経営の舵取り役として、抽象度の高い視点で価値を創造する
私は現在、talentbook株式会社の共同代表取締役として、プロダクトとコーポレート領域の最終意思決定を担う立場にあります。主な役割は、顧客やユーザーの価値を高めるプロダクトの成長と、社内の生産性を高める仕組みづくりを推進していくことです。
プロダクト領域では、顧客にとってより価値の高いプロダクト戦略を思考し、プロダクト本部を管轄する執行役員CPOと密に連携しながら、プロダクトの進化を推進しています。同時に、コーポレート領域においては、会社の生産性向上のための人材配置戦略や財務管理の戦略を練り、執行役員CFOや執行役員CHROと議論を重ねながら具体的な施策へと落とし込んでいます。
当社には、それぞれの領域で優秀な人材が改善に邁進してくれています。そのため、私自身は、より抽象度の高い目線を持ち、事業や組織を大きく成長させていくために必要な意思決定に注力するよう心がけています。
具体的な例を挙げますと、現場で行われている細かな改善活動の本質的な目的を注視し、違和感のある点を頭の中にリストアップしていきます。そうすることで、複数の課題に共通する本質的な問題が見えてきます。その問題を解消するためにどのような方針を示すべきかを考え、言語化した上で経営チームでの議論を経て、具体的な施策として意思決定していくのです。
とくにプロダクトに関する意思決定では、「顧客やユーザーにとって本当に価値があるものなのかどうか?」を最重要視しています。社内事情だけで必要のない機能を作ってしまうことがないよう、常に顧客やユーザー目線での判断を心がけています。
執行役員との議論においては、「こういう方向性でこの領域を狙っていきたい」「顧客に対し、こういう価値を提供できるようになりたい」といった議論の種を投げかけることから始めます。そこからリスクを洗い出し、方向性を形にしていくプロセスを通じて合意形成を図っています。時には、すぐに形になることもあれば、現実的ではないと判断してクローズすることもあります。
すべての意思決定には一定の仮説が伴います。その仮説通りに物事が進み、社員のみなさんが自信に満ち溢れている姿を見られたときは、この上ない喜びを感じます。一人で考えて突発的な判断を下すのではなく、経営チームでしっかりと議論を重ね、合意形成を図っていくプロセスを大切にしているからこそ、より確かな成果につながっているのだと実感しています。
プロダクトを作り、より多くの顧客に価値を提供するために兄弟で起業
新卒で入社したのは、知人が経営するインフルエンサーマーケティングの会社でした。そこで代理店向けの営業を担当していましたが、この経験は後の起業への足がかりとなりました。
営業の経験を積む中で、自分でもインフルエンサーマーケティングの会社を立ち上げてみたいという思いが芽生え、実際に起業へと踏み切りました。6期にわたって会社を運営する中で、PR会社との繋がりが徐々に増えていき、それが自然とPRの領域に足を踏み入れるきっかけとなっていきました。
ビジネスを展開していく中で、ある課題に直面することになります。それは、クライアントと自分の間に代理店が存在することが多く、価値を直接的に提供することが難しいという点でした。もっと直接的にクライアントに価値を届けたい、さらには自社でプロダクトを開発し、多くの方に使っていただけるサービスを作りたいという思いが次第に強くなっていきました。
そんな中で、PR業界で活躍していた兄の大堀航から興味深い提案を受けることになります。兄はPRや広報の仕事を通じて、「企業が人のストーリーを発信していくことが、新しい広報の打ち手の一つになっていくのではないか」という仮説を持っていたのです。
この兄の仮説に強く共感し、それをプロダクトとして具現化することを決意しました。そこで、それまで運営していた会社を譲渡することを決断します。幸いにも、一緒に働いていた仲間が会社を引き継ぎたいと言ってくれたことも、この決断を後押ししてくれました。
