コロナ禍を踏まえて、「働く場所」の自由度が高まり、「働く場所」について考え直したという方は少なくはありません。また、コロナ禍はすでに働いている社会人だけでなく、これから就職する学生にも大きな影響を与えています。その一つが、Uターン・Iターン就職志向の高まりです。
Uターン・Iターンを含む、地方企業への就職を検討している学生はどのような理由で、またどのような魅力を感じて地方企業への就職を検討しているのでしょうか?
地方企業就職を希望する学生は回答者の半数に
株式会社インタツアー(本社:東京都港区)は、23卒~26卒の学生を対象とした調査『Uターン・Iターン就活志望状況調査』の結果を発表。学生の地方就職に関する志向が見えてきました。
本調査に参加した学生の属性は、都会出身で出身地の大学に在学している学生が29.5%、次いで地方出身で都会の大学に在学している学生が23.1%と続きました。都会出身者は全体の44.2%、地方出身者は55.8%となり、地方出身者の割合が高くなっています。また、都会の大学に通う学生が62.9%、地方の大学に在学している学生が37.1%です。
※出身地域を「都会」「地方」のいずれかとした上で、在学している大学の地域について、「都会か、地方か」「出身地か、出身地以外か」を組み合わせて選択肢を設定しています。(「都会」の定義については厳密にせず、学生の認識に委ねています)
上記の学生に対して、地方企業への就職について意向を聞いたところ、地方企業への就職を第一志望としている学生は14.5%、第一希望ではないが就職先の候補として検討している学生は38.2%、合計で52.7%の学生が何らかの形で地方企業への就職を考えていることが分かりました。
一方で、半数近い47.3%の学生は、「地方企業への就職は考えていない」と回答しています。
地方企業への就職を検討している学生はどんな理由から?
地方企業への就職を検討している学生は、具体的にはどのように考えているのでしょうか?
「Uターン」「Iターン」「地元就職」の選択肢で希望を聞いたところ、回答が最も多かったのは、「Uターン、Iターンのどちらも視野に入れている」42.0%、「Uターンを希望している」20.6%といった結果で、「Iターンを希望している」16.0%を上回りました。
また、出身地域の大学に進学し、出身地域の企業に就職する「地元就職」を希望している学生は21.4%となりました。地方就職の希望としては、出身地での就職を希望する学生が合計で84.0%に上る一方、出身地以外の地方就職を選択肢として考える学生が58.0%といった結果となり、出身地と関係ない地方での就職も少なからず志向していることが分かります。
地元での就職を希望する学生の意図は?
本調査ではUターンまたは地元での就職を希望する学生に対して、その理由・魅力についても調査がなされています。
最多の回答は「住み慣れた土地で働きたい」60.4%、次いで「実家から通勤したい」33.7%が上位となりました。また、「友人が多い」25.5%、「子育てや介護など将来のことを考えて親の近くに住みたい」25.0%なども回答が多く、一方で「働きたい企業や就きたい職業が地元にある」は15.8%にとどまっています。
一方で、Iターンを希望する学生はどんな背景があり、Iターンを希望しているのでしょうか?
回答としては、「地方の住みやすさなど、暮らしに興味がある・魅力を感じる」51.3%、「都会にしか住んだことがないため、地方に住んでみたい」26.9%など、地方での生活自体に魅力を感じる回答が多数となりました。
また、「実家を出て自立したい」48.0%も回答率が多くなりましたが、その回答者の8割以上は都会出身の学生が占めています。
Uターン希望者と同じく、Iターン希望者も「どうしても働きたい企業や就きたい職業が地方にある」13.3%と回答した学生は少数となり、地方就職志向を考える上で企業や職業についての優先度は低いことが分かります。
新卒で地元に就職した方々の声
UターンやIターン、地元での進学を経て地元に就職した方々はどのような理由から地元に就職したのでしょうか?地元に就職した方々のストーリーをご紹介します。
▶︎MANGO株式会社
・ストーリー:一人ひとりが輝き、笑顔が伝播する場所を目指して
・地元に就職をした理由:
大学進学で上京した福岡は、東京をメインに就職活動を行っていました。自分自身の将来と向き合う中で「地元に戻る選択肢もあるよな」と、宮崎での就職活動を始めたのをきっかけに、MANGOの存在を知ります。
▶株式会社エコス
・ストーリー:これが私の選択──生まれ育った地元・地域に食を通じて貢献するということ
・地元に就職をした理由:
飛澤さん 「実際、栄養学部からの就職先は、管理栄養士の資格を活かして病院や給食施設、食品会社など幅広いフィールドがあります。しかし、私としては「栃木に戻っての就職」という条件は外せないものでした。その理由は、実家で家族と過ごす時間を大切にしたいと思ったからです。
地元を離れての大学生活。大学では友人もでき、日ごろ寂しさを感じることはなかったものの、一人暮らしをしてみて、家に帰れば家族がいて普通に話をするだけでも心が休まるものだ、と改めて実感したのです」
▶︎京王建設株式会社
・ストーリー:人の心を動かし、街をつくる原動力となる──“熱量”を新しいスタイルで伝えたい
・地元に就職をした理由:
髙橋さん 「大学4年生になり、全国転勤のある会社も視野に入れて就職活動を進める中で、生まれ育った地元の会社へ就職したいと思い立ちます。そこで地域に根をはり事業活動を行う京王建設のことを思い出し、活動が急進展。祖父に当時のことを聞いてみたところ、技術力が高くしっかりした建物を建ててくれたと高評価だったことから、自分のキャリアをここで築きたいと入社を決意しました」
▶︎CCIG Unity(旧:北國FHD社員組合)
・ストーリー:銀行の窓口担当からICTのコンサルタントに転身──地元・石川県のDX推進を加速したい
・地元に就職をした理由:
山内さん 「大学卒業後、新卒で北國銀行に入りました。都内の大学に通っていたのですが、東京から石川を見て『こんなに魅力があるとは知らなかった』と気づいたことがきっかけ。今まで自分にとっては地元の景色として当たり前にあった兼六園や金沢城が、県外の方々にとっては本当に価値のある場所だとわかりました。そんなこともあって『これからは石川に貢献したい』という思いが募り、北國銀行を選んだのです」
慣れ親しんだ土地で働きたいという想いを抱いたり、地元以外の世界に出たからこそ、逆に地元の良さに気づいたり。コロナ禍に限らず、自分自身と向き合うことで、どんな場所で仕事をしたいのかや自分がどんな環境で人生を送りたいのかが見えてくることもあります。新卒で地元へ就職した方のストーリーを通して、自分と向き合う際のヒントを見つけてみてはいかがでしょうか?
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■『23・24・25・26卒対象 Uターン・Iターン就活志望状況調査』
・調査機関:株式会社インタツアー
・調査対象者:23・24・25・26卒大学生
・調査母数:13,724名(文系学生12,231名、理系学生1,493名)
・回答数:913名(23卒270名、24卒432名、25卒159名、26卒52名)
・調査方法:『インタツアー』マイページまたはSNS経由によるWebアンケート
・調査機関:2022年7月11日~2022年7月18日
