大人しい、けれど頑固。友人と共におもしろそうなことに挑戦した日々
幼少期は「大人しく、頑固な子どもだった」と語る染中。友人にも恵まれ、「おもしろそう」という直感を信じながら生きてきたと語ります。
「私は小さいころから小柄だったこともあり、面倒見がよくしっかりした友人に囲まれていたんです。なので、自分がぼーっとしていても周りが動いてくれるような環境でしたね。
ただ、蓋を開けてみると少し頑固なところもあり、人と違うことがしてみたいという思いから、高校では英語科に入学。洋画鑑賞が好きだったことが影響して、大学も英語英文学科に進学しました」
大学では友人の誘いもあり、未経験でクラシックバレエ部に入部。衣装作製の合宿や、毎年2回行われる公演にも出演しました。
「部員のほとんどは経験者で、未経験者は一握りです。その中で、未経験者として先輩や同級生に教わりながらバレエのことを少しずつ学びました。決して上手ではありませんでしたが、当時は仲間たちとさまざまなことに取り組めることが本当に楽しくて。卒業公演では同期や後輩たちと同じ舞台に立てたのも、今ではいい思い出です」
充実した学生生活を送る中、映画が好きだった染中は「映像で心を動かす仕事がしたい」と映像系の企業を中心に就職活動へと挑みます。
「映画そのものが好き、という気持ちもありましたし、映画館や劇場などで人々が同じ空間で同じものを見る体験が好きという気持ちもありました。映画の配給会社を希望しましたが、人気の高い業種でもあり、狭き門。時期的にリーマンショックが重なったこともあり、就職活動は難航しました」
卒業間際まで就職先が決まらず、焦りを感じたという染中。でも、妥協はしたくない──そんな想いから、とにかく果敢に行動したと語ります。
「時には求人の出ていない企業に連絡をして、『採用してくれませんか』と掛け合ったことも。そんな中で唯一受け入れていただけたのがとあるテレビ番組制作会社でした」
クライアントに寄り添えるプランナーをめざして。テレビ番組制作会社から広告代理店へ
やっとの思いで入社したテレビ番組制作会社。待っていたのは、想像を絶するハードな毎日でした。
「私はテレビ局にCMを出稿するクライアントの商品を紹介する『パブ番組』などを制作していました。ロケの前日は夜中3〜4時まで準備をして、入浴のために一時帰宅。朝6時には集合して深夜まで撮影をする日もありました」
忙しい毎日を送る中で、次第に違和感を覚えるようになったと言います。
「私が担当していたパブ番組では、クライアントの希望が第一。ですが、テレビ番組制作会社とクライアントとの間には広告代理店やテレビ局などが挟まっており、直接クライアントの声を聞く機会はなかなかないんです。そのため、クライアントが何を望んでいるのか明確にわからないまま番組を作らなければならないこともありました」
もっとクライアントに寄り添った仕事がしたいと、転職活動を始めることにした染中。最終的にCM制作会社と広告代理店から内定をもらいますが、そんな折、東日本大震災が起こります。
「当時、テレビからCMが流れなくなってしまった影響もあり、CM会社からの内定が取り消しになったんです。そんな中でもある広告代理店は『時期は後ろ倒しになるけれど採用するよ』と言ってくださって。ご縁を感じ、入社することにしました」
今度はプランナーという立場でクライアントと向き合うことになった染中。在籍中は実にさまざまな案件に携わったと振り返ります。
「中でも印象的だったのは、お菓子メーカーのプロモーション。夏場に売り上げが落ちてしまうお菓子を、夏でもおいしく食べてもらうためにプロモーションの仕方を変えたところ、売り上げが大きく伸びて、販促賞をいただいたんです。
売り方や見せ方次第で、消費者の反応が変わることがおもしろくて。プロモーションの重要さに気づけた貴重な経験でした」
染中がプロモーションに携わる上で大切にしているのは、「常に消費者の立場に立って考えること」だと言います。
「クライアントに寄り添うことを考えると、ベクトルがそちらにばかり向いてしまう場合があります。でも本来、商品のよさを伝えるべき相手は消費者の方々。『消費者が知りたい情報ってなんだろう』という視点は大切にしてきました」
