インドに出張しSAPバージョンアッププロジェクトに参加。国境を越え育むITスキル
新井が籍を置くのは、エンタープライズアプリケーションサービス。SalesforceやSAPなどのITプラットフォーム運用支援を担う部署です。
「営業や財務などの業務を効率的に管理できるよう、大企業のお客さま向けにアプリケーションの導入を通じたサポートを提供しています。
とくに、SAPシステムにおいて中心的な役割を果たすのが、FI(Financial Accounting)モジュールです。これは企業の財務会計と報告プロセスを管理し、企業が外部に公表する財務情報の正確性と透明性を保証しています」
そのFIモジュールを専門とするコンサルタントとして活躍してきた新井。現在は若手育成を目的としたプログラム「Guruklu」の一環でインドのプネに駐在し、重工業業界の企業向けのSAPバージョンアッププロジェクトに参加しています。
「SAPは、事前設定された一連のソフトウェアソリューションやモジュールで構成されますが、業界特有のニーズや企業固有の要求に合わせてカスタマイズすることが可能です。
現在、私が参加しているプロジェクトでは、S/4HANAコンサルタントチームが作成したアドオンプログラムが仕様書に沿っているかどうか、検証するテスターの役割を担っています。
『Guruklu』は3カ月〜半年間の期間限定のプログラムで、私はその第一期生です。プログラム自体がまだ実験段階ですが、インドで実務を経験することに主眼を置いているため、トレーニングのための特別なカリキュラムが用意されているわけではなく、参加メンバーはそれぞれ別のプロジェクトに従事しています。
日本ですでにインドとのグローバルプロジェクトで働いていた場合、同じプロジェクトに派遣されるケースがほとんどですが、私は日本人だけのチームで活動していたため、こちらでまったく新しいプロジェクトにアサインされました。
インド側と日本側の2名のPMOを筆頭に、3名のコンサルタントと8名の開発者、計13名でプロジェクトを進めています」
自ら希望して長期出張に挑んだ新井。プログラムに参加するメンバーと支え合いながら異国での生活に適応してきました。
「仕事上ではもちろんですが、体調を崩したときに薬を買ってきてもらうなど、メンバーとは私生活でも交流しています。ベンガルールまで旅行を楽しんだり、チェンナイに派遣されたGurukulの同期を遠路はるばる尋ねたりしたこともありました」
新井がインドに赴任して約3カ月。現地での仕事を通じて大切にしていることがあります。
「曖昧な指示を出さないよう心がけています。日本ではなんとなく成立しがちな暗黙の了解が、言葉も文化も異なるインドではまったく通用しません。依頼するタスクの内容や期限を明確に伝え、理解を得た上でプロジェクトを進めるようにしています。
過去に、一方的に期限を設定してしまったために、計画通りに開発が進まなかったことがありました。合意形成を図ることでモチベーションを高め、互いにストレスなく進めることを意識しています」
異文化へのめざめが導いたキャリア。組織風土に惹かれ、日本TCSへ
新井が初めて海外文化と接触したのは中学生のときのこと。世界の広さを肌で感じたことが、異文化への関心を育むきっかけになりました。
「アメリカのNPO団体が主催する、音楽、ダンス、演技を通じた自己表現を促す3日間のワークショップに参加しました。歌もダンスも未経験でしたが、ひとつのショーをつくり上げられたことが成功体験に。それ以来、海外に興味を持ち、好奇心を持って新しいことに積極的に挑戦するようになりました」
その後、大学でマレー・インドネシア語を履修したことを機に東アジア諸国への関心を深めた新井。現地の文化や言語、宗教を学び、インドネシアへの留学も経験しました。
「インドネシア語を話せる人は日本に多くありません。独自のスキルを身につけたいと考えていた私にとって絶好のチャンスでした。インドネシアに約1年滞在して学んだのは、日本とはまったく違う価値観があること。時間の感覚や宗教観が大きく変わり、それまでの固定観念が崩れ、人生の選択肢が広がったと感じます」
就職活動中、新井が求めていたのは、転勤のない安定した職場と、英語力やITスキルなどの専門性を身につけられる環境。外資企業ゆえの組織風土に魅力を感じたことが、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(以下、日本TCS)を選ぶ決め手になりました。
「日本的なお付き合いがないこと、インドの文化を学べることもさることながら、社員を大切にする文化があることに強く惹かれました。勤務地や参加するプロジェクトなどに関して、本人の意向が最大限に尊重されると聞いて入社を決めました」
