものづくりにこだわってきた人間からすると大きな魅力ですね」
暮らしに寄り添う東洋製罐の技術の成長とともに、村岡の挑戦はこれからも続きます。