仕事も家庭も大切にしたい。働きやすい世の中づくりに貢献したい
産休や育休を挟みながらも仕事中心の生活を送ってきた染中。しかし、産後は仕事中心の生活を送ることに疑問を感じるようになったと言います。
「子どもが生まれた後も、初めは自分の睡眠時間を削ってなんとかこれまで通り仕事をこなすことを意識していました。しかし、自分の体に負担がかかってきたのはもちろんのこと、家族や子どものことをしっかりと考える心の余裕もなくなってしまって。もっと家族にかけるエネルギーを増やしたいという思いで、転職を考えるようになりました」
そんな折に出会ったのがPR Table。「働く人の笑顔が“連鎖する”世界をつくる」というビジョンに共感し、応募に至ったと語ります。
「転職を決めた際に『次は少しでも社会貢献につながる仕事をしたいな』と漠然と思っていました。その当時、ちょうどコロナ禍で社会が混乱しており、身近にもメンタルの調子を崩してうまく働けなくなってしまった方を見かけたことがあって。
もっと自由に自分らしく働ける方が増えるような世の中にしたい、そのお手伝いをしたいという思いから応募することにしました」
ただし応募当初、染中は営業職ではない職種で希望を出していたと言います。
「内定をいただけた時は本当にうれしかったのですが、最終的に『営業職はどうですか?』とオファーをいただいた時は、驚きました。未経験の職種なので悩みましたが、広告代理店でプランナーをしていたときもなんでも屋さんのような立ち位置で、『結局私って何者なんだろう』とアイデンティティに悩んでいたんです。
ここで何も挑戦しないよりは、適性があると言ってもらえた営業職にチャレンジし、新しい自分を見てみたいと思い、入社を決めました」
現在はアカウントエグゼクティブ(AE)として、既存のクライアントの目標に向かって伴走する役割を果たす染中。広告代理店でのプロモーション業務経験が生きていると感じることもよくあると言います。
「AEは既存のクライアントの課題を伺い、課題解決のための施策を提案していく立場です。課題を見つけて解決策を提案するという意味では、これまでのプランナーとしての経験がとても生かされていると感じますね」
自分だからこそ見えるものを大切に。幅広い視野でものを見て提案したい
日々着々と営業として経験を積んでいる染中。周囲のサポートもあり、今は自分なりの営業スタイルを少しずつつかみ始めたと語ります。
「入社直後は自分に営業職ができるのかという不安もありました。しかし先輩や仲間の仕事ぶりを見て、一人ひとりが特性を生かしたさまざまなスタイルで業務を行っていることがわかってきたんです。
正解は一つではないことに気づけて、ある意味肩の荷が降りたというか。自分のスタイルでいいんだなと思えるようになりました」
そんな染中が現在、仕事において大切にしていることを以下のように語ります。
「プロモーションについてはある程度の知識がありますが、採用についてはまだまだ未知の領域。人事担当者さまと、私の視点が異なることも少なくありません。しかし、それを『ずれている』とネガティブに捉えず、別の視点で物事を見て提案できる強みとして捉えながら、臆せずに幅広い提案をしていきたいと思っていますね。
たとえば、クライアントにとっては当たり前であることも、プロモーションとして広く伝えることにより、その企業のカラーが出て魅力的に映ることがあります。考えを柔らかくほぐして、違う角度から意見を伝えられる存在でありたいですね」
また、転職のきっかけともなった家族との関わり方にも変容が見られると言います。
「リモートワークになり、通勤時間もなくなったので、子どもと向き合える時間が増えてうれしい限りです。気持ちにもゆとりができ、以前ならすぐに注意していたことも、気長に見守れるようになってきました(笑)」
おもしろいと思う気持ちを大切に、楽しく仕事をしていきたいと語る染中。今後もクライアントの声に耳を傾け、多くの人の心に響く提案を聞かせてくれるはずです。
※ 記載内容は2024年3月時点のものです
