自分にしかできないやり方で恩返しをしたい。エンジニアを志す原点となった学生時代
──最初に、檜垣さんがITエンジニアを志した経緯を教えてください。昔からモノづくりは好きだったのでしょうか?
幼いころから手を動かして、何かをつくることは好きでした。自分が住んでいた地域は秋祭りが盛んで、幼稚園のときには友達と神輿を段ボールでつくったこともあります。その神輿が先生の目に留まり、運動会で披露されたことがありまして。このときの嬉しさがモノづくりの道に進む原点になっています。
──その後はどのような進路を選んだのでしょうか?
大学では情報工学を専攻しました。本格的にIT技術にのめり込んだきっかけは、大学2年生のころに受けたゲーム開発の授業です。前期は個人開発のアクションゲーム、後期はグループで3Dシューティングゲームを作りました。3Dのゲーム開発をC言語で行うのは大変でしたが、自分が作ったもので遊んでもらい、その感想をもらうことが楽しくて。この経験がITエンジニアとしてのスタート地点だと思います。
──大学では学業と平行して、IT企業でアルバイトをしていたそうですね。
やはり経験を積むなら現場で働くのが一番だと思いまして。企業向けチャットサービスを手がけるIT企業で、卒業まで2年間働きました。当時はシステム保守や機能追加、フロントエンドの改修、バックエンドのAPI開発などを行っていました。
──他にも学生時代に力を入れたことはありますか?
仲の良い友人が全力で講義に臨んでいる姿に刺激を受け、自分も3年生のときに画像認識の研究を始め、成績上位の学生に贈られる「学部優秀賞」をいただきました。そのときの友人の一人は、卒業後は別の会社に進みましたが、自分が誘って今はJストリームの福岡拠点でITエンジニアとして働いているんですよ。
──檜垣さんがJストリームへの新卒入社を決めた理由について聞かせてください。
1つ目は働きやすさですね。Jストリームではリモートワークやフレックス勤務が可能で、服装もラフですし、のびのびと自由な雰囲気に魅力を感じました。
もう1つの理由は、間接的にはなりますが医療業界に貢献できる仕事だと思ったからです。実は父が難病を抱えていて、これまで医療従事者の方々に支えてきてもらいました。Jストリームは動画配信ソリューションを提供している会社ですが、医療系のクライアントや医学学会の講演配信などにも数多く携わっています。
自分のしていることが、巡り巡って何かしら父の助けになればいいなと思ったこと。そして、自分なりのやり方で医療業界に恩返しがしたいと考え、Jストリームへの入社を決意しました。
入社1年目で医療サービスの開発担当に。想いを実現できる環境がJストリームにはある
──入社後はどのような仕事を手がけてきたのでしょうか?
私はバックエンドエンジニアとして、入社1年目に「J-Cloud(ジェイ-クラウド)」と呼ばれる社内共通開発基盤のAPI開発を担当しました。大量のアクセスを捌くためのサーバ構成を考え、アルゴリズムを組んでいき、自社プロダクトやサービス開発をバックエンドから支えていきました。
とくに注力したのは、自社の主力サービスである「J-Stream Equipmedia(イクイップメディア)」の動画配信プラットフォームにおける、「デスクトップ配信」という新機能追加に伴うバックエンド開発です。この新機能は、利用契約企業が管理画面上から設定すると、裏側でAPIが送られ自動でライブ配信用のサーバが立ち上がり、簡単に配信できるというものでした。
──開発では複数の言語を使用されているそうですが、習得するのに苦労はありましたか?
学生時代にC言語をしっかりと学んでいたので、当時の知識を応用して対処しました。大変でしたが、1年目からやりたい業務や開発に携わることができたのは貴重な経験でした。自身の成長や、「ユーザーのみなさんのお役に立ちたい」という想いがモチベーションになりましたね。
──とくに印象に残っている仕事について教えてください。
DMP(Data Management Platform)と言われるデータ分析基盤の開発です。バックエンド開発メンバーとして携わり、2021年10月には製薬企業様向けに「WebinarAnalytics」というサービス名で提供を開始しました(注1)。
企業のマーケティング活動においては、動画によるセミナーや講演会形式での情報提供がよく行われています。このようなシーンでは、「誰が、いつ、どの動画を、どの程度」という個別の視聴状況に基づきスコアリングし、情報資産として有効活用する動きが進んでいます。
「WebinarAnalytics」はその分析機能を持ち、かつ医薬・医療業界向けに特化した自社初のDMPサービス。入社早々に、「医療業界に貢献したい」という自分の想いを叶えられるプロジェクトに携わることができた点でも、印象に残っている開発です。
──そういった想いを汲み取ってくれる環境がJストリームにはあるのでしょうか?
