お客様への想いをかたちに。施設が一丸となって取り組むブランディング戦略
ラクーア部営業グループに所属するTakeuchi。現在は、温浴施設「スパ ラクーア」の運営に携わっています。
「お客様の消費動向や数字の把握、マーケティングも含め、主任の立場でグループ全体を総括しています。また、入退館や館内利用料金を一元管理できる温浴システム、エステ店舗の予約管理システムなどの運用・保守のほか、CX向上のための新システムの検討、データの利活用なども私の担当業務です。
さらに、スパ ラクーア内で営業する委託店さんとの定例会議や、施設の運営を委託しているグループ会社・東京ドームスポーツとの打ち合わせなど、仕事は多岐に渡ります」
20数名のラクーア部員のうち、営業グループに在籍するのは9名。開業以来、「日常の中の非日常」をテーマに極上の癒しの空間づくりをめざしてきましたが、その取り組みの一環として、2021年にはシステムを大幅に刷新しています。
「飲食やエステを含む館内のすべてのサービスの利用状況を、温浴システムひとつで把握できるようになりました。東京ドームのポイント会員制度と連携させ、課金や混雑状況がひと目でわかるようになったほか、どんなお客様がどんなサービスをどのくらい利用したのか、詳細な分析が可能になったんです。
システム刷新前は、すべてのお客様に対して同じ施策を展開してきましたが、今後はセグメント別・利用状況別に効果的なクーポンを発行する施策を進めていく予定です」
施設を運営する上でTakeuchiが大切にしてきたのが、関係者全員が一丸となって施策に取り組むこと。一体感の醸成に力を入れてきました。
「スパ ラクーアは自営だけでなく業務を委託するさまざまな店舗から成り立っており、私たちが掲げる目標を達成するためには、現場で働く方々の協力が不可欠です。皆が同じ方向を向けるよう、委託先の方々には、施策の意図や、その背景にあるお客様への想いを丁寧に説明し、事後には詳細なフィードバックを提供するよう努めています」
もうひとつ、明確な目的意識を持つこともTakeuchiが心がけてきたことのひとつです。
「ありがたいことに他部署からよくコラボキャンペーンの提案を受けるのですが、すべてを無差別に受け入れるとブランドの軸がぶれてしまい、従業員の士気の低下にもつながりかねません。受け入れる場合には、スパ ラクーアのブランディングを基準に『妥当性はあるか』『お客様にとってのメリットは何か』を慎重に確認・調整し、施設内で働く皆さんとも『なぜやるか』を共有するようにしています」
子どもたちに笑顔を。部署を超えて想いが重なり、東京ドームシティがひとつに
学生時代から楽しいことが好きで、さまざまなイベントに積極的に参加していたTakeuchi。ESS(学生英語会)の活動の一環で観光地のボランティアガイドを務め、外国人観光客らと交流を深める中で「人を楽しませること」に喜びを感じるようになり、エンターテインメント業界を志すことに。中でも東京ドームを選んだ経緯をこう振り返ります。
「幼いころからジャイアンツの試合観戦に訪れるなど、もともと東京ドームには馴染みがありましたが、温浴施設や、ホール、遊園地、ヒーローショーのほか、ショッピングやスポーツなども楽しめる『街』としての側面があることは企業説明会に参加して初めて知りました。エンターテインメントの可能性の幅の広がりを感じたことを覚えています。
入社を決めたのは、就活生らを楽しませようとする姿勢が人事の方々からも伝わってきたからです。学生たちの緊張をほぐそうと懸命な様子を見て、企業風土に深く共感したことが決め手になりました」
入社後、Takeuchiが配属されたのはアミューズメント部運営グループ。遊園地でのアトラクションの点検やアルバイト管理などの業務を経て、全エリアの運営補助、施設管理を担う運営主任に。その後、新設されたセールスチームに参加し、団体客誘致を目的としたセールス活動などに携わりました。
希望していた配属先で7年間にわたって意欲的に仕事に取り組んだTakeuchi。いまも忘れられない出来事があります。
「セールスチーム時代に、小学生のために遊園地の貸切営業を行ったことが印象に残っています。コロナ禍で修学旅行の中止が相次ぐ中、文京区から相談を受けて企画・実施したこのイベントには、4日間で約20校の児童たちが来園しました。
児童たちにたくさんの思い出をつくってもらいたいと、社内各所に無理なお願いをしたところ、『文京区の子どもたちのためなら』と、全面的な協力を得られることに。ドーム内ツアーや、大型ビジョンに映し出された各小学校への歓迎メッセージを背景にした記念撮影、さらにはヒーローショー会場での当社スタッフによる仕事説明会など、『子どもたちを笑顔にしたい』という想いが部署を超えて拡がりました。
