営業編集記者として歩み出したキャリア。現場で経験しながらスキルを体得
大学では社会学部に所属し、メディアを通じたコミュニケーションについて学んでいた田中。飲食店のアルバイトで担当した販促の経験と、大学での学びを活かそうと考えたことが、ファーストキャリアの始まりでした。
「広告とメディアの両方に関われる仕事がしたいと考え、選んだのが地域密着型のフリーペーパーの営業編集記者です。入社して早々、一番発行部数の多いエリアを担当していました。広告の営業を行い、取材して記事を書き、紙面の割付を考えて広告のラフも作り……と、一人で何役もこなしていました」
取材の仕方や記事の書き方は、現場で経験しながら体得。やがて入社から4年目を迎え、一通りの仕事ができるという自信を持った田中は、別の会社に転職します。
「フリーペーパーの仕事はおもしろかったので続けたかったのですが、会社が別の事業に注力し始めたため退職を決意しました。そのことを知った取引先が引き合わせてくれたことをきっかけに、当時のライバル会社で働くことに。仕事内容は同じく営業編集記者でした」
前職での経験を活かし、編集者としての手腕を発揮した田中。入社1年目から次期編集長候補として、社運をかけたプロジェクトに参画することになります。
「インターネット広告やクーポンサイトが普及し始めたことで、フリーペーパーの事業環境は厳しく、赤字続きでした。そこでコンサルタントを入れて立て直しを図るプロジェクトが行われることになったんです。立て直しの鍵は編集長であり、その役割や仕事内容を徹底して見直すというのがコンサルタントの方針でした。
それまでの編集長は、メンバーの営業管理も行ってはいたものの、十分ではありませんでした。そのため、人件費や印刷費などのコストを管理し、戦略を立てて利益を追求する経営者のような役割へとシフトすることに。
何十年と続いてきた慣習を、すべて覆すような施策が次々と提示されていきました。社歴が長い社員ほど以前とのギャップが激しく、新しい方針に適応できずに辞任した編集長もいた中、私は入社2年目から編集長を務めることになったんです」
社運をかけたプロジェクトの矢面に。重責に負けず、編集長として黒字化に貢献
編集長に就任した田中は、営業編集記者としての業務も継続しながら、フリーペーパーを発行する全エリアのマネジメントを担当。コンサルタントの指導の下、業績回復に向けた改革を推進していきました。
「新たな施策を毎月10個考えて実施し、効果があれば継続、なければ別の施策を行うという取り組みをひたすら繰り返していきました。具体的には、売上目標を達成するために、バックキャストで訪問件数の目標設定を行い、そのために必要な訪問先リストを作成するなどです。
これまでは感覚でやってきたことを、すべて数値化していきました。コンサルタントからすれば、こんな初歩的なことさえできていないのかという状況だったと思います」
編集長として会社の命運を左右する重責を背負っていた田中。プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、やり抜く覚悟を固めます。
「私がもし編集長の座を降りたら、誰かが代わりにこの重責を背負うことになる──だからここで負けられない、自分が負けたら会社の未来はないと言い聞かせ、結果が出るまであきらめずに立ち向かおうと決めました」
そんな田中を支えていたのは、フリーペーパーに広告を掲載する取引先の存在でした。
「取引先に恵まれていたので、現場に行ってお客様と話すのがとても楽しかったんです。会社の方針が変わることで、価格が上がったり規約が変わったりとお客様にとっては負担となることもありましたが、私自身が成長していくのを楽しみにしてくれて、応援してくれる取引先もたくさんいました。
もしも改革がとん挫してフリーペーパーが廃刊になったら、こうしたお客様たちとの関係性も失われてしまう。そう思うと、存続させたいという気持ちがいっそう強くなりました」
従来の慣習を見直し、一から行った改革は少しずつ効果を発揮。そして3年が経ち、赤字続きだった業績はついに黒字化を果たします。
「会社が何十年と続けてきた慣習を変えるのはとにかく苦労の連続でした。でも今までとは違う方法を試すうちに、新たな気づきが得られ、だんだんと手ごたえを感じられるように。
できなかったことが一つずつできるようになり、感覚的にこなしていた仕事にしっかり道筋をつけられるようになることが楽しくて、以前よりも仕事のおもしろさがわかるようになりました」
talentbookこそがやりたい仕事。今までのキャリアを活かし、会社と共に成長
念願だった事業の黒字化を見届けた田中。プロジェクトがひと段落したのを機に、これまで続けてきた営業編集記者というキャリアについて考えるようになります。