Jストリームは入社年数を問わず、各自の希望を最大限考慮してくれる企業だと思います。自分の場合は、人事や配属先に想いをはっきり伝えられていたことも、やりたいことを実現するためにプラスに働いていたと思います。
注1:「WebinarAnalytics」提供開始に伴うプレスリリース
製薬企業が実施するWeb講演会の実施結果を定量的に振り返り・分析できる新サービス 「WebinarAnalytics」提供開始
技術への意欲が高く、年次に関係なく話を聞いてくれる人ばかり。だから提案がしやすい
──入社1年目には新人賞を受賞したそうですね。これはどのような働きが評価されたのでしょうか?
主に評価されたのは、先ほどお話しした「デスクトップ配信」の機能追加に伴うバックエンド開発と、DMP開発における取り組みについてでした。自分の頑張りや1年間の成長をきちんと評価してもらえたのは嬉しかったですね。
──DMP開発においては、新しい技術導入の提案もしたと伺いました。
はい。当時、Jストリームで採用されている技術のほとんどは「RESTfulAPI」でした。ですが、この手法では高いパフォーマンスを発揮できないと考え、開発チームにDMP構築の要件にマッチする「GraphQL」の新規導入を提案してみたんです。
ただ、当時のGraphQLはまだ一般には広く普及していませんでした。それでもメリットの方が大きいのではないかと上長に提案したところ、「とりあえずやってみようか」と開発を任せてもらえました。
こうした提案が通るのは、Jストリームのメンバーの技術に対する感度が高いから。たとえば、開発にあたってライブラリを調べることがあります。Jストリームのライブラリにはよく見かけるものだけではなく、マニアックなものまで収納されているので、「さまざまな技術を試しているんだな」と感じますね。
また、やりたいと手をあげれば、どんどんチャレンジさせてくれる会社ですから、技術開拓がしやすい環境だと思います。どのような技術を使うかは自分たちで決められますし、若手でも裁量権を持って働けます。
──現在は入社3年目になりますが、これまでの経験を通して得たものはなんですか?
システム全体の動きをしっかり把握できるようになり、障害発生や新規機能の開発の際にアプローチがしやすくなりました。しくみを理解できているとどこをどう直せばいいのかわかるので、仮説が立てやすいんです。また、サーバ構築を経験できたのも良い勉強になりましたね。
──自社開発を行うJストリームならではの魅力はなんですか?
自社開発は「つくって終わり」ではなく、リリース後も運用や機能追加を通してシステムを育て続けられます。作ったものをどんどん進化させていく作業が好きなので、自分に向いているなと感じています。
また、Jストリームではオンプレミスでインフラ構築もしています。そのため、開発したプロダクトが実際に使われている状況を確認できるのに加え、もしも不具合や疑問点があれば、自社のインフラエンジニアと連携しながら、物理層のレベルから原因追究し解決することができます。
これからも技術を追求し続けたい。めざすは目利き力のあるフルスタックエンジニア
──今後はどのようなITエンジニアになっていきたいですか?
ひと言で言うならば、「目利き力のあるITエンジニア」ですね。新しいという理由だけで技術を選択するのではなく、開発現場の要望や課題に合わせて最適な技術を提案できるような存在です。そのためには、開発における根幹を理解し、全体像が見えるようになる必要があります。現在の技術の軸足はバックエンド領域ですが、フルスタックエンジニアをめざして、今後はインフラ、フロントエンドへも経験の幅を広げていきたいです。
Jストリームには、生涯エンジニアとして現場で活躍したい人を対象にした「Tech人事制度」があります。自分は、ITエンジニアリングのプロフェッショナルとして、今後も技術を極めていければと思います。「技術的に困ったら、檜垣へ聞いてみよう」と思ってもらえるITエンジニアになれたら嬉しいですね。
──会社のどんなところに将来性を感じていますか?
Jストリームでは、これまで数多くの動画配信案件を扱い、激しい時代や技術変化に対応すべく日々開発を進めています。これをより良いモノづくりに還元したり、ビジネスに応用できたりすれば、これまでにない新たな価値の提供ができるのではないかと思います。
──最後に、どういった人がJストリームに向いていると思いますか?
技術に対する感度が高い人や、野心的な目標を持っている人はJストリームに向いていると思います。自ら「やってみたいです」と声をあげれば、チャレンジできる環境があるので、技術を探求していきたい人とぜひ一緒に働きたいですね。
※在籍年数や役職を含む記載内容は、取材当時(2023年3月) のものです。その後、状況が変化していることがあります。