現場対応からライブ配信まで多岐にわたる業務を担当するのが、ライブエンジニア
※在籍年数や役職を含む記載内容は、取材当時(2021年11月)のものです。その後、状況が変化していることがあります。
──コロナ禍の影響もあり、ビジネスシーンでもインターネットライブの活用が急拡大しています。まずは、Jストリームにおけるライブエンジニアの業務内容を教えてください。
池田: ライブエンジニアは、ライブ配信に関わる技術周り全般を担っており、大きく分けて3つの業務があります。1つ目はオペレーション業務。ライブエンジニアは、ライブ現場で映像や音声ソースを受け取ってエンコードし、ストリーミング配信するためのデータ転送部分を担います。
具体的には、必要な機材や会場設営を含めた環境手配、サーバ設定、エンコーディング、サーバへのデータアップロードなどです。映像ソースは1つの会場からの場合もあれば、複数の会場から受け取り、切り替えながら配信することもあります。
2つ目は、仕様策定業務。お客様や営業・ライブディレクターからあげられた新規性の高い要望に対して、技術的仕様や解決方法を考え、確定させます。そして3つ目の業務が、新技術への対応。これには自社のライブサービスに付随した検証も含みます。
──最近ではどんな現場があるのですか?
細川:エンターテインメントのイメージが強いインターネットライブですが、実は、ビジネス系での活用は非常に多いんです。Jストリームで一番多いのは、医薬業界での講演会です。医薬業界でのデジタルマーケティングシフトの中で、ライブ講演会は重要なコンテンツの1つになっています。医薬業界では、遠隔操作で複数の病院の手術室と会場を結んで配信するような事例もあります。
また、医学系学会の総会で最大14会場分のライブ配信の現場を担当したこともあります。私は、現場統括として、パートナー企業さんにも協力いただきながら、すべての会場のプログラムを滞りなくライブ配信できるようディレクションを行いました。
K.N. :ライブ配信とひと言で言っても、現場の様子は一律ではありません。会場はホテルや会議場、スタジオなどさまざまですし、海外出張して対応することもあります。ZoomやTeamsなどを使い、全国各地をつなぐような案件も増えているんですよ。
20年以上にわたり築き上げてきた、“失敗しないライブ体制”の実績こそ強み
──ライブ現場対応を手掛ける会社さんは数多くあります。Jストリームならではの強みや特徴はどこでしょうか。
池田: Jストリームの強みは、ネットワークのコンテンツ配信を最適化できるCDN(Content Delivery Network)という自社構築したインフラを保有していることです。このCDNを活用することで、大型ライブやSNSなどアクセスが集中する状況に対しても、サーバをダウンさせることなく、スムーズなライブ配信を続けることができます。こういった自社でCDNを構築している企業は、全国でも多くありません。
また、社内に幅広い領域のエンジニアがいることも特徴です。私たちライブエンジニアのほかに、動画技術、フロントエンド、バックエンド、インフラ、ログ解析をはじめ、さまざまな専門家がJストリームにはいます。そのため、難易度の高い案件や新規性の高い案件であっても、スムーズに社内で連携して対応することが可能です。
細川:それらに加え、Jストリームでは、年間2,600件以上のライブ配信実績があります(2021年3月時点)。国際的なイベントや前例のない案件も多数含まれており、そこから得られる経験と膨大な実績に基づくノウハウは会社にとって貴重な財産です。
さらに、Jストリームは20年以上にわたって“失敗しないライブ体制”を築き上げてきました。今後もお客様の期待に応えるため、どんな大規模な案件であろうと、複雑な現場であろうと、組織として安定した品質を維持できるように尽力していきます。
──話を伺うと、ライブエンジニアには現場対応に関すること以外にも幅広い知識が必要そうですね。
池田:そうですね。ライブ現場に関することだけでなく、その裏側のインフラ部分や開発に関する幅広い知識も求められますね。海外も含むような案件では、自社CDNと海外パートナーのインフラと連携する場合もあります。特殊な案件や大規模な配信については、インフラエンジニアと相談しながら必要なネットワークの手配も行います。
細川:幅広い知識を求められますが、だからといって私のようにネットワークや開発の知識がない方でも心配する必要はありません。マニュアルや教育フロー、ノウハウ共有も頻繁に更新しており、若いうちから大手企業の案件を手掛けるチャンスもたくさんあります。実際に制作会社やイベント会社からの転職組も多いんですよ。
K.N. :ライブ配信はまだまだ成長領域。映像やイベントというコンテンツのところだけの現場経験ではなく、インフラへの理解があることは、キャリア面においても価値ある経験だと思います。
ジョブチェンジでキャリアの幅をさらに広げられる。Jストリームのユニークな仕組み
──ライブエンジニアでの経験を経て、その後のキャリアパスにはどのような選択肢があるのでしょうか。
池田:大きくは、ライブのプロデュースへ進む方向性と、開発へジョブチェンジする方向性がありますね。開発へのジョブチェンジは、Jストリームならではのユニークなところかもしれません。Jストリームには幅広いエンジニア職種がありますので、インフラ部門への異動や、バックエンドまたはフロントエンドエンジニアとして開発部門での経験を積むことも可能です。
──ジョブチェンジは、特殊なことではないんですか?