入社後は希望していたSAPのプロジェクトに携わる機会に恵まれた新井。セメント業界の新会社へのSAPの導入プロジェクトや自動車業界の企業に向けたSAPバージョンアッププロジェクトを担当し、FI分野のコンサルタントとしてキャリアを築いてきました。ITや会計の知識がなかった彼女を支えたのは、社内に根づく持続的な学習を重んじる文化でした。
「SAPシステムには固有の特性があるため、入社当初は扱いに戸惑いました。また、お客さまがシステムの設定内容を完全に理解していないケースが少なくありません。古いシステムから新しいシステムへの移行時には、見落としのないよう設定を一つひとつ自分で確認する必要がありました。
一方、FIモジュールの操作には会計知識が不可欠です。とくに簿記について学ぶ過程では、特有の概念やルールがあり、覚えるのに苦労した記憶があります。
度重なる挑戦を克服できたのは、『知見の蓄積と共有(Learning and Sharing)』というバリューを掲げるタタコンサルタンシーサービシスだからこそ。終業後に同期らと勉強する時間を設け、互いに励まし合ったことがモチベーションの維持につながり、乗り越える力になりました」
インドでの経験がコンサルタントとしての糧に。日本TCSだからこその成長を実感
新井にとって海外で働く経験は今回が初めて。インドでの長期出張が大きく成長する機会になっていると言います。
「私はこれまで、お客さまから要望を聞いて仕様書を作成し、オフショアメンバーに開発を依頼するコンサルタントの立場でした。しかし、現在はオフショアチームのメンバーとして仕様書を受け取り、内容を理解してプログラマーに伝達する役割を務めています。
別の角度からプロジェクトに参加したことで、仕様書の問題点や改善点に気づけたことは、コンサルタントとして貴重な学びになりました。
また、英語を使って現地のメンバーと働けているのも有益な経験です。多文化・多言語のインドでは、英語の些細な間違いを気にする人はひとりもいません。これまで海外で働くことに高いハードルを感じていましたが、ありのままの自分でいいと思えたことで、大きな自信を手にしました」
そんな新井にとって、とくに印象的だった出来事がありました。
「最初に担当したプロジェクトで、あるインド人のコンサルタントからSAPの概要について教えてもらう機会が稀にありました。それから約2年後、思いがけずプネでそのメンバーと再会することができたんです。
当時は顔と名前しか知りませんでしたが、とてもフレンドリーで親しみやすい方でした。現在では家に招いてもらうなど、プライベートでもときどき一緒に時間を過ごしています」
入社前に思い描いていた通り、英語力に磨きをかけながら、国境を超えて活躍する新井。日本TCSで働く醍醐味について次のように話します。
「IT大国として急成長を遂げているインドで働けるのはとても魅力的です。日本と比べると、インドからアクセスできる情報量は圧倒的で、新たな視点が身についている実感があります。高い技術力を持ったメンバーも多く、とても刺激的な環境です」
日本TCSだから描けるキャリア。グローバルな舞台で、さらなる飛躍をめざして
入社以来、さまざまな立場でSAPに携わってきた新井。同システムに関わる魅力についてこう述べます。
「SAPを通じて、さまざまなお客さまのビジネスプロセスに深く関与できるところにおもしろさを感じてきました。お客さまの要望に可能な限り応える解決策を見つけ出す過程にクイズを解いていくような楽しさがあるのも、SAPの特徴だと思います」
2024年で新井はキャリア4年目。SAPコンサルタントとして、めざす姿があります。
「さらにグローバルなスケールでプロジェクトに関わりたいと考えています。現在取り組んでいるプログラム開発のプロジェクトで得た経験を糧に、将来的にはインドを含む海外の一流コンサルタントたちと共に仕事ができるようになりたいですね」
強い海外志向を原動力に、ITの経験がほぼないままこの業界へと足を踏み入れ、理想のキャリアを築いてきた新井。未来の仲間に向けてこんなメッセージを送ります。
「当社は、グローバルなフィールドで活躍したいと考えている方にとても適していると思いますが、社内のルールやシステムが頻繁に変わるため、柔軟性も必要です。
また、IT業界は実力が重視される傾向にあります。男性が多い印象はありますが、性別にかかわらず誰もがチャンスをつかめる環境です。とくに日本TCSのLearning and sharingのカルチャーでIT未経験でもお互いに高め合いながらスキルを磨ける環境だと感じました。
繰り返しになりますが、日本TCSの社員は共通して高いモチベーションを持っていると感じました。『イノベーションと集合知でよりよい未来をつくる』というパーパス実現をめざして、共に学び、成長していきましょう」
※ 記載内容は2024年3月時点のものです

