大手航空会社のコンタクトセンターシステムの改修を担う
小原が所属するESU(エンタープライズソリューションユニット)のSalesforceチームは、SalesforceのGlobal Platinum Consulting Partnerとして、最先端技術を用い、国内外への導入案件を手掛けています。
すべての案件にプライムベンダーとして参画し、構想策定フェーズから導入後の運用・保守まで一気通貫で対応。小原は現在、大手航空会社向けのコンタクトセンターシステムのリプレイスや追加改修プロジェクトに携わっています。
「取り扱っているのは、一般のお客さまから航空会社に寄せられるお問い合わせを管理するシステム。私はプロジェクトのメンバーとして、主にチャットボットや有人チャット機能の改修を担当し、要件定義から設計、実装、テストまでを幅広く担っています。
最近では一部工程のリーダーポジションも務め、他のメンバーの成果物をレビューしたりフォローしたりもしています。
また、開発体制は日本とインドのハイブリッドチームで構成されているので、インドのオフショアチームと英語でやり取りし、進行管理やフォローをするのも私の役割です」
チャット機能を含めた問い合わせ管理システムが進化すれば、顧客体験が向上するのはもちろん、問い合わせデータの管理が楽になり、昨今のコンタクトセンターの課題であるオペレーター不足の解決にもつながるはずだという小原。日々の仕事に取り組む上で大切にしている価値観を、こう語ります。
「何を目的とした誰のためのアウトプットかというのは常に意識して仕事をしています。
SEとしては資料作成、コーディング、お客さまやプロジェクトのステークホルダーに対しての仕様説明や課題の相談をするなど自分が話す内容も含めてさまざまなアウトプットがあり、そのとき、誰に、何を、どのレベルまで伝えるべきかを最適化することが大事だと考えています。
目的が方針決定であれば要点を簡潔に、システムの実装の合意であれば詳細な仕様を意識した情報の粒度調整。あるいはITになじみがないビジネスサイドの方か、Salesforce未経験のITエンジニアの方かによって、選ぶ語彙や専門用語の範囲を使いわけることも重要です。
常に伝わるアウトプットを意識することでコミュニケーションを円滑に進められるSEでありたいと考えています」
多民族国家・マレーシアの大学で学び、多様な人たちと協働する楽しさを知る
子どもの頃から好奇心旺盛だったという小原。高校卒業後は両親の勧めもあり、マレーシアの大学に進学し、ホスピタリティ学部で観光産業について学びました。
「高校時代にオープンキャンパスでマレーシアの大学を見学した時、いろいろな人種の方が垣根なく交流している様子や、図書館で夜遅くまで勉強している学生の姿が印象的でした。多民族国家であり、今後さらに発展していく国でしか得られない体験がありそうだと感じたことが、留学を決めた理由です。
大学では、ホテルやレストランなど現場でのオペレーションからビジネスマネジメントまで、観光産業について実践も交えて深く学んでいきました」
卒業後は大学で培った知識を活かし、観光業界への就職を考えていた小原ですが、ちょうどコロナ禍に重なり、軌道修正せざるを得ない状況に。そこで選んだのが、IT業界のSEという道でした。
「実は父や兄弟をはじめ、私の周りにはIT業界で働く人が多くいました。また、大学の授業の中でも、観光産業とIT技術は深く関わっていると学びましたし、今後どの業界でもITの知識は不可欠だろうと考え、SEをめざそうと決めました」
小原が新卒で入社したのは、日本のSIer企業。そこでSalesforceエンジニアとして、製造業のお客さまが使用する問い合わせ管理システムの運用・保守を担当しました。
「Webフォームやカスタマー窓口などに寄せられる問い合わせを一元管理するシステムで、ヨーロッパやアメリカなど世界各国で使われていたので、海外のユーザーから仕様に関する要望が出ることも。その時は英語力を活かしてコミュニケーションを取り、システムの改修にも対応しました。
ここで2年ほど経験を積んだのですが、運用・保守という下流工程だけでなく、設計や開発、要件定義など上流工程も経験し、SEとしてもっと成長したいと考え、転職活動を始めました」
数ある選択肢の中から、小原が日本TCSを選んだ理由──それは、インドのオフショアチームと協力して仕事を進めるという当社の特色に魅力を感じたからでした。
「希望していた上流工程の仕事に挑戦できるのはもちろん、私が学生時代から培ってきた英語力や、『異なるバックグラウンドの人たちと一緒に1つの目的を達成する』というスキルや経験を活かせる会社だと感じました。
多様性のある環境で働く魅力は、自分にはない視点に気づいたり、相手の国や文化について教わったりしながら、知識が広がっていくことだと思います。また、インドのエンジニアは全体的に皆さん技術力が高いですね。一緒に働くことで私も刺激をもらい、自分のスキルも高めていければと思っています」
お客さまの要望を叶えつつ、システムの品質・バランスを維持する難しさを痛感