そして兄弟で新たに会社を立ち上げ、talentbook(旧 PR Table)というサービスの開発に着手することになったのです。兄弟での起業ということで周囲から心配の声もありましたが、実際には予想以上にスムーズに進みました。
とくに重要視したのは、お互いの役割分担を明確にすることでした。現在は兄がビジネス面、私がプロダクトとコーポレートを担当していますが、この10年間、約2年ごとに役割を柔軟に変更しながら経営を続けてきました。お互いの強みを活かしながら、時には役割を入れ替えることで、会社としての成長も実現できたと感じています。
新機能開発と組織づくりから学んだこと
最近とくに印象に残っている出来事は、talentbookに「社員インタビューAI」という新機能を実装したプロジェクトです。生成AIを活用したこの機能は、チーム全体で企画から実現まで取り組んだ案件でした。私自身は、ユーザーの行動フローと期待されるアウトプットという基本構造の判断を担当し、その他の詳細な開発はチームメンバーが主導して進めてくれました。結果として、顧客からも非常に好評を得ることができ、チーム全体で達成感を共有できた瞬間でした。
一方で、経営者として直面した課題もあります。とくに印象に残っているのは、営業組織の構築における判断ミスです。エンタープライズ企業の開拓が鈍化してしまい、大きな学びとなりました。この経験から、組織づくりにおいては、web上のHOW TO記事などに頼って形から入るのではなく、自社の現状をしっかりと見極めることが重要だと気づきました。あるべき姿と現在のギャップを明確にし、そのギャップを埋めるための具体的な施策にフォーカスして判断を下すことを心がけるようになっています。
talentbookを経営する中で、私自身も大きく成長できました。とくに、物事を構造化して捉える力と言語化力が著しく向上したと感じています。たとえば、株主との経営状況の共有の場面では、相手が求める情報を適切な抽象度で整理し、効果的に伝えられるようになりました。うまく伝えられた時は建設的なフィードバックをいただけますし、逆に伝え方が不十分な場合は議論が複雑化してしまうため、自身の成長を実感できる機会となっています。
また、10年にわたる経営経験を通じて培った「折れないマインド」も、現在の業務に大きく活きています。どんな困難な状況に直面しても動じることなく、問題解決に向き合う姿勢を持ち続けられるようになったと思います。
人事×デジタルマーケティングの未来を切り拓く
私たちtalentbook株式会社は、企業の採用活動における「採用広報・ブランディング」の領域で事業を展開しています。この分野で、まずめざしたいのは圧倒的な価値を提供できる会社になることです。そして、その先には上場という大きな目標も掲げています。
現在の採用市場では、PRやマーケティングの考え方を人事領域に取り入れることの重要性が、ますます高まってきています。そのような中で、私たちは独自のポジションを確立しつつあります。今後は「採用広報・ブランディング」の領域にとどまらず、現在保有している自社のアセットを活かしながら、さらなる事業領域の拡大も視野に入れています。
当社には、自社プロダクトであるtalentbookを軸に、さまざまな職種が存在しています。そのため、それぞれの専門性を活かせる活躍のフィールドが豊富にあります。とくに、人材業界の経験がなくても、デジタルマーケティングや広告の知見がある方には、大きな可能性が開かれています。
私たちが求めているのは、何事にも臆することなく、社内外を問わず、あるべき姿を積極的に提案できる人材です。新しいことへのチャレンジを恐れず、自分の考えを発信できる方であれば、必ず活躍できる環境が用意されています。
採用市場は今、大きな転換期を迎えています。従来の人事の枠組みを超えて、より戦略的なアプローチが求められているのです。そんな中で、私たちは人事とデジタルマーケティングを掛け合わせた新しい価値の創造に挑戦し続けています。
この挑戦に共感し、共に歩んでいただける仲間を心待ちにしています。皆さんの専門性や経験を活かしながら、採用市場に新しい風を吹き込んでいきましょう。私たちと一緒に、企業の採用活動の未来を創っていきませんか?