K.N. :ジョブチェンジについては、組織も可能な限り柔軟に考えてくれています。私は新卒入社でライブエンジニアからライブディレクターになり、3年間の経験を積んでから2020年よりインフラ部門へジョブチェンジしています。ライブ現場担当として、インフラ部門とやりとりする中でサーバ設定などに興味を持ち、自分のキャリアの幅を広げたいと思い、異動願いを出しました。
細川: 私は、中途入社で5年間、ライブエンジニアとライブディレクターを経験。その後1年間は、ライブエンジニアより深い開発経験を積める、開発部門へ異動しました。
異動を希望したきっかけは、現場を進める上でお客様から新しい技術要素への相談を受け、開発部門への問い合わせが増えたこと。問い合わせ先の開発部門では、回答にしても仕様にしても、万全の用意をしてくれます。でも「用意されたものに乗っかっているだけなのでは」という気持ちが強くなり、それでは自信が持てないなと、開発への異動を決意しました。
お客様にとって大事な一つひとつのライブを、これからも確実に精度高く対応していく
──最後に、ライブエンジニアとしての今後の展望について、お聞かせください。
池田:現状のライブ案件には、仕様が定型化された運用比重が高い現場と、新規性が高く仕様策定の比重が高い現場の2種類あります。
前者については、より多くの需要に応えられるよう、すでにパートナー企業との連携を含め進めています。ここでのライブエンジニアの役割としては、プロデュース側に近くなります。後者については、ライブ配信業界における「DIT」のような役割ですね。
細川: 映像業界では、DIT(Digital imaging technician)という職業があります。映像制作の風上から風下まで全部をコンサルティングするような役割です。数多くの実績を持つJストリームなら、今後ライブ配信業界におけるDITの立場を担えると考えています。
多様化・高度化する案件に対して、目的やコンテンツに最適なエンコーダーや構成、プレーヤー選択等を行い、新規性の高い案件ニーズに的確に応えていければと思います。
K.N.:新規性の高い案件で得た知見をマニュアル化して、汎用的なものに変えていったり、新機能やサービス開発を手掛けたりして、新たなサービス提供へつなげていければと思います。お客様にとってライブコミュニケーションが、より便利で、身近なものになるといいですね。
またライブ需要の増大で、さまざまなライブ現場のニーズにお応えするためには、ライブエンジニアの立ち位置も変わらざるを得ません。まだまだ成長段階ですので、「こんな未来を作りたい」という想いがある方には、ぜひ仲間に加わっていただきたいですね。
──言葉のはしばしから、「皆さん、ライブが好きなんだな」という空気が伝わってきます。
池田:好きですね。自分が配信した映像や音声をお客様が確認され、リアクションを目の当たりにすると、やはりライブエンジニアの仕事はいいな、楽しいなと再認識します。
細川:ライブ当日はお客様も緊張されていますが、終わった後にリラックスした雰囲気で「ありがとうございました」と会場を後にされる姿を見られるのは喜びですね。年間2,600件なんて言っていますが、一つひとつがお客様にとって大事なライブです。これからも確実に、精度高く対応していきます。
