「ゼロからの開発」と、UI/UXデザインへの挑戦。技術を学び続ける日々
大学ではグローバルコミュニケーション学を専攻。ITとは無縁の学生生活を送っていた山田 汐莉。2022年に日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(以下、日本TCS)に新卒入社後、現在参画しているのは、証券会社の社内業務システムの開発・運用保守プロジェクトです。
「証券会社の営業の方が使う、お客さま情報や商品データを管理する重要な4つのシステムを担当しています。全体で15人ほどの体制で、私が所属する開発を担当するチームと、リリースなどを担当するチームに分かれています」
チームでは、既存システムの障害対応や改修依頼に対応するのが主な業務です。
「このプロジェクトでは、私たちが要件定義からリリースまで一貫して担当します。通常はビジネスアナリストや協力会社に依頼する部分も含め、Web画面のデザインから、画面を動かす裏側のシステムまですべてを開発チームが担当しています」
これまでは既存システムの改修がメインでしたが、現在は新たな挑戦が始まっています。
「今は、新しいアプリケーションをゼロから開発することに取り組んでいます。既存のアプリケーション修正とは違い、文字通りすべてがゼロからのスタート。技術的なスキルも、ヒアリングといったソフトスキルも必要とされるのですが、私自身は初めての経験なので非常に勉強になっています」
とくに、技術面が今の仕事で挑戦的だと感じていると言います。
「毎日新しいことを学んでいます。『このボタンの色を変えて欲しい』という依頼一つでも、『どこのコードをどう触れば変わるのか』という基礎的な部分から確認することもあります。自分で勉強を進めながら、業務に備えることも多いです。
もちろん大変な部分もありますが、ゼロから作るということは、画面も私たちがデザインできるということ。UI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)を考えながら開発できるのは、本当に楽しいです」
「悪くない自分」であるために。文系出身者のキャリアと原動力
就職活動当初、山田は航空業界など他の業界も視野に入れていました。しかし、コロナ禍で選択肢が限られる中、友人や映画の影響からIT業界にも興味を持つようになったと言います。その中で日本TCSを選んだ決め手は、日本TCSのユニークさでした。
「SIerとしてさまざまな業界に触れられる点にも魅力を感じましたが、『インドを本拠地とする企業』というユニークさに惹かれたのが決め手です。インドはITが非常に強く、発展し続けている国。そのインドを本拠地とする会社で経験を積めたら、自分も大きく成長できるのではないかと思いました」
2022年に新卒入社後は研修を経て、社内のヘルプ業務や、とある案件のサポート業務を経験。その後、ある航空会社のお客さまが使用するシステムのテスターとして参画しました。
「このプロジェクトは私と同期の中国人メンバー以外は全員インドの方で、英語で業務を進めるといったものでした。さらに、国内と国外の2チーム体制で、1年目ながら国内側の一員として国外のメンバーを取りまとめるような立場も経験して、チャレンジングな仕事でしたね」
さらに3カ月後、同じお客さまの別プロジェクトにビジネスアナリストとして招集されます。BAとは、お客さまの要件をヒアリングし開発者に伝える「橋渡し役」です。
「2年目で知識も多くない中、プロジェクトには日本TCSから一人での参画でした。当初は自走が求められる環境に大変さを感じる部分もありましたが、同期や先輩、社内の学習支援システムも活用してキャッチアップを進めました。
また、開発はシンガポールのチームが担当していたため、IT用語を日本語・英語両方で徹底的に調べ、英語でのコミュニケーションにも対応しました。こうした努力の結果、お客さまからも頼りにしていただけるようになり、信頼関係をつかめたことは大きな成果です。この経験で、グローバルプロジェクトへの自信もつきました」
この学習と挑戦を支えてきたモチベーションは、乗り越えるための切実な思いと、理想の姿への憧れが共存しています。
「もちろん、日々の業務をやり遂げるために必死だったという面もあります。ですが、それだけではありません。文系出身で専門分野ではなかったとしても、こうしてITの分野で活躍している自分自身を、『悪くない』と思います。その理想の自分に向かって努力している感覚が、大きなモチベーションになっていますね」