日本TCSに入社後、小原は大手保険会社のコールセンターシステムの開発プロジェクトに参画。その後現在の大手航空会社の案件に入り、チャットボットや有人チャット機能の設計・開発からテスト工程まで幅広く担当しています。
「現在のプロジェクトの中でとても印象深いのは、設計・開発時の考慮が足りなかったことが原因で、テスト工程で想定外の問題が頻発してしまったことです。
このままではお客さまの要望を満たせなくなってしまう、と焦った私は視野が狭くなり、適切な対応策が思いつかず……。上司に相談したところ『代替案も提示しつつ、しっかり説明し、交渉しよう』というアドバイスをもらいました。
結果として無事に問題は解消できたのですが、お客さまとの折衝力や調整力を身につけなければと痛感した出来事でした」
前職の運用・保守業務から日本TCSでは設計・開発へ、新たな役割に挑戦したからこそ見えてきた課題。これまでになかった視点を得て、小原はさらなる成長をめざしています。
「お客さまの要望を鵜呑みにしてしまうと、逆にシステムの品質が悪くなったり、開発や改修の工数が現実的でなくなったり、というケースもあります。
そういう時には、要望をできる限り叶えつつ、『誰が見てもわかりやすい設計になっているか』『セキュリティ面やメンテナンス性に問題ないか』も考え、最終的な落としどころをお客さまと交渉する──設計・開発を担っていくには、そうしたスキルが必要だと気づきました。
今後は運用・保守も考慮した上でのシステム設計を心がけつつ、『そのシステムに関する知見を持たない方でも詳細が伝わりやすい記載であるか』という視点を持つことで、システム運用の担当者の方にとっても役立てるようなアウトプットを出していきたいと考えています」
そんな小原に、日本TCSのエンジニアの印象を尋ねると「好奇心旺盛で勉強熱心な方が非常に多い」という答えが返ってきました。
「社内では毎日のように技術的な情報を交換するためのチャットが飛び交っていますし、Salesforceチームでは月に1回勉強会があり、有志が自分の得意領域や経験で得た知見を共有しています。
実は私も今度チャット機能について発表する予定です。資格取得についても、会社が受験費用を負担してくれる制度があり、すでにその資格を持っている人からアドバイスをもらえる環境でもあります。
私も、Agentforce(Salesforce内の自律型AIエージェント)スペシャリストという資格をめざして勉強しているところです」
技術力を磨くために日々努力し、苦労やトラブルを乗り越えて自分がつくったシステムが世に出る──その瞬間こそ、SEとして大きなやりがいを感じると小原は言います。
「現在担当しているシステムは、一般のお客さまが航空会社に問い合わせる際に使用するものです。自分が設計から1年以上携わってきたチャット機能が、多くの人に使われると考えると、エンジニアとして大きな感動を覚えます。
また、その前の大手保険会社のプロジェクトで開発したのは、コールセンターのオペレーターや営業担当者が使うシステムでした。リリース後、使い方をサポートするために現場を訪れた時、オペレーターさんから『使いやすいし、便利ですね』と言ってもらった時は、とても嬉しかったですね」
多様性に富んだ組織を楽しみ、メンバーの強みを活かせるPMをめざして成長を続けたい
SEとして仕事の幅をもっと広げたいと、日本TCSに入社した小原。次なる目標をこう定めています。
「短期的には、最新の技術トレンドをしっかりキャッチアップし、仕事に活かせるエンジニアになりたいと思っています。今で言えば生成AIやAIエージェントの技術は、Salesforceの中でも注目されているので、スペシャリストの資格をぜひ取得したいですね。
中長期的には、PMなどのマネジメント職にも挑戦したいと考えています。現在も一部業務でリーダーを務めていますが、メンバーとの接し方やフォローの仕方はどうすべきか、悩むことがあります。口を出しすぎても、フォローが少なすぎてもメンバーが動きづらくなってしまうため、塩梅が本当に難しいと感じます。
理想とするのは、1人で先頭に立ってみんなを引っ張っていくスタイルではなく、各メンバーの強みを存分に活かす形でプロジェクトに貢献できるマネージャー。まずはリーダーの経験を通じて、さまざまな視点を学んでいきたいと思います」
最後に小原は、採用候補者に向けて次のようなメッセージを贈ります。
「日本TCSは、社員が上げた声を上司がしっかり受け止め、やりたいことにチャレンジさせてくれる会社です。これがやりたいという強い想いや、理想のキャリアビジョンがある方にとっては非常に働きやすく、成長できる環境です。
また、インドを中心とした多様性に富んだ組織なので、最初はコミュニケーションで苦労することもあるかもしれません。でも、工夫や努力を重ねる中で相手の強みを発見し、協力して成果を出す方法を見つけられるはずです。そうした環境や過程におもしろさを感じ、楽しめる方と一緒に働きたいですね」
※ 記載内容は2026年4月時点のものです