いまでも思い出すのは、貸切当日の光景です。子どもたちのお出迎えへの参加を社内広報で呼びかけたところ、遊園地だけでなくホテルスタッフや設備、清掃担当の方まで出てきてくれて。約40人がゲートの前に並んで子どもたちを歓迎する様子は、私の会社人生の中でもっとも感動的な瞬間でした」
スパ ラクーアの20周年リニューアルを先導。思いもよらない異動で広がったキャリア
その後、Takeuchiはラクーア部営業グループへ。遊園地の仕事にやりがいを感じていた彼にとってこの異動は青天の霹靂でしたが、戸惑う間もなく、スパ ラクーアの20周年リニューアルの準備に追われることになります。
「サウナの新設やヒーリングバーデの岩盤浴エリアの拡張も含む大規模な改修でした。設計や施工など初めて経験することばかり。最初はキャッチアップするのに必死でした。
リニューアル準備でとくに印象に残っているのが、プライベートサウナRentolaの企画です。競合との差別化を図ろうと試行錯誤した末に原点に立ち帰り、都内でもっとも『非日常』を味わえるサウナにしようと方向性を固めました。
スパ ラクーアを愛好してくださっている方にヒアリングしたり、自ら他施設を視察したり。徹底したユーザー目線でアイデアを出し合い、一つひとつかたちにしていきました」
スパ ラクーアのテーマでもある「日常の中の非日常」を体現するために、Takeuchiがこだわったのがストレスフリーな空間づくりです。
「都内には1名利用を想定した小規模なプライベートサウナが多い中、広い空間を優雅に使えるのがRentolaの特徴です。また、9階からの壮大な眺望を楽しめるのもRentolaならでは。お客様が窮屈だとは一切感じない、開放感のある空間をめざしました。苦労の甲斐あって、ほかにはない開放的で魅力的な空間を実現できたと自負しています」
2023年4月、リードプランナーとしてスパ ラクーアを無事にリニューアルオープンへと導いたTakeuchi。現在の仕事の醍醐味についてこう話します。
「リニューアル後、『ここが良くなったね』『ここでの接客に好感が持てた』『食事がおいしくなった』とたくさんの反響をいただいています。中には、回数券を何冊も購入して毎日のように来てくださっている方も。自分が企画し提供するサービスを楽しんでくださっているお客様を間近で見られることに、大きなやりがいを感じています」
人と挑戦機会に恵まれた環境で、これからもお客様の笑顔のために
将来的には東京ドームやシアターなどの他施設のほか、東京ドームシティ全体の開発に関わることも視野に入れつつ、引き続きスパ ラクーアの運営に取り組んでいきたいと話すTakeuchi。CX向上をめざして、構想は尽きないと言います。
「エステの予約時間を通知する機能や、サウナ入浴中の心拍数を表示する機能を備えた小型ディスプレイ付きリストバンドの導入を検討中です。また、温浴システムに位置情報機能を組み込んで、館内のお客様の動きに応じて適切なタイミングでクーポンをプッシュ通知するような仕組みも検討しています。
まだ誰もやっていないことに積極的に挑戦して、スパ ラクーアの付加価値をますます高めていきたいですね」
そんなTakeuchiが新しい仲間に求める資質は、「何事も楽しめること」。その理由についてこう説明します。
「自分自身が楽しんでいなければ、お客様を楽しませることはできないというのが私の考え。いかなる状況でも、前向きに取り組むことが大切です。そして、お客様が楽しんでいることを自分事のように喜べる感性が必要だと思っています」
人の魅力に惹かれて入社を決めたTakeuchi。10年目を迎えた現在も、その気持ちに変わりありません。
「社員の縦横のつながりがとても深いのが当社の特徴です。互いに壁をつくらない、良い意味で大学のような組織だと感じています。もちろん、人間関係で悩んだことはありません」
また、挑戦機会が多いのも当社の魅力のひとつ。社員の意思や考えを尊重し、後押しする環境が自身の成長を支えてくれたとTakeuchiは言います。
「遊園地のアトラクションを担当していたとき、現場スタッフが英語に苦手意識を持っていたため、外国人旅行客の受け入れ対策を実施したいと上司に提案したことがありました。
ふたつ返事でOKをもらい、言葉が通じなくても怖がる必要がないこと、簡単な英語とジェスチャー、笑顔で対応できることを伝えたり、接客時に使える基本フレーズを教えたり。1年ほどかけてマインド形成に努めた結果、以前は『Hello!』さえ言えなかったスタッフが、自分から進んで海外のお客様に話しかけられるまでに。その後、この変化は遊園地全体に波及し、施設として大きな成長を実感する出来事になりました。
やりたいことを『やりたい』とためらうことなく言えて、それを実現させてくれる度量の広さがあるのがこの会社の良いところ。アイデアを積極的に出しながら働ける人にとって、活躍しやすい環境だと思います」
※ 記載内容は2023年11月時点のものです