分析とヒアリングでユーザーファーストな画面設計を実現。お客さまからのお褒めの言葉
サーバー移行のプロジェクトも経験したのち、現在はゼロからの開発を担う山田。UI/UXの領域で、印象的な成功体験をします。お客さまから画面デザインを「センスがいい」と褒められたのです。
「UI/UXの業務自体は今回のプロジェクトが初めての経験だったので、その中での言葉は本当に嬉しかったです」
この評価は、決して偶然ではありませんでした。UI/UXへの興味の原点は、大学時代にさかのぼります。
「大学と並行して、インテリアのデザインスクールにダブルスクールで通っていました。元々インテリアがとても好きで、『どういうリフォームをしたら住む人が生活しやすいか』を考えるのが好きだったんです。
この『ユーザー目線で効率や使いやすさを考える』思考が、IT業界におけるUI/UXへの興味に直結しています。『いかにユーザーさんの効率を上げられる配置にできるか、使いやすいツールをどう作り込むか』。今も勉強中ですが、それを考えるのはとても楽しいです」
今回のプロジェクトでは、ユーザーファーストな設計を徹底的に意識しました。
「お客さまの要望の1つに、『スクロールせず、一画面に情報を収めてほしい』というものがありました。ただ、項目が多く、すべてをそのまま載せるとどうしても画面が窮屈になってしまいます。
そこで、一画面内で完結できる見やすさを保ちつつ、使い勝手を損なわないよう項目の配置を工夫しました。たとえば、住所と郵便番号のように、業務で関連する項目同士は近くにまとめて配置するといった配慮です」
これらの工夫は、事前の分析に基づいています。
「既存のシステムを見て『ここにこれがあるということは、この辺は一緒に入力されるんだろうな』と分析したり、お客さまにも『この配置で入力しやすいですか』とヒアリングしたりしました。自分の観察力や業務理解が活きたのかなと思います」
お客さまからの一言は、チームにとっても大きな驚きでした。
「お客さまから評価の言葉をいただけたことは、チームにとっても大きな喜びでした。デモが終わった後、同期からもポジティブな声をかけられ、成果を喜べた瞬間でした」
チームへの貢献意識が身についた。今後は、開発プロジェクト全体を俯瞰できる存在へ
入社して約3年半がたった現在、山田が最も成長を実感するのは「チームへの貢献意識」が強くなったことだと言います。
「入社してから、一人ではできないことを痛感し、周囲に頼る大切さを学びました。技術力で及ばない分、他の分野で専門性を確立し、『ここの仕様は山田に聞こう』と思ってもらえる存在になることで、チームの役に立ちたいと考えています」
実際に以前、サーバー移行プロジェクトを担当した際は、技術力以外の価値を発揮しました。
「外部システムとの調整で起きた問題やエラーをすべて記録・共有しました。将来、他のメンバーが同じ作業をする際の注意点を可視化し、チームの効率化に貢献できたと思います。
こうした貢献への思いの源泉は、一緒に働くメンバーへの恩返しがしたいという気持ちです。皆さん、本当に優しく、急な質問にも丁寧に対応してくれます。そのサポートが本当にありがたく、恩返しがしたいと思っています」
テスター、BA、開発者と多様な経験を積んできた山田は、明確な未来を見据えています。
「技術力とUI/UXの勉強を続けつつ、UI/UX専門ではなく、開発プロジェクト全体を俯瞰できる人物になりたいです。テスター、BA、開発者すべての経験を強みにしたいと思っています。
そして、現在のプロジェクトで、将来的にはインドのオフショアチームが合流するビジョンもあると聞いています。その時、自分がチームを取りまとめられるレベルになっていたいですね」
最後に、山田から新卒の採用候補者へ向けてメッセージを送ります。
「知識ゼロの文系出身者として、『文系でも挑戦したい気持ちがあるなら、ぜひ一歩を踏み出してほしい』と伝えたいです。ITは理系の仕事ばかりではなく、文系でも活躍できるキャリアパスがたくさんあります。
また、日本TCSには、その一歩を支える環境があります。声をあげれば、誰かが必ずサポートしてくれます。一人で抱え込まず、積極的に行動すれば、応えてくれるんです。成長もしやすい環境だと思います」
文系出身という背景を強みに変え、挑戦を続ける山田。その視線は、開発全体を理解するリーダーという未来を力強く見据えています。
※ 記載内容は2025年12月時点のものです

