地方創生につながる新規事業や既存事業の拡大を財務面からサポート
資本企画室は、グループ全体の事業拡大に向けた財務戦略を担う部署です。グループの中長期的な資金計画立案をはじめ、スタートアップ企業への投資やM&Aなどにも取り組んでいます。
久保 「資本企画室のミッションは、“攻めの財務戦略”。既存事業、新規事業の中長期的な計画を財務面から支援することと、外部への投資という大きく2軸の活動があります。
私は入社以来、主にスタートアップ企業への投資を担当してきました。地域活性化につながる技術や事業を持つスタートアップ企業を見つけ、社内の会議で承認が下りればスタートアップ側と交渉を進めます。そして出資契約を締結したら、その会社の成長に向けて伴走します。
当社が進める他社への出資活動には、地方創生に寄与する企業への投資を通じてリターンを追求する純投資と、当社自身が手掛ける自社事業との間でシナジーを創造することにより新たな価値を生み出す事業投資という、ふたつの目的があります。
SBプレイヤーズは、“ITで地域社会に活力を”という理念のもと、公営競技(地方競馬・競輪・オートレース)投票券のインターネット販売サイトを運営する「オッズ・パーク」、ふるさと納税の一括代行事業等を行う「さとふる」、地域に観光客を誘致する「たびりずむ」、農業の課題解決をめざす「たねまき」といった事業を展開しています。 これらの自社事業と、独自技術を持つスタートアップ企業とが相互に高め合い、補完し、連携することで、投資元・投資先の双方事業が成長すること、言わば投資活動を通じて企業成長における触媒の役割を果たすこと、これこそが久保のミッションです。
久保 「当社の自社事業とシナジーを生める技術であれば、とくに分野は絞らずに投資先を探します。重要なのは、『なぜ投資するのか』『単なる財務的リターンの枠を超えたメリットがあるのか』が見えること。
スタートアップ側は、投資を受けることでノウハウをしっかり確立させて成長する。私たちは、そのノウハウを活用して事業を伸ばす。地方創生というビジョンをともにしながら、一緒に新しい領域に挑戦していけるかどうかが大切です」
現在は、スタートアップ企業への投資のみならず、資金調達を含めたグループ全体の資金計画にも携わっている久保。先々を見据えつつ、財務面から事業の成長を支えています。
久保 「これまでもグループの財務戦略に携わっていましたが、会社の成長に合わせて、より重要度が増してきました。財務規律を守りながらも、既存事業の拡大や新規事業のために、いつ、どのくらいの資金が必要になるかという中長期的な計画を立案し、金融機関などから資金調達をしていくことが、私のもうひとつのミッションです」
メガバンクからの転職。決め手となったのは、スタートアップ支援×地域産業
久保は新卒でメガバンクに入社し、約8年にわたり法人営業を経験。2度の転勤を経て、計3カ所でキャリアを重ねてきました。
久保 「最初は東京の下町エリアの支店に配属され、木材業者や印刷業者、下町らしいおせんべい屋などを担当していました。江戸っ子気質のお客様が多く、かわいがっていただきましたし、ときにはべらんめえ調で怒られたことも。人付き合いや人情を重視する地域は、新卒行員がいろいろ学ぶにはとてもいい環境でした」
4年目には、北海道の札幌支店へ異動。下町時代よりも大きな売上規模の企業を担当し、約4年間、企業対企業の営業作法を学びます。その後、再び東京に戻り、本社勤務となってからは、上場企業と自社の連結子会社を担当していました。
久保 「担当する企業の規模はさらに大きくなり、企業対企業の付き合い方の厳しさを学びましたし、同時に連結子会社との仕事を通して、グループ内部の折衝の難しさも体感しました」
三者三様ならぬ三支店三様の環境で、さまざまな経験を積んだ久保。責任もやりがいも大きくなりつつあったこのタイミングで転職を志した理由をこう話します。
久保 「銀行員時代、スタートアップを複数社担当していました。どこも革新的な事業をしており、社長や従業員はエネルギッシュで、大きな夢を持っていました。彼ら、彼女らの成長を後押ししたいと思いましたが、当時は銀行員としてできることは限られており、歯がゆさを感じていました。
もうひとつの理由は、大学時代にまでさかのぼります。当時私はまちづくり研究会に所属していて、町長や観光協会の方々と協力し、地域を盛り上げる活動をしていました。そこでの経験から、地域の魅力は産業が土台となっていることを知り、地域産業を支える存在になりたいと思うようになりました。私が新卒で銀行に入った理由のひとつでもあります。