「営業から編集までなんでもやる分、どれも極められていないと感じていたんです。そこで考えたのは、表現や伝達の基礎になる編集力をもっと磨きたいということ。
また、広告営業を行う中で、中小企業の事業成長を引き続き支援したいという想いもあり、編集職を募集していた士業向けのコンサルティング会社への転職を決めました」
田中は編集者として、税理士や社会保険労務士、弁護士、司法書士といった士業を対象にした経営情報誌を担当。売上拡大や組織づくりの課題解決につながる情報を記事にして発信しました。そこで約6年の経験を積み、より成長できる環境に移りたいと考えていた中で出会ったのがPR Tableでした。
「エージェントに紹介されて初めてtalentbookを見たときのこと。働いている一人ひとりにドラマがあり、それぞれの想いがあることを伝えていて、これこそが私がやりたい仕事だと思いました」
会社の成長速度と面接で感じた社風の良さも決め手となり、記事制作ディレクターとして2023年4月にPR Tableへ入社。talentbook記事の取材・制作を行うポジションとして、高い取材スキルと編集力が認められ、入社して約2カ月で行政機関の案件を任されることになります。
「社内のコミュニケーションツールであるSlackで、受注に向けて頻繁にやりとりが行われていたので、会社の成長に関わる重要案件であることはわかりました。とはいえ入社したばかりだったので、どこか他人事のように見ていたんです。
でも、担当としてアサインされたのは私。驚いたと同時に、この案件のために奔走してきたメンバーの想いに応えるためにも、絶対に成功させなければならないと思いました」
取材は無事に終わり、公開された記事は大きな反響を呼びました。重要な局面でもいつも通り力を発揮できたのは、これまで積み重ねてきた記者としての経験があるからです。
「キャリアをスタートして以来、小さなお店のパートスタッフから経営者まで、さまざまな方たちを取材してきました。取材を重ねるうち、それぞれの立場で抱えている課題や悩みについて、一定の共通性があることがわかるようになったんです。
自分の中に蓄積した数多くの取材データと照合しながら、テーマに合った質問を導き出して投げかける。それを心がけることで相手が答えやすく、その人の想いが伝わる取材を追求しています」
想いを伝えて“きっかけ”をつくる。質の高い記事で、メディアとしての価値を向上
基本的にはオンラインで行われるtalentbookの取材。話しやすい雰囲気をつくるのはもちろん、記事をつくる上で田中が大切にしていることがあります。
「相手が話した言葉以上に、わかりやすく、正しく想いが伝わるように書くということです。自分が考えていることを正確に言葉にするのは、意外と難しいもの。読んだときに、自分が言いたかったのはまさにこのことだと思ってもらえる記事にしたいと、いつも考えています」
入社して約1年、相手の想いに寄り添いながら取材と記事制作を行ってきた田中は、talentbookに携わるやりがいをこう語ります。
「取材を受けることで、考えが整理され、自分でも思っていなかった気づきが得られることがあると思うんです。その一方で、本人は何気なく言ったひと言でも、それを読んだ誰かの考え方や行動を変えるようなことがある。
そんなふうに、話し手や受け手の“きっかけ”になる可能性を秘めていることが、talentbookの記事をつくるおもしろさだと感じています」
記事制作ディレクターとしてめざすのは、たくさんの“きっかけ”を生み出すこと。そのためにも田中がこだわっているのが、記事のクオリティーです。
「広告ではない分、記事を掲載した効果をすぐには実感しづらいということもあるかもしれません。だからこそ、重要になるのが記事のクオリティーです。talentbookのサイトとしての価値をより高められるよう、質の高い記事を追求したいと考えています」
成長性のある会社で働きたいと、新天地として選んだPR Table。社員数も順調に増え、チームの体制もさらに強化されつつあります。
「引き続きクオリティーを高めつつ、営業担当とも協力しながら新しい企画を立ち上げるなど、記事制作ディレクターとして提供できる価値の領域を広げることが今後の目標です。
会社が拡大する重要な局面において、私たちのチームに任せれば大丈夫だと安心してもらえるような組織を、メンバーと協力してつくっていきたいと思います」
積み重ねてきたキャリアを活かしながら、PR Tableで新たな目標に向かって歩み出した田中。これからも会社と共に、成長のストーリーを描き続けます。
※ 記載内容は2024年3月時点のものです