スタートアップの支援と地域産業への貢献という両軸がかなう仕事を探していて出会ったのが、SBプレイヤーズ。当時、ちょうどスタートアップ投資事業を立ち上げようとするタイミングだと知り、願ってもない環境だと感じて入社を決めました」
未経験にして、スタートアップ投資の立ち上げメンバーとして飛び込んだ久保。入社後は上司のサポートのもと、試行錯誤しながら業務に慣れていきました。
久保 「立ち上げのフェーズだったため、社内に知見はありませんでした。上長がM&Aや投資に詳しい方で、その知識やノウハウを土台として、スタートアップ投資におけるルール作りから始まりました。
スタートアップと面談する中で『ここまでは求めてはいけない』『ここは投資する上で重要な観点だよね』というポイントがわかってきて、都度ルールの中に落とし込んでいっています。SBプレイヤーズならではの投資手法が、徐々に確立されてきています」
求められるのは、「この会社に投資したい」という情熱と、将来性を見極める冷静な判断
久保の入社によって、地方創生・地域活性化をテーマとしたCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)として本格的なスタートを切ったSBプレイヤーズ。ここでしか得られないやりがいがあると久保は言います。
久保 「SBプレイヤーズの投資テーマは地域活性化や地方創生につながること。このテーマを主軸に投資を行っている当社は、CVCの中でもニッチな存在。また地域活性化に関することであれば、新規事業の検討も積極的に行う文化があります。この2点を兼ね備えた組織は他にはありません」
これまで担当してきた企業の中で、久保の印象に強く残っている企業があります。それは2022年8月に投資した、米からバイオマスプラスチックをつくる企業で、初回面談から投資実行まで久保が主担当を務めました。
久保 「米作は日本の主要産業であるにも関わらず、需要減少や農業従事者の高齢化が進み、全国各地で休耕田・耕作放棄地が増え、衰退の一途をたどっています。
多くの自治体にとって米作衰退を防ぐことは喫緊の課題となっています。その会社は米由来のバイオマスプラスチック製造を通じて、非食用米生産という新たなビジネスモデルを農家に提供し、自社においても耕作放棄地を活用した非食用米の生産を行うなど、日本の米作が抱える課題に正面から向き合っていました。この会社が成長することで、米作という産業を変えることができるのではないかと感じました」
一方で、投資するからには自分たちもリターンを得なければなりません。「この企業に成長してほしい」と思う情熱と、収益性を正しく見極める冷静な判断。両方のバランスをとるのが簡単でないことは、久保自身よく承知しています。
久保 「いまだに上司から注意される部分なのですが、『どうにかこの企業に投資できないか』とつい偏った目で見てしまう部分があります。自社のお金を使って投資するからには、事業シナジー(事業的リターン)を生めるのか、一定の財務的リターンを獲得できるのか。数字や成長性については、客観的な視点を持ってシビアに見るよう心がけています」
財務面から一緒に事業を創りあげることは、事業会社ならではの醍醐味
事業シナジーを生むためのスタートアップ企業への投資、そしてグループ全体の事業拡大に向けた自社が投資を受けることを含めた財務戦略という両面からSBプレイヤーズを支える久保。銀行員時代とは異なる、事業会社ならではの醍醐味を感じています。
久保 「スタートアップ投資や自社事業の財務戦略に携わることは新しいチャレンジでしたが、自分にできることの範囲が広がっていくのを感じます。とくに、新規事業を立ち上げる際に、初期段階からその計画に携われることは、とても貴重な経験だと感じています。
銀行員時代は第三者目線で分析することが必要であり、また預金者の資金を扱う者として貸出先の『安全性』が最優先でした。現在の立場では事業会社として『安全性』に加え『成長性』『収益性』の視点も同じくらい必要で、自身の考え方の上でも日々新しい発見があります」
金融業界での経験を活かしつつ、新たな分野で自らの視野を広げてきた久保。チャレンジ精神にあふれた人とともに、資本企画室からさらなる成長を仕掛けていきたいと話します。
久保 「新しい事業を生み出す現場に立ち会える資本企画室は、幅広い業務に挑戦できる環境にあります。チャレンジを楽しめる人と一緒に、SBプレイヤーズをさらに大きくしていきたいですね」
ビジネスを拡大する上で、財務戦略は必要不可欠。仲間とともに、自社だけに留まらない新たな価値の創出をめざします。
※ 記載内容は2023年5月時点のものです
